2024/06/14 のログ
アージェント・ルーフ > どもりながら問いかけた話題に案外すんなり答えてくれて、内心ホッとする。
面白そうなものに危なげなく棒を突っ込んでしまうボクに心の中で滅をしつつ、
青年の発言を少し反芻する。

歓楽街に来るのが初めてなのは彼の真面目そうな佇まいからすぐに感じ取れる。
して、続く理由として繰り出された歓楽街はむしろ眩しい、という感想も本当なのだろう。
確かに、慣れてしまった身では気付かなかった眩しさが、この街を照らしている。

しかしながら、自分の憶測通り変装も兼ねているとしたら…?
歓楽街は初めて、という発言に嘘が感じられなかったため、
学生街から風紀の目を盗んでコッソリ遊びに来たか、或いは…。

と考えていたところで、青年の代弁を務めるカラスから自己紹介をされる。
そのため、そこまで働かせていた思考を中断し、ボクも自己紹介をする。

「こちらこそ紹介が遅れちゃったね、ボクはアージェント・ルーフ
名前と苗字どっちで呼んでくれたっていいよ~」

狭間在処 > フルネームで名乗ってしまった事に内心で多少反省。
鴉のヤタは兎も角、己の名前は例えば学生や教師には存在しないからだ。
つまり、”あっちの街”で暮らしている者と察せられる恐れがあった。
だが、それも承知でこちらに顔を出しに来たし、仮に知られても通報されるほどの危険行為も何もしていない。

(…せいぜい、二級学生と思われる程度…ならいいが。)

お互いにそれぞれ思考を巡らすものの、あまりそちらに意識を割いてもしょうがない。

『…ではアージェントと。…ついでに不躾な質問で済まないが、なぜそんな黒ずくめの格好を?』

そういうファッション?…いや、ファッションはさっぱりだが、こういうタイプの服装のコーディネートもあるのかもしれない。

アージェント・ルーフ > 「あっはは…やっぱりそこ突かれちゃうよねぇ」

今の自分の変装について、青年―アリカさんに質問される。
そりゃそうだ。ボクだって同じ状況になったら同じ質問をする。

さて、現在のボクの変装の理由であるが…別に話していいのではないかと思い始める。
先から感じている通り、アリカさんは見た感じ賭け事などに精通している様子は見られない。
そのため、ボクの今までの顛末を話したとて、なんだそんなことがあったのか、程度で済ませられるだろう。

では正直に話すのかと言われたら、そうでもない。

『カジノに私服で入り浸って、イカサマとか見破りまくったり
逆にイカサマしまくったりしてたら荒稼ぎしちゃって、白銀の悪夢とか呼ばれ始めちゃったからなんだ~』

とか言える訳がない。なんなのさ白銀の悪夢って。カッコイイのかダサいのかどっちか分かんないって。

そのため、一応本当のことを話しつつ、事実をぼやかしていう事にした。

「実は、前に私服でカジノで遊んでた時に偶然すっごい勝っちゃって…。
なんか恨みみたいなの買っちゃってたら嫌だし、少しの間こうやって目立たない服にしてるんだよぉ」

恐らく同じ学生?であろう人に話すのはちょっと恥ずかしいため、少しばかり赤面しながらも答える。

狭間在処 > 『…あぁ、いや。話したくなかったら構わない。あくまでも俺が気になっただけだからな。』

それに素直に答える義務なんて彼には無いし、何かしら理由があるのかもしれない。
育ってきた環境柄、何かしらの訳ありな人間は珍しくは無いという認識。

『…カジノ?俺は賭け事を含めた娯楽はいまいち分からんが、変に勝ちすぎて悪目立ちしたという感じか?』

彼の事実とは多少異なる(無論青年は気付いていない)説明に、首を傾げて。
いわゆるイカサマとかを疑われてしまったのかもしれない。
だが、こういうカジノはそういうイカサマを見抜く連中も多そうだが。

『…まぁ、だが黒ずくめの格好をしている理由は納得した。
済まないな、好奇心で聞いてしまって。』

と、律義に謝罪を軽くしつつ。基本は矢張り見た目通り物静かというか真面目っぽさが滲んでいる。
少し赤面しているアージェントの様子から、まぁ恥ずかしい話という事なのだろう。

(…運か実力か、それとも別の要因?どのみちそれだけ勝っていたのなら、そういう才能があるんだろう)

ギャンブルの類は本当にさっぱりだが、自分にはない才覚を垣間見て素直に感心顔。

アージェント・ルーフ > 「いやいや!全然いいよ~
こっちも色々初めから聞いちゃったし、お互い様ってことで!」

やはりこういった娯楽には疎いのか、ちょっとばかり疑問を残している様子でアリカさんは首を傾げている。
まぁ、ボク自身に対して疑念を持っている訳じゃないのは感じ取れたので、一安心。
現に変装の理由も納得いってくれたようだし。

