2024/07/02 のログ
ご案内:「落第街大通り」に龍宮 鋼さんが現れました。
龍宮 鋼 >  
落第街の大通りを我が物顔で歩く。
かつて自身が根城にしていた落第街。
並ぶ店や多少の風景は変わってはいるものの、

「ッハ。
 代り映えしねェ面構えだなァ、おい」

独特の雰囲気、空気感は何も変わっていない。
地面に転がるゴミや、よそ者を寄せ付けない雰囲気。
表の綺麗な最先端都市、と言った風景よりこちらの方が馴染みやすい自身の感覚も含め、あの頃と全く同じ。
じろじろとこちらへ向けられる警戒の視線に、クックッと楽しそうに笑いながら通りを歩く。

ご案内:「落第街大通り」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
「4区、これでヨシ、っと」

入力完了。というわけで一服するために立ち止まり、煙草を銜えたところで――落第街の雑踏の中にあってソレが自然な人物が目に留まる。

――あのガッツリパンクロックなsilhouetteは、紛れもなく…

「龍宮センセか……?」

先生 手紙 >  
……さて。彼女を『先生』と呼んでいいのだろうか、と考える。

うーむむ。

「……はァい、オネーサン。注目されてンね。おれも目に入っちゃった」

と、火を点けずに煙草を銜えたまま、手を振って声をかける。


ナンパかよ。もう少しいいアプローチはなかったのだろうか。

龍宮 鋼 >  
「あ?」

軽薄なセリフに振り向く。
軽薄そうな男が立っていた。

「――なんだテメェ。
 注目されてェならテメェの顔面も注目される様にしてやろうか?」

こんな街でそんな声を掛けてくるやつはろくでもない奴だ。
それは昔も今も変わらない。
狂暴な笑みを浮かべ、「アイサツ」を返す。

先生 手紙 >  
「やーべェ超おっかねえじゃン」

両手を上げて初手降参のポーズ。

落第街(ココ)で注目される顔面になりたくはないなー。三年のセンジョーでっす。コンバンワ」

ゆるゆると手を下ろしながら右手はポケットへ。この段になって、やっと煙草に火を点した。

龍宮 鋼 >  
「なんだオマエ生徒かよ。
 さっさと帰れ、生徒がこんなとこうろついてんじゃねェ」

怪訝な顔。
生徒が落第街をうろついているとろくなことにならない。
襲うにせよ襲われるにせよ、どちらでも。

「オマエ慣れてる奴だろ。
 雰囲気が昔の知り合いと同じだ。
 そう言うのと関わり合うとろくなことァならねェんだよ」

しっしっと犬でも追い払う様な仕草。
彼の態度は、明らかに「慣れている」それだ。
かと言って不良っぽくもない。
かつての知り合いにもそう言うのがいた。

先生 手紙 >  
「ですよねェー。まァでも、仕事の一環なンで。今日は見逃してくださいよ。次からは目の届かないところを張るンで」

紫煙をひとつ。立ち去る気はない、と軽い口調の中に確かな意思があった。

「まァ?ジロジロみられないくらいには馴染ませましたが。どっちかっつーとおれのよりアンタの方の理由が気になりますね。表側でしょ、今」

煙草吸います?手巻ですけど、とシガレットケースを取り出して。

――龍宮鋼。場慣れは相当のモノ。ウチの数学教師だが、見ての通りの御仁だ。落第街に相応しいとも言えるし、教師が来る場所でもない。彼女はどうして、此処に来たのだろうか。

龍宮 鋼 >  
「仕事ねェ
 ま別にいいけどよ、オマエが悪ささえしなきゃ。」

センジョーと名乗った彼。
名前が独特だったので覚えている。
確か風紀委員だったはずだが、空気感は風紀のそれではない。
むしろどちらかと言えば――

「オイオイオイオイ寝ぼけてんのか?
 俺ァセンセーだぞ。
 落第街の見回りぐらいすらァな」

むしろ生徒よりもここにいる理由はあるはずだ。
落第街の大通りなど、まだまだ表層もいいところなのだから。

先生 手紙 >  
「失敬な。授業態度はマル、出席がアレ。素行は喫煙が許可された場所だけですゥー。どっちかっつーと、」

センセーを自分で言った。なら特にカバーはないか。

「今にも暴力沙汰起こしそうなのセンセの方じゃないっすか」

ケースをくるくる。

「それこそ風紀かその顧問に任せてやりゃあいいと思いますけどねェ。や、センセの猛者リティはコッチ向きですけども。実技の訓練に付き合って欲しいくらい。ふーっ……」

そう、表層。まだお行儀が良い落第街だ。

「……仕事のハナシ。ここいらでも出没()る怪異が居るンで、もっぱらその対処と……あとはまァ、センセと同じ見回りですよ。悪い子が、悪すぎることをしないかどうか程度の」

