2026/02/27 のログ
ご案内:「異邦人街・バザール会場」に武知 一実さんが現れました。
武知 一実 >  
休日前の放課後。
異邦人街で露天市を行うと聞いて、一度帰宅した後こうして出張ってみたわけだが。
様々な異国……というか、異界の露店が並び、まさに混沌と言わんばかりの様相を呈している。
食べ物(と思しきもの)の隣で書物(だと思われるもの)が売られてたり、
武器(だろう、多分)の隣で水着(もしかしたらどこかの防具なのかもしれない)が売られていたり。
……面白半分で見に来てみたけれど、正直早くも食傷気味というか、圧倒されていることは認めざるを得ない。

「ど、どこの世界も、商売人ってのは強かなんだな……」

自分でも何か違うんじゃないか、と思える感想を胸に、居並ぶ店々の前を歩いていく。
食べ物の匂いか、はたまた反物の匂いか、それとも香が流れているのか。
何とも言えない空気に包まれて、……うん、文化の坩堝って感じだ。

ご案内:「異邦人街・バザール会場」に御雷 穂乃さんが現れました。
御雷 穂乃 > ふと少年の見た先。
太っちょのひげぼうぼうの小さな親父の広げた風呂敷があり。
その小さな親父に合わせるように屈んだ少女の姿を見つけるだろう。

「ふむ……ふむ……」

話を聞いてそれに応じて頷いている様子だが、遠目にも大声なヒゲオヤジの声が聞こえる。
なんでも少女の眼の前にあるぼろぼろでひびの入った骨董品にもならなさそうな古めかしい壺が怪異を封じるための道具で。
そして、その道具は今は品薄であること、今この場限りのものである事。
ありありと大法螺ともわかる話を齢15にも達さぬ少女に迫真の演技で高々と語っていた。

『どうだい!? 今ならこいつがお得な……』

話を聞く限りでも大法螺吹きな骨董の壺。
それが少女の手が出せる限界そうなぎりぎりのきわきわのラインを攻めて提示されていた。
それを聞いていた少女はうーん、と悩んでいる。
退魔を出来る壺なら……とも考えている様子だ。

青少年が騙されるところであろうその光景をつい、見かけてしまった。

武知 一実 >  
多種多様な匂いに文様、色彩。入り混じるそれらに若干の酔いすら覚える。
あまり長いせずざっと通り抜けよう、と思った矢先。
視線の先に、商談と思しきやり取りを交わす姿が見えた。
片方は少し胡散臭い店主で、もう片方は――女生徒?

「あー……性質悪いのに捕まってんなァ」

聞くからに怪しい売り文句を並べ立て、まあ商売なんだから売ろうとするのは分からんでも無いが。
流石にそれはどうよ、とオレですら思わざるを得ない。
それなのに、女生徒の方は―――悩んでる、な。しかも、オヤジの言う事が嘘か真か、と言うよりも値段で悩んでる風だな。

……ったく。

「――ああ、それなら丁度いい。怪異を封じれるってんなら、一つ試しても良いか。
 奇縁で怪異の呪いを受けちまってな、もしその話が本当なら、少しは呪いが薄まるんじゃねえかと思うんだが……

 試して上手く行ったら、オッサンの話は真実って事で、倍値で買うぜ」

真っ直ぐに歩んでゆき、女生徒の背後から店主へと声を掛ける。
少し睨みを利かせ、片手でバチバチと火花放電。
言外に『効果がなかったら分かってるよな?』と訴えかけてみる。

御雷 穂乃 > ばちばちと放電する姿。
それに封じられなかったら……答えは明白。
ひぃ、と言う声をあげて髭樽親父は風呂敷を畳んでぴゅー、っと逃げていってしまった。

それをぱちくり、と数度目を瞬かせてから。
きょとーんとしたまま、それを見送っていき。
数十秒、こてん、と首を傾げてから。

「あの……これはもしかしてほのは騙されかけていた、ということでしょうか?」

いまだに状況把握が追いつかないままに。
少女は少年にきょとん、としたまま問いかけた。

武知 一実 >  
「ああ。かなりギリギリな。
 たまに居るんだよな、こういう市場ならドサクサで売れるんじゃねえかって腹積もりの奴が。」

危ないところだったんだぞ、と女生徒を見下ろして肯く。
何というかまあ、人を疑う事を知らなそうなというか、育ちの良さそうな嬢ちゃんだこと。

「気ぃ付けろよ、今回はただのガラクタだったかもしれねーが。
 下手すりゃ呪いのアイテムなんざ売って来やがる悪党だって居るかもだ。
 ……そもそも、何であんな胡散臭いモン、買うかどうか悩んでやがった?」

