2025/04/18 のログ
ご案内:「異邦人街」に武知一実さんが現れました。
■武知一実 >
「んー……いまいちこれだってのが無ェな」
放課後、異邦人街。
新しく買ったボディバッグにつけるアクセサリを探して、オレは露店をハシゴしている。
以前手に入れたウサギの尻尾みたいな、動物モチーフのがあればと思ったんだが。
「……西洋剣に竜が絡みついてるキーホルダー……?」
ここ、常世島の異邦人街だよな?
観光地の土産物やとかじゃねえよな?木刀とか置いて……あ、忍者刀みたいな折り畳み傘はある。
……じゃなくてだな、もうちょっと異国情緒っつーか、異世界っぽいものを……西洋剣と竜はだいぶ異世界ぽいな……。
■武知一実 >
「誰か連れて来りゃ良かったか」
いまいちピンと来るものが無い上に、オレの琴線に触れたところで傍から見て似合うかどうかは別問題。
だったらいっそ誰かに選ばせるという手もある事に、今更ながら気付いたが、時すでに遅し。
ウサギのだって、最初はダチに散々笑われたしな。まあ、気持ちは分かるが。
「人相がもうちょいマシだったら……と、言ったところで仕方無えしな」
ふぅ、と溜息を零しつつ次の店へと移る。
店主には品物がいまいちだったと思われねえように、冷やかしの詫びは一言伝えておくが。
いや、物は悪くねえと思うぜ、オレの感性の問題だ、悪いな。
■武知一実 >
「結局ンところ、運が良かったっつー事だったんかな」
数軒冷やかしたところで、今ぶら下げてるウサギに勝るものは見つからない。
幸運を引き寄せる、LUKが上がるっつー事らしいが、どうやらコイツを手に入れる事自体でオレの幸運は打ち止めになったんだろうか。
「……古鐘っつったっけな、返品受け付けてんのかな」
冗談交じりにそんな事を呟く。
こうして異邦人街まで来た時は、ついでにアイツがまた露店でも出してやいねえかと探してみるものの、終ぞ見つからず仕舞いだ。
もう食うに困ってねえってんなら、それで良いんだけどよ。折角だから、他のキーホルダーも買っといてやりゃ良かったかな。
ご案内:「異邦人街」にクリヴィア・筌崎さんが現れました。
■クリヴィア・筌崎 >
「何か、お困り事ですか?」
不意に横合いから声が掛かる。
そちらを見れば、金髪碧眼の少女が柔和な笑みを湛えて佇んでいることに気付くだろう。
「失礼……先程から露店の前で難しい顔をしていらしたので、つい」
あなたが少女に気付いたなら、スカートを軽く持ち上げて会釈をひとつ。
そういった所作からは育ちの良さが伺える。
おおかた、親切心からあなたに声を掛けたのだろう。返事を待つように小さく首を傾げた。
■武知一実 >
「あァ?」
突然声を掛けられ、反射的に訝しむ声を上げてしまう。
怖いから止めろってダチ連中から言われてるが、癖なんだからどうしようもない。
振り返れば、女子が一人。にこやかに佇んでいた。
「あー……いや、バッグに合いそうなキーホルダー探してンだけどよ、中々これだってのが無くって……な」
取り急ぎ眉間に皺を寄せるのを止めつつ、女子の問いに答える。
そんなに気難しい顔、してたんだろうか。
いや、ちょっと眉間に皺作ってるだけで凄んでるとか睨んでるとか言われるから、きっと地が悪ィんだ。
大したことじゃねえ、と肩を竦めながら今身に着けているボディバッグ、そこにぶら下げられたウサギの尾を模したキーホルダーを示して見せ。
■クリヴィア・筌崎 >
睨まれたとも取れる反応にも動じることなく、笑みは絶やさずに。
それでいて、あなたの腕の間合いからは常に外れるよう位置取っている。
警戒しているというよりかは、身体に染み付いているような自然さで。
「あら、可愛らしいキーホルダーですね。
ふわふわの毛玉……いえ、これは尻尾……でしょうか?」
バッグの方に視線を向ければ、頬に手を添えてふわりと微笑んだ。
厳つい印象とのギャップも相俟って、いっそう愛らしく見える。
意外な趣味――というのは失礼だと思って口を噤んだ。
「こちらに合わせるのでしたら、違う動物の尻尾や……羽飾り等が良さそうですが」
ふさふさ系で統一感を出す方向性を提案しつつ、視線を巡らせて。
こちらの彼は恐らくアクセサリー系の露店を巡っていたのだろう。
しかし何というか、異邦人受けを狙った奇抜な物ばかりで結果は芳しくなかったと見える。
そうなると、別の方面からアプローチをかけた方が良さそうだ。
「ふむ……獣人や鳥人のような方々が開いている、雑貨の露店を探してみるというのは如何でしょうか?」