2024/12/31 のログ
ご案内:「浜辺」に追影切人さんが現れました。
■追影切人 > ――新たな年を迎えるその間際。深夜の浜辺――釣りスポットでもある桟橋の先端。
「……夜釣りするんのも久々だな。」
釣り糸を垂らしながら、ラフな姿勢で腰を下ろして呟く隻眼のチンピラ風の野郎が一人。
この時間帯、そして新年をもうすぐ迎える頃合。男以外に人気は全く無い。
そもそも、わざわざここでこんな時間に釣りをしている奴も極少数派だろう。
今の所、特に釣果は何にも無い――が、そうした時間を楽しむのが釣りのコツらしい。
今生きてるか死んでるかも分からない”誰かさん”がよく言ってた事だ。
■追影切人 > 今年は――今年”も”色々まぁあった。転機を迎えるような出来事もあった。
――新年が一段落したら、またしんどい仕事が待っているが…ある意味何時も通りだ。
「……ちょっとは成長…なんて言っていいのか分からねぇが…まぁ、人間ぽくはなってるんかね。」
刃でいい、そういうモノで在り続けたい。正直今も根底にあるその思いは変わっていない。
一つ、決定的に変わったのは――”心在る刃”たらんと茨の道を定めた事。
勿論、だからといっていきなり男の性根が入れ替わる事も無ければ、変化は遅々としたもの。
だけれど――…
「…まぁ、くっそ弱くなってるのはどうしようもねぇが…地道にやってくしかねぇか。」
だから、剣術を習い始めもしたし、誰かに頼る事も学び始めた。
――他者と目線を合わせろ。周りを頼れ、そして…決して無駄死にはするな。
「――ハッ……どのみち長生き出来るような立場でも性格でもねーんだけどな。」
■追影切人 > ――と、反応があった。反射的に竿を引き上げそうになるが、思い直して少し様子見。
釣りは魚共との勝負…駆け引きだ。落ち着いて、タイミングを見計らう。
――――引き上げた。何か手足ぽいのが生えた絶妙にキモい魚が釣れた。なんじゃこりゃ。
「―――取り敢えずチェンジで。」
迷いもなく即断即決でリリースした。どう見ても食えそうにないし食う気も起きん。
最初のヒットがこれとは…もしかしたら最後かもしれないが。
■追影切人 > ――ちらり、と携帯端末を取り出して時間を見る。ぼちぼちか。
新年を迎えるまで、と適当に釣りの時間を決めていたがそろそろ終わりらしい。
…さっきのキモ魚が本当に今夜唯一の釣果とか、何か縁起が悪い気もするが。
「…まぁ、”凶”刃だしな…運勢なんてそんなモンか。」
既に折れてはいるけれど。コードネームとか変えて貰えたりするんかね…。
ともあれ、さっさと釣り用具を片付けてから気だるそうに立ち上がって。
夜明けまではまだまだ遠く、されど新年はすぐそこに。