2024/07/03 のログ
先生 手紙 >  
「落第街は排他されたモノと、ソレを望んだモノで構成されてるからなァ」

紫煙を吐く。

「……ふゥン?」

振った話題に相槌を打ちながら、座らせた男を――その状態を――視ていた。……うン。この怪我は真っ当な喧嘩の結果だ。
そういう視点での、彼への興味は一旦失せた。

「逆にヤでしょ。暮らしたことねェのにココの知見深すぎる表のニンゲンとか。ま、曖昧なモンですけどねェ、表裏の境界なンて」

「はァい。盤外での点数稼ぎはやめときまっす」

再び降参のポーズ。

龍宮 鋼 >  
「……」

ばりばりとバツが悪そうに後頭部を掻く。
詰まらなさそうに煙草を投げ捨て、靴でぐりぐりと消した。

「――あー、まァ、出番はねェ、は言い過ぎたよ。
 ただ、その、なんだ」

ポケットに手を突っ込み、ザシザシといつまでも吸殻を地面に擦り続ける。

「――そういう、表の理屈とか綺麗ごとなんかは、こっち側の人間にゃ癇に障ることもある。
 アイツらとつるもうって考えてんなら、そう言うのは気ィ付けろ、マジで」

彼としては勿論本気でそう思っているのだろうし、ポジティブな意味で使っているのだろうけれど。
人によっては「わかっていない」と取られることもある。
現に自分は結構イライラしていたわけだし。

「知らんことに首突っ込むな、とまでは言わんが。
 首突っ込むんなら知って突っ込め」

先生 手紙 >  
「――嫌いでいいンじゃあ、ないかなァ」

ふー。と紫煙を吐きだした。

「『サリエリの気持ちはアマデウスには解らない』。逆もそうでしょ。持ったことも無い奴が、持ってる奴の重みなンざ解るはずがない

そして、携帯灰皿にまた仕舞う。

「でも、センセの忠告は素直に聞いときます。潜る身として――と」

オモイカネ8が通知を鳴らす。

「あいセンジョー。あァ、定時報告。……いや?」

隣の教師を見る。

「ただサボっただけ。いつものコトっしょ。減点ヨロシク」

ピ、と小さな電子音で短い通話は終わった。

「ンじゃ、余計なヘイトこれ以上集める前におれは掃けます。マジでお邪魔しました」

ゆるい礼。踵を返した先は、喧嘩のあった路地だった。

龍宮 鋼 >  
「オウ。
 気ィ付けて行けよ」

路地裏に消える彼の背中に声を掛けて。

「――ここで生きてたヤツとダチんなろうってんじゃねェのかよ……」

潜る身として、と言う言葉。
そう言う意味の言葉が伝わったのか伝わっていないのか。
バリバリと後頭部を掻き、ふと隣に座っている男を思い出した。
そいつを椅子ごと蹴り飛ばし、

「――オマエもさァ、ケンカに負けたぐらいで伸びてんじゃねェよ。
 んでいつまで座ってんだアホ。
 メシ奢ってやるから付いてこい」

ぐい、と無理矢理引き起こす。
そいつの文句を適当に聞き流し、とりあえず落第街から出ることにしよう――

ご案内:「落第街大通り」から先生 手紙さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から龍宮 鋼さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に紫明 一彩さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」から紫明 一彩さんが去りました。
エルピス・シズメ >    
「えーとテスト4日目……あれ3日目?」
  
 今日も今日とて落第街を歩く少女のような少年。
 期末試験をしのぎ学生通りと歓楽街を抜け、夕食を軽く済ませてきた所だ。

 大通りを抜けたあたりで瓦礫に腰を預ける。
 教室ではカラオケに行って遊ぶ一団なども見かけたが、彼は誘われていない。

「うーん、今更焦って勉強することもないし……。」
 

エルピス・シズメ >       
 そして、この辺りの二級生徒そういうものはなくもないらしい。
 知らない一団が集まり、何処かの建物へと入っていった。

(地下闘技場とか、バーとかもあるんだけ。違反部活かもしれないけど……

 "いずれにせよこの地に住まう人々にもコミュニティは存在する。"落第街を行き交う人々をぼうっと眺め、溜息をつく。

「うーん、ぼっち感。いっそ身売りでも……いやいや。」

 変なことを考えかけたので、思考を切った。
 
 

エルピス・シズメ >   
 もしも。
 もしもここで身体を売る──とまではいかなくとも、
 色んな表裏の稼業に手を出していたら。

「普通の仕事ならともかく、えっちなのは恥ずかしいな……」

 桃色の妄想を振り払い、気を取り直す。
 

エルピス・シズメ >   
 暫くして、気を取り戻す。
 
「……そういえば何で来たんだっけ。」

 何か探していた気もするし、そうでない気もする。
 とりあえず、声を掛けられることはなかった。

(不良に絡まれるよりはいいけど……)

 やっぱりこの"腕"は人を避けるのかな。
 複雑な気持ちで自分の腕を見つめた。

エルピス・シズメ >  
「明日のテストもあるし……そろそろ帰らなきゃ。」

 この場にこだわる自分に違和感を覚えつつ、
 落第街の路を危なげなく辿り、帰路に着く。
 

ご案内:「落第街大通り」からエルピス・シズメさんが去りました。