2024/09/06 のログ
ご案内:「異邦人街 不思議なお祭り」に焔城鳴火さんが現れました。
ご案内:「異邦人街 不思議なお祭り」に黒羽 瑠音さんが現れました。
焔城鳴火 >  
「あー、大丈夫、ちょっと切っただけ――って」

 手早く治療アイテムを取り出した彼女を見て、苦笑した。
 大やけど一歩手前で保健室に駆け込んできた頃に比べて、本当に頼もしい子になったと嬉しくなってしまう。

「助かるわ、ほんとに。
 でも人通りの中だと邪魔になるし――」

 青い灯りの中で、露店と屋台の向こうへ目を凝らし。

「――そっちの外れに、ベンチがあるみたい。
 そこまで行きましょ」

 そう言って、商店街の通りから脇道に少し入った場所を示す。
 そこは薄暗いが、人通りからも外れており、休むには丁度いいところだろう。
 

黒羽 瑠音 >   
「あ、それもそうですね」

急いで絆創膏を貼ろうとして気づく、周囲の微笑ましそうな目になんだかちょっと照れ臭くなって

「はい、体もお腹も動かしましたし、一度休憩ですね!」

先生の手を引いて、足元気をつけてくださいね、と声をかける

「よいしょ、っと」

ベンチの方まで歩いて行って、先生に座ってもらおう、そうしたら改めて塗り薬と絆創膏の出番だ

「ドラッグストアで買ったやつですけど……」

所謂市販品というやつだけど、まぁ流石にそれ以上は大げさすぎるよね、でもこういうの、結構生々しくて痛そうだからなぁ……

焔城鳴火 >  
「あ――」

 当たり前のように手を引いて、気遣ってくれる。
 彼女のその、自然な優しさと暖かさが、懐かしくて切なくて、胸が苦しくなりそうで。

「――大丈夫、大丈夫、こんなの消毒だけしておけばだいじょ――うわ」

 彼女にそう答えながら足袋を脱いでみると、想像以上にザックリと指の間が裂けていた。
 深さもそうだが、傷口がぐちゃ、としてるのがなかなかにグロテスクだ。

「あー、ごめん、消毒と、薬を多めに塗って、絆創膏いくつか重ねて貰える?
 痛みは平気なんだけど、流石にこのまま歩くとやばそう」

 自分に呆れたように、額に手を当てながらため息をつく。
 重傷ではないが、この傷に何も被せ物をしないまま歩いたら、スプラッター映画のようになりそうだ。

「久々にやっちゃったわ。
 痛覚がダメだと、気づくの遅れるのよね」

 正常な感覚があれば、ここまでの傷になる前に痛みに気づくはずなのだ。
 鳴火の非常に鈍い痛覚は、祭りに――彼女との時間に浮かれていたのもあって、傷に気づかせてくれなかったのだ。
 

黒羽 瑠音 >   
「ふふ、医者の不養生… とはちょっと違うか」

うわぁ、と見れば見るほど赤が映えて、ちょっとぞわぞわしてしまう

「先生、いつもこういうの見てるんですよね、そう考えると大変だなぁ…… 今度は包帯も用意しておこうっと」

「染みますよ~~?」

何てちょんちょん、とガーゼに染み込ませた消毒液で拭いてから、薬を厚めに塗って絆創膏をぺたぺたと張る

「そうそう、先生は痛覚がダメなんですからもっと気をつけ……痛覚?」

ぽろりと零れた言葉につい問い返してしまう

焔城鳴火 >  
「私の不養生なんて、あんた、しょっちゅうみてるじゃない」

 くっく、と笑ってしまう。
 散々、彼女には甘え続けてきたような気がした。
 教師らしい事なんて、それこそ最初に会った時くらいしか出来てなかったんじゃないだろうかと思うくらい。

「そうでもない――とも言えないか。
 こういうのがダメで、医学部脱落するヤツも結構いんのよね」

 同期にも結構な数、脱落した学生が居たものだ。
 沁みると言われて触れられても、どことなく鈍い痛みがするくらい。
 しっかり指示通り手際よく手当をする様子を見ると、彼女が医者に向いてそうだと思った事を思い出す。

