2024/09/17 のログ
ご案内:「常世島スパ洞天《桃源リゾート》/ 憩いのひととき」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「常世島スパ洞天《桃源リゾート》/ 憩いのひととき」にDr.イーリスさんが現れました。
■エルピス・シズメ >
残暑の名残を残しながらも、秋の到来を感じさせる9月の半ばを過ぎたあたり。
幾らかの手続きや苦難を乗り越え、時間に余裕が出来たひと時。
エルピスから『一緒にどこか行きたいな』と、イーリスを常世島スパ洞天に誘った日。
「イーリス、そろそろかな。」
水着に着替えて、温泉エリアで掛け湯を済ませてイーリスを待つエルピスの姿。
そわそわとしながら、イーリスと合流するために待機中。
■Dr.イーリス > 9月も後半に入るが中々暑さも残る。
暑さで、そろそろ秋の到来が待ち遠しくもなる。
エルピスさんのお誘いをイーリスは喜んで頷き、二人で常世島スパ洞天《桃源リゾート》へと訪れる。
スパ洞天が創業したと聞いた当時はとても気になっていた。だが当時のイーリスはスラムの不良少女なストリートチルドレン。明日食い繋ぐ事すら一生懸命な生活で、スパ洞天なんて行くお金がなくて一生縁がないと諦めていた。
色々あって、今の生活は充実している。
始めてくるスパ洞天、エルピスさんと来られてとても嬉しい。
白色で胸部と腰部にフリルがついたワンピース水着に着替えて、温泉エリアに入る。
「お待たせしました、エルピスさん」
エルピスさんに笑みを向ける。
何度か見るエルピスさんの水着姿。エルピスさんの外見は女の子だけど、男の子故の肉付きの良さはとても健康的に見える。それでも、肉付きの良い女の子に見えてしまう。
「外観に比べて、凄く内装が広いのですね。とても広くてびっくりです」
周囲を見渡してから、イーリスも掛け湯を済ませる。
■エルピス・シズメ > にこりと微笑み、イーリスを出迎える。
こうしてゆっくりと出来ることに幸福感をかみしめながら、足元を滑らせないようにそっと近づく。
今のエルピスは身体も小さく、イーリスと同じ目線。
男の子っぽい肉つきはあるけれど、衣装や身長そのものも相まって肉つきの良い女の子にも見える。
このくらいの体格だと、どちらにも見える外見。
「ね。とっても広い。……なんかからくりがあるのかな?」
そんなエルピスは、イーリスの言葉に同意してぐるりと見渡す。
景色も綺麗で、外観より広い。仄かに香る桃の香りも心を安らがせてくれる。
「とりあえず……どこから入る?
泡の出るお風呂とか、おっきい湯舟とか、色々あるけど……。」
何処から入ろうか。
きっと何処も心地良いんだろうなと思いながら、イーリスに尋ねた。
■Dr.イーリス > 「このスパ洞天が、仙人さんより授かった仙宝によるものだという噂も耳にした事があります。仙術によりこの幻想的な風景をつくりだしているみたいですね。とても絶景です」
楽し気に風景を見渡している。
桃の香りは、なんだかとても気持ちを穏やかにさせてくれた。
「昨日、私の中で不具合が起きたと言って私寝てしまっていたではないですか。私の電脳世界に来客が訪れていたのが原因でして、その方はエルピスさんの事をよく知る人です。えっと、何と言えばいいでしょうか。先日、エルピスさんは私を助けるために、私の中に入ってくださったではないですか。その時に、エルピスさんの中にあった余剰データみたいなものが私の中に残ったのですよ」
昨日の出来事を出来る限りエルピスさんにも伝わりそうな言葉で説明する。
「その方が仰っていました。あなたには、確かに“まほう”の才能があるみたいです。とても、素敵な“まほう”の才能……。私と眺めるこの幻想的な《桃源リゾート》の風景、よく覚えてみるのも良いかもしれません。“空想”は、必ずあなたの力になります」
微笑みながら、そう伝えつつ、エルピスさんの左腕を抱きしめながらイーリスも風景を楽しんでいる。
エルピスさんには、感情や空想のまほうを覚える才能があるらしい。普通の魔法とは違った、エルピスさんの感情を叶えるまほう。それは、術式などとは無縁の空想の力。
「では泡の出るお風呂に入ってみましょう。私、貧乏暮らしで泡の出るお風呂なんて入った事がなかったのですよ。泡風呂って、なんだかとても心地よさそうではないですか」
■エルピス・シズメ >
「ふしぎだね。もしも仙宝があったとして……
……こういう使われ方して、みんなに喜んでもらえたなら、
きっとその仙人さんも喜んでいるのかな。」
至宝が平和的に使われて、多くの人の憩いの場となっている。
もしもそうだとしたらとってもいいことかも。嬉しそうに目絵を細めた。
「余剰データ……ええと、大丈夫だった?」
心当たりがあるようでない。
《恋囚う乙女心》と自分の異能でイーリスと欠損を補い合って小さくなってから、
