2024/07/27 のログ
■不審者達 > 「なんだと、一人でいきがりやがって……!」
「お、おい待て!あいつ、『刀剣狩り』じゃねえか?」
「黒いコート……刀……はは、まさか……」
「本物じゃなくても、あいつらがやられてるのはマジだしよぉ……」
男たちはどよめいた
■シア > 「ああ。
そっちだったの?目的」
他人事のように首を傾げた。
「『刀剣狩り』?」
どよめく男たちの言葉を耳にしたのか再び首を傾げた。
「その辺で採れるの、刀剣?
生えてるの、棲んでるの?
変わったところだね、この島って」
何かを勘違いしたようである。
少女にとって、狩りとはそういうものなのだろうか。
「……あれ。その人達が目的なら、貴方の。
目的は何、その人達の?」
ようやっと何かに気づいたらしい
■九耀 湧梧 > 「んな訳ないだろ。
明らかに無防備丸出しだったお嬢ちゃんが落第街を歩いてたから、見殺しにするのも
寝覚めが悪かったから、そいつらを眠らせるタイミングを計ってたのさ。」
ちょっと眩暈が出て来そうな少女の発言に小さくため息。
この少女、ちょっとどころでなく世間を知らないのでは、と思い始めた。
「――とまあ、そういう訳でだ。
生憎今は「狩り」は廃業したが、これ以上このお嬢ちゃんに手を出そうってんなら――
分かってるな?」
その言葉と共に、殺気を少しだけ強める。
暗に己が「刀剣狩り」と認めると同時に、少しずつ逃げ場を奪っていく心理作戦に打って出る。
少女一人攫うのに、噂にまでなった刀剣狩りを敵に回す事がどれだけ釣り合わないリスクか。
追跡者がその辺、聡明であると良いのだが、と少しだけ心中でため息を吐く黒いコートの男だった。
■不審者達 > 「……!!!」
男たちは騒然とした。
眼の前に、"本物の恐怖"が存在するのだから。
男たちは素直に頭を垂れ、逃げに徹する。
「……み、見逃してやる!」
それが男たちのなけなしのプライドをかけた捨て台詞であった。
■シア > 「ふむふむ……
無防備丸出しだった、ボクが。
寝覚めが悪かった、見殺しにするのが。」
こくこくと頷きながらあなたの言葉を反芻する。
ぽん、と軍手の手を打った。
「いい人かな、貴方?」
どこまでも呑気であった。
「あれ。そっか。
言ったほうが良いね、お礼。
ありがとうございます」
ぺこり、と頭を下げる
そして、そそくさと逃げていく男たちを見る
「変わった人達だったね、いまの」
■九耀 湧梧 > 「賢明な判断だ。お帰りはあちらだぜ。」
不審者たちが逃げだし、戻って来ないのを確かめてから、黒いコートの男は一つ息をついて刀を鞘に戻す。
「変わったというか、お前さん、あいつらに狙われてたぞ。
身代金目的か、それとも人身売買か…お前さんの身が軽かったので俺も助かったが、正直危ない所だ。」
やはりどこかズレている少女の言葉に小さく額を押さえながら、黒いコートの男は事情説明にかかる。
鎧のようなもので覆われている右腕が、かしゃりと小さく音を立てる。
「此処で過ごしてる以上、俺も善人とは断言し難い方だが…ま、どういたしまして、だ。
兎も角、まっとうな生徒があまり無防備にここらを歩くんじゃあないぜ。
お前さん、常世学園の生徒だろ?」
念の為身分の確認。
事情を全く知らない、自分と同じ立場の可能性もあったが、恐らくは学園の生徒だろうとアタリをつける。
「あまり無防備にしてると、今度はもっとヤバい手合いが攫いに来るかも知れんからな。」
■シア > 「そうだったんだ、なるほどね。」
事情説明に、なるほど、と頷く。
相変わらず、危機感はあまり感じられない。
「慣れてるし、木とか崖登るのは。
んー、身代金。お金、ないしなあボクは。」
そもそも売れるだろうか?と首を傾げたりする。
「まあでも。
貴方の方が怖いし、あの人達より。
大丈夫だと思う、だから。」
忠告を噛み砕いた……ように見えたが。
そんな答えを返した。
「うん。
常世の生徒だよ、ボクは。
あるよ、ガクセイショウも」
この間、忠告されたので肌身はなさず持っている。
そんなわけなので、見せようか?とでもいいたげに応えた。
「……え、もっと凄いの?貴方よりも?」
少なくとも、貴方を凄い、とは認識しているようだ
■九耀 湧梧 > 「ま、いずれにしても碌でもない事だ。
遭わないなら遭わないに越した事のない事さ。」
他の可能性については口を閉ざして置く。
臓器の密売、人体実験のモルモット、女性に対しては口に出す事も憚られるような境遇。
知らずに済むなら、知らずにいた方がいい。
「それはいい心がけだ。
付け加えるなら、ここら一帯に軽々しく出入りするのは避けるようにするなら尚いい事だが。」
もっと凄い相手、について訊かれれば、軽く頷く。
「俺だって自分が此処らで一番強いだなんて己惚れてはいないさ。
もっと強い相手にも心当たりはあるし、何より此処やスラムは物騒な噂に事欠かない。
そうなったら、お嬢ちゃんでも逃げ切れる保証がない。
さ、分かったら今日は帰りな。
他の街との境目位までは案内してやるさ。」
と、見送りの申し出。
一人で帰して、その途中でまた揉め事に遭遇したら目も当てられない。
関わった以上、落第街から出る位までは面倒を見ないといけない。
そう考える所が、この男が100%でないにしろ、善人の分類に寄ってしまう所なのだが。
■シア > 「………」
しばし黙考する。
考えてもわからないものはわからない。
