2024/10/14 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にリリィさんが現れました。
リリィ >  
祝日の常世渋谷中央街ともなれば、ひと、ひと、ひとひとひとひと、人だらけ!

そんな大賑わいの中、真っ赤な顔でビラを配っているメイド服。角翼尻尾付。

リリィ >  
手続きを済ませてあとは実際に学園に通う為のアレコレを購入するばかりとなり、その資金獲得の為お給金の高さ+即日支払いに釣られた結果が現状だった。

「た、ただいま菓祖祭につき、オレンジジュース一杯無料となっております~!ぜひこの機会に御帰宅ください、お嬢さま、ご主人さま~!」

用意された宣伝文句を壊れた玩具みたいに繰り返しながら必死でビラを配る。
受取ってくれる人もいるし、受け取ってくれない人もいるが……男性が受け取ってくれる率が高い。

さもありなん。

翼で衣装を破らないように背こそ開いているものの、それ以外の露出は比較的少ないにも関わらず、コルセットの所為でばいんばいんのスタイルが強調されている上に、真っ赤な顔は常に困惑やら当惑やらで八の字眉毛。
要するに、見るからに気弱そうな風貌……歯に衣着せぬ物言いをすれば、多少強引に迫ればヤれそうな感がめっちゃある。

或る意味で淫魔としてあるべき姿なのかもしれない。

「ご、ご主人さま、お嬢さま、是非ご帰宅くださいまし~!」

リリィ >  
ビラを断られる度に尻尾が悲しげに垂れて、受け取ってもらえると嬉しそうにピコンと跳ねる。
腕に抱えたカラフルでポップでキャッチーな紙束はなかなかどうして減ってはくれない。と、思っていたんだけど、

「はい?あ、はいっ!お店はすぐそこですよ。
 ご帰宅の際、このチラシを提示していただいて――」

店に関して質問される度、身体を寄せて手渡したビラを共に覗き込み、隅っこに掲載されている道順と実際の道を指差し比べて説明したりしていたら、なんか……
なんか、いつの間にかご主人さま候補(チャラめ)に囲まれている……!

「あ、あの、あの、ええと……お店……は……アノ……エット……、アチラ……で……、ジュース一杯、無料……、」

ぎし、と軋む動作で尚もビラを配ろうとするが、ナンカ段々隅っこの方に追いやられてる……気が……する……??

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」に工藤陽介さんが現れました。
リリィ >
ご主人さま候補Aが「これ本物?」と翼をつつく。

「ぴぎゃあ!? っほ、ほほほほ、ほんものですっからっ!さ、さわらないで……く、くだ、さい!」

この業界、踊り子(?)には触れないのがマナーじゃないのか!
と、喚きたい気持ちをぐっと堪えて建物を背にすることで翼と尻尾のガード。

半泣きで助けを求めようとするが、いっしょにビラを配ってた他のメイドさんはとっくに自分の分を配り終えてお店に戻っている。
なんせこのポンコツ淫魔、最初は恥ずかしさのあまり隠れていたからね、ビラ配りなのに。淫魔なのに。

そんな感じで賑わう通りの一角が別の意味でわいわいがやがやしている。※中心にいるポンコツはべそかき状態。

工藤陽介 > 賑い犇めき合う中央街はビラ配りや客引きが非常に多い。
それらをやんわりと手で静止して闊歩する少年は、ふと賑わい立つ人混みへと視線を向け。

「あらら」

とつい声が出てしまう光景に出会った。
体の起伏露なエイドが男どもに囲まれて悲鳴?をあげているのだから。
その足はビラ配りのメイドの方へと向かい。

「わぁ、美味しそうな料理ばかりじゃないか。」

声を明らめ群衆の中に割って入ってビラを受け取り。

「でもこのビラじゃよく場所がわからない。案内してくれる?」

パチリ、と片目を瞑ってメイドに尋ねる。
そのまま案内されて成り行きで囲む男たちから逃げる算段のつもり。

リリィ >  
身体に似合わず子供みたいなべそをかいている真っ最中、不意にかけられた声にビクッと肩が大きく跳ねた。
が、仕事は仕事。反射みたくビラを差し出して様子を窺うと、此方へ向けたアイコンタクト。
最初は意味がわからなくてぽかんとしたが、遅れて意図を察した瞬間パァァとポンコツ淫魔の顔が輝く。
鼻をずびびと啜って取り繕ったら、隙間へ肩から身体を捻じ込むようにして少年の方へ。