と、そこまで考えたところでふとアリカさんの顔を見ると、何やら感心してくれている様子。
こういった武勇伝に否定してくる様子もなく、見かけによらずちょっとワルな所もあるのかな?と思いつつ、さっきからあった疑問を思い出す。

「そういえば、歓楽街には初めて来たって言ってたけど、何か目的があって来た感じ?
僕はこれから帰る所だから案内とかは出来ないかもだけど…」

狭間在処 > 『…いや、これといった具体的な目標は実は無いんだ。
ただ、思い立って足を運んでみただけに過ぎない。』

緩く肩を竦めて僅かに苦笑じみた笑みを口の端に浮かべた。
先ほどからほぼ無表情ばかりだったが、普通に表情筋は生きてるようで。
そして、彼に語った言葉は嘘偽りのない本音だ。
実際、色々思う所もあって”表側”を訪れた…歓楽街そのものに何か目的があった訳ではなく。

『…案内…アージェントは歓楽街は詳しいのか?
いや、カジノの一件も考えると愚問だったな。』

少なくとも、自分なぞよりよっぽど娯楽には慣れているイメージがある。
むしろ、青年が娯楽に縁が無さすぎるだけとも言うが。

『…まぁ、俺も一通り見て回ったしそろそろ戻ろうかと思っていた。
案内は――そうだな、またいずれ会えたら頼みたいな。』

お互い思う所はあれど、彼とは腹の探り合いみたいな事をする空気にもならなそうだ。
なら、適度に今後も機会があれば交流を続けていくのは悪くないと判断した。

アージェント・ルーフ > 具体的な目標は無い、というアリカさんの動機に、勝手ながら親近感を覚える。
ただただ気になった方へ向かい、楽しそうなものを求める。
前々からそのような生活を送っていたのだから、一見薄い動機であっても共感できる。

して、歓楽街に詳しいと思われてそうな物言いをされたが…詳しい…のかな?
一応カジノ周辺の地形は把握しているつもりだけど、お酒とかはあまり嗜んだこともないし…
まぁ、一般からしたら詳しい方に入るのだろうと納得する。

「うん!また逢えたらその時は張り切って案内するよ!
もっとも、胸を張って歓楽街に詳しいとは言いづらいけどね…」

少しばかり苦笑いを交えながら、次出会えた時の約束をする。

「あっ、普通に学生街とかで逢った時には、また違うものを見せてあげるよ!
美味しいスイーツ屋さんとかも人に紹介したい処が沢山あるんだぁ♪」

無邪気な笑顔を浮かべつつ、もし学生街で会えた時の約束も取り付けようと張り切る。

狭間在処 > ちなみに、表側を自発的に歩き回るのはこれでまだ2度目、いや3度目だろうか?
まだまだ彼にとっては未知の場所だらけ。今後は色々回る事もあるかもしれない。

(…観光気分になりがちだが、そこは戒めないといかんな)

やっている事は観光みたいなものだが、風紀や公安に目を付けられそうになる諸々は注意しておきたい。
ちなみに、酒は飲めるが自発的にはあまり嗜まないタイプである…酔う感覚が苦手なのだ。

『――少なくとも、初心者の俺に比べれば歩き慣れた街並みだろう?それで十分だ。』

詳しいガイド、とは言わない。最低限の紹介でも全然構わないのだから。
こちらも歓楽街がどういう場所か、という知識の蓄えにもなる。

『――スイーツ…甘味はあまり食べた事は無いが、いい機会だ。楽しみにさせて貰おう。』

実際本当に甘味は口にした記憶があまり無いから、それはそれで有難い。
問題は、学生街に出向くには歓楽街よりリスクがある程度跳ね上がる事だが。

さて、もういい時間だしお互い引き上げる頃合だろうか?
相変わらず、真夜中でも眩しさが衰えない歓楽街を一度見渡してから彼に視線を戻し。

『――じゃあ、俺はこの辺で失礼する、また会おうアージェント。』

と、そう挨拶を交わして鴉のヤタも何故か一緒に小さく会釈をしつつ。
そのまま、彼が歩き去るだろう方角とは別の方へと静かに歩いていくだろう。

アージェント・ルーフ > スイーツに対して好反応を得られたため、早速自分の中のスイーツ店リストをスクロールする。
やはり王道のケーキ屋か、はたまた焼き菓子屋か、趣向を変えて和菓子屋か…。

それもこれも、また出会えたら、の話である。
一期一会という機会もあるように、次が来るのが何時かは分からない。
しかし、だからこそ予定を組んでおいて、如何にその時楽しむかを考えるのは非常に有意義だろう。

