2024/09/18 のログ
■Dr.イーリス > 「星まで届く! それはいいですね! オリオン座まで飛ばせる超巨大花火で、宇宙全体を賑わせられるではないですか!」
イーリスは瞳をきらきらとさせた。
標高何千メートルではなくて、さらに大きく、オリオン座まで打ち上げられて宇宙全体で見られる超巨大花火になるなら、とても素敵ではないだろうか。
そう考えるイーリスの頭の中では、仮にそんなとんでもない超巨大花火が出来たとして幾つものお星様を爆破する規模になる、という事が現時点では抜けていた。
「赫さんには、いつもお料理つくっていただいてとても感謝ですね。エルピスさんもお料理を覚えるのですね。エルピスさんのつくるお料理を食べるのをとても楽しみにしていますね」
イーリスは、にこっと笑顔を浮かべてみせる。
「凄く応援しています」
まほうも料理も、エルピスさんは新たな事に挑戦しようとしている。
だから、イーリスも、エルピスさんが頑張ろうとしている事、ちゃんとその頑張りが報われるよう願ってる。
「おかしなこと、でございますか……? 何でございましょうか……?」
頬を染めたまま、小首を傾げた。
今も、《パンドラ・コアMk-Ⅱ》より生み出された。ハートのエフェクトが飛び交っている。
恋している、その言葉にイーリスは耳まで赤くしてから、にへらーと微笑んだ。
「ありがとうございます。私も……あなたをずっとお慕いしています。恋……しています」
勇気を出して想いを告げるエルピスさん。
しかし、イーリスが抱く心情が原因で、実はエルピスさんは少し空回りしていた。
イーリスは、エルピスさんからずっと恋心を抱いてくださっていると思っている。
ある意味、最近まではイーリスが片思いしていた事になるだろうか。イーリスはその片思いである事に気づかず、そして今日に至る。
つまり、エルピスさんが自分に恋心を抱いてくださっている事を前提として、恋や愛がとても深まっての改めての告白、イーリスはそうとらえていた。
微妙に鈍いイーリス。
「私も……あなたが……すごく……だいすき。この心が蕩けててしまう程に……」
イーリスは、両腕でエルピスさんの首の後ろに手を回した。
お顔を赤らめたまま、お湯に浸かっている事もあって蕩けるような表情で、エルピスさんのお顔近くで微笑んでみせる。
■エルピス・シズメ >
「えへへ……嬉しいな。」
エルピスの愛と、イーリスの恋。
きっと、両想いであったことには違いない。
抑えなきゃと思っていたからこそ、愛が先に来た。
わがままな恋を、臆病なものが抑えていた。
そのカタチがほんの少し違くて、ほんの少しの臆病な彼。
お互いを補い合ったあたりで、このずれを正さなきゃ。
強く抑えていた想いを、解禁した。
今度こそ、わずかな歯車のずれ、互いの微かに空回りし合った気持ちが合致する。
想いを重ね合って、より強くしていく。もっともっと、気持ちが重なり合う。
イーリスの言葉と、イーリスの両腕がエルピスの首元へ回された触れあいが切っ掛け。
爆発しそうな気持ちが、異能、心、言葉。
すべてを介してイーリスへと流れ込む。
エルピスも、イーリスの首元に両腕を回す。
目線もぴったし合う。今はもう、高さも気持ちもずれもない。
異能を介してダイレクトな強い恋心と愛心が、気持ちを示すように流れ込む。
熱を帯びた純粋な強い気持ちを、イーリスの身体に伝えていく。わがままな気持ち。
それはもちろん、最初から仄かにあったもの。
だからこそ、イーリスにも、大きく膨れ上がっていると認識できるもの。
無粋かもしれないが、それはパラメータとしても確かにあったもの。
それがより、大きく膨れ上がっている。
数字を見なくても分かるぐらい、強い想い。
ジャグジーの泡も、心なしか増えているのは気のせいじゃないかもしれない。
余熱が伝わって、ぬるめのジャグジーが少しだけ熱くなる。
虹と星のような煌めきが、泡にまざる。
「……いーりす。ぼくも、蕩けちゃいそう。」
公衆の場だけど、少し我慢できなくなって。
背伸びも屈みもいらない同じ目線でみつめて、口付けを求める。
■Dr.イーリス > 恋をしていた。
自販機の前で出会ったあの日の一目惚れではなかったので、いつ恋に変わったのかは曖昧。出会った日は、むしろ途中までエルピスさんが女の子だと思ったぐらいだ。
優しさ、女性的な可愛らしさの合間に、時折見せる男性的な素敵なかっこよさや逞しさを見せてくれた事が恋が芽生えていくきっかけになったのは理解している。
恋心に気づいた時には、その優しさや女性的な可愛らしさもまた恋という意味で愛おしくなっていた。
イーリスは当時、数ある事務所に匿っていただいているだけの、ストリートチルドレン。恋が叶う立場でもない。この恋心は、墓までもっていくものと思っていた。
