2024/06/18 のログ
■桜 緋彩 >
「私にとっては、ですがね」
勿論中には正義感を持って働いているものも居るだろう。
弱いものの味方であれ、と信念を持っているものも居るはずだ。
けれど実情としてはそういうことになると思う。
何かが起こってからでないと動けなかったり、人を助けるためにケンカをしたものを追い回さないといけなかったり。
正義の味方ではなく、法の味方。
「これは、風紀ではなくただこの街で暮らす生徒としての言葉ではありますが」
急にやる気を失ったような彼。
刀を鞘に納め、くるりと背を向けて。
「風紀に不満があるのであれば、あなたが正義になればよかったのではないでしょうか」
歩き出す。
今の自分は風紀委員ではなく、ただ一介の剣術家だ。
彼を捕まえる権限はない。
途中、顔の汗を拭えば、胴着に赤い液体がべったりと付いていた。
打ち合いの最中か逃げる途中か、どこかでアームが掠っていたらしい。
腕の火傷もでっかい水膨れになっているし、とりあえず病院に向かうことにする――。
ご案内:「常世渋谷 常夜街」から桜 緋彩さんが去りました。
■テンタクロウ >
強大な力を持ち、闘争に酔い、その上でこの言葉。
「ハァァ……まさか、本気で言っているのか」
「大したものだよ、風紀委員」
「確かにお前は正義の味方じゃない」
「そしてお前は悪党でもない」
「一匹の悪魔だ……よく社会にいられるものだよ」
大凡、歪みというのはこういうものなのかも知れない。
強大な力を持っている一個人。
いや……それは僕も同じか。
立ち上がると外に出てフライトシステムを起動させて空に浮き上がる。
まずは肺の血を。いや……もう遅い。
長生きなんてものは無意味で、この世界にあって無価値だ。
爛々と輝く星の下で。
僕は確かに喪失した。
心にあった支えの一つを。
ご案内:「常世渋谷 常夜街」からテンタクロウさんが去りました。
ご案内:「常世渋谷 底下通り」に先生 手紙さんが現れました。
■先生 手紙 >
――或る、店の前だった。
看板の代わりに大タルがあり、その上に小さな三角立ちの黒板におススメのメニューらしきモノが書いてある。
ぶっちゃけるとこの底下通りに出ている食べ物屋はピンキリであり(地球日本人談)、ヘタな店に入ってよくわからない注文をするとエラい目に遭う――なんてことは日常茶飯事。
だが彼――先生手紙は、逡巡こそあれ、その店に踏み込んだ。
間接照明だけの薄暗い店内。内装の殆どが木製の、どこか幻想的な雰囲気と湿度を持つ場所だった。
カウンターに座る。
疑問の解は此処で得られる――メニュー一覧と思しき羅列が壁に書きこまれているが、ソレを敢えて無視した。
「…………ドラゴンステーキってマジ?」
■先生 手紙 >
店主はニヤリと笑った。マジらしい。
カウンターの炉に火が入る。途端に、緊張していたのか、がやがやとした店内の騒がしさが耳に入るようになった。……どうやらここは、ジャンルで言うのなら『食堂酒場』ということになるらしい。
気づかれないようにテーブル席を盗み見ると、ジョッキはガラス製ではなく、軒先にあったタルのような木杯だった。それに取っ手がくっついている。あのだらしのない泡は、予想(期待)通りだとすると、ヌルいエールビールなのだろう――
(……取り返しのない選択か?いや、まだだ。)
異邦人の、異邦人による、異邦の店。此処では自分こそが『外』のニンゲンなのだ。彼らがこの地に適応したように、自分もこの店に適応してやろうではないか。やってやるとも。
■先生 手紙 >
ふと、香ばしい匂いと食欲に訴えてくるジュウウウ、という音。鉄製のフライパンに、どっかで見たようで実際見たことない、何かの――標榜通りならドラゴンの――分厚い肉が一枚入れられたのだ。
赤い身だ。どこの部位だろう。牛ならモモか肩あたりの色合いだが。さておきアレが本当にドラゴンの肉だとして。きちんと赤いことに少しの安堵を覚える自分がいたのは確かだ。
何ドラゴンの肉なンだろう。
ご案内:「常世渋谷 底下通り」にシャルトリーズさんが現れました。
■先生 手紙 >
期待と不安が交雑している。
『あの』ドラゴンステーキをこれから食べる。あのってどのだよ。そンなもん食ったことねえよ地球生まれなめンな。(センジョーはだいぶ胡乱になっていた)
パラパラと砕かれた香辛料的な何かが、高い位置から片面焼きの肉の上に投下される。指先で振りながら、曲げた肘に当たって分散していく。ひと昔前、バズった塩振りおじさんの動きだ……意味あったンだなあアレ。
――ジャアァァッ! フライパンの中で肉がひっくり返る。
■シャルトリーズ >
さて、隣の男が、眼前で焼かれていく肉を心配そうに
覗き込んでいる、そんな時。
鈍い音と激しい振動がテーブルを襲う!
