2024/09/02 のログ
ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」にシェン・トゥアールさんが現れました。
シェン・トゥアール > そびえ立つ超高層ビル。 行き交うたくさんの人々。
見上げれば隙間がないほどに敷き詰められたネオンの看板。
高層ビルの足元には、城下町のごとくずらずらと店が立ち並び、
どこの料理だかわからない屋台が軒を連ね、合間合間には
屋台すらない、地べたに商品を並べた連中が座っている―――。

「…うええ…」
長い袖で口元を抑える。 フルボーグじゃなければ吐いていたかもしれない。
常世渋谷…依頼を受けてここに足を踏み入れた時、最初に感じたのは懐かしさだった。
自分がかつていた世界と、極めて良く似ている。 法律よりメガコーポが幅をきかせ、
人間の生命と尊厳すら商品として扱われていた、あの忌まわしい世界。

「町並みも何もかも違うってのに…寒気がするね。」
あたりを見回す。 記憶と違うのに、記憶の中の市街が網膜に読み込まれる。
キャッシュを削除。 ここは常世渋谷だ。 ふん、と鼻を鳴らしてから歩く。
人混みに小さな背丈は紛れてしまうけれど、頑張って進む。
こればっかりは以前とは違う。 自分の身体は、2.5m近くある義体ではない。
耳を省けば130cmもない、小さな……人形のような、女の子型の義体なのだ。

シェン・トゥアール > 「ウーム……」
適当な路地を歩く。細く曲がりくねった路地は雑多な店で溢れている。
何を売っているのか、どこから仕入れたのかもわからない商品がずらずらと
並べられている様は、見ているだけで目が回りそうだ。
もっとも、自分の場合は過去の記憶由来のデジャヴに混乱しているところはある。

「ふーむ…」
それでも物珍しく見られるのは、視点のおかげだろう。
そのまま歩くも、依頼にあった店舗が見つからない。

「ふーむ…そうだ、学園の人に聞いてみるか」
たしか風紀なりなんなりが支所を構えていたはずだ。
そこに聞いてみよう。 
そう考えて踵を返して歩を進める。

そうだ。この常世渋谷は、前にいた世界とは一つだけ大きく異なるのだ。
困ったら誰かを頼れる。 気がつけば唇の端に笑みが浮かんでいた。

ご案内:「常世渋谷 中央街(センター・ストリート)」からシェン・トゥアールさんが去りました。