2024/09/01 のログ
ご案内:「常世島共同墓地 風紀委員会殉職者慰霊碑」にフィスティアさんが現れました。
フィスティア > 「…」

慰霊碑とその周りは質素ですがとてもきれいです。
小さな傷1つない、お手入れの行き届いた石材で出来ています。
異文化圏出身の私でも抵抗なく受け入れられる荘厳な空間です。いつ来ても心が凪ぎます。

慰霊祭の時期でもありませんが、一人だけ拝礼にいらしている方がいらっしゃるようです。
慰霊碑に私の知らない形式で手を合わせています。

「お隣、失礼してもよろしいでしょうか?」

静かに声をかけさせていただきます。
私とそれほど歳の変わらなさそうな女子生徒さんがゆっくりと振り返ります。
泣いた後なのでしょうか。ほんのりと赤い顔と腫れの引かない目元に少し心が締め付けられるような感覚を覚えます。

女子生徒さんはすぐにゆっくりと頷いて下さりました。
会釈と共に感謝を述べてお隣で両膝をついて両手を合わせます。
目を閉じ、面をあげて黙祷を捧げます。

少しして、お隣から服の擦れる音が聞こえてきました。
立ち去るのでしょう。邪魔をしてしまっていないとよいですが…。

私は、もうしばらくここに居ましょう。

ご案内:「常世島共同墓地 風紀委員会殉職者慰霊碑」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
ご案内:「常世島共同墓地 風紀委員会殉職者慰霊碑」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
ご案内:「常世島共同墓地 風紀委員会殉職者慰霊碑」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
リョーガ・パレコルタ > 『…ここに来るのも1年生ぶりだねい。
…お?』

時を同じくし、墓地に現れたは花束を右手に手にした青年。
青年はすれ違った女子生徒に会釈を交わしながら。

『…』

慰霊碑の前に見かけた軍服の彼女の隣に歩きながら立って。

『隣、いいかい?』

フィスティア > 命に差はありません。
ですが、誰かの命を守る為に散っていった命の安らかな眠りを願わずにはいられないのです。
ですので、こうして時折慰霊碑を訪れるのですが…今日は、別です。

「…はい。是非祈っていってください」

声をかけていただいので、ゆっくりと目を開いてふり向きます。
男子生徒さん、でしょうか。しっかりと花束まで持参されています。
死者を悼もうとするその行動に微笑みが零れます。
慰霊碑は大きいのでズレる必要はなさそうです。
そっと会釈して再び慰霊碑に向き、目を閉じます。

リョーガ・パレコルタ > 『ん、ありがとねい。』

青年はそうして。
慰霊碑に花束を手向けてから。
静かに黙祷、鎮魂の祈りを捧げて。

フィスティア > 3分ほど経ったでしょうか。
黙祷を終えて、瞼を開きます。

3分という時間は黙祷というには少し長いかもしれません。
ですが、私が死者に対して出来ることは祈る事だけなのです。
…自己満足かもしれませんが、長いとは感じません。

そっと立ち上がって慰霊碑を見上げます。
先週訪れた時から追加された名前は…少ないですね。
流石に昨日の今日で刻まれる事はないようです。
また刻まれた頃に訪れましょう。

リョーガ・パレコルタ > ────同じく、または少し遅れてから瞳を開いて。

…青年は慰霊碑を見上げる。
その瞳で何人かの戦死者に目を通してから。

『…誰か知り合いかを亡くして、ここに来たクチかい?』

それとなく尋ねてみようと。

フィスティア > 「知り合いではありませんが、委員会の仲間を多く喪いました。」

先ほどの男子生徒さんの声にふり向いて答えます。
今回ここを訪れたのは、昨日の事件と先日の行方不明となった委員会の仲間の皆さんを悼む為です。

「殉職者は珍しくないですが、蔑ろには出来ませんから。
時折こうして祈りに来ています」

同じ委員会と言えど名前も知らない、顔も分らない誰かの死。ですが、その後の安らかな眠りを祈らずにはいられません。

「あなたも…でしょうか?どなたか知り合いを…?」

ここを訪れているという事は、そういうことなのでしょうか。尋ねます。

「それと…お名前、お伺いしてもよろしいでしょうか。
私はフィスティアと申します。」

優しく微笑んでお名前を伺います。
死者を悼む気持ちのある方をあなたと呼び続けるのも、不躾に感じますので。

リョーガ・パレコルタ > 『なるほどねい。』


────優しい。
彼は彼女にその印象を持った。
微かに頷いた。

言葉はそれだけを返して。
自身も慰霊碑を見上げてから、彼女に顔を向ける。
名乗られたならば。

『フィスティアねい。
俺はリョーガってんでい。
…1年生の頃、学園に来た頃の知己を何人かだけどねい。』

そう幾らか1年生の頃に散った者達の名を軽く見上げてから。

フィスティア > 「リョーガさん。良い名前ですね。よろしくお願い致します。」
「そうでしたか…きっと安らかに眠られてますよ」

リョーガさんの知り合いは風紀委員会に所属していたのでしょう。
学園に来たばかりで親しい人を亡くす。
私は同じ経験はないですが、きっと辛い事だったでしょう。
それを乗り越えて、今こうして冥福を祈りに来る。
尊敬すべき姿勢です。

