2024/06/14 のログ
ご案内:「落第街大通り」に紅き地泳グ酸鮫さんが現れました。
紅き地泳グ酸鮫 >  


         穴、一つ。



 

紅き地泳グ酸鮫 > 大通りの
大地より
出でるは



紅き鮫

殺戮の意思を牙に宿した鮫


粗悪な映画の演出か?


紅き地泳グ酸鮫 > まるで
当然のように大地を泳ぐ巨鮫


電柱よりも長く

深紅色の体を泳がせる

バケモノ

紅き地泳グ酸鮫 > ―――名乗りが遅れたな。


その紅きモノは

"紅き屍骸"と

学園内ではそう呼ばれている


この鮫も
そうだ


殺傷を目当てに封鎖区域内を動くのだ

紅き地泳グ酸鮫 > 鮫は大地を泳ぎ

穴を開ける

開けた穴へ紅い、紅い、酸液を注ぎ込む


出来上がるのは"殺しの穴"

紅き地泳グ酸鮫 > ―――注釈しよう。
―――この鮫は"異能を持っている"。

―――異能:惨劇の激酸<さんげきのげきさん>
―――属性:酸/殺害
―――効能:生命そのものを害する酸液を生み出し、吐き出す
―――利点:殺傷能力が高く、防御を射抜く

―――弱点:使用量に応じ、使用者に相応の負担あり。

紅き地泳グ酸鮫 > さあ


穴を開けよう

紅き地泳グ酸鮫 > 地を
這い蹲り
歩くもの
全てを
無差別に
殺傷するための


穴を開ける

紅き地泳グ酸鮫 > 鮫は地を割り
牙見える口から酸液を吐き出す


紅き落とし穴は


闇夜に紛れて悪意を隠す

ご案内:「落第街大通り」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > ――さぁ、喜べ紅き怪異。哀れな凡人が迷い込んできたぞ。
紅き地泳グ酸鮫 > "やあ、いらっしゃい。死ね"
言葉の代わりに迎えよう。


     深夜
     大通り
     殺しの穴、五つ


いずれも、貴殿が踏めば地獄行き。
運よく避けても鮫が地の中で待つ。

歩くがいい
傷つくがいい


死ぬがいい

蘇芳 那由他 > 「……あれ、おかしいな…?」

闇に潜む紅い殺意も、『穴』の存在すら知らぬ少年が一人。
何故か、ふらりとその場所へと迷い込んでくる。
ここは――覚えがある、多分だけど落第街。また知らぬ間に迷い込んだみたいだ。

「……これ、無事に帰れるのかな…。」

落第街のどの辺りかなんて彼に分かる筈も無く、ましてや何で封鎖されている地域の内側に居るのか。
能力?魔術?どちらも否、…純粋にただの方向音痴の災難でしかなく。

――何も知らぬ彼が歩くその先に、【穴】が待ち構えている事など彼は微塵も気付いていない。
よって、哀れで不幸な獲物でしかない少年の末路など凡そ決まったようなもの。

紅き地泳グ酸鮫 > 鮫は闇夜の地中に隠れる

穴は暗闇に紛れる

貴殿にそれを感づく術がなければ死あるのみ

さあ死ね
今死ね

そうだ

そのまま堕ちろ

地獄への一歩を踏み出せ

さあ、さあ、さあッッ!!!

紅き地泳グ酸鮫 > 気づけば死の紅色が、貴殿の目下に――。
蘇芳 那由他 > 「――――あ、れ…?」

おかしいな、急に地面が無くなったみたいな。
足元を見る間も無く、そのまま前のめりに少年は――あっけなく落ちた。
いっそ拍子抜けするほどに抵抗なく。後は酸で溶かしつくされる哀れな末路しか待っていない。

(あ、よく分からないけどこれは僕は死んだかな。)

