2024/07/15 のログ
ご案内:「裏常世渋谷」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 何時ものように風紀委員の警邏部の一員として、退屈な警邏のお仕事…今日の受け持ちは常世渋谷の辺りだ。
まるで惰性か何かのように、ただ仕事を無難?にこなすだけこなしていた矢先の”変化”。

「―――あァ?」

胡乱げに眉を潜めて周囲を見渡す。…霧、霧、霧…何処を見渡しても深い霧。
街並みは”灰色”に翳り、周囲は静まり返って人の息吹を感じない。

「……面倒臭ぇ、裏渋かよ…。」

別にここに迷い込むのは初めてではないので、特に慌てる事も無くただ面倒そうに溜息。
今回はどうやら霧に覆われた灰色の街、といった感じだ。前回はどんな光景だったか記憶に無いが。

追影切人 > そういえば、さっき職質終えた後に十字交差点を渡ろうとしていたのを思い出す。
トリガーはそれか…他の同僚とか人間は迷い込んではいないらしい…俺だけかよクソったれ。

「…まぁ、いいや。んで、どうやって出るんだっけか、ここ…。」

前に誰かに聞いた気もするのだが、基本馬鹿なので覚えている訳がなかった。
取り敢えず、その場に突っ立っていてもしょうがないので歩き始めるが…。

「…あっちこっちから感じるのは怪異の気配か。うぜぇな。」

連中の相手をする気も無いのでさっさと出たい。ただでさえまだ警邏の仕事が残っている。
あと、何か刃物代わりになるものがあればいいのだが…流石に都合よく落ちてはいないか。

追影切人 > 「―――お。」

丁度、歩いていたら一角に何かの標識があった。馬鹿なので何の標識かいまいち分からん。
青年はおもむろにそれに近づけば、無造作に根本の部分を蹴って”斬る”。
そして、よっこらせ…と、標識を引き抜いて片手一本でぶんぶんと振ってみる。

「……ま、これでいいか。」

どうやら標識を刃物代わりにする事にしたらしい。そのまま肩に担いでまた歩き出す。

(…まぁ、何回かぶった斬ったら勝手に壊れそうだが何もねぇよりはマシってな。)

流石に、裏常世渋谷を引っこ抜いた標識を担いで彷徨う風紀委員…と、いうのはほぼ初かもしれない。

追影切人 > (…つーか、どうせ怪異に襲われんなら斬り合いが出来る奴に当たりてぇよなぁ。)

内心でそんなぼやきを零しながら、標識担いで霧の裏常世渋谷を独り往く。
闇雲に歩いても出られないのは馬鹿でも流石に理解しているが、出方を失念しているのだこの男は。

「…そういやただの人間が長く留まるとアレなんだっけか……時間制限ありも面倒臭ぇな…。」

まだ迷い込んだばかりなので特に不調は無い。異能は不調だがそれは”常に”なので論外。

青年は怪異の専門家でも何でもないが、感じ取れる怪異の気配は獣型とか虫型が多い気がする。
主に群れか少数で徒党を組んで行動するような…下級かせいぜい中級に届くかどうかの連中だ。

(…上級っつーか人型の怪異とかはまぁ強ぇんだろうな…。)

また別の交差点に差し掛かる。霧が深いせいで見通しは非常に悪い。不意打ち…奇襲のリスクが常にある。

追影切人 > 鬱陶しそうに霧を眺めつつ、担いでいた標識を下ろして徐にそれを横薙ぎに振るう。

それだけで、扇状に前方の霧が数十メートル程、一瞬で霧散した…が。
残った部分の霧が増殖するように、今しがた斬って視界を広げたばかりの一角を覆い隠してしまう。

「…ちっ、やっぱ面倒臭ぇな…。」

舌打ちを零す。異能の出力が上げられたらいいのだが、今の青年には無理な話だ。
再び標識を担ぎ直して、地道にまた出口を探す…分かり易い出口なんてあったか?それも多分忘れてる。

追影切人 > …取り敢えず目に付いた出口っぽい場所とかに片っ端から飛び込んでみるしかないか?
こういう時、例の【化外殺し】が居たら話が早いのだが…。

「……いや、ねーな。アイツ性格悪ぃ上に堅物だし…。」

しかも前に喧嘩を売られるわ、人を化外認定するわで最悪だった。
まだ【不朽祭器】のぽわぽわ女の方が話が早い。まぁ、今は祭祀局は忙しそうだが。知らんけど。

そして、三度交差点に差し掛かる……待てよ?

「…交差点から迷い込んだんなら、交差点から出たり出来るんじゃね?」

根拠は欠片も無いが。標識を担いだまま、取り敢えず交差点の中央まで歩み寄り――…

追影切人 > 次の瞬間には、慣れ親しんだ鬱陶しいくらいの雑踏。
担いでいた筈の標識は、あちら側のブツだからか何時の間にか消えていた。

「…おぉ、何だあっさり出れたじゃねーか。案外簡単なんだな。」

ただの偶然、というより運が良かっただけなのだが、馬鹿がそれを知る由も無い。
時刻を見れば、こちらと時間の流れが違うのかまだ10分も経過していない。

「…ま、サボりで無駄に説教される事はなさそうだな。」

怪異の連中とやり合う事も無かったし、平和なもんだ…いや駄目だな。斬り合いしてぇんだ俺は。

ともあれ、かったるそうにまたお仕事へと戻る青年だった。これも日常。

ご案内:「裏常世渋谷」から追影切人さんが去りました。