2024/10/22 のログ
『暴食の間』 >  
「暴食の間」の入り口にも、「憤怒の間」同様の金属板が掲げられている。
異なるのは、意匠と単語。
牙を剥き出しにした虎の横顔の意匠の上から『Gula』の単語。
ラテン語で「暴食」を意味する単語だ。

踏み入ったならば、既視感。
先の「憤怒の間」と同様のレイアウトに、ケース入りのアクセサリ類たち。
細かな差異があるとすれば、刃物の武器ではなくナックルダスターのような、
拳を使う武具が少数飾られている事位。
それでさえ…流石に宝石が埋められてはいないが、僅かなスペースに、丁寧な
細工彫りがされていて、武器として使うのを躊躇ってしまいたくなる出来栄え。
もうひとつの差異は、モチーフ。こちらは虎をモチーフに取り込んだモノが大半だ。

――そして、此処でも衝動が渦巻いている。

感じるものは先の憤怒とは異なる、餓えるような衝動。
暴食の間、とはよく言ったものである。

此処に展示されているアーティファクトには、やはり呪いか祝福かの如く、大小の差はあれど
餓えるような感情を覚えさせるものが込められている。

「暴食」とは何も「食」を貪るばかりではない。
あるいは知識であったり、あるいは誰かとの繋がりであったり。
そういったものを際限なく取り込み、喰らうように、「もの」にしたくなる衝動。

原始的でありながら、時代に順応していく「罪」。
それが、此処に集う「作品達」には宿っている。

その様、正しく、獲物を喰らう暴虎の如し。
 

能守重高 > 無意識にあくなき探求心の一つ【食】の意識が足を進めたか。
趣味の範囲であるが必要な資格を取り、きちんと必要な資格や道具をそろえて調理を行う職に就くべく、
常世学園にて学生活をしつつ勉学に励んでいる。調理の知識や繋がりを大事にし如何にその地に溶け込むかを
日々常々モットーとする身からすれば 【暴食の間】は何とも心地が良い場であった。

「憤怒の間より、ここ暴食の間の方が違和感ないのは何故だろうな。
 料理をする身と友との語らい、繋がりを取り込み食らいつく性分が呼ぶのか。
 …それが知れただけ本日の収穫はあったように感じた。
 惜しむのは…また日を改めて訪れる事が叶えばよい限りなり。
 今日はここまでだ。また訪れることあらば参るとしよう。」

オーナーと語り合いたかったが ふと時計を見てあっと気づいた。
そろそろ帰らねばならない。非常に残念に思ったがまた訪問したいと思う場所になった。
次回がいつになるのかが分からないが、なるべく優先的に訪れたい。

ここを去るときにオーナーと会う事が叶えば「帰らなければならない、すまないまた来る」と告げ、
お辞儀を丁寧にしてからギャラリーを後にして家路の途へと――

ご案内:「裏常世渋谷 ギャラリー「The SEVEN SINS」」から能守重高さんが去りました。
龍 翠蓮 >  
「――お帰りでございますね。
本日は、お越し頂きました事、お礼申し上げます。

では、いずれまたいつか、お越し下さる日をお待ちしておりますね――」

去り際、白いチャイナドレスのオーナーから、穏やかにそう声がかけられる。

去り行く人を見送るように、ギャラリーは霧の中へ。

だが――求めれば、また、霧の中から、「七つの罪」を冠したギャラリーは、姿を現すのだろう。
 

ご案内:「裏常世渋谷 ギャラリー「The SEVEN SINS」」から龍 翠蓮さんが去りました。