龍宮 鋼 >  
「歩き煙草」

今まさに違反をしている。
素行マイナスいち。

「こんなとこで暴力沙汰もクソもあるかよ。
 常にどっかで殴り合いのケンカ起きとるだろうが」

そんなことを言っていれば、前の方の店からパイプ椅子が道路に飛び出して来た。
景気のいい音も聞こえる。

「オマエそんなもん要らんって顔してんだろうが。
 怪異ねェ」

怪異の話は聞いている。
とは言え数年前も何やら似た様な話は散々聞いていたし、別に今更改めて警戒することでもないだろう、と思っている。
前の方で起きたケンカをつまらなさそうに眺めながら。

先生 手紙 >  
「アイサツ代わりにボコろうとしたクセに」

飛び出してきたパイプ椅子を片足で受け止め、くるりと回してセット。座って吸う。素行プラスいち。

「場数と勉強は終わり無しって言うでしょ?要りますよ、おれには。怠けた分の負債はあるンですゥー。おれみたいな常人枠にはァー」

喧嘩の方にはこちらも関与しない。それを諫めるのはまァ、風紀か……この教師か。いやたぶんこのヒト止めねえな。仲裁よりも手前らで白黒つけろって言うタイプとみた。

「……足を踏み入れたヤツの自業自得、って?でもおれの案件は広がるタイプなンでね。祭祀の封印が絶対、とは思えンでしょ。境界を破られたら雪崩れ込むのが目に見えてるから、おれみたいなのにもお鉢が回って来るってことですよ」

龍宮 鋼 >  
「オマエアホか。
 この街であんな声の掛け方する奴ァ、ボコってくれって言ってんのと同じだよ」

道路で煙草を吸うことはやめないのはどう考えてもプラスではないだろう。
今期の成績に反映してやろう。

「バァカ。
 場数踏みたきゃ訓練とかぬるいこと言ってんじゃねェ」

ケンカならいくらでも付き合うが、ケンカのための訓練に付き合う義理はない。
初心者じゃあるまいし、訓練が必要にはとても見えないのだから。

「じゃあ精々頑張ってくれや。
 応援だけしとくわ」

少なくとも自分は何もする気はない。
だって気持ちいいケンカは出来そうにないから。

先生 手紙 >  
「いちおうちょっと考えたンですよ。センセが別の貌で来てて、何か探してて、おれが『竜宮センセー』って呼びかけたらそれが悪手になっちゃうかな、って。いやまァ、咄嗟に出た言葉がナンパっぽかったのは反省して次に活かします」

吸い終わったので携帯灰皿にしまう。あ、今回の数学は70点くらいになるようにしました。

「学園の訓練施設の根幹を否定するようなセリフどうかと思うなァ。まァ、センセのそのスタンスは『ライオンは筋トレしない』みたいな感じのアレでしょうけども。場数と訓練、どっちも得られるのが違うくらいは解っていただけます……?」

日々の站椿功(たんとんこう)とか。

「あいー。授業の欠席が続いたらそういうコトだと思ってくださァい。二学期からの数学はきちんと出る予定なンでェ」

――彼女の胸中は知る由もないが、おそらく当たっている。気持ちのいいケンカにはならないだろう。

「……で、マジで見回りで来たンです?」

なんとなく。そんなことを訊いていた。

龍宮 鋼 >  
「そう思うんならそもそも声掛けんじゃねェよ」

別に何か探しているわけではないし、先生とバレて困ることも無いから良いけども。
そう思った上で声を掛けると言うのはどういうつもりなのかとちょっと思う。

「別に訓練自体否定してるわけじゃねーよ。
 少なくとも俺ァケンカの仕方しかしらねェし、ケンカなんぞ訓練するようなモンじゃねェってことだ」

ケンカに必要なのは度胸と気合だ。
安心安全な「訓練」などいくらしたところで役に立たない事の方が多い、と思っている。

「出席日数は減らしとくからな」

特別扱いはしない。

「オマエ、常世フェイルドスチューデントって知ってっか。
 だいぶヤンチャしとるみてェだからな、見張りだ」

殺しとか詐欺とか薬物とか以外は大体何でもやってる悪ガキ集団。
彼らのケツ持ちをすると約束したので、その見回りに来たのだ。
通りのケンカはカタが付いたらしく、片方がズタボロにされて地面に転がされている。

先生 手紙 >  
「じゃあ事情把握するためにおれが尾行始めてたら?センセの性格的に絶対ェストレスっしょ」

関与しないならしないで良いが、イレギュラーかそうでないかの判別は必要だったのだ。……どちらにせよ起こる心証の低下は、必要経費――もとい、逆に都合が良いまである。こと、この場所でだが。