「…」

よく見ると、リョーガさんは片腕が無いようです。
命こそ失っていませんが、彼も死線を潜ってきたのかもしれません。

「リョーガさんは…生きてくださいね」

私はリョーガさんの事を何も知りません。
今出会ったばかりですし、学年も家名も知りません。
昨今の死者数に怖気づいているのかもしれません。何故かその言葉が口をついたのです。

リョーガ・パレコルタ > 『そうねい。
…あっちで安らかに眠ってるといいねい。』

1年前ながらに、知り合いを亡くす経験はしてきたものだ。

『ん。』

生きてください、の言葉に微かに頷きながら。
自身は風紀に身を置く立場ではない。

だが現場に出ることがある以上死、というものは必ずどこかでついてまわるのだ。
ゆめゆめ忘れるべからず。

『おっとフィスティア、引き止めてしまったかい?
時間が大丈夫ならいいんだがねい。』

フィスティア > 「お気遣いありがとうございます。
時間はしっかりとってありますので、大丈夫です。
こちらこそお時間いただきありがとうございます」

控えめにお辞儀します。
誰かを悼む者同士、些細な事でも言葉を交わす機会は大切に思います。
引き留められただなんて、決して思いはしません。

この後は公安委員会の慰霊碑にも手を合わせていくつもりです。
役割が違うというだけで、他の誰かの為に命を捧ぐ仲間ですから。

「リョーガさんはこの後どうされるのですか?」

リョーガ・パレコルタ > 『ん。』

なら気にしないでくれ、というように首を横に振ってから。
これからどうするか、と問われると。

『俺はこれから委員会…というより禁書図書館に寄る予定でねい。
知り合いに色々報告をだね。』

と、踵を返しながら。

『フィスティアも遅くならないうちに済ませるんだよい?
最近物騒だからねい。』

それじゃぁ、と頭を下げてから颯爽とその場を後にしようと。

ご案内:「常世島共同墓地 風紀委員会殉職者慰霊碑」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
フィスティア > 「図書委員会の方でしたか。いつもお疲れさまです。」

誰かの為に働く人は皆偉大ですから。尊敬に値します。

「ありがとうございます。
リョーガさんもお気を付けて」

会釈を返して控えめに手を振ります。
また会えると嬉しいですね。

リョーガさんの背中が見えなくなるまで見送ってから、私も歩き出します。
公安委員会の慰霊碑に向かいます。

フィスティア > 『最近物騒だからねい』

リョーガさんの言葉が頭の内で響きます。
そうです。最近、物騒です。

不思議な事もありました。
行方不明から死亡扱いとなった筈の風紀委員が再び行方不明に割り振られていたのです。
…海藤さんに殺されたと思われる委員です。
私は確かに報告したはずです。死亡した可能性が高いこと。その遺体は既に処理されてしまった可能性が高いこと。
違反組織『覇伝洲』の海藤宗次さんもしくは他の構成員により殺害された可能性が考えられるという事。

ですが、データベースには『当者は行方が分からないまま』、『仮面騒動に巻き込まれた可能性あり』とありました。

「…」

何かのが働いたのでしょうか。
こういった事は、故郷でも何度も目にしました。
あくまでも私の妄想の域を出ない…とはいえ。
死者への冒涜だと。そう思い、抑えきれない想いで胸がいっぱいなのは私だけなのでしょうか。

フィスティア > 私には何も出来ません。
もし本当にそれが改ざんされたものだとすれば、私の力では何も出来ません。
私には何の力もありません。
武力も、権力もありません。

故郷に居た時からそうでした。
あの時は、親が守ってくれましたが今はそうもいきません。
どっちの方がよいかと言われれば…何とも言えませんが。

仮面騒動もそうです。
昨晩の事件で風紀委員も何名か殉職したと聞きました。
強大な力を持つ一個人が風紀委員会や違反者を魔人と呼称し、殺傷した事件です。
この事件の犯人、魔法少女なんて呼ばれている彼女が仮面騒動で(ギフト)を与えられたのではないかと言われています。

放っておけば、また誰かを殺すかもしれませんが…

「私には…そんな力は…」

きづけば私は立ち止まっていました。
考え事に夢中になりすぎたようです。

フィスティア > 考えるだけじゃ何も変わりません。
なのに考え込んでしまうのは私の悪い癖かもしれません。

「何か…出来ないでしょうか」

風紀委員の内から凶悪犯罪者が出たという話もあります。
私がまともな行動を起こせないうちに、事件は起きています。

「…羨ましい、ですね」

魔法少女が、羨ましい。もし本当に(ギフト)を与えられたのだとすれば。
そう思ってしまいます。私も何か力を得て、誰も死なない、殺されない。
誰も悲しまない世界を…

「いえ…それは違いますよね。みんな頑張ってるんですから」

頭を強く振って邪念を取り払います。
そんな甘い考えでは誰も救えません。

再び歩き出します。
公安委員会の殉職者の皆さんに手を合わせて…

そういえば、お昼ご飯がまだでした。満腹になれば、きっと少しは気もまぎれるでしょう。

ご案内:「常世島共同墓地 風紀委員会殉職者慰霊碑」からフィスティアさんが去りました。