酸に飛び込む直前に、そんな酷く淡々としたあっさりな思考が過る。
恐怖心は元から無いし、抵抗も何もあったものじゃない。ここで終わり…地獄へ真っ逆さま。。

蘇芳 那由他 > ――直後、青い輝きと共に少年が弾かれるように地面に飛び出してきた
紅き地泳グ酸鮫 > 穴が

貴殿を落とした

紅き酸液
惨劇の激酸

貴殿がただの人間なら殺し切るには十分だ
融解が終われば貴殿は死に――だが

死んで終わるものではない

酸液により髑髏になり果てた貴殿を引き上げ

怪異の仲間――
紅き屍骸の
完全感染者に
してしまおうぞ

目的は
"殺すこと"
ではなく
"殺して仲間にすること"
なのだから


―――否。

穴から貴殿が出てきた

逸ったか…


鮫は
地に
潜んだまま

蘇芳 那由他 > 「…え?」

驚いているのは少年自身だ。死んだと思ったら、よく分からない内に地面へと弾かれるように上に飛ばされていた。
受け身の取り方なんて少年は知らないので、地面に投げ出されるように転がって。

「…いたた…えーと、何があったんだろう?」

あちこち打ち付けたのか、若干痛そうに顔を顰めながらそこでやっと青い輝きに気付いた。

少年の右手から、にゅっ!と、槍の穂先のようなものが中途半端に飛び出している。

(…あ、破邪の戦槍…成程、助けてくれたのかな。)

死よりも酷い末路を回避出来た…なんて事は無い。少年の危機はむしろここからだろう。
ただの凡人が、特級の怪異と。しかも狡猾な相手にどうすれば勝てる見込みがあろう?

取り敢えず、よろよろと立ち上がる。青い穂先はまだ少年の右手から顔を覗かせたままだ。

紅き地泳グ酸鮫 > ――困惑。

否、不要。

殺そうとして
殺せぬ等
ごまんとあろう
この島では


であれば貴殿に問おう

問の言葉の代わりに送ろう
卑劣極まる不意打ちを


気配






瞬間

貴殿の足元より

吹きあがる酸液
暗闇からの奇襲

完全なる不意打ち
足元を掬うような酸の噴水


これは"問い"だ

"貴殿は殺傷可能か?" "僅かでも感染しうるか?" "その価値はいかほどか?"

言葉の代わりに不意を打とう


不意を打ったことに対する貴殿の反応が"問い"への答えだ


さあ 貴殿は殺せる可能性があるか殺すに足るか殺して意味があるか






答え合わせの時間と行こうじゃないか!!

蘇芳 那由他 > 少年の足元から不意に吹き上がる死の酸。
噴水の如きそれを察知する事も回避する事も少年は出来ない。
――ド素人。少なくとも戦闘力は少年自身には無い。


――けれど。


「うわっ…と?」

右手をだらりと下げていたのが不幸中の幸いか。
青い輝きを纏い、破邪の槍が真下に杭打ち機のように発射。
少年自身は何もしていない…槍の意志による自動防衛。

「いや…ちょっと…!」

少年の困惑など槍には関係ない。このど素人を取り敢えず守るのみ。
酸の噴水を青い槍の穂先から発した薄い膜のような結界が遮り、射出の反動で少年が上に跳ね飛ぶ…彼はなすがまま。
それでも、噴水の余波の一部が少年の体のあちこちに飛沫として降りかかるのは避けきれない。だからこその不意打ちだろう。

「痛っっ…づぁ…!?」


答え其の壱――【少年は普通に殺害可能である】。
答えその弐――【感染は滞りなく可能である】。

答えその参――回答不能。まだ少年は価値を示せていない。

紅き地泳グ酸鮫 > 答えが、得られた。

貴殿は殺せる
貴殿は感染する
貴殿の価値は、不明

不明

…?

不明


……不明か…?

―――否。

先ほど価値を示したではないか?
酸液の穴を不思議な光を伴って避けたではないか?

ならば"殺す価値がある"ではないか――ッッ!!



鮫が地から顔を出して牙を剥いたッッ!!

"死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!"

"死ね"と殺意を表する代わりに打ち出そう!
紅き惨劇の激酸をッッ!!!


先ほどから槍の作り出した奇妙な結界が弾いてくるが
"全てを防ぎきれていない"ッッ!!"飛沫までは遮れない"ッッ!!!

