2024/06/13 のログ
ご案内:「落第街大通り」に紅き迅雷ノ海月さんが現れました。
■紅き迅雷ノ海月 >
ふわり
■紅き迅雷ノ海月 > 闇の街の夜空に
看板より
建物より
高く
遊泳する
紅き大きな
海月
■紅き迅雷ノ海月 > それは――
夢?
幻?
思い過ごし?
否
確かに、そこに存在している
存在して――殺意を放っている
遍く生命へ
ご案内:「落第街大通り」に先生 手紙さんが現れました。
■紅き迅雷ノ海月 >
抑えきれぬ殺意を証明するように―――紅は降り立つ。
■先生 手紙 >
「現着。マルタイSS発見。救援?はっはァ」
軽薄は、
「――冗談よせ。サンプル解析の準備を進めとけ」
、此処に消え失せた。
通信と雨傘を閉じる――怪異。紅の、宙を泳ぐ海月――殺意を受ける。殺意は返さない。
■紅き迅雷ノ海月 > 地に駆ける迅雷
閃光
怪異は刈り取るべき"生"が現れた事にすぐに気づいた
海月はばら撒く―――
"異能を持ち"
"殺意を持ち"
"紅の体を持つ"
紅き迅雷ノ海月と化していく殺戮の種
そして理解する
―――毒蜘蛛を潰したヤツだ、と
なれば
敢えて
言葉の代わりに 命 を 射抜く 稲妻 へ 乗せて
貴殿への危害を以って伝えよう―――
■紅き迅雷ノ海月 > ―――ここで、死ねッッ!!!!
■紅き迅雷ノ海月 > 人一人射抜くには十全たる紅き雷閃が、貴殿を歓迎する。
■先生 手紙 >
「――――」
刹那を永遠に偽装する。加速していく思考回路。コレは、確かに、おれを認知した。
光る。電撃か。解釈に対して事象が遅れている。思考の速度で動ければ――そんな躯体を以てすれば、この怪異はおそろしくもないだろう。だがそうではない自分は、走馬灯めいた速度の思考を武器に、選択を行う。何が使える。何で凌ぐ。受ける?莫迦を言え。ならば?ならばならばならば――!
――タンッ!
雨粒の滴る『傘』を突き立て、避雷針とする――!
■先生 手紙 >
「――オマエ、おれのこと知ってンな?」
■紅き迅雷ノ海月 > 困惑
―――どうなって、いる?
海月が止まる
雷閃が
凌がれた
命射抜稲妻
それは先制攻撃と不意打ちに特化した異能
だが、所詮は"雷でしかない"
ああ
そうだ
認めよう
そうとも――
貴殿の選択は正しい
貴殿の認識も正しい
答えの代わりに舞い上がろう
ばら撒いた子分と共に舞い上がろう
貴殿を殺す
意思表示の代わりに紅色の包囲網を織り成そう
■先生 手紙 > 「……ち」
一撃でこのザマだ。もう傘は雨を凌げない。次の雷撃の囮にも使えまい。焦げるプラスチックの異臭。――最中、驚嘆を察知する。
これには、これらには……甘い考えかもしれないが。端末から交戦情報を共有する機能があり――その上で、事象を理解する脳はない、と踏む。
……ビンッ。骨だけになった傘を掴み、振る。糸の切れかけた蜘蛛めいて節をばらけさせるコレが、必殺足り得るか。群体、細かいのは後だ。先ずは大物。鉄則である。
くるり、と取っ手を手首で回し、投擲――
「――『七つ目ダイス』、ああ、だから道に迷うのだ――!」
単一詠唱。付与される過負荷。何を失ったのか――すぐに知れる。
投擲する斜線上――その傘槍の空気抵抗を消し去って、死にかけの穂先が向かう――!
■紅き迅雷ノ海月 > 空気抵抗のない槍
一切の原則を伴わぬ一撃――ッッ!!
なんたる威力
なんたる速度
喰らえば一突きで串刺しだ
然れども海月は遊泳する
遊泳――否
迅雷と化すッッ!!
バチィ――ッ!!!
紅き軌跡が空を描く
音が遅れて聞こえる程の速度にて
その一撃を避けて見せよう
■先生 手紙 >
避けた。避けた――?いや、考えるな。違う。考えながら動け。
大蜘蛛とは違う。生存性本能が生きている。走る。跳ぶ。テナントの縁へ。殺意は純然としたまま、まったく認めたくはないが水中遊泳するクラゲのように、真横にズレた。それで?そう。必殺を良しとしなかった。殺したいだろうに。おれを殺したいのに、生きようとした。個体差がある。跳躍。自身に懸かる重力を減らし、空中浮遊する相手へと、多段ジャンプで向かう。まるでパルクールの逆走だ。看板までに五歩。さらに跳躍。
一合でいい。空を舞うモノの上を捕る――!
