2024/06/02 のログ
ご案内:「異邦人街」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■蘇芳 那由他 > 昼間の草刈りと、某先輩兼友人となった少年との出会いを終えて数時間後。
少年の姿は男子寮の自室…ではなく、何故か異邦人街にあった。しかし…。
「……あ、これ完全に迷子になってるな僕。」
自分の方向音痴、というか空間認識能力の一部に問題があるのは知っている。
だけど、何処かでまだ甘く見ていたのかもしれない…結果絶賛迷子だ。
(…浩平が言ってた”麺処たな香”…だっけ。この街にあるみたいだから下見しに来たつもりだったんだけどなぁ。)
完全に裏目に出ているのが今の僕です。はい、自業自得ですね…反省。
右を見ても左を見ても、知己の一人も見当たらない…そもそも、僕の知り合いって全然まだ居なかったな。
「…風紀の人もこっち巡回とかしてるだろうし、最悪声を掛けて連れて行って貰おうかな…。」
周囲の人達に聞いてもいいのだが、それに従ったとしても別の場所に迷い込みそうな気が…。
この時点で、何時か言われた携帯端末でナビ機能使えばいいのでは?という指摘が抜け落ちていた。
■蘇芳 那由他 > でも、こうして往来を眺めていると学生地区とは街並みも空気も、人々の服装なども本当に違う。
当たり前といえば当たり前の事なのに、妙に新鮮に感じてしまうなぁ。
「……あ、すみません。」
考えたら道のど真ん中で立ち止まっていたのだった。通行人に注意されてぺこりと頭を下げつつ。
取り敢えず邪魔にならないように通りの端っこに移動しておこうか。
「…もう夕方だし、そろそろ帰らないといけないんだけど…。」
商店街の特売セールが確かあった筈だ。あのコロッケとメンチカツは中々に絶品。
それを逃すのはちょっと惜しい…大人しく寮でゆっくりすれば良かったかもしれない。
(でも、下見ってやっぱり大事だと思うし…。)
大事ではあるが、それで迷子になっては元も子もないのだ。今の少年がそれ。
■蘇芳 那由他 > 「……あ。」
ここで少年、やっと携帯端末のナビ機能を使えばいいじゃないか!と、思い至る。
ポケットから携帯端末を取り出してナビ機能を起動――…
【圏外です】
「………うん?」
携帯端末の画面を眺めて、少年は一度眼を擦ってからもう一度確認。やっぱり圏外。
…電波的なものが届いていない?嘘だろ…そんな問題なんてある筈が。
(…何か原因がある筈。携帯端末は故障はしていない筈だし、そうなると―ー)
と、少年がふと視界の端に何かを捉えた。そちらを眺めると、ちょっと離れた区画から放電現象と煙が発生している。
何か事件?事故?だろうか。あちらの方が少し慌ただしいのはそれが理由か。
「……もしかして、あれが原因…なのかな?」
あれは…多分、魔法的な事故か何かだろうか?
その電撃だかの余波で電波にも影響が出ている?
生憎と、科学も魔術も僕はさっぱりだから見当がつかないけど。
(どのみち、ナビ機能が使えないとなると……詰んだかな、これ。)
…さらば特売セールタイム…次の週末こそ絶対食べるんだ…と、空を見上げて誓う。