ならばこの乱打攻撃は通る!!

そう、確信した!

蘇芳 那由他 > (何が何だかさっぱり分からないよ…!!)

恐怖は無くても混乱はする。展開の速さに少年は全く付いていけていない。
穴に落ちて、上に弾かれて、そこからまた上に弾かれて、けれど体のあちこちに火傷みたいな激痛。
槍が致命傷と、その先の地獄を防いでくれてはいるが…肝心の主がこのザマだ。

そして、きっと、多分誤解だ。価値があるのは槍であって彼ではない
ふと、ハイライトの無い覇気の無い黒い双眸が、真下――飛び出してきたモノを見た。

「…紅い……え、…鮫?」

困惑と同時、激酸の飛礫が猛然と襲い掛かってくる!!
空中に居る少年には何もできない。
その右手から、既にほぼ姿を現した青い輝きを放つ刃を持つ槍が結界を展開。
それでも、純粋な数の暴威に押され気味だ…事実、幾ばくかは少年の体を掠め焼いている。

「…う、ぎぃ…っ…!?」

嗚呼、思わず変な悲鳴が出てしまった。だって泣きたいほど痛い。火傷なんて目じゃない。
焼くというより”溶かす”ような、そんな感じ…致命傷ではないが、じりじり削られていく。
そして、おそらく感染も既にしてしまっているのだろう。
だが、彼は何も分からない。ただ、この暴威に晒されるままだ。

(…いや、これ普通に死ぬって…どうすりゃいいのさ…!)

そして自由落下、だが同時に距離が縮まり、それだけ激酸の猛威が増すのは必然。

紅き地泳グ酸鮫 > 怪異は――知らぬ。

異能学園に住まい槍を扱う貴殿と槍は一体であると理解している

それは大きな間違いであり

貴殿に問って最悪の不運であるかも、しれぬ

だが、怪異は知らぬ。


じりじりと
紅が
貴殿を
侵食するたびに、

貴殿の体を"不完全感染"させようとするだろう

"不完全感染"

それは、意思の弱きものを殺戮へと駆り立てる
生きたまま紅き屍骸の行動理念に従順にせしめる猛毒
治療法は、確立されているが――、地獄には他なるまい





―――幸運な事に、鮫の攻撃が、止んだ。

惨劇の激酸には"クールタイム"が必要なのだ。

そして、クールタイム中は、地中に潜ってそれをやり過ごす。
卑劣なやり方で、異能の弱みをカバーしている。

蘇芳 那由他 > 今夜は少年にとって特大の【厄日】らしい――。

既に学生服はあちこちズタボロで、垣間見える色白の素肌もあちこち焼け爛れている。
少年の体は既に感染させられており、その意思が弱ければ殺戮衝動に吞み込まれるだろう。

(――攻撃…が、止まっ…た?)

一瞬安堵したのも束の間、そのまま着地する羽目になった。
また別の激痛…骨は折れていないのが幸いか。だが、痛みに耐えられず立てない。

「…僕は…一体何に襲われて――。」

そこでハッと気付いて周囲や地面を見渡す。…鮫の姿が見えない。…地面に潜航した?

(…逃げたいけど…これ、逃げるのどう考えても無理かなぁ。)

全身あちこち酸による痛みで、ちょっと涙と鼻水が出てしまっている…情けない。
だが、まだ生きている…五体満足で何とかそこに居るのが奇跡的だろう。
都合の良い救援が来る見込みも無く、孤立無援…しかも相手の正体はさっぱりだ。

一つだけ幸いなのは、少年の精神的な欠陥により、不完全感染による殺戮衝動の発現が希薄だ。
意志が強い、というより――殺戮の衝動そのものが薄められている。
だが、感染していることに変わりはない。紅い鮫の攻撃は通っているし、下手すれば少年はあっさり死ぬ。

右手に青い槍を携える。…戦闘のど素人だ。槍術なんて欠片も分からない。
それでも、少しでも気を緩めたら今度こそ死ぬ。…僕は死にたくない。

蘇芳 那由他 > そう、僕は死にたくない。だから情けなくてもここは生き延びる。格好悪くても。
紅き地泳グ酸鮫 > 鮫は地中に迫り
酸液の追撃を蓄えている

逃げるか?
逃げるなら逃げるがいい

もっとも

この暗闇の中当てもなく駆ければ穴に落ちて死ぬかも知れぬ

さりとて

このまま待っていれば
再び地を泳ぐ酸鮫が貴殿を殺しに来るだろう


僅かな間隙
貴殿に許される思考時間

蘇芳 那由他 > (一か八か逃げるか、もしくは死ぬかもしれないけど迎撃?)

