2024/06/22 のログ
ご案内:「落第街大通り」に先生 手紙さんが現れました。
■先生 手紙 >
――さて。何を以て『異常』とし、何を以て『日常』とするか。
例えば視界の端でおっ始まった喧嘩。落第街の住人同士のソレはどちらか。答えは後者。
煙草を吹かしながら成り行きを見守る……わけでもなく。仲裁、両成敗なんて以ての外だったりする。血の気が多いか気が短いかのどちらかで、自分が介入するようなことではないからだ。
――まァ。野次馬連中が調子に乗って賭け始めているのも目を瞑る。自分は風紀を保つタイプではないのだから。
夜半。そんなこんなで、落第街の大通りはいつも通りの、お行儀の悪い子達のたまり場だったのである。
■先生 手紙 >
ザザッ。無線が入る。
煙草を挟んだ指。その掌で口元を覆うようにして、応える。
「異常ナシ」
路上の喧嘩は特段、異常ではないのでね。気が収まるまでやらせておけばいい。
――先生手紙にとって、それらは瑣事だ。ついでに言うと、今この場に居ることとまったくもって関係ねえのである。
■先生 手紙 >
「は?出たら対処は当たり前でしょ。どっちも面ァ割れてンだし。それより表側、任せますよ。今夜あたりがヤマだろうし。おれ?おれは――日陰者が日陰から出ないように見張ってるくらいで丁度いい。オーバー」
通信終了。使用頻度の少ない郵便ポストの上に座って、ごちゃごちゃの喧騒の中で静かに――
二本目の煙草を、銜えた。
■先生 手紙 >
とはいえ此処のガラ悪い連中と一緒にバカにはなれない。
どこかで何かが決しても、やるべきことは変わらない。
――件の怪異も完全消滅に至っていない。どころか被害がじわりと増えている始末。嫌になるねえ、まったく。
■先生 手紙 >
再び無線。
「……そ。じゃあ、その通りに。『1MHQ』は持ち場を離れませェン」
紫煙。吐いた先を見上げる。淀んだ空に、月だけが朧げに。等しく下界を見下ろしていた。
「ふーっ……おれの持ちも、さっさとひとつくらいは片づけたいンだけども」
こればかりは仕方ねえのである。ガクセーだが思春期でもなし。ラブレターなぞ、柄じゃねえのですよ。
ご案内:「落第街大通り」にDr.イーリスさんが現れました。
■Dr.イーリス > ほんの十数分前、不良集団《常世フェイルド・スチューデント》によるわりと大きな作戦が決行された。
違法取引に向かう違法組織の車を集団で襲撃し、大金が入ったバッグを強奪。
その後、イーリスの操る《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》が違法組織の構成員を足止めしつつ、不良達はお金を分割して持ち、散り散りに逃亡した。
構成員A「待て、ごらああぁぁ!」
構成員B「逃げるなああぁ!!」
漆黒のアンドロイド《メカニカル・サイキッカー》が足止めしても、なお追いかけてくる違法組織の構成員四名。
構成員の一人が異能を発動させる。右手から氷の槍を飛ばした。
「……ッ!!」
氷の槍がイーリスの右脚を掠めるも、走り続ける。両手に抱える袋には大金が入れられていた。
この場所では、そのような光景も喧嘩のようなものに見えかねない。
「……こんな事もあろうかと、緊急装置を用意しておいてよかったです。緊急装置に誰か座っていますが、気にしている場合ではありませんね」
スマホを取り出して、タップ。
すると、誰か座っている郵便ポストが動き出した。
郵便ポストが地面から浮き出たかと思えば、四足の脚が出現する。郵便ポスト型ロボットと言えるそれには、いくつもの銃器が装備されていた。
「その郵便ポストに座っていたのが運の尽きです。あなたも巻き込まれてください」
イーリスは、郵便ポストの乗っている彼の膝の上に飛び乗った。
