2024/06/19 のログ
ご案内:「落第街大通り」に紅き地泳グ酸鮫さんが現れました。
紅き地泳グ酸鮫 >  

    穴、一つ。


 

紅き地泳グ酸鮫 > 大通り

悪意に満ちた

穴一つ



穴に満ちるは紅き酸液

悪意のみを
凝縮した
惨劇の穴

紅き地泳グ酸鮫 > 人が歩行をし
魚が水を泳ぎ
鳥が空を飛ぶ

―――それと同じように

大通りを紅き鮫が"地面を泳いでいる"。

当然の、ように。

紅き地泳グ酸鮫 > 地に潜り

気配を消し

殺傷を目的として蠢くソレは

大地を軽やかに砕き割る

紅き地泳グ酸鮫 > 砕けた地に注ぐ





殺傷のみを目的とした紅き液体

紅き地泳グ酸鮫 > そこへ、残るは―――
紅き地泳グ酸鮫 >  


  死   への   穴、二つ。



 

ご案内:「落第街大通り」から紅き地泳グ酸鮫さんが去りました。
ご案内:「落第街 封鎖エリア」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 落第街のとある一角。とある理由で封鎖されている一角にぽつん、と立つ影が一つ。

「……久々に落第街(こっち側)に来たはいいけどよ…体の良い実験台じゃねぇか。」

突っ立っている影が一人の黒ずくめの青年だ。ボサボサの黒髪に鋭い黄金瞳。
左目は黒い眼帯で覆われ、その身には武器らしい武器は何一つ帯びていない。

更に、念には念を、とばかりに青年の体には不可視化された24個に及ぶ封印拘束処置が施されている。

(…あっちではやらねぇ癖にこっちに寄越されるとなるとこれだ。念入りなこって。)

目に見えないそれらを、鬱陶しそうに振り払う仕草をするが、勿論青年にはどうにも出来ない。
…訂正、やれはするが後が面倒になる。それはもうクソ面倒臭い事に。

追影切人 > 武器の携帯は駄目、異能はそもそも出力が落ちている。魔術は…使いどころあんのか分からん。
そこに、駄目押しで封印拘束の山盛りだ。どれだけ弱体化と制限がされているのやら。

「…話だと紅き何とかっつーのをぶった斬って来いって感じだったんだが。」

むしろ俺を始末する為に放り込んだの間違いじゃね?と、気怠い溜息を漏らす。

「…斬り合いなら死ぬまでやってもいいが、それ以外じゃテンション上がらねぇしなァ。」

ボヤきながら周囲を見渡す。別によくある落第街の光景だ。封鎖されているからか人気はサッパリだが。
そもそも、遭遇しなかった場合は直帰していいのかこれ。その辺り完全に何も聞いてない男で。

追影切人 > (そもそも、この手のヤツは【不朽祭器】か【化外殺し】の領分で俺じゃねぇだろ。)

”ぼやけて”実態が分からん女イカレた堅物。どっちかに要請すればいいものを。
ここで突っ立っていてもしょうがないので、取り敢えず歩き回ってみる。
とはいえ、その歩き姿は隙だらけでありやる気というものが全く感じられない。

「……何だかんだ怪異連中とやり合った経験あんまねぇなそういや。」

あるにはあるが数える程度だ。正直そういう意味では”分が悪い”。

追影切人 > 歩きながら、その辺にありそうな木の棒や鉄片など、”刀剣”に見立てられるものを拾い上げようとする。
だが――…

「……んだよ、拘束の一環かぁ?こりゃ。」

拾おうとした手が勝手に”止まる”。まるで痺れた様に動かない。
だが、手を引っ込めようとすれば何の問題も無く動く。…また面倒臭い真似を。

それだけ、この男に刃を持たせたくないのだろう。…中々風変わりな拘束だ。

「…つまり、完全に素手でやりあえってか?…紅き何とかが殲滅出来りゃ良し、俺がくたばっても問題なし、か。」

まぁ、そんな扱いは今更ではあるが。分かってるだけの情報は一応聞いている――が、特級の怪異となると、素手だとまぁ不利だ。

追影切人 > まぁ、何も無いなら無いで肩透かし、単なる徒労で終わり。
うざったいこの拘束の盛り合わせも解除されるだろう。

どの道、男が何をせずとも事態は進むし誰かが何れ討つ事になるかもしれない。
乾いた靴音が路上に静かに響く。今の所は殺気も妙な気配も違和感も無い。

追影切人 > 「…ハァ、…いっそ全部斬りてぇ…。」
追影切人 > ”ソレ”が叶う事はおそらく永遠に無いだろうが。
そんなものはこの男が一番よく分かっているとしても。

偶に(何時も)、無性に誰でも何でも良い、ただ斬りたい。

さて、一通り歩き回ったが目ぼしい感触は得られない。
やっぱ人選間違ったんじゃねぇか?と、思いながら。

「…引き上げっか。どうせ上の連中も織り込み済みだろ。」

気怠そうに、退屈そうに、斬る事の出来ない不自由さを感じながら。
ヒトであってヒトではない、刃ってあってそうではない男は帰還する。

ご案内:「落第街 封鎖エリア」から追影切人さんが去りました。