この学園に居住する、異世界からの客である「異邦人」たちのために作られた異邦人街には、大通りと商店街が存在する。
異邦人たちの文化を自由に受け入れているため、学生街などとはかなり趣を異にする。
異邦人たちの元の世界の再現し、その心を慰めるのも目的の一つである。
大通りは異邦人街のメインストリートで、学生・教職員居住区にも繋がっている。またそれに併設されるように異邦人のための商店街なども作られている。
異邦人たちの自治に任されているため、常世島でも特に自由なエリアである。
加えて、住宅街も広がっている。
異邦人のために作られた住宅の並ぶ住宅街。
それぞれの文化を尊重して作られているため、様々な種類の家屋が建てられている。
異邦人が必ずこの住宅街に住まなければいけないというわけではない。逆にこの世界出身の住民が異邦人街に住んでも問題はない。
※フリー設定ルームとして設定しています。部屋説明に準拠する形で、異邦人街にある施設や住居などとして部屋を設定することができます。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:11:27 更新
ご案内:「異邦人街」から武知一実さんが去りました。
ご案内:「異邦人街」から古鐘 瑠璃さんが去りました。
■武知一実 >
「剣と魔法……」
その割にはさっきのガジェットはファンタジーとは縁遠い。
服装も剣と魔法って感じはしねえな、制服と白衣って。
強いて言えば体型が現実離れってとこか?
つかオレの遭遇する腹ペコ女子って、なんで腹ペコな割にしっかり育ってんだろうな。
「ああ、まあそれっぽく聞こえるし納得は出来る。
分かった分かった、つっても、オレこの辺の飯屋知らねえから、どっか良い店知ってんなら案内してくれよ」
別に技術だけ売っちまえば良いんじゃないだろうか。
企業に属さなくても技術提供だけしてる、なんて今日び珍しくも無いだろう。
けどまあ、何か事情があるんだろう。そう言う奴も多くて珍しくもない。
そんな事を考えていたら、手を掴まれ、そのまま強引に引っ張られる形でその場を離れる事となった。
■古鐘 瑠璃 > 「剣と魔法の世界なのですよ」
なんともファンタジーな世界からやってきた。
やってきた割にさっきのガジェットはどう考えても現代技術の科学より上の代物だ。
だが、そういうものを企業に売りつけると言う発想はなくて。
「企業に縛られるよりは瑠璃は自由な鳥でいたいのです。
そんなことよりもかずみんお兄さん、さあ、ご飯を食べにいくのです」
意味深なことを呟いてから気を取り直し。
そう言えば強引に手を掴んでしまい。
ぐいぐい、と引っ張っていこうとするだろう。
■武知一実 >
「いや、売り付けようとした物をそのままお礼に使うんじゃねえよ。
まあ、貰っとく、けど……」
ここで断ったらどんなトンチキアクセサリが飛び出てくるか分からない。
効果はどうにも手に入れた経緯含めて信用ならないが、デザインは割と気に入った。
動物、懐かれねえからこういう、モチーフってだけでもちょっと癒されるんだよな。
……ラッキーになるかどうかは、この際だからどうでも良いか。
「一体どんな世界から来たんだアンタ……
収納ガジェットの技術の方が売れると思うぞ、主に企業に。
さすがにオレもそこまで詳しい訳じゃねえが、少なくともここでアクセサリ売ってるよりはよっぽど儲けが出るんじゃねえか?」
その代わり何かと面倒な誓約もついて来そうな気がするけど。
そこは学園から代理人を立てたりすれば上手く行くんじゃねえかなあ。
■古鐘 瑠璃 > 「蒙昧な瑠璃の目を開いてくれたお礼にこれはあげるのです」
かずみんは うさぎのしっぽ をてにいれた。
そうびちゅう LUK があがるぞ!
「……?
ただの収納ガジェットなのです。
そしてただのインベントリなのです」
商品価値が高そうな光景に関しては何をと言わんばかりに疑問そうだ。
こいつぁ価値観のすり合わせが必要そうですぜ旦那ぁ……!!
