2024/07/01 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」にエルピス・シズメさんが現れました。
■エルピス・シズメ >
黄昏時、前後。
雨の中を急いで突っ切ったら妙な場所に出た。
渋谷……にしては少し妙だ。
少なくともあの場所にはあったのは普通の飲食店で、紫色の長方形の物体はなかった。
「……弱り目に祟り目……」
嫌な空気が強い。
ここに雨はないが、濡れた服も不快に思う。
■エルピス・シズメ >
「ええと……ああ、裏常世渋谷。宝の山。」
頭を抑える。
告げられるように流れ込んだ意思を反芻し、呟く。
「だけど怪物や怪異で溢れている。
落第街のがマシだ。こんなところで死にたくない。」
淡々と言葉にする。
きっと、頭にあるものはここから帰れなかった誰かの記憶だと理解しつつ。
「とりあえず、『探索しよう』。」
憑かれるように、誘われるように路を歩き始めた。
■エルピス・シズメ >
時は過ぎて。
「……ああ、もうッ!」
拾ったパイプ椅子をメイスのように叩きつけ、不定形の怪異を追い払う。
今まで歩いてきた中で、一番遭遇した怪異だ。怪異じゃないのかもしれない。
途中で色々なものを拾った。
2077年の英語の雑誌やら、何も入っていないのに重い袋やら、ちょうどいい感じの木の棒やら、招待先のない招待状やら、錆びたコインやら、蝋の盾やら、何も書かれていない巻物やら。
たった今使いつぶしたパイプ椅子もそうと言えばそうだ。
「少し、落ち着かないと。」
駅の改札口のようなものが見えた。
あの辺りで少し休もう。
■エルピス・シズメ >
「試験は大変で、雨は降るし、道には迷うし、今日はダメな日。
けっきょく探し物は見つからない。」
息を吐く。嫌なことばかり思い出す。
スマートフォンを立ち上げるが、当然圏外。
オモイカネ8もここがまともな場所でないことを示唆している。
「だよね。……いいやもう、ジュースのもう。」
改札付近の自販機へと進む。
とりあえず貨幣は使えそうだ。販売品を見る。
「ブドウ味っぽいソーダ、エナジードリンク、滋養強壮剤……
……メーカーはどれも見たことないや。」
■エルピス・シズメ >
ブドウ味っぽいソーダを選んで飲んで休む。
結構な時間が経った気がするが、どうにも記憶があいまいだ。
そもそもどうやってここまで来たんだっけ。そんな具合だ。
「とりあえず、どうしよう……。」
あんまり長居してはいけない気がするが、帰り方が分からない。
既視感から思い出すものも帰れなかった記憶ばかりだ。
■エルピス・シズメ >
周囲を散策する。
この辺りには怪異が居ないらしい。
「これと……これ以外は必要なさそうだし、捨てていこう。」
2077年の英語の雑誌と錆びたコインを除いた取得物を捨てる。
危険性もなさそうだし、何よりかさばる。
■エルピス・シズメ >
「……券売機?」
探索を続けていると、発券機が動いていることに気付く。
ディスプレイを眺めると、不足金額:■■■と表示されている。
「これでいけたりする……?」
先ほど拾った錆びたコインを券売機に投入する。
すると、『Ἐλπίς』と記銘されたICカードが吐き出される。
その下に打刻されているのは時間のようにも見えるが、文字が重なっていて読めない。
「定期券……?」
これは持っておいた方がよさそう。
そう思って定期券を回収した瞬間、