発生源は、男のすぐ右隣。
見やればそれは、隣の椅子に座っている――否、椅子の上で浮いている――
身長129cmの少女らしきヒトが、思いきり樽ジョッキをテーブルに置いた音だった。
「ぷっはぁ~~~~!! やっぱり仕事の後のお酒は最高ですねぇ~~~~!!」
ぱーっと明るい雰囲気で話すその女性。
ピンクのポニーテールをぶんぶん揺らしながら、宙空で伸びをしたかと思えば、
ドラゴンらしき肉を覗き込んでいる男の方へすすす、と近寄っていく。
空中浮遊しながら。
「レッドドラゴンのモモ肉ですよ、あれは。なかなかの美味ですよ」
男の心の疑問のように答えるように、その女は口にする。
そして、口の周りを泡だらけにした顔を男の顔に近づければ、一言。
「見かけないお顔ですねぇ。
もしかして、このお店は初めてですかぁ~?」
■先生 手紙 >
コミック・アクション。自分の座ってる椅子ごと宙に浮いて、戻る。
「へェ、レッドドラゴン……でっ」
相槌と共に隣を見る。
でっっっっ
目をごしごし。
もう一度見る。
ちっっっっっ
不躾だが、三度見た。
「……いやァ、バレちゃいましたか。一見さンなんです。浮いてないか心配だったンですけど、物理的に浮いてるヒトがいて良かったァー」
■シャルトリーズ >
「あらあら、失礼。
ちょっと近すぎちゃいましたね~」
すすす、と下がれば遠近法で縮んでいくピンク髪の女。
近付き過ぎである!
結局のところ浮いていることに変わりはない。
二つの意味で。
実際、樽ジョッキの振動でまだ震えている異邦人が数名居るのだから。
パワフル極まりないジョッキ置きであった。
「そんなこと気にしなくて大丈夫ですよぉ~。
同じお店でお酒を飲めば、それはもう友達みたいなもので?」
しかし、見れば見るほどこの場に似つかわしくない、
少女のそれにしか思えない身長、声色。
■シャルトリーズ >
「隣の席でお酒を飲めばそれはもう……コ・イ・ビ・ト♡」
■シャルトリーズ >
からのパワフルウィンク!
「みたいなものですからぁ~?」
完全に酔っ払っている!
■先生 手紙 > 目の錯覚だった。うン。いきなり隣にくっそでっかい女の人が居た気がしたが、今隣にいるのは小さく可憐な恋人――
「マスター、おれにもエールくださァい」
胡乱に『場』の流れと言うモノに乗っかる形で酒を頼む。
「やー。光栄ですねェ。でも生委のセンセが生徒とコイビトするの、風紀が黙ってねえと思うンですよ。光栄ですけどね」
■シャルトリーズ >
ぐびぐびと樽の中のエールを飲み干し。
「マスター、もう1杯!」
空のジョッキをテーブルに置く。
『先生、これでもう36杯目ですよ……いくらアンタがドワーフだからって……』
渋々とジョッキを出すマスターに、機嫌よく受け取る少女。
マスターへは、固いこと言わずぅ、などと軽く返し。
「おや? 私のことをご存知で? もしかしてファンの方ですかぁ~?