知的でも何でもない少年に優れた判断力や思考回路は無い。
右手の槍を死んだ瞳で一瞥する。次の瞬間にも、足元からあの紅い鮫が襲い掛かってくるかもしれない。

死にたくない。死にたくないけどこのままだと死ぬ。
だったら凡人でも足掻くしかない。覚悟を決めるように小さく息を吐いて。

そして、少年は大きく槍を振り被って――地面へと突き刺した。

蘇芳 那由他 > 青い浄化の波動が地面をいや地中を深く伝播していく――どこにいるか分からないなら、炙り出せばいい…!!
紅き地泳グ酸鮫 > 貴殿の想定は正しい

怪異が考えている手はこうだ
足元からの
不意打ち

結局これが
一番やりやすい

防ぎにくい

然して

それゆえ貴殿に炙り出される

その直下
波動に煽られた紅が顕現す
浄化の波動に焼かれる

想定外の一撃に怯む鮫

蘇芳 那由他 > 破邪の戦槍の力を、彼は碌にまだ使いこなせてはいない。
けれど、こういう使い方は何となく学習してきた。
だから――やってみた。使えるものは僅かでも振り絞れ。

(――掛かった…!!)

鮫が姿を見せた、そして怯んでいる――ここしかない。

(まだ、僕は”あの人”に再会してないし、友達のラーメンも食べてない。エロゲーだってやってみたい!!)

そんな俗な思いだが、今は大事だ…だって必死なんだ、これでも。形振り構ってられない。

突き刺した槍を気合で引き抜いて、両手でしっかり持ちながら。
その紅い鮫を見据えながら、顔面へと向けて槍を少年の全力で突き出す!!

蘇芳 那由他 > 「やぁ。どうも初めまして!!――蘇芳那由他…凡人です!!」
紅き地泳グ酸鮫 > その隙を逃さぬ一撃


―――見事!


鮫は槍を喰らった
地中に沈んだ
逃げるように姿を消した
すんでのところで
深手を負う前に――


"貴殿は殺せる"
"貴殿は感染する"
"貴殿は殺す価値がある"

だが

"今貴殿を深追いするのは損失となる"
"酸鮫はまだ使える"
"次槍喰らえば完全に貫かれる"

なれば

"より良い一手を温めて貴殿を殺す"
"このやりとりを新たな殺戮への一手と成す"

負け惜しみのように酸液をぶちまけよう
酸液をぶちまけて逃れよう



―――怪異に言葉があればこう答えただろう

紅き地泳グ酸鮫 > 凡人よ
次は殺す――ッッ!!

ご案内:「落第街大通り」から紅き地泳グ酸鮫さんが去りました。
蘇芳 那由他 > これが通じなかったり空振りしたらこの至近距離だ。少年の命は確実に終わり、そして紅い傀儡の仲間入りだ。

(手応えはあっ――)

いや、素人でも何となく分かる…浅い。致命傷には遠い。
腕力が足りなかった?槍の力を引き出せていなかった?
どちらにしろ、地中に姿を消した鮫を追撃は出来ない。

何せ思い切り槍を突き出したせいで、体中の酸の怪我が一斉に少年に更なる激痛を与えてきたから。

(…死ぬほど痛い!!けど、死ぬよりマシ…!!)

凡人の足掻きは何とか通ったようだ。けれど、

「…!?」

最後の最後、逃走する間際に鮫がぶちまけた激酸を浴びてしまう…!!

