2024/07/25 のログ
> 「まぁ、一人くらい俺みたいな剣士が居ても問題あるまい、うむ。」

落ちこぼれ、犯罪者、不抜、金欠…やべぇな、何かの役満だろうか?
とはいえ、元・風紀で犯罪者となるとあまり張り切って挽回しようとすると後が怖いのだ。

「…豚箱にぶち込まれる”だけ”で済むならマシなんだけどなぁ。」

いや、それも勿論嫌ですけども。まぁ、それはそれとして風紀の連中は元気してるかねぇ。
…考えたら、広くあさーく交流してたし割とモブキャラだったな俺…悲しい。

「…スラムに引き返してまたツケで飯を食うかなぁ。」

ツケはこの前纏めて払ったから、またツケしても問題は…無くはない!
やっぱ仕事を選んでられる状況でもない気がしてきた。でもきな臭いのは御免だ、後が怖いから。

> 「世渡り上手、って奴になりてぇもんだなぁ。」

話術、機転、臨機応変さ、知識、人脈、色々足りなさ過ぎるな…。
ともあれ、流石に本気で空腹がやばくなってきた気がするのでスラムに戻ろう。

歩くたびに、鎖の音を鳴らしながら不抜の少年は大通りを歩き去っていく。

ご案内:「落第街大通り」からさんが去りました。
ご案内:「違法パブ「地獄の門」」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
「やっぱり……お金がない!」

 表のバイトだけではちょっと足りない。
 海の家のバイトも予約したが、今日は別の子がシフトに入っている。

 なので、裏のパブのバイトを申し込んだ。
 そしたらバニー調のウェイトレス衣装を渡された。

「ええと……注文の品です。どうぞ。」

 一介のバイトが提供できる品物や、客の見回り。
 あとは最低限の愛想を振りまくことがお仕事だ。

(……普通の服よりこっちのほうがいいのかな。)

 内心でドキドキしながらお仕事を回す。
 機械の多腕も大活躍だ。
 

エルピス・シズメ >  
「あっ、お客様!こまりま──」

 敵対する組織の構成員同士がかち合ったらしい。
 喧嘩に発展したので制止しようとしたところで、ふと我に返る。

「……こまらないんだっけ。」

 普通の喧嘩程度では店側は一切介入しない。
 すん、と落ち着いて接客業務に戻る。
 
 同じ雇われだが、その中でもちょっと上──
 ──とりまとめ役らしきものからピルケースを受け取り、指示を受ける。

(うぇ、これ軽めのまだ違法になってないドラッグ。……大丈夫かなぁ……。)

 とは言えこれも仕事と言えば仕事。
 ちゃんとお客に届けることにする。

「お待たせしました。どうぞ。」

エルピス・シズメ >  
「とは言っても落第街のお店って……だいたいこんな感じだよね。」

 周囲を見渡す。
 治安も雰囲気も落第街の『それ』だし、店の体裁が保てている以上マシな方なのかもしれない。

 恐らく「不文律」の影響も、大きい。

「殺しはご法度、だったっけ。…………きゃっ!?」

 だが、それ以外は店の扉には『汝等ここに入るもの一切の望みを棄てよ』。
 その様な銘文が店前にトスカーナ方言で刻まれている。故に「不文律」以外は保証がない。

 故に行儀の悪い客にスカートを捲られてお尻を触られることも、ある。

「こまります……」

 言葉では抵抗するが、雇われの立場。
 強く抵抗するとバイト代に響く。つまり抵抗できない。

エルピス・シズメ >  
「大変だった……」

 紆余曲折経て解放され、バイトの時間も終わる。
 深夜から再び夜を経る位には働きづめだった。

 どうにかなった所で、私服に着替えて給金を受け取る。

(丸一日は結構キツいや。)
(……少しぐらい使っていいよね。)

 気分転換にシャンパーニュのワインとバイオ白身魚のフィッシュアンドチップスを注文して席の端へ。

「お酒……頼んじゃった……」

 そう、彼はお酒を吞んだことがない。
 既視感を掘りこしたら、出てくるかもしれないが……

 いずれにせよ、初めての体験だ。

エルピス・シズメ >  
 そっと口を付ける。
 少し苦くて甘くて、やっぱ少し苦くて濃い。

「こほっ。……不思議な味。」
 
 初めての酒気に少しだけ咽せた。
 そのあとはゆっくりゆっくり、飲み進める。

エルピス・シズメ >  
 なんだかふわっとする。
 特に何かを混ぜられた訳ではなさそうだが、不思議な浮遊感と眠気がある。

「んぅ……」

 流石にここで意識を手放す訳にはいかない。
 残ったフィッシュアンドチップスを食べきり、一気にお酒を飲み干して事務所の方に帰る事にする。

 その晩、自身の事務所のソファーでほんのり酒気とパプで染みついた煙草類の匂いを漂わせて眠る彼が居たそうな。

ご案内:「違法パブ「地獄の門」」からエルピス・シズメさんが去りました。