そして、郵便ポストが違法組織の構成員に機関銃をぶっ放しつつ、逃亡し始める。
■先生 手紙 >
えェー。
「こちらセンジョー。いえ別件です。とりあえず、あーい。いつも通りで」
ガションガションガション。
「へーいお嬢さん。君がボスでいいのかー?こンな仕掛けは予想してなかった。乗り心地は……下の上ってとっ↑ころっ↓かな↑っ」
暴れん坊のロデオマシンのようだ。訳もわからず逃走する一団の末席に加わる羽目になった。
怒号をまき散らしながら追って来る連中は――
「ねェー!アレって『リトルドラゴン』の構成員だろ?何っ↑やらかしたン!?」
■Dr.イーリス > 郵便ポストしか乗るところがないのに、そんな狭いスペースに二人乗っている。イーリスは彼の膝に座り、左手で袋を抱きつつ、落とされないように彼を右手で抱きしめている状態となった。
「ボスと呼べる人物は他にいますね。自然に隠せる逃走用マシンとして形成しましたので、乗り心地の悪さはご容赦を」
今回の作戦は、《常世フェイルド・スチューデント》のリーダー、エメラルド田村という人物の指揮のもと行われていた。
彼の問いに頷く。
「そうですね、違法部活『リトルドラゴン』。よくご存知ですね。大した事はしておりません。ただ、少しだけ無断でお金を借りただけです」
そうしている間も郵便ポストマシンは機関銃をぶっぱなし、気泡部活の方々が異能でガードして対処しつつ追いかけてくる。
「厄介な異能者ばかりですね。あなた、何か足止めに使える異能や魔術はありませんか?」
■先生 手紙 >
随分と肝の据わった――っていうかぶっ飛ンだお嬢さんだこと。
「だけど一緒に逃げてる君の仲間は君を守るように展開してる。ボスでないならヘッドかな。ちょっと失礼」
何か無いかと言われたのでね。上下運動に合わせて胡坐をかく。お嬢さんを膝の上から懐に入れるまでにガッションガッション。
「へい、ポチ。一丁借りるぜ」
郵便ポストの腕(腕!?)から機関銃を奪い取り、
「……『私は自由です。だから迷子に』」
ダダダダダ。地上掃射を一薙ぎ。弾丸を撃ち込まれたアスファルトが、着弾の後――
――摩擦力を失った。
後続の追手が揃ってバナナの皮を踏んだように転がる。
「――You think?」
■Dr.イーリス > 「いえ、そんなはずはないでしょう。物を手に入れた後はとにかく散り散りに逃げる、というのが今回の作戦です。皆さん、各所で予め用意したバイクに乗って逃げるのに必死です」
守っているように展開している、ように見えるのは赤の他人だった。
赤の他人でも、もし守ってくれているなら感謝。
足止めしてくれている《メカニカル・サイキッカー》に関しても、見えているところにいない。
「……この場合、ボスとヘッドの違いは何です?」
小首を傾げた。
郵便ポストには脚しかなく、戦車の砲台の如く銃器が備わっていた。
しかし郵便ポスト型マシンから機関銃の取り外しは可能なので、問題なく奪い取れる。
なんと、不思議な出来事が起きた。
機関銃の銃弾が地面に着弾すると、なんと追っ手が転んだ。
構成員達「ぐわあああああぁぁぁ!!!」
転んだ追っ手を置き去りに、走り続ける郵便ポスト。
「……何が起こったのでしょう? どのような能力でしょうか」
興味深く彼の手に持っている機関銃を眺める。
■先生 手紙 >
「…………ふゥン?君がそう言うなら、そういうことにしとこうかな」
センキューポチ。機関銃はおっかないからこのまま預からせてね。
「ボスは依頼者。クライアント? で、君が実行の指揮を執った……っていう推測。ここじゃ珍しくもないけど、ちっちゃい女の子が鉄火場で鉄砲玉の役をするのは、そうだな……無理筋じゃないけど男らしくない」
正義の行動ではないだろう。違反部活から、何か獲ったならず者の一団である――先生手紙はそう仮定し、とりあえず動いたわけだ。