「――ん?
 あれ、言ってなかったっけ。
 私、痛覚がほとんど麻痺してんのよ」

 と、問い返された声に、なんてことなさそうな口調で答えた。
 

黒羽 瑠音 >   
「それ、自分で言います?」

何てくすくすと笑い返しながら、先生の手当てを進める

「よし、っと……こんなものですかね?」

あくまで応急処置用なのでそんなに時間がかかる処置でも無かった、丁寧に絆創膏を重ねはり、一つ頷く

「……そうなんですか、いや、知りませんでしたけど、だからこんなに痛そうでも……う~~」

思い出すとまた体がちょっとびくっ、とする

「まぁでも大事は無さそうでよかったです、転んじゃったら折角の着物も台無しですしっ」

とベンチに並んで座りながら先生に笑いかけて

「どうします?ちょっとこのまま休んでいきますか?時間は……あ、もう直ぐ花火の時間みたいですよ」

折角ですし此処でみちゃいましょうか、なんて笑いかけてみる

焔城鳴火 >  
「大したもんだわ、素人にしておくには勿体ないわね」

 処置された足を挙げて、しみじみと見る。
 点数を付けるとしても、満点に近い。

「あぁー、話してなかったかぁ。
 まあうん、ちょっとここの問題でね」

 そう言いながら、自分の頭を指先でとんとん、と示す。
 そして、彼女は当たり前のように隣に並んで。

(――ほんとにこの子ってば)

 胸がズキ、とする。
 痛覚はダメでも、その分こうした痛みはよく感じ取れてしまうのだから、参ってしまう。

「花火か、いいわね。
 ――もう少し、近くに行っていい?」

 そう言って、答えを聞く前に、彼女の手に自分の手を重ねながら。
 ほとんどぴったりくっついて、その型に頭を預ける。
 それは、ともすれば恋人に甘えるようでもあり。
 飢えを満たすように優しさを求めるようでもあって。
 

黒羽 瑠音 >   
「そんな事無いですって、別に習ったわけじゃないですし……」

何て言いながらもやっぱり嬉しくって、頬が熱くなるのを感じちゃう、照れてるのはきっと、祭りの明かりが誤魔化してくれるかな

「……」

先生の仕草を見て、胸がきゅっ、とする、まぁ先生、所々昔に色々あったーって感じだったし、貰ったものを考えると大変な事も経験してそうだし……

「勿論」

でも、此処で私が何か『慰め』るのもなんか違う気がしていると、先生が近づいてきてくれて、頭を預けてくる先生をちら、と横目で見てから

「…… 楽しいですね」

何てぽつりとつぶやきながら、重なる手をぎゅ、と強めに握る、先生にもしっかりと感覚が伝わるように

「一人で祭りに来るのはちょっとだけ勇気が出なかったから、こうして一緒に来てくれてとっても嬉しいです、ありがとうございます」

何てにかっ、とできる限りの笑顔で微笑みかけるのだ

焔城鳴火 >  
「――うん、楽しい」

 胸の痛みを感じながら、彼女の手をしっかりと握り返す。
 彼女のお陰で、自分がどれだけ救われているか、少しでも伝わればいいと。

「ありがとうは、もう――いつもこっちの台詞なのに。
 こんな情けない大人に、寄り添ってくれて、ありがと」

 本当に眩しい笑みに、息が詰まりそうになる。
 静かに答えながら、彼女の温かさを感じるように、目を閉じた。
 痛いくらい、早い鼓動は、もしかしたら彼女にも伝わってしまっているかもしれない。