■武知一実 >
「そして売る側がそれで納得すんじゃねえよ」
商売する気あんのかコイツ……と本気で疑わざるを得ない。
多分金欠で食費も出せなくなってきたから、自分で作ったもんを売って飯代を稼ごうって事だったんだと思うんだけども。
何だかもっと違う(ツッコミどころ満載な)理由が出て来そうで怖くて聞くに聞けねえ……!
「今すぐに?……て、店はどうすん
……えええ、何それどうなってんだよ!?
店が小さくなったのもそうだけど、そんでそれを何処に仕舞ったんだよ!?」
は?え?は?今まで見せられていた胡乱な商品と比べてだいぶ商品価値のありそうな光景が飛び出してきた。
正直なところだいぶ理解が追い付かない。
自分でも分かるほど呆気に取られた顔で古鐘を見下ろす。
■古鐘 瑠璃 > 「その発想はなかったのです……迂闊だったのです」
それは完全に見落としていた。
目からウロコとはまさにことことか。
蒙昧さを気づかせてくれたことに感謝の祈りを捧げて。
「それならばよかったのです。
お腹ぺこぺこだったのです。
それではこれから今すぐに行くのです」
そう言えば、ぽん、と露店にタッチすれば、メカニカルな音をあげて格納されていき、最終的には手のひらに収まるほどのサイズに。
そして、それを異空間に格納してしまう。
この一瞬で何か目を疑うような光景が2つも繰り出された。
■武知一実 >
「幸運を呼ぶお守りを売り付けられそうになってる時点でもう不幸だろ」
商魂逞しいと言えば良いのか、形振り構わず金を稼ぎたい程に貧窮しているのか。
けれどまあ、身形も服装もボロい感じはしねえし、単に今腹が減ってるってだけなんだろうか。
……だからどうしてこう高頻度で腹ペコ女子と出くわすんだろうなオレ。
「分かった、分かったから!
オレも丁度メシ探そうとしてたとこだし、奢るから一旦落ち着け。
頼むからツッコミ疲れで喉がどうにかなりそうな状況を一旦止めてくれ」
もう奢りで良いよ、バイト代貰ってるし……。
と若干弱気になる程度には今の状況は何とかしたかった。あんまり近寄り過ぎられると困っちまうし。
別に柔らかそうなのがオレの身体に当たりそうで困ってるとかじゃないから。たぶん。めいびー。
■古鐘 瑠璃 > 「仕方ないのです。じゃあよくありがちでかつ有名なこれならどうなのですか」
可愛いうさぎさんが後ろを振り返ってるキーホルダーだ。
うさぎのしっぽのもふさがチャーミング。
「幸運を呼ぶおまもりです。これなら430円でいいのです。
ですからかずみんお兄さん、私の今日のご飯に突撃晩ごはんさせるのです」
アホ毛が揺れる。
ちまっこい割に……そう、出るところは出ているのだ。
黄金の瞳はじぃ、と見つめる。
「それともかずみんお兄さんが奢ってくれると言うのですか!
今日の!! 晩ごはん!!」
どうしてそうなった。
■武知一実 >
「ゲーム的に言わんで良い!」
実際どれくらいの速度で怪我が治りやすいのかさっぱり分からん。
いや説明されても困るが、大変困るが。
もういっそ幸運を呼ぶお守りとか曖昧な文句で売れば良いんじゃねえって感じもしてくる。
「いや言い方ァ!一応異邦人街とはいえ、人目もあるんだから言い方気を付けろって!
ちゃっかり値上げしてやがるし、普通そこは値下げして揺さぶりを掛けるところじゃねえのか……」
オーケーわかったいったんおちつこ、それ以上近寄るなこわい。
しかし近づいたのを改めてみれば、だいぶちまっこい奴と言うか……何か色々アンバランスと言うか。
■古鐘 瑠璃 > 「ゲーム的に言うなら毎秒HPが3%回復するのです」
チート効果であった。
ゲームでならば。
ゲームでならなぁッ!!
実際にHPなんて数値はねえんだよ!!