必要と思わなければ、まともに取り合う事も無いだろう。
ああやって悩んでたってことは、少なからず怪異封印の壺なんてものに需要を覚えてたって事だろうし。

御雷 穂乃 > 「そうなのですか……。
 あ、助けて頂きありがとうございます」

見下されて、きょとん、とまた小首を傾げた。
育ちの良さそう……と言う意味では育ちはいいがそういう意味ではないだろう。

「えっと……ほのは、職業退魔師でして。
 退魔に役立つかな、と思ってつい……えへへ……」

照れ隠しに笑いながら職業退魔師であることを語りながら。
こんな小柄で幼気な割には割と物騒な職業についている。

「……あ、でもお兄さんはよかったのですか?
 怪異に憑かれたとかなんとか言ってましたけれど……」

けれど、うぅん、さっき感じた火花の放電には……。
妙に親近感を覚えると言うか、何か近しい気配を感じたと言うか。
そんな違和感を覚えながら。

武知 一実 >  
「別に、礼なんて要らねーよ
 それよかもうちょっと疑い癖を付けな、買い物する時は特に、な?」

財布の紐は固めで困ることは無い。
特に普段馴染みのない場所で買い物をするなら尚更だ。

「へえ、退魔師。
 だったら尚の事、物事の真贋を見極められた方が良いんじゃねえのか?」

退魔師。オレも怪異を討伐したりするバイトをしてるから、それがどんなもんかはよく分かる。
その点で見れば、今目の前に居る女子はどうにも危なっかしいというか、何というか……

「――あ? ああ、あれか。
 全くの嘘って訳でもねーが、ああいう嘘吐きは嘘で追い払うのが一番だろ。
 別に怪異に呪われてるって訳じゃねえから、心配要らねえよ」

やっぱりどこか危なっかしい。
あんまりこの島に慣れて無さそうな感じ……まだ島に来て間もないんだろうか。
歳は……見た目じゃ分からねえからなあ。女子は特に。

御雷 穂乃 > 「それでも助けていただいたのですから。
 ほのはお礼を言いたいのです」

財布のひもは固めに。
買い物は疑い気味に。
特にこういう場所では、と教わりながらこくこく、と頷きつつ。

「えへへ……ねえ様とかにもよく言われてしまいます……。
 ほのはもう少し疑ったほうがいいとか虚実を見極められるようになりなさいとか……」

眼の前にいるちんまいのが退魔師。
戦いとなればどうなるかわからないとは言え、特に戦えそうにも見えない。
なんと言うか……傍目からみて弱そうと軽んじれる程度には覇気がなかった。

「そうなのですか……?
 ほのはまだこの島に来て日が浅くて……。
 こういう場所も生まれて初めてきました。
 あ……そういえば自己紹介がまだでした。
 ほのは御雷 穂乃って言います、お兄さんはお名前、なんでしょうか……?」

危なっかしいと言うか人を疑う事を知らないと言うか。
おちょっこちょいだとかちょろいだとか。
そういう感想を持ってしまうのもむべなるかな。

武知 一実 >  
「律儀だねえ……ま、いーか。
 ……要らねえとは言ったが、言われて何か減るもんでもねえ。
 ありがたく受け取っといてやンよ」

頭を掻きつつ視線を詐欺師のオッサンが居た露店へと向ける。
こういう女子が被害に遭わないためにも、もうちょっと規制掛けるか、風紀や自警隊に巡回でもさせた方が良いんじゃなかろうか。
オレの言う事にも素直に頷いて聞いている姿へと視線を戻せば、心配は増すばかり。

「まあ、こればっかりは経験が物を言う部分もあるからな。
 一度取り返しがつく範囲で痛い目に遭うのも良いかもしれねえ、とは思う」

経験に勝る知識なし、とか漫画か何かで見た気がするがその通りだろう。
本当に危ない事に巻き込まれそうな時は……まあ、そん時ゃ今日のオレみたく誰か助けてくれンだろ。

「ほの……?
 ああ、さっきから何の口癖かと思ってたら、アンタの名前か。
 御雷……穂乃、か。 ん?御雷……?
 ……ああ、オレは武知一実。 気軽にかずみんって呼んでくれ。かずみんさん、とか かずみんくん、とか……まあ、様とか先輩とか色々付けて呼んでくれても良いぜ。
 やっぱり新入り……島に来て日が浅かったか、そんな感じ、ぷんぷんしてたからな」

毎度の事ながら自ら仇名を添えて名乗る。だが今回は逃げ道も用意しておく。
それよかオレの名前よりも、コイツの苗字……御雷って言ったか。
最近というか今月聞いたばかりだな……ねえ様、とか言ってたしまさか血縁者か? 言われてみれば似て……いや、顔立ちとかはそんな似てないな。

御雷 穂乃 > 「はい、受け取ってもらえるとこちらも減るものはないですし、嬉しいです」

微笑みながら頷いて返して。
詐欺師の髭樽おっさんは跡形もなく消え去っていた。
随分と綺麗な逃げ足なので常習犯なのであろうことは間違いなくて。
とは言えあんなので常習犯出来るのだろうか、と言うあれはあった。

「取り返しのつく範囲で痛い目……ですか……。
 塩梅が難しいのですね……」

ふむむ、と考え込んでしまった。
素直なのかなんなのか。

「はい、ほのはほのなのです
 御雷の名に覚えが……? ねえ様とかとお知り合いとかでしょうか」

自分の姉貴分が遭遇しているとはつゆ知らず。
顔立ちは当然の如く似ていない。当然だ。
義理の姉なのだから。

「はい、かずみん様ですね!
 よろしくお願いいたします!」