……さておき、恋愛は壁があるほど燃えるんですっ!」
どや顔の少女は、これまたエールを軽く飲み干してしまう。
「それで、どうしてこんなところに?
お目当てのモノでもありましたか~?」
そう言って、先ほどまで彼が視線を渡していた肉の方を見やる。
■先生 手紙 >
出されたエールを一口。日本で出回っている主流のラガーと違い、だらだらと飲むにはいいビールでもある。
少なくともお隣のこのセンセみたいな飲み方するンじゃねえぞ後輩たち!
「えェー。忘れちゃったンですかァ。あンなに(魔術の授業で)激しく(教育)してくれたのにィ。センジョー、しょっく」
ごくり。顔色も声音も変えずに、言葉だけが軽薄に返る。
「……まァ、はい。アレが気になっちゃって、つい」
『アレ』――もとい完成したドラゴンステーキが、どかりと前に出された。
「いただきます」
日本式、食前のアイサツ。ジッサイ大事だと道徳の教科書にも載ってる。
■シャルトリーズ >
「それは申し訳ない~……見ている生徒が百や二百ではないですからねぇ~。
あ、でも安心してください?
シャルトリーズは今日この席で、アナタのこと、きちんと覚えましたから♡
テ・ガ・ミ♡ きゃーっ♡」
このドワーフ、酔っぱらいムーブの極み。
周りの客がドン引きしている……。
「やっぱりそうでしたかぁ、レッドドラゴンのステーキは美味しいですが、
なかなか手に入るものではないですからねぇ。
この常世学園でも、そう簡単に食べられるものではないのですよ~?」
運が良かったですねー、と。
ぽんぽんと軽く肩を叩く。
「私の故郷では、現れれば討伐依頼が出されたものです。
私もよく街を国を守る為に駆り出されて……っと、昔話は要らないですね。
さて、お口に合いますかねぇ~?」
ドワーフは浮かびながら、ニコニコと手紙を見守っている。
顔が、近い!
■先生 手紙 >
「ばっちり名前まで覚えてンじゃねえですかやっぱり」
さては泥酔もフリか?そんな疑問は心の中。
「シャルセンセは逆に、ここの常連って感じしますね。周りの連中が部外者に遣る目ェしてない」
ドン引きをそう捉える。ナイフとフォークは地球準拠だった。たいへんに助かります。
「……まァ。変前のファンタジーモノのド定番でしたよ、ドラゴン討伐。この世界に来てくれないと流通しないのは確か――いや来られるとフツーに迷惑だから感想に困るな……」
ナイフを通す。ざくり、と生前の強靭さが解る感触。それでいてフォークはすんなりと刺さった。口に運ぶ……
「………………」
もにゅ。もにゅ。ごくん。
いや!まだ一口目だから!
「…………」
ナポ……
「……センセ、ガチ恋距離でおれの食レポ待つのヤメテ」
■シャルトリーズ >
「わっははー、ばれちゃいましたかー♡
って、そりゃ名前呼んだんだから、そうですよねー!
テガミさん、私がこんな顔の良い男忘れると思ったら大間違いですよーっ」
めちゃくちゃ上機嫌に笑っている!
酔っ払い状態のシャルトリーズの内部をどうこう探ろう、
という試みは徒労に終わる可能性があるかもしれない。
「らしいですねぇ~。私達の世界だと、ドラゴンもゴブリンも、リヴァイアサンも。
ぜーんぶ昔から実在してたんですけどね~。
こっちじゃ、それがそっくりそのまま、フィクションとして
存在してた、なんて、不思議な話ですよ~」
そんな話をしながら、るんるんハミングで食レポを待つシャルトリーズ。
「ガチ恋、しちゃいましたか……?」
顎の下にきゅっと握った両拳を持っていくタイプのぶりっ子ポーズ!