……報告書には近接戦は避けろ、と挙がっていた。そうだな。そう思うよ。でも銃とか持ってねェからさあ!
――回転踵落としを、無謀と謗られようが仕掛ける……ッ!
■紅き迅雷ノ海月 > 何故
避けたか
答えは単純
――より確たる殺傷につなげるためだッッ!!
まるで物理法則が通用しない動きを見せる貴殿に
怪異もその怪奇現象がどういうものであるか知り始める
"貴殿は力を削ぐ、与える"といった事が出来る
酸液も通じぬ
雷鳴も通じぬ
いずれも"間接攻撃"
では"直接攻撃"はどうか?
迫ってきてくれている――ありがたい事ではないか――ッッ!!!
迅雷を身に纏い、その一撃―――受け止めて見せよう!
ダメージ?構うものか
これは殺しの好機!
紅き
殺人にのみ
使われる
巨体が
包み込み
貴殿の
無謀なる
一手を―――
咎めるッッ!!
■先生 手紙 > (やっぱりなァー!)
蹴り脚が軟体に沈む。同時に突き付けられる――ああ、これはもう。物質化した殺意と言って相違なかろう。毒――電撃的な痛みを消し去るのではなかった。『七つ目ダイス』が減衰させたのは、自身の怖れ。これは自分にも掛かっている異能ゆえ。脅威に身体をこわばらせることなく、激痛に身をよじらせるでもなく、毒を食らい――知る。
この紅き怪異の、殺意の本懐を。殺すために増えるのではない。増えるために殺すのだ、という仮説の解を――!
視界が意識的に朱に染まる。殺意。殺意。殺意殺意殺意殺意――!
毒された身体は、注入された『本懐』を以て、海月の核を握り潰さんと拳を握りこむ――!
■先生 手紙 >
『――ブチ殺すぞクソ怪異――ッッ!』
■先生 手紙 >
毒されたうえで、その矛先を保菌者へと発露する……ッッ
■紅き迅雷ノ海月 > 紅き屍骸の感染は
二種類存在する
不完全感染と完全感染
違いは1つ
感染者が死んでいるか生きているか
然し
不完全感染は軈て完全感染へ至らしめる――
つまり、"死"へ至らしめる毒
だが
そう
特に不完全な感染を成した場合
紅き屍骸の理念を打破することだってある
貴殿もそうだ
なれば…
なれば殺そう
ここで殺そう
今すぐ殺そう
せめぎ合う貴殿の拳と海月の体
海月も今こそ守りを捨て
殺意を向ける
■紅き迅雷ノ海月 > いいだろうッッ!!
そのまま握りに来いッッ!!
これは計算結果だッッ!!
貴殿を殺して得られる殺戮はッッ!!!
海月を殺されるより遥かに高いッッ!!!
■先生 手紙 > ――瞬間。そんな、殺すだけが意味である怪異の、殺すことでしか表現できない価値観を、毒と一緒に流された。
なら応える。なら応える。握りこむ。軟体の核から軟性を奪う両手は、ヒトガタが相手であれば首をへし折る様なカタチで――
本体と、なにか意識的につながっている今!ここで――ひとつの、殺意以外の感情――被殺戮者が人非怪異の区別なく抱いた恐怖を刻ンで果てろと握り込む――!
■先生 手紙 > ごしゃっ。
■紅き迅雷ノ海月 > 巨躯の海月は
潰えた
―――見事。
紅が抜けた大きな透明の皮―――
海月だったモノがひしゃげて
堕ちた
貴殿の投げかけた感情が
怪異に伝わったかどうか
それを知る術は
ない
■紅き迅雷ノ海月 > 取り残された子海月が、貴殿は殺せぬと判じ―――散っていった
ご案内:「落第街大通り」から紅き迅雷ノ海月さんが去りました。
■先生 手紙 > ――――ぶちゃっ。
軟体怪異で助かった、と言っていいべきか。着地に付与するだけの術式の余裕は無――いいや。
殺す、という生態に、その終わりを殺し返すことで答えた。
■先生 手紙 >
「はーッはーッ、はーッ、はーッ」
息が上がっている。視界が紅い。思考の片隅に殺さなければ――何を?いやもう殺したのよ。殺意が残る。おれはニンゲンで、いま、傷んでいる。悼んでいる。
『……七つ目、ダイス……』
毒の効力を、本来の用途――減衰させる。びっちゃびちゃの身体と、毒焼けした服。直に触れていた両腕は、紅く、電撃が走ったように爛れていた。
「…………状況終了。言った通りだ。サンプルの回収、あと」
■先生 手紙 >
「……生活安全委員会に、そう。いつものアレ。頼ンだ」
雨は続いている。煙草を銜えて火を点ける……点かない。体液か雨か。びっちゃびちゃのしっわしわである。
「……クッソ。厄介に増えやがって」
吐いたのは、煙ではない悪態だった。
ご案内:「落第街大通り」から先生 手紙さんが去りました。