「お、おまかせください!こっちです!」

こくこくと赤べこみたいに頻りに頷き共に囲いを脱することになるか。
足早に適当な角を曲がってしまえば、余程しつこいご主人さま候補でなければついては来ない……筈。

工藤陽介 > 共に通りを抜けて路地にと入れば、壁を背にして通りを覗き込む。
そこには囲んでいたチャラ男たちの姿がない……ことを確認してから相手に近寄って。

「やぁ、君。災難だったね……ふっ」

小さく笑ってしまうのは今にも泣き崩れそうな顔に見えたから。

「よかったら使う?可愛そうな悪魔コスプレメイドさん。」

薄く小首を傾げてポケットからティッシュを取り出して差し出した。

リリィ >  
配るべきビラを思いっきり胸に抱いて皺くちゃにしていることにも気付かずに、通りの方を確認する姿をそわそわしながら見守っていたんだけれど、

「!」

わ、笑われた!

パチパチと瞬きを繰り返すから、それは余計に間抜け面に見えるかもしれない。
差し出されたティッシュを見下ろして漸く顔面の惨状に気付くと、先程までとは違った理由で顔を赤くしておずおずとそれを受け取らん。

「あ、ありがとうございます……助かりました。」

受取ったティッシュで思いっきり鼻をかむ。チーン。
畳んでゴミは手の中へ。角も翼も尻尾も自前だが、衣装は借り物なのでゴミを突っ込むわけにはいかない。
配るべきビラは皺くちゃだけど。

そんなことは置いといて、ぺこりと頭を下げての深々としたお礼は勿論ティッシュのことだけではなく。

工藤陽介 > 「あはは。そりゃ泣きそうな顔して悲鳴をあげてたんだもの。
 笑っちゃうさ。
 ああいうのに絡まれるのが嫌ならおっぱいを強調した格好やこんな派手な羽とかつけなければいいのにさ。」

鼻かむその人の羽をつん、と軽くつついてから口角を釣り上げ。

「どういたしまして。俺の名前は工藤陽介っていうんだ。
 君の名前は?
 ……それと。ビラ、大丈夫?」

悪戯っぽく笑いながら、少し身を乗り出し。
未だ胸の中にあるビラごと、つんつん、と胸を突こうとするイタズラもする。

リリィ >  
「うぅ、だって気付いたら囲まれてたんですもん、そりゃあ悲鳴くら、ッい!?」

語尾と肩が跳ねる。
反射めいて翼が羽搏くから、それが本物だと知れるだろう、けど……?

「こ、この恰好で配れって言われてしまったので……
 えぁ……わ、わたしはリリィと申しますぅわぁ!?」

戸惑いつつも応ずる中でのその悪戯に驚くあまり語尾が微妙にお嬢ぽくなった。
上体を捩じってビラと胸を庇う。
背後に背負うオノマトペがざわ・・・ざわ・・・と不穏な感じになってきた。

あれ?このひと、助けてくれたんだよね??
なんかさっきよりピンチになってる気がするんだけど???

が、しかし、ポンコツはポンコツだった。
助けてくれたという事実が先んじて、偶然??気のせい???って頭上にいっぱいハテナを浮かべるばかりで、少年の意図を測りかねている模様。

工藤陽介 > 「おや、これ本物……そっか。この学園にはいろんな種族がいたもんね。」

羽ばたく羽にきょとん、と今度は黒瞳が瞬く番。
そして軽いスキンシップのつもりが、警戒心露となる様子に、小さく息を吹き出し。

「いけない。いけない。ちょっと揶揄うつもりが、さっきの男たちみたいなことしてたね。
 それじゃお詫びに。」

力を緩めてくれるなら胸のビラを一枚抜き取り。
呆然とする相手に背を向けて壁に押し付けて皺を伸ばしていこうとする。

「ぐしゃぐしゃになったビラ。少しでもきれいにしないとね。手伝うよ。」

リリィ >  
「あ、はい、本物です。がっつり神経通っているので、急に触られるとびっくりしてしまうと言いますか……。」

もごもごと口許を波打たせて眉を八の字に。
ビラ越しとはいえ胸を突くのが軽いスキンシップ――なのかと、ここで疑わないのがポンコツ淫魔のポンコツたる所以。
少年の言葉と次の動作にハッとして、慌てていかる肩から緊張を逃がして警戒を解く素振り。

