2024/06/26 のログ
ご案内:「落第街大通り」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
――――可視化された『熱狂』を、観た。
 
 

先生 手紙 >  
それは夢のようで、悪夢(ユメ)のようで、幻想(ユメ)のような、時間(ユメ)だった――と。

なるほど、アレは狂う、と。けれど冷静に――それでいて煙草に頼る程の余波を感じながら男は大通りの空気を吸って吐き、断じた。

そして火を点ける。

「ふーっ……は、」

ただでさえ澄んではいない空気を更に煙で汚しながら、認識を更新する。

「……アレに必要なのはこの場合、首輪じゃなくてリードだなァ」

髪を掻き……本当に、どうしたものかと思うワケで。

先生 手紙 >  
かの熱狂――いや、もはや『狂奔』と言って差し支えあるまい。

なるほど自分が適任とされるワケだ。意識的に、否。異能的に感受性を下げていなければ方向性の定まらない『走れ』という衝動に自分も呑まれていたろう。そう断じるだけの芸術性が在った。

「……アレで自称16か。末恐ろしいねェ、まったく」

先生 手紙 >  
「……その前に駆逐対象がなァー」

目下の天才より害悪の方が先に取っ払うべきだろう。べきだろうけれど如何せん場所が場所だけに、主力である風紀委員も数に恃めないといったところ。なので自分みたいなちゃらんぽらんにお鉢が回ってくるわけだが。

「照月クンの言ってた花……は、まァ基礎単一魔術で燃やせ……たらいいなァ」

このところ、一般の法則に懐疑的である。怪異は読んで字のごとく怪しく異なる存在なので対応可能な範囲で怪異してくれれば文句はあれど納得するけどさあ。

たとえばポストが飛んだりね。口に出したら吸ってる葉っぱが非合法のモノだと思われかねない胡乱なワード。

先生 手紙 >  
……大した労と時をかけずに煙草は灰になった。

「――煙草(コレ)くらいインスタントなら、もーちょい楽なンですが」

それはそれで味気ないか、と一人笑う。

ピ。

オモイカネ8が、相槌めいて無機質な通知音を鳴らすのであった。

ご案内:「落第街大通り」から先生 手紙さんが去りました。
ご案内:「違法パブ「地獄の門」」にアッシュさんが現れました。
アッシュ >  
「──機界魔人(テンタクロウ)、捕まる…、ねェ」

数日前のニュース。
歓楽街から流れてきただろう浮ついた週刊誌をカウンターの上に投げ捨て、男は煙草に火を点ける。
──喉に良くない?美声だけが声じゃないのさ。こういう場所から伝える声は黒く汚れていたほうが趣きがある。

「残念だったナ。期待してたんだが」

──ま、異能者至上主義のウチの違反部活の理念にゃ反するが

「日常にない音を奏でる"いいヤツ"だったんだゼ?
 なぁマスター、手向けの一杯くれよ。この蟠りごと飲み干してやりたい」

──バーボンかよ。まぁ文句言う程でもねえか

機界魔人(テンタクロウ)に乾杯。
 …あァ?死んでねェだろって?…カカ、似たようなモンだろ」

──そう、あの魅力(悪意)に満ち溢れた(ヴィラン)はもう現れない
               憎しみの連鎖が生まれない限りは。

アッシュ >  
「しかし賑やかな事件が一つ終われば、
 また風紀の連中がこの辺りにウロウロし始めるかねェ」

飲み干しがグラスの底でカウンターを叩く。
もう一杯だ。と人差し指で合図をしつつ。丸椅子を回転させ天井を仰ぐ。

「上の連中も何だかんだ兵隊(異能者)を欲しがっててなァ…。
 地下で細々とやってンじゃキリねェ、ってことでいよいよ活動も本格化だ」

「かかッ、俺ァそんなことにキョーミないねェ…。
 俺はただ、思う様歌い届かせるだけさ。それにどんな人間がついてこようと知ったことじゃない」

茶褐色の液体が注がれあグラスを再び手に取り、一気に煽る。
素敵な感じに喉が焼ける。今夜はイイ声が出せそうだ。

此処(落第街)にゃ天敵(風紀委員)もいれば自浄作用(裏切りの黒)もある」

「出過ぎた杭は…ってワケだ。
 クク、叩かれても叩いてきたヤツをブッ殺すだけの力を貯めてるってコトだナ」

アッシュ >  
(退屈)ネズミ()を殺す。
 俺としてはバチバチにヤリ合ってほしいねェ。
 そのほうが歌詞(LYRIC)がよく浮かぶ」

「せっかく攻撃的な(他者より恵まれた)異能を持って生まれても、向こう(学園)じゃ人へは使用禁止だのなんだの、ウゼェよな?
 くく、せっかくの個性(オリジナリティ)を押さえつけられるなんてあまりにも悲哀、悲劇だと思わねェか?」

「生まれ持った、望んでもいねえモノを否定されるのはクソみてぇな気分だろうな」

「俺はそんな奴らが尽く開放されればイイと思ってる。
 だから歌い叫ぶのさ。鬱屈された心(デモンハート)反骨精神(クソったれ)をな」

フゥー…、と酒に酔った吐息を零し、グラス置けば男は立ち上がる。

「──そんなワケだ、もしかしたらちぃと此処らも騒がしくなるかもな…?
 カカ、安心しろよ。俺の奏でる音楽(サウンド)よりは大人しいってよ」

アッシュ >  
デカい花火は相応の騒音(ノイズ)震動(ダメージ)を生み出す。
わざわざ空に打ち上げてやるような立派なもんでもない。
その場で炸裂させ、もろともに大火事(パーティー)になればイイ。

それくらいのほうが、野次馬ども(特権階級)も集まりやすいだろう?

「ヘイ、マスター。ツケで頼むぜ。
 へっへ…ライヴまで金がないんだ。勘弁しろや」

天国に逃げたりなんかはしねェからよ。
そう言って笑いながら、ギターを肩に担いで男は地獄の門を悠々とでていくのだ。

ご案内:「違法パブ「地獄の門」」からアッシュさんが去りました。