2024/09/23 のログ
ご案内:「万妖邸 玄関ロビー」にクロメさんが現れました。
クロメ > 異様な気配を感じた。異常な気配を感じた。
それは、人の世には有り得ない、捻じれのような匂い。
心地よさと共に吐き気をもよおさせるような、禍々しさ。

「……ほう?」

黄泉の穴、と言われる場所も大概に匂ったが、此処もまた尋常ではない。
しかも、わかりやすく"穴"ではない。

ここは、住居だ。

「面白い」

黒衣の怪異は、建物に踏み込んだ。

クロメ > 「……」

入口は、あっけないほど簡単に開いた。
来る者拒まず、ということなのか。それとも、蟻地獄めいて獲物を飲み込もうとしているのか。
しかし、そのどちらだろうと怪異の心を揺るがせることはない。

「……ふむ」

入った先には、ロビーが広がっていた。
外見に似合わず、広々として応接セットすら置いてある。
しかし、その程度は大したことはない。

「……ほう?」

軽く視線を巡らせるだけで目に入ってくる、調度品の数々。
単に物珍しい、ということであれば声すら上げなかっただろう。

しかし、それは……

「呪物……か?」

大小さまざまな置物。
色とりどり、形も様々な仮面。
何に使うのかもわからない、家具のようなもの。

その中から、幾つもの物品が禍々しい匂いを放っていた。

クロメ > 「なるほど……?」

正確な意図まではわからない。
ただ、言えることはこれらの呪物を見ても平気なものでないと、ここには入りづらい、ということだ。
つまり、真っ当な人間は近寄りづらい、といえる。

「人の匂いが、しないではない……が」

それもごく少数
大半は、もっと禍々しい何かたちの匂いばかりだ。
此処の住人は人でなしが多そうだ。

「……ふむ」

異邦人向け、という堅磐寮よりも更に先鋭化された存在であることがわかる。
とても、興味深い。

クロメ > 「……そうだ。住人が、いる」

これだけ怪しい気配がしながらも、住んでいる何者かがいる。
よく見れば、この建物の中身を案内したような図もある。
そこには住処となる部屋の存在も明記されている。

……ただし中身は、だいぶメチャクチャである。
構造が正気とは思えない。
違法建築、という言葉が生易しく感じる。

いや、おそらくこれは建築家、などという人種に見せてはいけない。
異常すぎて発狂するかも知れない。

「これは……」

更によく見れば、その案内図は何度も変更されている気配がする。
ひょっとしたら、今の正確な姿を写していない可能性すらある。

ただ、おそらく……空きは、ある。
というより、最悪の場合、作ることも出来そうだ。

「……悪くない」

クロメ > 中にいる存在に声を掛ける。
幾つか、確認の言葉を交わす。

「ふむ……なるほど……」

金はかかるが、そう高くない。
この程度なら、どうとでもなりそうである。

「移転は? ふむ……」

寮からの移動も可能である、と
ならば、心は決まった

「……よし」

渡されている手帳と連絡先を確認する。

「……一応、言っておいてやるか」

そうして、どこかに連絡をして……
ロビーを後にした。

ご案内:「万妖邸 玄関ロビー」からクロメさんが去りました。