「おれはむしろ喧嘩はしたくない派ですけども。ま、ま、仮面被って不意打ちしなかっただけマシだということでひとつ」

そして、単位の低下も厭わないのであった。

「あァ。よく知ってます。イーリスちゃんとこのやんちゃ集団でしょ。なに、あの子らセンセに目ェ付けられてンの?ふっは」

笑ってしまう。ならまさにこの教師は適任だろう。あの子らフツーのオトナの正論絶対ェ響かないチルドレンだろうし、と。

「お。KOで終わったンだ……ヘーイ、生きてる?命が多いタイプの異能持ちじゃないなら転がるまでやっちゃ駄目だぜ。ナイスガッツ」
矛盾しかねないことを言いながら、負けた方を自分が座っていたパイプ椅子に座らせるなどする。

龍宮 鋼 >  
「そんときゃぶちのめすだけだから安心しろ」

コソコソ付け回すような奴はぶちのめす。
シンプルな思考。

「アイツらの面倒見るって約束したんでな。
 近いうち、アイツらまとめてガッコにぶち込む予定だ」

この街に救われないものがいる。
ならば少なくとも自分は救いの手を差し伸べないといけない。
かつてそう言う理念をブチ上げていたのだから。

「んなヤツァほっとけ。
 ケンカして負けるやつが悪ィんだ」

彼の座っているパイプ椅子をガンと蹴る。
倒れはしないが衝撃は伝わるだろう。

先生 手紙 >  
「だからぶちのめされない方取ったンじゃないですか」

この教師の素性を探れ、みたいな案件来ないように祈ろう。あんまり祈りが通じたことないけどね!

「へェ、面倒見いい。あ、昨日のテストはイーリスちゃん含め全滅っぽかったですよ。マジ通夜状態。おれは名字が先生だけど導けるタイプじゃないからなァ……」

そこまで言って。たったひとり、合うのでは?と言った人物のことを思い出す。

「こォの蛮族教師ッ!今回駄目でも『次』は解らンでしょ。這いつくばった後、立ち上がる権利は誰にもある。砂の味を知ったヤツに塩を塗るのはおれのくっそ安い善性が良しとしないだけですゥー」

同情というよりも、終わった試合の敗者を座らせた程度のことだった。

「……あの子らの入学に際しての手続き面での面倒事があって、且つセンセが煩わしく思ったコトがあったら手伝いますよ。なんでか知らンけども、妙な懐かれ方しちまったもンで」

他人だが真っ赤な、というほどでもない『彼ら』。これは彼女へのお節介になるだろうか。

龍宮 鋼 >  
「じゃ次ここで声掛けてきたらぶちのめすわ」

素性を探っても「過去落第街でチームを率いていた」ぐらいしか出てこないだろう。
ポケットから煙草を取り出し火を付ける。

「ったくあいつら……。
 ベンキョーしとけっつったろうが」

とは言えそう言ったのは数日前だったので、まぁ想定の範囲内と言ったところ。
場合によっては勉学方面ではなく就職の方を考えた方が良いかもしれない。

「ここで負けるっつーのァそう言うことなんだよ。
 フツウ次なんてねェんだ。
 ケンカ程度で負けるやつに関わったってロクな事なんねェよ」

ケンカで負けた奴に構える余裕など、ここの住人にはありはしない。
そんな余裕を見せたところで、それに付け込まれるだけなのだから。
落第街で育った身だからこその冷たい目。

「ハ。
 そいつァオマエの仕事じゃねェだろう」

そもそも面倒だと思っていたら最初から引き受けていない。

先生 手紙 >  
「うーい。知らないオネーサンということにしときまァす」

あとはヤッテンナーくらいに留めておこう。こっちも二本目を銜えた。

「ふーっ……勉強の仕方、から教えた方がいいッスね。点数云々より何か理不尽感持ってたっぽいし。勉強に」

リーダー格の少女は自分で解き明かすことと、強要される教養は別もの、みたいなことを言ってたし、と。

「おおう弱肉強食。ま、落第街のルールかもですねェ。センセはじゃあ無敗?かっくいー。でもおれは……再起に熾る熱量、好きなンですよ」
彼女は先生手紙を『慣れてる』と評した。概ね間違いではない。
そして、ここが住処でもない。

「ふっはは。それはそう。でもセンセ、そういうの苦手っぽいし」

シツレイ。

でも、たまには事務オンリーも恋しくなったりするのであった。

龍宮 鋼 >  
「こんなとこで悪ガキ集めてチーム組んでるような連中だからな。
 勉強の意味も知らねェだろうよ」

何故勉強しないといけないのか、を知らないと勉強する気にもならないだろう。
ましてや、ここでは勉強なんてしなくても生きていけるのだから。

「無敗なんて奴がいるかばァか。
 骨折れて血ィ吐いてもケンカ辞めなかっただけだ。
 あとは運だな」

少なくとも、今椅子に座っている男の様に地面に伸びている暇など無かったし、そんな暇を作らなかっただけだ。
後半の言葉には冷めた目を向け、

「ハ。
 ここで暮らしたことねェヤツのセリフだ」

そう吐き捨てる。

「だとしても、だ。
 テメェの出番はねェよ」