「――――っっっ!?!?」

最早、痛い処じゃない。咄嗟に顔面を庇いはしたが、両腕などに直撃し肉が焼け爛れたような臭いが。

それでも――それでも、だ。今回は何とか生き延びた。
死に物狂いで何とか…紅い怪異を退ける事は出来た。

蘇芳 那由他 > 「…はは…凡人でも何とかなる…もんだね…。」

乾いた笑みを漏らす。何とか生き延びた安堵もあるが、笑っていないと激痛で気絶しそう。
もう顔は涙と鼻水で結構酷い有様だ。友達や女の子に見られたら最悪なお顔。
それよりも――生き延びはしたけれど、ここから自力で帰れない問題が浮上した。

槍は何時の間にか忽然と消えており、残ったのは酸の痕跡とあちこち皮膚が焼け爛れた有様の少年。

「……病院…いや、その前にどうやって戻ろう…?」

試しに一歩、踏み出そうとしたが激痛で思わず屈みこんでしまった。とっても痛い…!!

蘇芳 那由他 > そもそも、この辺りは封鎖区域であり風紀委員会に見つかったら事情聴取は確定だろう。
勿論、少年はそれを知らない…どのみち、病院に駆け込んだら根掘り葉掘り聞かれる事になる。

「…う、腕上がらない……足も踏ん張りが…。」

だけど、まずは無事…では既に無いけど、帰れないとどうにもならない。
けれど、方向音痴でここに迷い込んだ少年が例え自力で歩けても無事に帰れるだろうか?

(…正直、気絶したいくらいだけどここで気絶したらそれはそれで死ぬかもしれない…。)

一つだけマシなものがあるとしたら、ズボンはぎりぎり無事だ…良かった、尊厳は守れた。最早学生服とかろうじて分かるレベルだが。

蘇芳 那由他 > さっきの紅い鮫が何だったのか…少し考えてみたいが、激痛とかその他諸々でそれは後に回したい。
何より、素人の自分でも分かるこの怪我…ただの焼け爛れた傷、ではない。

(さっきから変な衝動…?何だろう、よく分からないものが渦巻いてる感じが…)

不完全感染による殺戮衝動…なのだが、彼自身の精神的な欠陥故に意志を支配する程悪化はしていない。

「…あ、携帯で誰かにヘルプ。を――…。」

かろうじてまだ機能していたポケットを探って携帯を取り出したら…酸が直撃していたのだろう。
何とも言えない有様になっており、少年流石にちょっと悲痛な沈黙。

「…よし、落ち着け僕。ここで帰る方角を間違えたら人生終了かもしれない。」

何とか自力で帰るしかない、とはいえどちらに向かえば無事に帰れるやら。

蘇芳 那由他 > 1歩、激痛、2歩、激痛、3歩、激痛…頑張って50歩ほど歩いた所で止まった。

「……ちょ、ちょっとタイム…。」

先ほどの襲撃を生き延びたからか、少し気が抜けているのもあり激痛をしっかり感じてしまう。
頑張って耐えてるけどこれは辛い…特に腕が深刻だ。

「…槍が無かったら普通にあの落とし穴に落ちて死んでたなぁ…。」

死神の神器様に感謝を。だけど、こういう時にも助けて欲しい…いや、命救われたけれど。

(うぅ…でも、凡人にあの紅い鮫は無理ゲー過ぎるよ…よく撃退出来たなぁ…。)

蘇芳 那由他 > 酸によるあちこちの焼け爛れたような傷の激痛に加え、何故か渦巻く物騒な衝動。
それは押さえ付けていられるけれど、このままだとおそらくよろしくない事になりそう。

「……這いずってでも学生街に戻って…病院行かないと…、」

せめて、安全と言えそうな場所までは。再び激痛に苛まれる体を引き摺って少年は歩き出した。
凡人にだってなけなしの根性くらいはあるのだ――生き延びたのにここで野垂れ死には勘弁だ。

ナレーション > その後、少年は命からがら学生街付近まで徒歩で戻り…限界を迎えて倒れた。
その後、付近を偶々警邏中だった風紀委員に保護され、病院へと搬送された模様。

ご案内:「落第街大通り」から蘇芳 那由他さんが去りました。