だが、黄泉の穴でエルピスさんが故エルピスさんから継いだ存在だと知り、自身の自我を見失いかけていた時に、イーリスが自分が恋しているのは今いるエルピス・シズメさんである事を伝えるのをきっかけに、告白してしまう。
それから今日までエルピスさんをずっと恋し続けている。エルピスさんと体を触れあって抱きしめあったり、愛を言い合ったり、幾度も唇を重ね合ったりしたので、エルピスさんに恋心がない事を疑った事はない。
恋心が抑えられているという事も、分かっていなかった。
だが、イーリスに流れるエルピスさんの想いをダイレクトで受け取り、エルピスさんのこれまで抑えられていた底なき恋心を理解する。
「エルピスさん……これって」
エルピスさんの強い恋心がとても心地よくて、気持ちよくて、本当に体全体がこの浸かっている泡に蕩けていきそうな感覚になる。
《パンドラ・コアMk-Ⅱ》が強烈に桃色の光を放つ。それは、泡の色まで桃色に変えるほどの光。光の強さは、イーリスがエルピスさんを恋する想いの強さを示し、その強い想いがエルピスさんへと逐次流れている。
「える……ぴす……さん…………」
蕩けた視線をエルピスさんに向ける。
公衆の場でありながら、ジャグジーに転んだ事がきっかけで、エルピスさんに覆いかぶさって抱きしめるという大胆な姿勢になっていた。
だが恋は盲目。エルピスさんへの想いで、周りが見えなくなっている。
ちいさくなったエルピスさんとイーリスの今の体格は近い。つまり同じ目線。イーリスはエルピスさんに自身の口元を近づけて、そして口付けを交わした。
強烈にエルピスさんへと流れ続ける桃色とイーリスの恋心。
ハートのエフェクトがイーリスから無数に溢れて、エルピスさんとイーリスを包み込んでいた。
嫌でも、とても目立つ。大衆からの注目は免れない。
■エルピス・シズメ >
恋があった。助けたかったから、先に愛をしていた。
イーリスのすべてを叶えるために、すべてを優先するために、抑えていた恋。
縛ること、わがままを抑える為に形成された、抑える恋を覆うような、重く響く愛。
抑えられていたものは、果てがない。
理性と感情を理解し、理性に重きを置いていたからこそ……
……その反動の感情は計り知れない。もしかすると、銀河よりまぶしい。
理性では説明し尽くせない、果てなき恋。
〝まほう〟のような、甘く強い恋。
いつかやもしもを考えない、純粋な恋。
瞳が好き。髪が好き。気持ちが好き。こころが好き。つよさが好き。
ううん。そうじゃない。言い表せないぐらい、イーリスが好き。
「うん。とってもだいすき……いーりす。
わがままなぶぶんも……ぼくの恋も、うけとって。」
やさしい彼の、わがままな一面。
イーリス以外には表せないであろう、エゴの混じった感情を伝える恋。
感情魔力混合炉は、その力を増幅させぬまま最大限に駆動している。
必要がないぐらいの、底無き恋と愛。
「い……ーりす……だいすき。ぼくの、とくべつ……。」
いまだけは、まわりをみない。
衆目の視線はきにしない。
温泉の演出と見紛う程の、具現化された桃色とハートとひかりとにじ。
大胆に口付けを交わし合う。
お互いが満たされるまでずっとずっと、人目を気にせずに口付けをし合った。
■Dr.イーリス > これまで抑えられていたエルピスさんの恋心。
果てなくイーリスに流れるエルピスさんの恋心。
オリオン座どころか大銀河よりもまぶしきエルピスさんの恋心。
果てない恋を受け止めて、もっと、エルピスさんのことがすきになってしまう。
エルピスさんの恋の色がイーリスを染めていく。染め上げていく。
■イーリスの中 > ──超自我さんのいる電脳空間──
この世界に異変が起きていた。
世界中に溢れ上がるハート。
そして空中の所々に映るのは、イーリスの記憶にあるこれまでのエルピスさんの映像。
日常だったり、助けにきてくれたところだったり、シリアスな話をしているところだったり。
そのハートは、エルピスさんによるものとイーリスによるもの両方が混じっている。
街の看板が全てエルピスさんになっていたり、街にあるモニターの映像もエルピスさんの映像だったり、本の全てのページにエルピスさんが映っていたり。まさしくエルピスさんの色で染まってしまっている世界。
この世界にいるNPC全員にも影響が及ぼされてしまって、一時的にエルピスさんに恋をした上で卒倒。
どこからどう見ても、完璧なる不具合である。不具合を直すシステムもエルピスさんの恋や愛で塗り替えられてるのでどうにもならない。
果てのない恋心を受け止めて、エルピスさんでイーリスの中が染め上げられているので、電子頭脳や電脳世界、システム、感情、自我などなどイーリスの中で様々な影響が及ぼされている。
超自我さんのいる電脳空間の異変は、その例の一つ。
■Dr.イーリス > 現実世界に場面は戻り。