アウトローな街で出会った数奇な縁ではあるが、なんとも楽しそうな予感がしてたまらない。

「うん!じゃあボクもそろそろお暇するよ。
またねアリカさん!あとヤタさんも!」

帰る方向が偶然逆だったのか、背中を向けて帰路につくアリカさんとヤタさんに大きく手を振りつつ、ボクも同じく帰路につく。

ご案内:「歓楽街」からアージェント・ルーフさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から狭間在処さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に倖月 保志さんが現れました。
倖月 保志 > 保志の家というのは学生街にある高級タワーマンションではあるがそこからちょっと西に寄り道することでこの歓楽街に出ることができる。
今のところ部活や委員会にも入ってないし、かといって勉強も保志の成績ならかなり余裕がある。
ともすれば俗世の遊びというか遊ぶ場所はどういうものなのかを知りたいがために足を運ぶ。

保志の原動力は好奇心。その好奇心の赴くがままに足を運ぶ。

「うわ~…本当にこんなところがあるんですねえ~。なんだかネオンライトの色がギラギラと下品な色を発光してますし~、街もなんだか小汚いですねえ~ここの使用人達は何をしてるのでしょうか~?この汚さは大目玉ものですよ~」

ただ、この場所はちょっと遊び慣れたというかそういう人向けで
世間知らずのボンボンの保志がいきなり行くには早すぎた

倖月 保志 > ふと、ガラの悪い連中…4人ほどが保志の前を歩いた。すれ違うのは時間の問題。
だが男達はそうしてはくれないだろう。
というのもこの街で生きる人間は金の匂いに敏感で保志が身に着けている装飾品等はいずれも高級。

大方世間知らずのバカが無防備に遊びに来たと見えるだろう。
そんなカモを見逃すわけがない。
殺して剥いで売り飛ばすのも良いだろうし身代金目当てで拉致もありだ。まさに後は煮るなり焼くなり…だろう。

「う~ん、お兄さん達どうしたんですか~?ボクの顔に何かついてるんでしょうか~」

だが保志は視線というものを明確に把握し先手を打つように彼らに声をかけた。
彼らは少々驚きはしたもののもうこの距離ならば時既に遅し
各々銃を抜いて保志に向けた

倖月 保志 > 「ああ…やめた方が良いですよ~?正直この距離にその人数でしたら此方に分がありますし~」
「相手を見て勝負を仕掛けた方が良いと思うんですけど~」

銃を複数突きつけられているというのに保志の息遣いは一切の乱れはない
むしろニヘラァと周囲を和ませるように笑みを浮かべるのだろう。
ぽやぽやと能天気で危機感の感じられない笑顔は残念ながら通じなかった

"死ね!"

と男達は一斉に銃から弾丸を放つ。
保志はバカにしたつもりはないもののどうにも態度が気に食わなかったらしい。
そんな些細な理由を皮切りに保志は絶体絶命の刹那だ。

保志の体が消える。
代わりに空間に軌跡が残る。

「ほら、当たりませんよ~」

一瞬消えたが現れる。
異能や魔術の類は扱っていない。純粋な走力で放たれた弾丸全てを鼻歌交じりに躱してみせた。剣で弾くことすら不要だった。
そも複数いるのに面での射撃ではなく保志本体だけを狙うなど愚の骨頂。
射線は一点集中しやすく躱してくださいと言っているようなものだ

倖月 保志 > 「うーん…だからよく狙った方が良いですのに~」
「射撃戦じゃ勝ち目はありませんよ~。ナイフとか体術に切り替えた方がよろしいのではないでしょうか~?」


そんな忠告をしながらも保志は銃弾が降り注ぐ中でも躱して捌いてみせた。
ようやく保志にナイフを抜かせて一発の弾丸を弾かせることに成功した。
結局余裕の息遣いで防御されたがそもそも防御すら必要ない攻撃だったので彼らからすればしっかりとした功績と言っていいだろう。

だがナイフを抜かせるだけが限界だったようで。
いずれは彼らにも銃の弾丸を補填するリロードが生じることになる。
残念ながらそれが彼らの終わりだ。

「次は体術とか鍛えた方が良いですよ~」

保志の体が消える。
空間に閃光が走る。
アスファルトには保志が移動したと思われる赤熱した足跡。異能や魔術によるものではなく単純な摩擦力と運動力がかかっているだけだ。

閃光が走った後は彼ら四人は地面に倒れる。
保志の足元には彼らの心の臓が転がる。
彼らの胸元は丸形に綺麗にくりぬかれてた。

「この程度でしたら実家の方がまだ安全ですね~」

保志は行く。
結局この男達はなにやら怪しげな組織の一員だったらしいが…
そんなことは露も知らず

ご案内:「歓楽街」から倖月 保志さんが去りました。