「――ねえ」

 そして、ぽつり、と。

「瑠音は、自分の異能を消せるとしたら、どうする?」

 なにかが溢れ出すかのように、そんな事を訊いていた。
 

黒羽 瑠音 >   
「えへへ」

そう言ってくれる先生の手の暖かさが、とても嬉しくて、くすぐったくて

「情けなく何て無いですよ、先生は……まぁ困った所もありますけど、私の大事な… 恩師、っていうんですかね?ふふ、そんな感じですから!」

何て胸を張る、先生が幾ら自分を悪く言ったって、そんな先生も含めて私にとっては大事な"恩師"なんだから

まぁ片づけはもうちょっと頑張ってほしいけど、うん

「……ふぇ?」

何て言っていると、唐突に先生から不思議な事を投げかけられた

「いや、別に消しませんけど……いきなりどうしたんですか?」

思わず首をかしげてしまいつつ先生を見る、何だか、その顔が何処か儚げに見えたのは気のせいなのかな

焔城鳴火 >  
「恩師、か」

 嬉しさと同時に、悲しさと虚しさ、そして無力さに怒りを覚えて。
 もしかしたら『あの人』もそうだったのかもしれないと、今更ながらに気づいた。

「ふふ――そうね、瑠音ならそう言うと思った」

 予想していた答えに、口元が緩む。
 当たり前のようにそう答えられる彼女だから、問いかけたのだから。

「――昔ね、そういう研究をしてる博士がいたのよ。
 私の憧れた人で、そうね、私たち幼馴染たちにとっては、まさに『恩師』だった」

 静かに話始めるが、つい、重ね合った手に力が入ってしまう。
 あの頃を思い出すのは――やはりまだ、とても『痛い』。

「その博士は、地球人類を再定義する事で、特別な力による格差をなくそうとしていたの。
 メビウス博士――『第一方舟(ファーストアーク)』って研究所で、理想と現実の差に苦しみ続けた、悲しい人」

 あの博士の元に通っていた頃は、今のような人生を歩むとは思っても居なかった。
 鳴火も、また鳴火の幼馴染たちも、博士の後を継ぐつもりでいたのだから。

「でも、大きな実験と、失敗と、事故があって、博士も研究所もなくなっちゃった。
 その時、私も大切な――きっと初恋だった子を失った。
 私の痛覚も、その時におかしくなっちゃったの」

 惨劇に見舞われた研究所には、鳴火も幼馴染たちもいた。
 未だに、当時の後遺症をその誰もが抱えている。

「――今はまだ、私は多分、まともで居られてると思う。
 けど、もしかしたら」

 鳴火の胸の奥には、ずっと、憎しみと後悔が燃え尽きないまま、燻ぶり続けていた。

「いつか、おかしくなって――復讐に囚われるようになるかもしれない。
 ねえ、瑠音」

 そう言いながら、うっすらと目を開けて、彼女を見上げる。

「もし私が、そんなふうになっても――こうして、また手を握ってくれる?」

 静かに問いかける鳴火は、青い灯りに照らされて、今にも消えそうなほど弱弱しく映ったかもしれない。
 見上げる瞳は、今にも泣き出してしまいそうなほど潤んでいる。
 

黒羽 瑠音 >   
「ですよ、異能が無ければ、きっと先生とも会えませんでしたし……」

「……恩師、ですか」

続く先生の言葉に、一度声を抑えて、力の籠ってくる先生の手を、此方も少しだけ強く握り返す

「力の格差、異能と、それを持っていない人の……うーん、確かに良くニュースとかでもそういうのって出ますよね」

うん、と小さく頷いて

「うん、うーん………」

そこからの先生の話は、私にとっては少し難しい内容も多くて、でも、先生が大切な人を失ったという事は分かって

「……」

先生が此方の眼を見る、その奥には、何だかゆらゆらと揺らめいているものが見えた気がした

「ねぇ先生」

「そーいうときはですねぇ…… えいっ!!」

手をほどき、ぎゅっ、と先生に抱き着く

「このぐらいしないと、聞いてくれ無さそうじゃないですか?」
「先生の抱えているものは分からないですし、私に何か出来るかは分かりませんけど…… でも、私は不安だったら、直ぐにパパやママに相談したり、ぎゅってしてもらいましたから」

「だから、不安になったら先生も一杯、いろんな人に相談するといいと思います、勿論、私にも」

「抱え込んで、ばーんって爆発する方が迷惑なんですもん、それに……先生は笑顔の方が、私は好きですよ?}

なーんて、ちょっとだけかっこつけてみたりする、実際『そう』なった時に何かが出来るかは分からないけれど、今の先生を元気づけるためなら、ちょっとぐらいの見栄は張ってもいいよね?

焔城鳴火 >  
「え――」

 なにが起きたか、理解するのにしばらくかかった。
 ただ――とても温かくて安心できるものに包まれているのはわかって。

「――バカ」

 何年振りだっただろうか。
 鳴火の目から、涙があふれだした。
 とても素直な、悲しさと痛みからの――温もりを感じた安堵からの涙。

「瑠音、射的の勝ち分――なんでも、いいのよね?」

 そう言いながら、涙で濡れた瞳のまま、抱きしめてくれる彼女を見上げ。
 そっとその頬に手を伸ばす。
 

黒羽 瑠音 >   
「…… じょ、じょーしきの範囲内なら」

「というか、あ、あっ、先生、大丈夫ですか?ごめんなさい吃驚させちゃって……」

涙を零し出した先生に慌てて離れ……る事はちょっと、流石にダメな気がしたので、そのまま目を合わせながら頬に伸びる手を見ていた

「その……なんでしょうか」

何て、何故だかドキドキとする胸を抑えられないままに目を瞬かせていて

焔城鳴火 >  
「あんたが、悪いんだからね――」

 そんな、責任逃れのような事を言いながら。
 ゆっくりと瞳を細め、閉じて。

「ん――」

 そっと彼女の唇に押し付けるように、自分の唇を重ねた。
 静かに――抑えきれない胸の痛みを抱えながら。
 

黒羽 瑠音 >   
「ちょ、せんせ… んむっ…!?」

目を見開く、何かを押し付けられる……いや、流石に私も之は分かる、キスされてる!?