「ただの如何様だよ。ところでお嬢さん、名前を聞いても?一緒のポストに乗った仲だ。おれはセンジョー。今のところ一般人」
■Dr.イーリス > 「“私達”が自主的に、“私達”の生活のために今回の犯行に及んでいます。依頼主など存在しません。危険な目に遭っているのはリーダーも含め、全員一緒です。私達不良、一蓮托生ですからね。今回の作戦は、関わってる人全員が鉄砲玉ですね」
リーダーのエメラルド田村も別の場所で大金を持ち、バイクで逃走中。
ただし、逃げ方としてはイーリスに多く人が集めるようにしているのは確か。それは逃走手段が他の不良がバイクなのに対してイーリスは郵便ポストマシンを用いているのと、改造人間たるイーリスは生身の人間よりも丈夫だからだ。
「イカサマ……でございますか。よく分かりませんが、とにかく助かりました。ありがとうございました。センジョーさんでございますね。私の事はDr,イーリスとお呼びください」
袋から札束を三つ取り出して、彼に差し出した。袋に入っているお金の半分だ。
「これは逃走を手伝ってくださったお礼です」
不良の世界にも仁義はあるので、ちゃんと報酬を山分けさせていただきたい。
山分けと言ってもあくまでイーリスが持ってる分だけで、盗んだ金額は仲間達がそれぞれ分割して所持し逃げている。
■先生 手紙 >
「犯行ってトコは認めンのね。おれもまァ、素行不良だから説得力ねえけど、ほどほどにしとけよ。じゃないと――」
お説教の最中に札束を握らされようとしたらどうする?ちなみに三つ。
おれ? すーげえ魅力的だと思う。
札束を持ったお手手に、かしゃり、と。手錠をかける。番い先はいない。
「いたずらっ子から犯罪者に格下げする羽目になる。動くポストにライドする経験なンてそう何度も無ェだろうから、その分で今日はチャラにしとく。これ以上の礼はいらないよ」
そして手錠にも鍵は掛かっていない。警告に留めた。――だとちょっとヌルいので。つむじをぐりぐりとゲンコツ代わりに指圧の刑。
■Dr.イーリス > お金を渡そうとしたら、手錠を掛けられた。
手錠をかけられた際に札束三つを落としてしまい、それに群がる落第街の住民。
「風紀、あるいは公安の方でございましたか。皮肉な事に、運の尽き、というのはこのポストに座っていたあなたではなく、私の方が当てはまっていたかもしれませんね」
てっきり落第街の住民だと思っていた。
「見逃していただきありがとうございます。……あだだっ!」
つむりをぐりぐりされると、今も走り続ける郵便ポストマシンから落っこちそうになっていた。
■先生 手紙 > 「……言ったろ。今のところは一般人だって。手錠くらいセンターでおもちゃが売ってるさ」
片っ端から悪事を取り除けば『良く』なるか?個人的にはNOだ。たとえば、受け取らず終いのお金を拾った住民が悪意ある何かではなく、食べ物とか嗜好品とかを買えば、善悪はさておき、好いコトだと思うし――事態の裁定権はおれに委ねられている。
「まったくたぜ。まァ、郵便ポストは情報を運ぶ……って意味じゃあ、ポチ(仮称)もポストなンだが」
落っこちそうになる少女を座り直させる。
「――で?おれはどこまでついて行っていいのかな、イーリスちゃん。おれが風紀か公安だったら都合が悪い頃合いなンじゃあないのかァー?」
■Dr.イーリス > 今のところは一般人、その言葉を思い返してみれば風紀というより公安だろう。非番の風紀な可能性は否定しきれないが。
「そう仰るのでしたら、この手錠はおもちゃですか?」
公安が落第街にいる理由……。
風紀委員が件の怪人の捕縛に本腰を入れているという情報もあるので、その分手薄になるかもしれない落第街に公安の人員を送り込んだという事だろうか……。