「えるぴすさんの恋…………心地いいです……。私の中が……どんどんエルピスさんの色で染め上げられているのを感じます……。あなたのわがまま……あなたの恋……ぜんぶ、私がうけとめます……。もっと……あなたの色で……私を染めてください……」
エルピスさんの底なき恋という凄まじく心地の良いものでイーリスの中が染め上げられて、その表情もどんどん蕩けている。
心でも正常な判断はできないし、システム面でもまた正常な判断を阻害する。全て、エルピスさんの色に染まってしまっているのだから。
《パンドラ・コアMk-Ⅱ》もまた過剰な動きを見せていた。
溢れ出る膨大な恋の感情をエルピスさんに流し続けている。桃色の光で形成された無数のハートのエフェクトが温泉エリアに広がっていく。
何も知らない人から見たら洞天スパの演出の一つに見えてしまうかもしれないその数多のハートのエフェクトは、イーリスから大量に発せられている。
「……えへ…………。える……ぴす……さん……。……えるぴす……さん……。だいすき……。あなたの何もかも……血の一滴まで……だいすき……んんっ……」
口付けを交わす二人。とてもきもちよくてやわらかくてあたたかいエルピスさんの唇。
エルピスさんの恋で、イーリスが染め上げられていて、エルピスさんがイーリスの唇から放そうとしても、イーリスはそれを許さずエルピスさんを求めてしまう。
酸欠の危険があるだろうか。
■エルピス・シズメ >
イーリスのすべてを染め上げている。
ある意味、縛るよりもつよいもの。
電脳空間すら染め上げる。
知らぬ間にそうしている事は、仄かな自覚としてある。
だからこそ、より嬉しさが混じる。
イーリスの中に在るエルピスの外付けだった超自我もまた、
その光景に驚いて、黙って眺めていたことは、ここだけのはなし。
「だいすき……ん、ぅ……ん……。」
理性で止まらない、感情が止まらないけど……
……息苦しくて、あつい。だからなんとか、名残惜しそうに、腕を緩める。
口付けも、一度止める。
「……のぼせちゃいそう……なごりおしいけど、一回そとにでて……
休憩フロアで、甘いものと冷たいのみものをのみながら、ゆっくりしよ?」
顔が真っ赤なのは、酸欠か照れかのぼせかすべて。
それでも嬉しい気持ちをごまかさないで、振り切れたような嬉しそうな笑み。
きっと、今までで一番嬉しそう。
「……こんどこそ、本当のほんとうに、だいすき。いーりす。」
離れ切る前に耳元でささやいて、名残惜しそうに離して、ジャグジーを出る。
いろんなきもちで、すっかりのぼせあがっている。エルピスもまた、イーリスの虜になっている。
電脳空間こそないけれど、頭の中はイーリスのことでいっぱいだ。
「たべたいもの、のみたいもの、ある?」
そう聞きながら、浴場を後にして……飲食・休憩施設でイーリスを待つだろう。
■Dr.イーリス > すべて染め上げられてしまう。
底なしのエルピスさんの恋と愛は、そのままイーリスの恋と愛も増幅させる。
理性は、吹き飛ばされる。
恋をする、心が壊れた乙女。
幸せで心地良いという感情が溢れて、さらに理性が利かなくなる。
「はぁ……はぁ…………」
お顔を真っ赤にしながら、酸欠寸前までエルピスさんのお口から放されると、名残惜しげにエルピスさんを見つめる。
「……もっと……です……。えるぴすさんの恋と愛……感じていたいです……」
ぎゅっとエルピスさんを抱きしめて離れようとしない。
蕩けた笑みをエルピスさんに向ける。
耳元での、エルピスさんの囁きに、イーリスは恋で溶かされていく。
離れようとしても、イーリスは離れない。エルピスさんの色に染まってしまったのだから。
ジャグジーには一緒に出る。
「私は、えるぴすさんの口移しなら、何でも幸せに美味しくたべられます。えるぴすさんが食べたいものを私も食べたいです」
そう頬を赤らめて微笑みながら口にしてしまうのも、イーリスがエルピスさんで染め上げられてしまった結果。
エルピスさんで染め上げられていても、さすがに着替えまで一緒にできない。
エルピスさんと離れる直前、イーリスは泣き出したりもした。エルピスさんの底なしの愛と恋を受け取って、愛と恋の後遺症。
だが着替え終わったらすぐ会えるという事で渋々、女子更衣室に向かった。
■エルピス・シズメ >
泣き出したイーリスにつられそうになりながらなだめたり、
口移しを求めたイーリスに照れた笑いを向けたり、
すぐに会えるよう、しっかり着替えて待ってたり、
可愛らしい嬉しさと愛おしさに身を委ねて、時にはエルピスからも二人で一つの飲み物をのんだり、
恋と想いを交わしながら、温泉施設をめいいっぱい堪能した。
とっても幸せそうな二人の、恋のひととき。
ご案内:「常世島スパ洞天《桃源リゾート》/ 憩いのひととき」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「常世島スパ洞天《桃源リゾート》/ 憩いのひととき」からDr.イーリスさんが去りました。