「ん、ぅっ……」

一瞬、押し返す事を考えたけれど、先生の眼を見ていると、何だかそんな気にもなれなくて

「…… … 」

ガチガチに緊張しきって固まった体で先生の唇を受け入れていた、何だか、甘い匂いが、する気がして……

「……」

ふらり、瑠音の体が傾いて、ベンチに仰向けに倒れる

「ごっ」

ごつん、と当然のように後頭部がベンチに当たって……

「いったぁ!!?」

目を白黒させて跳ね起きる私、い、いっしゅん緊張しすぎて意識飛んでたんですけど!?

「せ、せんせ、せせせ、き、ききす、きすっ!!?」

そしてそのまま口を突いて出るのは、唇を指さしながらしどろもどろに今の行為について顔を真っ赤にして伝える私なのであった

焔城鳴火 >  
 拒絶されないのをいい事に、しっかりとその感触を味わうように。
 彼女がくれる温かさを、優しさを独り占めするように。
 若くて柔らかな唇を感じ取って。

「ん――」

 傾く彼女の体。
 離れる唇。

「――あ」

 痛みに飛び起きる彼女を見て、鳴火からも間の抜けた声が漏れた。

「――ぷっ、あは、あはははっ!
 もー、ほんとに、あんたって子はもう」

 腹を抱えて、真っ赤な顔の彼女を指さしながら、大笑い。
 心からおかしくて、温かくて、嬉しくて――そんな、温もりに溢れた清々しい笑い声。

「はは、は~――そーよ、キス。
 接吻、口付け。
 あ~、もらっちゃった、やっちゃった~!」

 なんて、さっきまでとは別の涙を浮かべながら、慌てふためく彼女が溜まらなく愛しくて。
 自分の唇に指を当てて、悪戯に成功した子供のように、片目を閉じた。

「――返さないから」

 そう、無垢な少女のように幸せそうな笑みを浮かべて。
 

黒羽 瑠音 >   
「…… う~~」

後頭部を摩りつつ、涙目になって… ある意味お揃いか、これで

「もう、返せるもんでもないでしょ~~!」

「全くもう…… ふふ」

笑顔になった先生に、こっちも笑い返す
その姿にドキっ、としたのももちろんあるけれど
それ以上に、今の気持ちを大事にしまっておきたいと思ったから

「―― あ」

ヒュゥウウウーーー パンッ

花火の音が聞こえる、空に明かりが灯り、思わず見上げれば
大輪の花が次々に咲き始めていて

「はじまりましたね、花火」

焔城鳴火 >  
「あっははっ!
 あんたが、私を惚れさせるから悪いんでしょ~?
 私の惚れっぽさに驚いたか!
 私はめっちゃ驚いてるからっ」

 お腹を抱えて笑っていたのが、自分の涙を拭って。
 馬鹿な事をしたな、と思いつつも後悔はなく、とても清々しい。

「ああ――」

 空が彩られる。
 一瞬で咲いて、燃え尽きる火花。
 とっくに燃え尽きて、灰が降り積もった、色の無い世界。
 そう思い込んでいた鳴火に、小さく、けれど確かに、温かな灯火が色を思い出させてくれた。