少し気分の揺れが大きくなった気はする。特に、イーリスと居るとすごくどきどきする。
それでも直接は心当たりに繋がらないので、イーリスの発言に不思議そうに小首を傾げた。
「うん。まほう……そう言えば、最近は練習してなかったけど……
……僕の才能、まほうなんだ……。」
じっと手をみてから頷き、得心する。
イーリスの言葉と言うのもあるけれど、すごく自然に腑に落ちた。
……魔術の練習をしてた時に、剱菊お兄さんとあったことと、その時の言葉を少し思い出す。
少しだけ真面目な話だった。でも今はイーリスと一緒に居たいし、このどきどきに身を委ねたい。
自分の気持ちを優先させて、脇に置く。
「そうだね。とっても綺麗な景色……うん、泡のお風呂に行ってみよっか。」
頷いてから泡の出るお風呂、つまりジャグジーへ。
景色に見とれすぎて足を滑らせないように、慎重に入る。
「ちょっと深いかも。気を付けてね、イーリス。」
■Dr.イーリス > 「多くの人を喜ばせるとても素敵な超常の使い方です。私も、異能や魔術を科学の力で研究する者として学ばせていただきたいと思います。多くの人を喜ばせるというのは、結構大変ですからね」
柔らかく目を細めて、風景を眺めている。
仙人の力だけでなく、異能や魔術は使い方次第で人々をとても楽しませる事ができる。イーリスにとっても、研究を進めて、そういった技術を応用したものを実用化させていきたいと願う。
「大丈夫でしたよ。とても純粋で、お優しい方でしたからね。今も、私の電脳空間にいますね。もしリビド先生とお話する機会があるなら、その方のご希望で内緒にしていただけると助かります」
リビド先生から隠れたいという目的もあって、超自我さんはイーリスの中にいる。
大丈夫だとは思うけど、エルピスさんには、リビド先生にこの事は言わないようお願いしてみる。
「いっぱい想い出を積み重ねて、まほうにしていくのもいいかもしれませんね。あなたの優しくて綺麗な心がまほうを生み出すのでしょうからね」
今は、直接的には、『感情』や『空想』のまほうだとは口にしない。
感情に関するまほうだ。もし直接的な言葉で伝えてしまうと、意識しすぎるがあまり逆に習得が遠のく事もあるかもしれない。
間接的に、エルピスさんがまほうに目覚めていけるよう促していく。
そうしてジャグジーがある場所に移動しようとする。
先にエルピスさんが入り。
「思ったより、あわあわなんですね! ありがとうございます」
とても素敵な風景と思いながら、お湯に足をつける。
「て、わわっ!! ああぁ!」
ちょっと溢れていた泡に、イーリスはうっかり足を滑らせてしまう。
先に入っていたエルピスさんにダイブする形で、意図せず勢いよく顔から入浴してしまった。
エルピスさんの小さな体をぎゅっと抱きしめる体制となってしまう。
湯から顔を出すイーリスは、髪から顔まで泡まみれだった。
「ご、ごめんなさい! お怪我ありませんか!?」
エルピスさんに勢いよくつっこんでしまった。慌ててごめんなさいする。
■エルピス・シズメ >
「そうだね。こうやってみんなを喜ばせる発明や技術が増えて……
世界が少しでも綺麗に、平和になったらいいな。
僕は……イーリスの技術なら、出来ると思うし、出来てると思う。」
イーリスの発明を思い出す。
びっくりすることも多いけど、不可思議なようで純粋なイーリスの発明。
こうしたらきっと面白かったり、楽しかったり、便利かもしれない。
そんな気持ちと、好奇心から産まれる発明。
エルピスはイーリスの発明を、そう見ている。
「ん、うん。分かった……?」
自分を構成する成果物、囚う心について意図的に調べず意識をしていないエルピス。
知らぬが故に不思議そうに想いながらも、イーリスのことを信頼して口止めを受け容れる。
「そうだね。きらきら輝く想い出が、まほうになったらいいな。
だから……忘れないように、しなきゃね。」
人間の記憶として、どうしても忘れてしまうことはある。
データとして保存しても、保存した事を忘れてしまうことはある。
そのことに微かな不安を覚えながらも、この気持ちと想い出がまほうになったらいいな。
イーリスのやさしさで、まほうへの意欲を促していく。
後期はまほうの勉強を頑張ろう。そんな気持ちも抱いた。
「わわっ……!」
滑って転びかけるイーリスを、からだいっぱいで受け止める。
転んでもちゃんと立ち上がるのがイーリスの素敵な所だけど……
……それでもあんまり転んでほしくないと、思っちゃう。
物理的なものなら、なおさら。
意図せず抱きしめる形になったエルピスだが、そのまま優しくイーリスを抱き留める。
心臓が高鳴る。どきどきする。
僕はイーリスを愛する。愛し続けると決めたけど、今の気持ちはそれだけじゃ収まらない。
そのどきどきが、心音となって、波長となって、イーリスにつたわる。
でも、転んだイーリスが無事かどうかの方が大事。
高鳴る気持ちを理性で抑えながら、イーリスの無事を確認する。