落ちそうになったところを手紙さんが支えてくれる。
落っこちそうになった原因は手紙さんのぐりぐりにあるので、支えてくれたお礼は口にしない。
「そうですね。もちろん、このままあなたと一緒に仲間と合流、なんてわけにはいきません。そろそろ、リトルドラゴンもそう簡単には追ってこれなくなるぐらいには距離を取りましたね」
郵便ポストがゆっくりと減速していき、ぴたりと止まった。
イーリスは手紙さんの膝から跳び下りる。
「機関銃はちゃんと元の位置に戻しておいてくださいね。貴重な兵器ですから」
■先生 手紙 >
「そうだね。今のところは」
それは暗に、簡単に取り外しできる今の手錠が玩具でなくなるということだ。彼女は知り得ないが――現状、この手錠は玩具と呼べるまで拘束力が低下している。見た目はそのままに。
「これからおれはポストを見るたびに兵器の可能性を考慮しなくちゃいけないのか……ヤな未来だなァー」
とはいえこれは正規の郵便ポストではなかっただろう。そもそも設置してあった場所が場所だし。
マガジンをスコンと取り外し、機関銃本体をポストに再設置、えい。がこん。コレでいい?ガタついてないからヨシ!
少女が降りたところで自分も降りる。内ポケットから煙草を取り出し、銜えた。火を点ける。
「ふーっ……目立ってもいいからハデにやらかさないでね、不良少女。おにーさんと約束してくれるなら、追わない。おれの素性が気になるなら調べてくれていいさ。まァ……」
紫煙の後……
「留年してるってことが、お嬢ちゃんにバレて株が下がるくらいだし」
情けねえ部分の早めの開示であった。
■先生 手紙 >
……一般人の仮面を外せば、落第生ではなく留年生だった、というどうしようもねえしょっぱいオチが付くのであった。
ご案内:「落第街大通り」に紅き地泳グ酸鮫さんが現れました。
■Dr.イーリス > 「あくまで今のところはおもちゃというわけでございますか。今のところは」
あえてすぐに手錠は外さなかった。その理由は、後でちゃっかり手錠を懐に入れるため。
イーリスの技術力なら、手錠も頑張れば加工して機械部品になる。
「ポストを目にした際はお気を付けくださいね。私も、あなたと出会って災難なところもありましたからね」
よもや公安、あるいは風紀と思しき方とリトルドラゴンの構成員から逃げなければいけなくなるとは……。
手紙さんにより、無事に機関銃がポストに再装着された。
「さて、どうでしょうね。確約は出来ませんが頭に留めておきますね。別にあなたの素性を謹んで調べたりはしませんよ」
公安かな、という推測はしてみるけどそれだけ。
公安というのも現時点で推測の域を出ないし、もし公安だとすれば知られたくない素性だろうとも想像できる。
「なるほど、一般人ではない部分というのは留年生という事でしたか」
留年生という事に、納得素振りを見せる。というより、この場はそういう事にしておこう、というのが実際にイーリスが考えている事。
■紅き地泳グ酸鮫 > 紅き屍骸。
貴殿らが、何を以ってこの場に迷い込んで来たか。
それは知らぬ。
知らぬ
…が。
獲物が自ら舞い込んできたではないか。
貴殿らが目にするのは
紅い影
大地を当然の如く遊泳する鮫
貴殿らにとっては
"また災難"であろうか?
男と、女。
男の方は―――
2回も痛手を負わせやがったヤツだ
こいつは
今すぐ
殺すべきだ
女の方は―――
はて、この街で
封鎖区域で
どこかで
見たことがある
"仲間"を連れていたはずだ
つまり"殺す価値がある"
丁度いい
"楽しいお話の中、失礼!貴殿らの命、頂く―――死ねッッ!!"
持たぬ言葉の代わりにその口から繰り出そう!
卑怯卑劣なる先制攻撃
不意に大地より
紅鮫の顔がキバが出る
紅き酸液
ぶちまけて
明確なる殺意を示そうぞッッ!!