「――綺麗ね」

 大好き(大嫌い)だった青い灯りも、今は温かく思える。
 それが誰のお陰かなんて、もう、言葉にするまでもない。

「恋愛だとかって、思わなくていいから」

 相手はまだ愛らしい雛鳥だ。
 いつか自分よりもっと遠くへ、高くへ飛んでいけるような。
 だからせめて、熱を思い出した鳳凰として、彼女を導けるようになりたいと。

「ちょっとした、戯れ合った思い出。
 ――好きよ、瑠音」

 そんなふうに。
 花火を見上げながら再び、彼女の手に、手を重ね。
 

黒羽 瑠音 >   
「えぇ… 惚れた、って」

目を白黒させて

それでも、きゅ、と握った手は振りほどく気にはなれなくて

「……そうですね」

ファーストキスの事も、先生の淡い横顔の事も、何だか一夜の夢のような感覚で

「綺麗で、暖かくて、それでいて、少しだけ寂しくって」

「でも、好きですよ」
「…… 大事な『先生』ですからねっ!」

何て、先生の笑顔に答えながら、めいっぱいぎゅーーーっと手を握った

空にはまだまだ沢山の花が咲き続けていたけれど
今日一番輝いて居た花は、きっと私の手の先にあるんだろう

……それはそれとして、後で先生には目いっぱい奢ってもらう事にする、それくらいは許されるよね?

ご案内:「異邦人街 不思議なお祭り」から焔城鳴火さんが去りました。
ご案内:「異邦人街 不思議なお祭り」から黒羽 瑠音さんが去りました。
ご案内:「異邦人街」にアーヴァリティさんが現れました。
アーヴァリティ > 「くっしくし~」

今日は異邦人街へ来ています!
探しものはそう、櫛!

「いい櫛見つかるかな~♪」

結構遅くなっちゃったけど、お祝いの贈り物!
ゆっくりしっかり探そう!

「お昼ご飯も楽しみ~」

折角異邦人街だしね。まだ見ぬ料理を発掘するぞ~
足取りが軽いね。

ご案内:「異邦人街」に土海幸彦さんが現れました。
アーヴァリティ > 「え~っと?真紅と群青と木目が良くて
櫛はつげ櫛っていうのがオススメなんだっけ。」

雑貨屋さんを探している間に櫛についてのメモを端末で再確認。
メモの中身はファラの好きな色と、自分で調べた櫛情報。
うん、つげって木?みたいだし、木目がいいかな。
お金はあるしいいのを買ってあげたいな~。

「櫛って雑貨屋にあるのかな?」

そもそもの疑問!

土海幸彦 > ここの街は不思議だなぁ、、何もかも沢山ある。そう思いながら土海は白衣姿で歩いていた。
ふと見ると、目の前に人、、?がいる。話しかけてみよう。
「ねぇ、君、何をしてるんだい?」
まずはここからだ。どんな子なのか…。

アーヴァリティ > 「え?
えーっと、もしかしてボクのこと?」

声をかけられた気がしたからふり向いてもたらボクより小さい男の子。
知り合いに声をかけただけかなと思って周りを見回してみたけど、特にそれっぽい人はいなさそうかな?
街中で突然話しかけられたのなんて初めてかも?ちょっとびっくり。

「ボクなら、今櫛を探してるんだ!友達に贈るんだ!」

ファラに贈る為のね!

「キミは何をしてるの?」

小さいし迷子とかかな?

土海幸彦 > 「そう、君だよ。櫛、かい?それはいい。
…僕は…、ちょっとある人に会いたかったんだけど、その人が見当たらなくてね。確かここのはずなんだけど…。
と、悪魔のような笑みを浮かべながら言う。

本当は、違うんだけどね。ギャンブルをしに…と言いたいところだが、君みたいな子供には言えないな。

アーヴァリティ > 「迷子ってことかな?」

ちょっと笑顔が怖いけど。迷子みたいだ。異邦人街は何回か来てるけど広いからね。
迷子になることもあるよね。というかボクもなる。いつも地図アプリ見ながら帰ってるよ。

前に悪魔さんに親切にしてもらった事を思い出すな~。
ボクもたまには親切にしてみようかな。

「良かったらその人一緒に探そっか!」

櫛探しには期限がある訳でもないしね。
ちょっとぐらいはね。

土海幸彦 > 「ああ、じゃあその人を探す前に、少しゲームをしようか。君が天に認められてるかどうか…」

と、1つのコインを胸ポケットから取り出し、

「金色が表。銀色が裏…。どちらか選んで。」

と、コイントスをし、左手にスッと投げたコインを乗せ、右手で素早く隠した。
さて、結果は…。楽しみだ。

アーヴァリティ > 「え?ちょ、ちょっといいかな…?」

天ってなんのことだろう?
怖くなってきちゃった…

「ご、ごめんね!よ、用事をおもいだしちゃった!
ばいばい!」

必死に走って逃げた!ごめんねー!

ご案内:「異邦人街」からアーヴァリティさんが去りました。
ご案内:「異邦人街」から土海幸彦さんが去りました。