2024/07/24 のログ
ご案内:「落第街大通り」にさんが現れました。
> 「さて…いよいよ金欠が洒落にならなくなってき訳なんだけども。」

落第街の大通りを、独り言を呟きながら歩く赤毛紅眼の少年。
左右の腰と腰の後ろに交差するように、計4本の刀を提げた姿は多少目立つ。
ただ、そのどれもが鍔と柄を結ぶように細い鎖が雁字搦めに巻かれている。
――つまり、抜けない。抜刀できない刀を何故携行するのか…それは少年自身にしか分からない。

時々、食事処を見つけては足を止めるが、軽く首を振って我慢我慢。我、金欠也。

「…んーむ、儲かるつもりはないけど、食事くらいは困らない貯えが欲しいぜ…。」

> 風紀委員時代の貯金は…口座が凍結されてしまっているので現在は使えない…世知辛い。

「…まぁ、そもそも仮に口座使えてもそっから足が付いて御用になりかねんし…くそぅ。」

どうせなら風紀からトンズラする時に引き出しておけば良かったなぁ!と今になって思う。これが後の祭。
時々、腹の虫が鳴る音がするが我慢…我慢だ!もしかしたらデカい依頼がワンチャン入るかもしれない…!

「…いや、ねーわ。実績が無さすぎる…!」

あと、個人商売だしね。仕事って大変なんだな…と、しみじみして空腹を紛らわせたい、少しでも。

> 「そういや『伽藍地区』はどーなってんのかねぇ。全然足運んでねーけど。」

孤児である少年だが、一応は生まれ故郷でもある落第街とスラムの境にある地区の一つ。
便宜上、地区とされ『伽藍』の固有名称を持つ土地だが、あそこは基本”何にも無い”。

「…相変わらず殺風景なんだろうなぁ…でも、懐かしくなるぜ…。」

と、懐かしさに浸ってみるけど、時々鳴る空腹の音色が容赦なく現実に引き戻してくる。
…こういう時に限って、美味そうな匂いとか食い物の光景に敏感になってしまうんだ。
あっちこっちの食事処にフラフラと無意識に足が向きそうになる。
駄目駄目、今は金が無い。下手したら食い逃げするしかなくなる…いやここじゃ珍しくもないけどさ。

> (まー、普通に犯罪者な時点で今更なんよなぁ。)

でも食い逃げは何だ…うん、何かしたくねぇな。俺にもなけなしのプライドはあったらしい……プライド?
まぁ、プライドでおまんま食っていけないのはあると思う。やっぱ世知辛ぇわ。

「やっぱり地道に仕事こなして実績と知名度上げるしかねぇかなぁ。」

あんまし知名度上がっても足が付きそうだから難しいな…まぁ三流剣士兼零細何でも屋の知名度なんてカスだが。

「やっぱり世の中…金、食い物、女か…!」

最後のはうん、勢いで言ってみたけど地味に恥ずかしいな…偶に勢い任せに独り言言う癖直さんとな…。

> 時々、往来から変な物を見るような目で見られる事がある。
…まぁ、わざわざ4本も刀をぶら下げておきながら、鎖で抜けないなんてふざけていると思われても仕方が無い。

(ハッハッハ、全力でふざけてるけどな!!…嘘です、一応拘りあるんすよ…。)

空腹のせいでテンションがおかしくなってきた気がする…何時もの事か、ならえぇか。
…いや全く良くないって。何でも屋だしちょっとアレな仕事でも受けてみるか…。

「いやいや、命が幾つあっても足りねーし…身の丈にあった依頼じゃなきゃね。」

死んだらそこで終わりなんです。世の中不死身とか不老の奴もいらっしゃるようだが、生憎俺はそうじゃないので。

> 「死なないとか老化しないって、実際どんな感覚なんだろうかねぇ。…経験なんざしたくないけど。」

何か興味はある。そういう知り合いが出来たら一度所感を聞いてみたいもんだ。
あ、でもデリカシー無いマンになるのはあかんから程々にだな。これ大事。

「ぶっちゃけ不死とか不老よりお金の方が現実的に有難いしな…。」

世の中金が全てではないが、金で何とかなる場面が割と多いのが事実…いやはや。
何か独り言というかぼやきながら歩いていたら、また食事処に足が向いていた…方向転換!

「まー、三流には三流なりの生き方があるってね!!……せめて二流くらいにはなろうぜ俺…。」

腹の虫の鳴く感覚が短くなってきた…くそ、人がせっかく思考を空腹から逸らそうとしているのに…!

> 「…しゃーねぇ、今度『伽藍』に里帰りして…爺ちゃんのへそくり使わせて貰うかねぇ。」

あんまり手は出したくなかったけど。一応故人の資産だし…よく考えたらあの爺さんも色々謎なまま死んだな。
人によく分からん剣術を半端に叩き込んでおいて、あっさり死ぬとか本当に――

「…無責任…なんて、言えねぇよなぁ、そのお陰でまだこうして生きてる訳だし。」

腰の刀の柄に一度手を添えてぽんぽんと叩く。ジャラリ、と鎖の鳴る音。
残念ながら、不肖の弟子は”不抜の剣士”(落ちこぼれ)にジョブチェンジしたけどね。