「僕はだいじょうぶ、いーりす。いーりすは……怪我、ない?」
■Dr.イーリス > 「ありがとうございます。私もみんなを喜ばせる発明、頑張りますね」
そう言って、にこっと笑みを浮かべる。
その後、すぐちょっとげんなりした表情になってしまう。
「みんなを喜ばせる発明として、今年の夏に、上空にあらゆるものを貫くビームをぶっぱなしてやがて標高何千メートルという高さで巨大花火となる、という装置を発明したした。何にも阻まれることなく綺麗な花火を上げられる発明品でした。しかし、何でも貫いた上で綺麗な花火をあげるという実験で、落第街の廃ビルの最上階からビームぶっぱなしたのですが、危うく赫さんを消し飛ばしかけるという結果になりました……。それが、赫さんと私の出会いでした……。みんなを喜ばせる発明というのは、中々難しいものですね……」
赫さんの出会いは、そんな危険すぎるものだった。
よもや廃ビルの屋上に、人がいるとは思わなかった……。
赫さんに直撃してなくて本当に良かった……。
エルピスさんが用意した、ナナさんの二級学生手帳の保証人がリビド先生だった記憶がある。
エルピスさんとリビド先生は、話す機会はないのだろうと思いつつ、エルピスさんが保証人として選ぶ人のため、念のための口止め。
「まほうの習得、がんばってくださいね。私は魔術研究もしていますので、そういった方面ではお役に…………立てたらいいな、と思ってます」
魔術研究の方面でお役に立てるかは、あんまり自信なさげ。
イーリスの魔術研究が、エルピスさんのまほうに通用するかと言われれば分からない。
なにせエルピスさんのまほうは、感情と空想。既存の魔術体系から外れるもの。
転んでしまったけど、エルピスさんが受け止めてくれた。
ちゃんと受け止めてくれたから、怪我はしていなかった。
エルピスさんに覆いかぶさる形で抱きしめて、顔だけをあげて、エルピスさんのお顔を近くで見る。
エルピスさんの鼓動がイーリスにも伝わってきて、イーリスもトクンと鼓動を高鳴らせる。
(エルピスさん、凄く……ドキドキしています)
頬を染めつつ、瞳を細める。
「あ、あの、受け止めてくださり、ありがとうございます。私も、どこも痛いところはありません……」
エルピスさんの鼓動を意識してしまう。
イーリスの胸部にあり《パンドラ・コアⅡ》が、エルピスさんへの想いにより反応して桃色に輝いた。
桃色の光が、現実世界でもハートのエフェクトをイーリスの周囲につくってしまう。泡のように飛ぶハートのエフェクト。
その増幅する愛情は、《パンドラ・コアⅡ》の機能とそれによるエルピスさんの想いを継ぐ能力をお借りして、エルピスさんへと流れていく。
■エルピス・シズメ >
「だいじょうぶ。いーりすなら出来るよ。
星まで届いてみんなが喜ぶ大きな花火、いつかきっと作れる。
でも……そっか、不思議な縁で、赫さんがきてくれたんだね。
赫さんには、僕たちはお世話になりっぱなし。……僕も料理、おぼえなきゃ。」
きっとその内、イーリスが想い描いたものを作れる。
そのことを信じて伝えながら、新しい同居人……赫さんの事を意識する。
家事はともかく、料理はまかせっきりだから、僕も頑張ろうと思っていた所。
「まほうもがんばるし、料理もがんばる、応援してね、いーりす。」
嬉しそうに、くすぐったそうな笑顔が浮かんじゃう。
応援してくれたら、とても頑張れそう。そんな気持ちが表に出る。
受け留められたから、イーリスは無事。
ハートのエフェクトと僕を想う気持ちが、強く流れてくる。
……だから、言わなきゃ。あらためて伝えたい想いを、口にする。
「えっと……あのね、いーりす。
すこしおかしなことって思っちゃうかもしれないけど……
……あらためて、つたえたいこと、あるんだ。」
ぐっ、と、怖がる無意識を抑えて、意を決して口を開く。
「いーりすの事……愛してる。それで、それ以上に……
……いまは、いーりすに、すごく、恋してる。」
エルピスの感情は、恋より先に愛があった。
使命と覚悟と責任が、何処かにあった。
自分を認めて、支えてくれた幼き少女と共に歩む。その為の強い愛が先にあった。
想いを重ね合う内に、愛(すき)だけではなく恋(すき)が溢れた。
それが強い恋……だいすきになって、箍が外れた。
認めてくれたから。
支えてくれたから。
綺麗で可愛いから。
夢を守りたいから。
そう言った理性や使命では片付けられない、恋心。
理性を超えて、感情のままに心のどこかで抑えていた言葉を口にする。
「恋も、愛も、いっぱい。……すごくだいすき。いーりす。」
いつかふたりの気持ちが落ち着いてしまっても、愛せるように。
それを怖がって愛し続けると言い続けて戒めた臆病な気持ちから、もう一歩踏み出す。
あらめて、大好きだと。ことばにして伝える。
愛も恋もいっぱいある。先の不安を気にした臆病な気持ちを払拭して、
ふたつの好きを、もう1回、しっかり伝えた。