「で、味はどうなんですか、味はー? 美味しいでしょ~! 絶品でしょ~!」
■先生 手紙 >
「おおっと。ツラがいいって言われて悪い気になる野郎も居ませンよ。あざっす。あーあーセンセがセンセじゃなかったら手ェ出してたろうなァー」
言っては、ステーキ(ドラゴンのすがた)を口に運ぶ。会話はおざなりで、それなりにこの肉に対して無心になってた。
「……ワニ肉食ったことあるンですけど、それよりもずっと身が肉感ありますね。でも牛じゃないンだよなァ。……ああ、」
上等な鹿肉を、かつて本土で食わせてもらった経験がある。アレは思えば、変容する前にあった、確かな非日常的な邂逅だった……少しのノスタルジィ。
「ケモノ臭くないっすね。なんだろう。家畜じゃないのに、肉として洗練されてる……不思議だなァ。美味しい」
カット、カット。一口大にして。
「絶品ですよ、センセ」
ガチ恋距離でこっちを見守る教員に「はい、あーん」と差し出す一口であった。
■シャルトリーズ >
「じゃ、やめちゃおっかな、セ・ン・セ♡」
そんなことを冗談っぽく言いつつ、小首を傾げる。
更には、指を口元にやるポーズ。
それなりの容姿の者がやれば形になるだろうが、
見た目が子どものため、あまりセクシーには見えないであろう。
「なんて、ま、辞めませんけどね~。この学園の生徒の皆さん全員が宝物ですから~。
まだまだ辞められませんね~」
酔っ払っていても、そこだけはしっかりと抱いているらしく。
そうして一口あーん、して貰えば。
「ええーーー!? 良いんですかーーー!?
夢にまで見たあーん貰って良いんですかーーー!! ひゃーーっ♡」
などと言いつつ、ぱくつくのであった。
ちょろいドワーフである。
「いやぁ、美味しいですねぇ! イケメンと食べるお肉は最高ですねぇ!
あっはっは! さぁ、テガミさん! デートと行きましょう!
後はシャルトリーズが全部奢ります! マスター、エール10杯お願いしまーす!
それからアメジストドラゴンのステーキ3つと、マンドラゴラスープも2杯追加で!
この方に食べて貰いたいので! はいっ!」
そう言って小さな手をブン、と上に挙げ。
張り切って注文しだしたのだった。
まだまだ、夜は長くなりそうだ――。
■先生 手紙 >
「わはは。センセが教員辞めンのと、おれが卒業するのどっちが先かなァ」
可愛らしい……もとい微笑ましい酔っ払いである。
「ま、生活委員会には世話になりっぱなしなンで、まだまだセンセーでいてくださいよ。宝物、ってのにはおれも賛成なンでね」
夢にまで見るほどか?これ。
他愛のないトークと食事を一旦終わらせ、煙草を銜える。今日はどちらもオフなのだ。明日に持ち越さなければそれでいい、と先生手紙は考えている。
「マスター、もう一杯――は?アメジスト、何?そんなんもあるっていうかマンドラゴラって薬学科が最近品薄って嘆いてたやつ――ああー」
初見と常連の差が此処で出た。ひとつの注文の間に三手打たれている。なんということでしょう。
■先生 手紙 > ――その後、酔いつぶれた教員を背負って職員寮まで運んだ生徒の姿に、ある教員は恐る恐る訊いた。
『大丈夫だった?』
ええ、はい。節度は守りましたよ。少なくともおれは。
などという後日談。
ご案内:「常世渋谷 底下通り」から先生 手紙さんが去りました。
■シャルトリーズ >
「えへへー、うふふー、だめですよー、あーーーれーーー♡
ひひひ、せきにんとってくださいねー、きゃーきゃー」
などと、背負われながらきゃいきゃい言っていた教員が、居たとか居ないとか。
職員寮までの道のりで、かなりの学生や教員達がドン引きしながら見守っていたとか。
こうして珍しく晴れた、梅雨の一日はその後、何事もなく終わるのでした。
めでたし、めでたし。
ご案内:「常世渋谷 底下通り」からシャルトリーズさんが去りました。