2024/11/03 のログ
ご案内:「常世神社【イベント開催中】」にリリィさんが現れました。
ご案内:「常世神社【イベント開催中】」に武知一実さんが現れました。
■リリィ >
常世神社、その境内。
普段は厳かな雰囲気であろうそこは本日菓祖祭ということで、出店や参拝者で賑わっていた。
鳥居を潜って参道を歩く中、自然と人を避けて道の端を歩む。
「知ってます?参道を歩く時って、真ん中を歩いちゃいけないらしいですよ。
えーと、確か神さまの通り道だから、だったかな?」
悪魔の口からそんな作法が飛び出てくるのは違和感もあるだろうか。
当の本淫魔に気にした様子がないが。
端っこに寄り過ぎて石畳を踏み外し、ちょいと躓いたりもするのはご愛嬌。
擦れた玉砂利が音を立てた。ジャリっとね。砂利だけにね。
■武知一実 >
「へえ、神様の通り道ねえ……」
隣を歩く淫魔の口から凡そ淫魔らしくない蘊蓄が飛び出してきたが、この日の為に調べたんだろう。
だから特段ツッコむでもなく、相槌を返しつつ参道を進む。
正直に言えば、オレは神様の類に一切敬意を表するつもりは無いので、ド真ん中を進んで行っても良いのだが。
まあ、そんな事でわざわざ人の多い参道の中央を陣取る事も無かろうというのと、
「あっ、ほらまた。
神様が通るんだか何だか知らねえが、だからってアンタがズッコケてどうすんだよ」
油断してるとリリィがいつ素っ転ぶか分かったもんじゃない方が気掛かりだ。
石畳を踏み外した際に腕を掴み、そのまま強引に引き寄せる。
玉砂利の上でコケたら痛いぞ。それと歩く時オノマトペ発するの禁止にしたろか。
溜息を零しながらもリリィの腕を引っ掴んだまま周囲を見渡す。
出店も人も大入りだ。まあこういう催事は大抵の奴ぁ好きだもんな。
■リリィ >
引き寄せられて踏鞴を踏む。
「す、すみません、助かりました、ありがとうございます。」
ドヤ顔で知識披露してたら躓いて助けられるなんて、なんとも締まらない。
が、らしいといえばらしいのかもしれない。
オノマトペ禁止されたら歩けなくなってしまうので勘弁してもらう為にもきちんと気をつけて歩こうと背筋を伸ばすが、少年の手が離れる素振りはない。
不思議に思ってキョトンとした顔を少年へ向ければ、周囲を気にする姿を見つけた。
「なにか気になるものでもありました?」
菓祖祭自体は初めてだとしても、夜店だの出店だの、所謂祭りの浮ついた空気を知らぬわけではあるまい。
……違うよね?いやでも、
腕を掴まれた体勢のまま、ぱちぱちと瞬きを繰り返して少年を窺う。
その視線の先を辿れば、興味をひいたものでも見つけられるだろうか。
■武知一実 >
「……いや、別に。
こんなに人が来るもんなんだな、って感心してただけだ」
特に興味を引いたものがあったわけじゃない。
よくもまあ神社に人がこんなに集まるもんだ、と感心していたに過ぎない。
信仰……とは毛色が違う気もするが。
「それよか、リリィは淫魔なんだよな?
神社に来て、調子が悪いとかそういうのは無いのか?」
一応、魔の者なんだから息苦しさを覚えたりとかしねえのだろうか。
しなさそうな気はするが、一応聞いておく。一応。
無理をしている気配があれば、境内から即座に撤退するつもりだ。 学生街とかでも関連した催しは行われてるようだしな。
■リリィ >
「ああ。」
得心がいけば少年と同じように周囲を見渡す。
やはり目立つのは柑橘類を使ったお菓子の屋台だろうか。なにせ数が多い。
次に目に映ったのは茶会。毛氈が敷かれたエリアはやたらと雅でよく目立つ。点茶体験も出来るようだ。撤下品の一部をつかっているんだろうか。
他には神輿やその担ぎ手、神々しく飾り立てられた馬もいる。
「……結構規模の大きなお祭りですからね。
皆さん楽しそうです。」
ハロウィンほどの混雑はないが、それでも賑わっていることには違いない。
楽しげな笑顔が並んでいるのを前髪の下で瞳を細めて見ていたが、
「はい?えぇ、そうですけど……?」
今更何をと首を傾げていれば、どうやら心配してくれている様子。
そうと気付けば自然と笑みを浮かべていた。
「大丈夫ですよ、特に不調はありません。
きっと神さまも見逃してくださっているんでしょう。粗相しないよう気をつけなくちゃ、ですね?」
適当なことを告げているが、実際何処にも不具合はない。
安心させるべく笑みを深める。
が、ちらほらと姿の見える祭祀局の人たちに睨まれたらポンコツ淫魔なぞひとたまりもないだろう。大人しくしていなければなるまい。
今のポンコツ淫魔は無害なただの参拝者デス。お祭りを楽しんでいるだけデス。
そんな風に済ました顔して、少年を近場の出店へ誘う。
「見てください、みかん飴ですって。」
りんご飴でも、いちご飴でも、ぶどう飴でもない。みかん飴。
■武知一実 >
「こういうデカい祭に来るの、初めてでよ。
……ハロウィンみてえな海外の催事じゃなくて日本の、となると尚更物珍しく思えてな」
……まあ、嘘は言ってない。嘘は。
リリィの奴変なとこで目敏いから、なるべく平静を装う事にしよう。
内心複雑なのを気取られない様にすりゃ良い……いつもの事だ。
「……そうか、調子悪くなったらいつでも言えよ?」
そんな気の利いた事するもんかねえ、と思うが口にも顔にも出さない。
今はただ、偏にリリィの体調を案じておけばいい。
ついでに何かやらかして祭祀の奴らに目を付けられない様にもしねえと。
……地味にやること多いな今回も!