「あ、す、すみません!助けていただいたのに、わたしったら失礼な態度を……すこし過敏になってたみたいです。」

も一度頭を下げた後で、隣でビラの皺を伸ばし伸ばし……。

「ありがとうございます。
 なにかお礼を……と、思うんですが……。」

気まずさに語尾が霞んで消える。
なんせこのポンコツ淫魔、金なしの素寒貧。なんなら耳をすませば腹の音がきこえてくるくらいに残念な仕様。

工藤陽介 > ビラの端から端へと皺をゆっくりと押し伸ばしながら会話を続け。

「そりゃいきなり触られたらびっくりするよね。
 でも触ってみたくなるほど作りがいい羽にみえたんだ。
 きっと最初のお兄さん達も同じ気持ちなんじゃないかな。」

謝罪については言葉なく首だけ振り。

「お礼……かぁ。」

頭には何も浮かばないし。隣から聞こえてくるのは小さな腹の音。
金銭強請るにはあまりに申し訳ないし。ここで「体を」なんて冗談を言おうものなら先程の嫌悪感漂う雰囲気を出してくるだろう。
巡る思惑にまた小さく頭を振って。

「お礼については貸しにしておくよ。 ……なにかあったかな?」

ポケットを探れば小さなチョコレートを、相手の手のひらに乗せて。

「お腹が減ったのならばこれどうぞ。ビラもきれいになったよ。はいどうぞ。
 他に何もないよね?」

リリィ >  
「そ、そうですか?そっかぁ。」

褒められる(?)と嬉しげに表情を綻ばせるこのポンコツ淫魔はきっとチョロい。
尻尾が機嫌良さげに振り子めいて揺れている。

「くっ……!お店に来てください、奢りますよ!って言えるようなプロメイドじゃなくてすみません……!
 次回、次回は必ず、きっと、たぶん、おそらく、出来れば、お礼をしますので……!」

一日限定ビラ配りの肩身の狭さよ。
先の警戒は一瞬で何処かへ消えた。ウサイン/ボルトも真っ青の速さだ。

多少なり見れるようになったビラを纏めたら、もう一度「ありがとうございます」と屈託なく笑う。

そんなポンコツ淫魔の手に乗っけられるチョコレート。

「え!う、うれしいですけど、いいんですか?」

お礼をすべき方が更に御恩を頂く形に恐縮するが、腹の虫という名の身体は素直。
一際大きくぐー!と鳴くから、顔を赤くして受け取ることにする。

「すみません、ありがとうございます。もう大丈夫です。……えと、いちおう、お店の案内……しますか?」

かわいいメイドさん、いっぱいいますよ、って、チョコレートを握りながら客引きめいた宣伝をば。
但し奢れはしないのでジュース以外は自腹になります。

工藤陽介 > 「奢られるの期待してるよ。
 ……案内かぁ。」

顎先に指を添えて暫く口を閉ざし。

「また大通りに戻ったら絡まれるかもしれないし。
 お客様を一人案内したというテイで戻ったほうが君のためにいいね。」

再び大通りに体を向けて。

「それじゃ案内よろしく。
 そんなにありがとうありがとう、っていうよりも笑顔を見せてほしかったな。
 君、メイドでしょ?」

最初に出会ったときと同じように片目を瞑るリアクションを返してからお店へと。
そこでメイドと別れて食事に入るのだった。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」から工藤陽介さんが去りました。
リリィ >  
念の為と窺った結果、余計気を遣わせることになってしまった。

「あわばば……す、すみません……!」

ありがとうございます、って言いかけて、はたり。

「確かに……さっきから「すみません」と「ありがとうございます」ばっかりですね?」

指摘されて漸く気付いた。ふ、と、緩む呼気とふにゃりとした笑顔。
残りのビラをしっかりと、けれどこれ以上しわくちゃにならないようにしっかりと抱え直す。

「はい!では此方へどうぞ。わたしはビラ配りなので接客は出来ませんが――……」

なんて話をしながら大通りへ飛び出してお店へご案内。
出迎えるプロメイドラーと一緒に、笑顔でお決まりの文句を告げた後、
少年と別れたポンコツ淫魔は残りわずかとなったビラを配りに再び大通りへ、

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」からリリィさんが去りました。