2024/06/07 のログ
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」に狭間在処さんが現れました。
狭間在処 > 落第街に面した常世渋谷の奥。通称【黒街】と呼ばれる場所。
普段は落第街やスラムから殆ど出ず、赴くとしたらせいぜい異邦人街の一部くらい。
そんな青年が、ここに姿を現したのは――何か深い理由が特にあった訳ではない。
普段は【表側】に出向く事が無い故に、自らの基準で足を向けられるギリギリの辺りまで出てきた、それだけ。

「………。」

時々、何かを訴えるように右肩に乗った三本足の鴉がこちらを見てくるが無視。
この辺りは表側としては治安は悪いのだろうが、落第街には及ばないだろう。
だが、ここから落第街に落ちてくる連中もちらほら居るとは小耳にした事がある。

(…とはいえ、気紛れに出向いてみたはいいが表側の情報を得るには少し心許ないか?)

場所が場所だけに、人に尋ねようにもちらほら伺えるのはガラの悪そうな連中ばかり。
まぁ、仮に何某か情報を得たとしても、それが直接自分の役に立つかは内容次第、か。

狭間在処 > (まぁ、話しかけるとしても…俺自身の口ではなく、この鴉から声が出たら変に警戒もされそうだ。)

右肩の鴉――『ヤタ』をちらりと一瞥する。寛いでいるのか何なのか、太々しいのは相変わらず。
とはいえ、喋れない自分の代わりに『声』を代替してくれる相棒だ。感謝の念はある。

(後で奮発して良い餌でも買っておくか……しかし。)

どうしたものか。特に目的が全く無いただの散策は嫌いではなく、むしろ好きな部類。
ただ、折角ここまで出向いたから何かしら情報でも何でも一つくらいは欲しいものだ。

狭間在処 > (まぁ、何も無いならそれはそれで気晴らしの散策、という事になるか。)

完全に表の世界には行けない自分だが、まぁその光の一部くらい浴びるのは良いだろう。
…浴びるも何も、流石にここだと少し厳しいか。マイルドに薄めた落第街みたいな場所だ。

時々、何かの取引ぽい光景やら小競り合いやら、見慣れた光景に遭遇する事もあれど。
まぁ、それに何かを思う事は特に無い程度にはあっちに住んでいる。

(事情があって”落ちてきた”連中も居るんだろうが…)

事情も何もなく、ただ自ら望んで落ちてきた者も少なからず居るだろう。
表側が窮屈に感じるのか知らないが、日の当たる世界も悪くないだろうに。
等と、体中を弄られて人間から失敗作に落ちた己がどうこう偉そうに思えた事でも言えた事でもあるまい。