「みかん飴……?」
まあ果物を水あめで固めるだけだから、そりゃみかんも飴に出来るだろうとは思うものの。
祭の出店でわざわざ出すとは珍しいな。
「食いてえなら一つ買ってみるか?」
■リリィ >
「これからいっぱい来る機会もありますよ。」
さてポンコツはと言えば、察しているのかいないのか。
ニコニコ笑いながらこの先あるであろうイベントごとを指折り数えている。
「次はクリスマスでしょう、すぐお正月がきて、雪まつり……のようなものはあるのかな?
春はお花見があるでしょう。夏こそお祭りの本番!って感じがしますし。花火大会とか。楽しみですねぇ。」
こうしてポンコツ淫魔と下調べを兼ねて体験したら、友人を誘って遊びに繰り出すのもいいだろう。
不確かだけど、平和で幸福な日々を思い描いては呑気に笑う。
「はーい。」
間延びした返事。
すっかり保護者ムーヴが板についた少年と世話を焼かれることに慣れきったポンコツ淫魔である。あれ?なんかおかしくない??
「ね、ちょっと珍しいですよね。
買いましょう!かずみん様は食べないんですか?」
店の前のちょっとした列に並んで順番を待つ。
■武知一実 >
「夏ならこないだ過ぎたばっかりだけどな」
まあ、この分なら一年なんてあっという間だろう。
今から夏のイベントを楽しみにしているリリィに呆れつつも、何だかんだオレも楽しみになっていることに気付く。
今年の夏は、そういやコイツと知り合ってなかったんだもんな……。
「ああ、オレはい……いや、オレも食うか。
2つ買っておいて損はねえだろ」
正直、そこまでこの場所で物を食う気は無かったものの、かと言ってリリィ一人に買わせるのも気が引ける。
取り合えず買うだけ買っておいて、リリィにやるか、最悪持ち帰って家で食うでも良いか。
「にしても……」
ハロウィン同様、やたら男女のペアを見かける様な……
というか、男女ペアか女子同士のペアは見ても、男同士のペアはあんまり見かけねえな。
やっぱり男だけで菓子の祭には来辛いんだろうか……
■リリィ >
「んもう、つれないこと言うんですから。」
ぷくと頬を片方膨らませて拗ねてみせるが本気じゃない。
すぐに空気を抜いて柔らかくなった自身の頬に人差し指を添えてクイっと上へ持ち上げてみせる。
「ほら、こーやって笑って、「来年の夏が楽しみだな!」くらいは言ってくださいよ。」
にこっ!と明るく笑って見せる。リピートアフターミー?
「あんまりおなか空いてない感じです?味が気になる程度だったら、一口差し上げましょうか。」
思えばこの少年は食に関する関心が薄い気がする。ポンコツが大飯喰らいすぎるのだということを差し置いても、だ。
無理することはないのだと言い含めている内に短い列は捌けて自分たちの番。
少年が望むならふたつ、そうでないならひとつ購入して脇へ避ける。
「にしても?」
途切れた言葉の先を想像しきらずに首を傾げた。
もう一度辺りを見回す。一団であらば男だらけの群れも見つかるが、ペアとなれば男女が多いのもさもありなん。
■武知一実 >
「んな事、いちいち言うまでもねえだろがよ」
何言ってんだコイツは、ンな事わざわざ笑って言う事か?