「そうなのです。かずみんお兄さんが今日の私のご飯となるのです
さあ。550円なのです。かずみんお兄さん、私のご飯になってくださいなのです」
あれ、値上がってる。
ずずい、ずずい、と這い寄る白衣。
■武知一実 >
「いや、そういう事じゃなくてな……そういう事、か……?」
プラシーボ効果だけで充分なんだが、と言いかけたところで瑠璃がやたらと得意げに手を合わせた。
その手に向かって光が収束し、原理がよく分からねえけどもキーホルダーが完成する。
これが、錬金術……? いや、錬金術師がしたんだから、錬金術なんだろう。
「と言うことで、じゃねえんだわ。
今の流れでリジェネ効果を期待しろって方が無理だわ」
500円は確かにお安いけれども。
普通のただのキーホルダーとして売れば良いものを、何で胡散臭い効果を喧伝するんだコイツは。
黙って金銭の受け渡しだけしてりゃあ良いものを。
見た目も良いのに……いや、服装……制服に白衣は物売るって格好じゃねえな……?
「お兄さんって言われるほど歳も離れてねえと思うんだが、古鐘とは。
って、オレに売る気なのかよリジェネ付きキーホルダー!?
つーか本ッ当に今まで売れてなかったんだな、若い身空でそんなぎりぎりの生活すんなよ!?」
いや、もしかすると単純に飯代が500円ってだけで、生活は普通に送れてるのかしれねえが。
それにしては息巻いて寄って来る古鐘に若干引く。
■古鐘 瑠璃 > 「なるほど……怪我の回復が早くなる。
つまりリジェネ効果のあるアクセサリーなどがいいのですね。
あるのです!!」
できらぁッ!!
そう言わんばかりにぱんっと言う音とともに両手を合わせれば。
不思議な光が収束していき、そして一つのキーホルダーが出来上がった。
なんだこれ。なんだこれ。
錬金術です。
「と言うことでリジェネ効果のあるキーホルダーなのです。
500円でどうなのですか!!」
安い!! 出来もいい!!
でも売り文句は怪しい!!
やはりこの娘を黙らせた方が普通に売れる予想は正しい気がするだろう。
黙ってさえいれば見目も整ってるだけあって、売り子としては最適だ。
飛び出す文句が怪しくなければデザインも値段もあって売れていただろう。
「そうなのですか。かずみんお兄さん。
で、これ500円でどうなのでしょうか。
今日の瑠璃のご飯代になるのです」
ずずい。ずずい。寄ってきた。
ちんまいのが寄ってきた。
■武知一実 >
「ああ、異邦人。なるほど。
だったら尚の事、こっちの世界に応じた商品や売り方ってのを覚えねえとな」
異世界では爆売れだった、と。なるほどなるほど。命が安いような、そういう世界もあるだろう。
いや同じ感覚で物売るんじゃねえよ……!
「言うほど荒事が多い訳じゃねえぞ、言うほど。
まあ、喧嘩みてえな小競り合いは日常茶飯事だから、怪我が早く治るとかその程度で良いんじゃねえか」
あるいは落第街の方でなら売れそうな気もするが。
向こうは売り買い以前に奪って行かれそうという印象が強い。さすがにそこまで末法じゃねえと思うけど。
「まだ何か……あー、確かにこういうのの方が良いんじゃねえか。
動物マスコットみたいなのは流行ってるって聞いた覚えがあるし、足が速くなったり足音が立たなく……」
オレは頭を抱えた。
この店で売り上げを出す一番の方法は、店主を黙らせておくことかもしれない、と半ば本気で思う。
さっきのアクセサリもデザインは学生ウケしそうなんだけどな……!
「この島に居んのは基本的に学生だからな。
冒険者もゼロってわけじゃないが、商売やってく相手としては細過ぎんだろ」
アホ毛がヘタるのを見て、少し可哀そうな気がしてきてしまう。
いや、単にコイツが商売下手なだけだが。紛れもない自業自得なんだが。
「え? ああ、オレの名前?
武知一実、ただの学生だ。良ければかずみんって呼んでくれ」