2024/11/18 のログ
武知一実 >  
今度は沖の何かにぶつかる事も無く着水。
そのまま気長に待っていれば、小さいながらも確かなアタリがあった。
これは……期待出来るんじゃないか……?

「よし、来たっ
 魔物じゃないならもう何だって良い……!」

まあ小型のよくわからない魔物の可能性もあるから油断は禁物だが。
小型なら雷撃を一発撃てば大抵何とかなる……いや、意地でも何とかする。
今回は途中で手応えが消える事も無く、気合一発一気に引き上げ―――

―――たのが悪かったのか、糸に絡みついていた小さなタコが、すぽーんと糸から離れてリリィへと飛んで行った。

……皆は落ち着いて糸を巻いて引き上げような。

リリィ >  
「びっくりしました。」

ふすと息を抜いてお尻を撫でる。痣になってないといいんだけれど。
釣り竿を返却して少年の手腕に期待しつ、波の音に耳を傾ける。

因みに帰り道で問われたら「惑わすことはわたし(淫魔)の本領ですから!」だなんてばいんっ!と胸を張るのだそうだ。
まあ、色々細かい話はあるのだけれども、ポンコツ淫魔の戦闘スペック詳細なんて何処へ向けた需要なのかは謎なので割愛。

のんびりと過ぎていく時間は中々によいものである、と、細波の音に若干の微睡みを覚えて傍らで膝を抱えていると、少年の竿に何やらかかったらしい。
ぱちん、と弾けた音は鼻提灯の音じゃないよホントダヨ。

「がんばれかずみんさ……まぁ!?」

勢いよく引っ張り上げられたタコが、宙を舞い――目を見開くポンコツ淫魔の顔面に着地。10点!

再び尻もちをついたポンコツ淫魔が顔面にタコを貼り付けて手をばたばたさせている。

「う、うわーん!ぬるっとしますぅ!」

反省してないで助けてもろて~。

武知一実 >  
「おお、こりゃ見事な顔面受け……」

タコを顔面で受け止めたリリィを見て思わず感嘆の声が漏れてしまった。
いや、まさか顔面で受け止めるたぁ思わねえじゃん?避けるとか、叩き落とすとかすると思うじゃん?
……いや、他でもないリリィ相手にそう思ったオレが悪いと言われたらそれまでなんだが。

「ちょっと待て、すぐに取ってやるから」

糸を巻ききって竿を置き、尻餅をついているリリィを助けに掛かる。
とはいえ顔からタコ剥がすだけの簡単なお仕事……と思っていたのだが。

捕まる事を察したのか、タコはすぐさま逃げの態勢に移った。
それも、よりによってリリィの服の中へと。

「げっ、リ、リリィ。ばたばたしてねえでアンタもそのタコ押えろっ」

そこに逃げ込まれたらオレには荷が重くなり過ぎちまうっての。

リリィ >  
じたばたと手が無意味に宙を掻く。

「あっあっ、地味に、地味に吸盤がいたいです!かずみん様!」

小さくともタコ、力強い!
無理矢理剥がしたら悲惨なことになる予感がして余計に動けず右往左往していると、不意に視界が晴れた。
タコを剥がすだけの簡単なお仕事に従事せんとしていた少年の顔を見つけて目を瞬かせている内に、するりと首回りから内側へと潜っていくタコ。これなんてエロゲ?

「ひゃぁ!や、やだやだ、触手プレイは姫騎士って相場が決まってるんですよ~!?」

なんぞ口走りながら胸を抱くようにしてそれ以上の進行を阻止……できない!
谷間から潜り込んでいきやがるこのタコ介!

「あっちょ、やめっ……!」



~ しばらくお待ちください ~



「……もうオヨメにいけない……。」

しくしくと泣きながら顔を覆う淫魔と、少年の手にとらわれたタコがいるのであった。

武知一実 >  
助けはするが最低限はリリィ自身も抵抗して貰いてえところだな!いやオレが悪いんだけど!
と、じたばたするリリィからの救援要請に応えようとするも、顔からタコの退いたリリィと目が合い。きょとんとした顔に一瞬呆気にとられる。
しかしその間もタコは懸命に逃亡を続け、リリィの抵抗も空振りし――――



~ すごい疲れることがあった ~



「……行く気あったんだな、一応……」

色んな犠牲(気力とか)を払った末にようやく捕獲したタコは先のイカ同様電気で〆てクーラーボックスへ。
イカはともかくタコの方は色々と食うのに勇気が要るだろうなあ、これ……。
にしても、あんなふうに……なるんだな……うん。

リリィ >  
ぜぇはぁと荒い息を繰り返す。

「どういう意味ですか、それ……。いや、正直ないですけど……。」

ツッコミにもキレがない。タコこわい。
何かを反芻しているような少年を後目に漸く整ってきた息を長く吐いて肩を落とした。

「うぅ、服の中がぬるぬるしますぅ……今日は引きあげましょう。
 シャワー浴びたい……。吸精の前にお借りしていいですか?」

げっそりしながら少年に問い、片付けを手伝いながら帰宅の準備。

武知一実 >  
「無いのかよ。
 まあ、いざとなったらオレが責任取るからよ」

ふるふると首を振って今見た事を追い出す。
追い出しはするけれど……何かの拍子に思い出す事もあるんだろう。はぁ……。

「ああ、そうだな。結局カワハギは釣れねえか……
 あ?シャワー?……まあ、断る理由もねえし、構わねえけど」

ついでに洗濯もしちまうか、と片づけをしながら考える。
そうしたら服が乾くまでの間リリィに着せとくもんが必要で……まあ、あるから良いか。
リリィと手分けして片づけを終え、やつれた顔のリリィと共にオレたちは防波堤を後にしたのだった。

ご案内:「常世港 防波堤」からリリィさんが去りました。
ご案内:「常世港 防波堤」から武知一実さんが去りました。