2025/12/01 のログ
ご案内:「常世島共同墓地」にサロゥさんが現れました。
■サロゥ > 現在時刻は16時頃、冷たく乾燥した風が吹いている。
平時の平日ゆえか、訪問者はかなり少なく閑散としている。
落ち葉が地面に擦れる音すら聞こえてくるような静寂に包まれた墓地に、不審な女が居座っている。
小高い丘に築かれた共同墓地の特に高い場所、少し開けた空白地帯。
真っ黒な喪服に身を包んだ紫髪の女が直立の姿勢で佇んでいる。
女性らしい曲線的なラインの肉体、風になびく長髪。
生物らしい呼吸とまばらな瞬きを繰り返している。
前で組んでいた手を後ろで組んでみたり、左右でぶらつかせたりしながらも、その視線は共同墓地を見渡している。
女がここに来てから既に8時間ほど。
その間、そして今も、女はここに立って共同墓地を見渡している。
■サロゥ > 静寂の中、学生と思わしき3人が共同墓地を訪れる。
3人は他愛ない会話をしつつ、穏やかな歩みである場所へ向かっている。
女は3人が視界に入ると、身体を僅かに動かし、そちらへと視線を向ける。
そしてそのまま、半分ほど閉じた瞳で3人を観察し始めた。
3人はそれに気づかぬままに風紀委員会の殉職者の名前が刻まれた慰霊碑に辿り着き、1人がそっと花束を添えた。
そしてそれぞれが礼や黙祷を捧げ始める。
それを終えると、何やら声をかけて来た道を戻るようにして去って行く。
女は、その様子を全て見ている。
じっと微動だにせず、3人が去るまで観察を続ける。
そして、3人が視界から消えると、微動だにしなかった姿勢を解いた。
その時、少しばかし女の周囲が歪んだように見えるだろう。
魔術でも異能でもないが、何らかの力が働いていたことは確かだった。
■サロゥ > 女はただただそこに立ち続けていた。
3人組が去った後に墓地を訪れた人々の観察こそしていたが、それ以外ではこれといった動きもなく。
女が共同墓地を去ったのは、22時を過ぎた後だった。
様子を見に来た巡回の委員に促され、素直にその場を去って行った。
女が去った後には、怪しい痕が……なんてこともなく。
ただ、円形の擦れた痕だけが地面に残されていた。
ご案内:「常世島共同墓地」からサロゥさんが去りました。