いや、普通は言うのかもしれん……言うか? いや、ううむ……
まあ当たり前の事でも口に出さんと伝わらない、って事はままある事らしいしな。
「……はいはい、楽しみにしてっから来年もちゃんと隣に居ろよ?」
……これで良いか? ともすれば空腹で倒れ伏してるような淫魔だ、釘刺しとかねえとどこで野垂れるか分かったもんじゃねえしな。
「いや、腹が減ってねえ訳じゃねえんだが……
アンタから一口貰うなんて、そんな非道な真似出来るわけねえだろ……!」
2つ買え、そして1つは食え。 無言の圧と共に目で訴えるオレが居たのだった。
「いや、にしてもこういう場でもカップルで来るのが多いんだなと思ってよ」
まあ、男女ペアの皆が皆カップルという訳でもない事は分かっちゃいるんだが。
きょうだいかもしれないし、オレらみたいにニュービーを散歩させる飼い主みたいな関係の奴らも居るかもしれん。
それに同性ペアの方がカップルだって可能性もあるし、一概に言い切れんことではあるとは思うんだが。
■リリィ >
「鏡持ってきましょうか?」
眉間に皺を寄せて泣く子もより泣きそうな目付きをしておいて、というのは胸の内に含めておくけども。
「んっぐ!?ぇほ、げほっ!」
むぅと口を尖らせていればまさかの原作改変(?)である。
予想外のところからぶん殴られた心地にて、咽ること暫し。
「どうしてそうワードチョイスが変に極端なんですか……!」
鼻の奥のツンとした痛みに涙を滲ませながら息も絶え絶えツッコむので精一杯。
いっそ狙っているんであればポンコツ淫魔とて淫魔の端くれ、多分恐らくきっと躱すことだってできるだろうに、この少年はそうじゃないから始末に負えん。
恨めしげなジト目で少年を睨む。
「非道とは??」
どんだけ食いしん坊だと思われているのか。……いや、食いしん坊だけれども。
肩を落として道の脇で包装を剥ぎ、まるごと蜜柑を守る飴に挑むのであった。がじがじ。
「ああ、そうですね。
多分ですけど、クリスマスが近いからじゃないですか?」
何気なしに告げて、難攻不落の飴に歯を立てながら今しも通り過ぎていく初々しいカップルを見つめる。
クリスマス。カップルたちの性夜の裏では、幾人ものぼっちが涙で枕を濡らしているのか。
淫魔的にはたぶんかき入れ時ってやつなんだろうなぁ、と、ぼんやり考える。
■武知一実 >
「何なんだよ。 ホント何なんだよ」
言えっつったかと思えば咽たりと失礼なやっちゃな。
急に咳き込み始めるからまわりが変な目で見て来るじゃねえか、はよ落ち着けよ。
と、咽るリリィを落ち着かせること暫しである、こっちは。
「どこが極端だっつーんだよ、これまで通りにしてろって意味じゃねえか」
ホント何を言ってるんだかコイツは。
別に何もおかしい事言ってねえだろ、ハロウィンと言い今回と言い、大抵隣に居んだからよ。来年もそうあれって言っただけじゃねえか。
そんな目で睨むくらい恨まれる筋合いも何も無いんだが。いやマジで。
「そのまんまの意味だろ。 人の道に反した行いというか……」
そんなに難しい意味合いで使ってるつもりはねえんだが。
それとも何か、もう少し優しい言葉で言うべきだったか?
「クリスマス……ああ、話には聞いたことがある。
海外の宗教に関連した年末のイベントだよな……ホント、宗教好きだよな人間って」
東洋も西洋も、その辺は変わらねえと思う。
まあその良いとこ取りをして理由つけて騒ごうとする日本人には何とも言えねえ気持ちになるが。
それで、何でクリスマスが近いとカップルが増えんだ??
■リリィ >
それはこっちのセリフだと言いたいのをぐっと堪えて飴をガジガジガジガジ。
段々と溶けて薄くなった装甲に薄くひび割れが広がっていく。
糖分がじわりと頭に染みていく中で、どう言ったものかと言葉を組み立てながら少年の声を聞いている。
と、人の道に反した行い、なんて聞こえてきた。ポンコツ淫魔から食べ物を一口譲られることは、人の道に反した行いなのか。そうなのか。
「かずみん様がわたしのことをどう思ってるかはよっくわかりました。」
そして思い返せば反論も出来る筈もなく、それに関してはスンとした顔で甘んじて受けておくことにする。
話題がそのままクリスマスのことに移ろえば、成る程少年はクリスマスをそう受け取るのか、と、先んじた話題も含めて得心がいく。
んー、と、間延びした声で沈黙を埋めて、飴のひとかけを噛み砕いた。
「宗教好きっていうか、お祭りが好きなんでしょう。特に日本人はそのケが強い気がしますね。ハロウィンみたいな他国のお祭りにも乗っかりますし。
まあ、クリスマスに関しては少し毛色が違いますが。」
飴の装甲が剥がれ、その奥の蜜柑に歯先を立てる。と、当然果汁が噴きだすから、慌てて口で塞ぐ。果汁を啜りながら一口分削り取ってはもぐもぐと。
「かずみん様って、その……めしべとおしべ……いや、これは飛躍し過ぎ……、
えー……と、そうだ、ご友人と恋バナとかしないんです?」
悩んだ結果、すごい迂遠になった。