「知ったほうが良い気もしてる、ここは。
向こうと違う、なにか」
出入りするな、というのは正論である。
だが、そういう場所だからこそ好奇心、というよりは何かの探究心が唆られているのだろうか。
少し首を傾げて、そう応えた。
「物騒……強い相手、貴方よりも……
危ない場所。聞いた通り……
なるほど、なるほど。そういうところなんだ、ここ」
以前に会った人から聞いた、歓楽街の奥の空間。
闇の蠢く危険な場所。
確かに、此処がそうなのだと、ようやく合点する。
「そうだね。帰ろうか、今日は。
知れたし、少しは」
貴方の言葉に素直に頷く。
案内に立てば、素直についていくことだろう
■九耀 湧梧 > 「……まあ、どうしてもって言うなら止めはせんよ。
ただ、俺もいつでもここらをうろついてる訳じゃない。
偶然を当てにしたりせず、自分で身を守る手段はきちんと用意する事だ。」
さすがに偶然が二度味方をするとは思えない。
其処の所は釘を刺して置く事にした。
「そう、此処はそういう所だ。
立ち入るならそれなりの準備なり覚悟なりは必要になる。
風紀委員、だったか? そういう方々が助けに来てくれるなんて楽観視して踏み込む場所じゃないもんだ。」
先に立って歩きながら、そう説明する。
勿論、風紀委員が弱いとは思ってはいない。
だが、どうしたって限界と言うものはある。
自助努力とは大事なものだ。
「――ああ、帰っても、あまり学園の方で俺の事は話してくれるなよ。
俺目当てで変にこっちに来る連中が増えても困るし、後々の面倒は避けて置きたいんだ。
まあ、これは強制じゃなくただのお願いなんだが。」
つまり断っても後から無視しても文句はない、位のお話。
■シア > 「身を守る手段……そう」
なるほど、と頷いている。
わかっているのか、わかっていないのかは判然としないかも知れない。
「覚悟……」
ふむふむ、と頷きながら、素直についていく。
主人の後についていく犬のような風情だ
「え?
刀剣狩りのこと?言わないのって
すごい人がいた、とかは?」
口止めは、普通に成立するらしい、が。
微妙に意図を捉え間違っている感じもする
「黙ってる、いいよ」
精一杯の誠意であった。
「ああ、そうだ。
じゃあ……シアだよ、ボクは。
約束守るということで」
真実性を増させるためなのか、思い出したかのようにそう名乗った
■九耀 湧梧 > 「そっちか…。」
やはり何処かズレている気がする。
お嬢様…という雰囲気ではないので、俗世とは遠い環境の出身なのだろうか、と考える黒いコートの男。
「ああ、まあその位なら好きにすればいいさ。
不確かな話を確かめに此処に来るほど物好きな奴もそうそう居ないだろうからな。」
すごい人については流す事にした。
そういった人間の噂話位はいくらでも流れてそうなものだし、口止めするほどでもないと判断したのである。
「シア、ね。
湧梧だ。九耀湧梧。
名乗られたら名乗り返さない訳にはいかん。」
本当はわざと名乗らない事も多いが、今回は名乗る事にした。
と、そんな間に落第街から外に出る境界も近い。
少女が境界を越え、日常の方向へと向かったら、軽く手を振ってその後姿を見送るだろう。
■シア > 「安心して、大丈夫。
話さないから、刀剣狩りも、黒いコートの人も、ユーゴも。」
境界を超えたところで、少女は振り返って手を振り返す。
「会ったらよろしく、もしまた。」
そういうと、また元の方を見て常世の街へ戻っていくだろう
■九耀 湧梧 > 「律儀だな。
ま、良い事だと思うぜ。」
そして、去り際の言葉には、
「もしまた、そんな事があればな。
出来れば此処じゃなく、もっと健全な場所がいいがな。」
と返し、じゃあな、と見送る。
そして、少女の後ろ姿が見えなくなれば、
「――――さて、俺も怖いお兄さん方から帰って寝るとするか。」
その言葉と共に、素早く地面を蹴り、建造物を足場に跳躍を繰り返し、武侠映画のような動きでその場を去る。
■ならず者 > 『あ、逃げやがった!』
『追いかけろ、逃がすな!』
『「刀剣狩り」の獲物だ、手に入れれば一山稼げるぞ!』
そんな声を上げながら、暫く離れた所から無法者が幾人か飛び出し、飛び去る人影を追いかけていく。
落第街を飛び出して少女を捕まえようとしなかったのは、
落第街に暮らす者の暗黙の掟を守ったのか、あるいは「刀剣狩り」の報復を恐れたのか――定かではない。
ご案内:「落第街大通り」から九耀 湧梧さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からシアさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にナナさんが現れました。
■ナナ > カツアゲと言われて想像するのはどんな光景だろう
複数人で気弱そうな相手から金銭を奪う、そんな光景が一般的かもしれない
そしてそんな光景はこの街では大して珍しくもないだろう
ただ、今ここで広がる光景は珍しいのかもしれない
「可愛い顔と褒められるのは別に良い、そういう顔にしてるんだから。
けど金をよこせとか無いなら体で払えとかはまた違うと思う。」
周囲に倒れる男が2人、今目の前で顔面を鷲掴みにしている男が1人
万力の様な力で顔を掴まれた男は頭蓋が締め上げられる痛みに襲われながら必死に状況を理解しようとしていた
そんな男を見上げる翡翠の瞳
「もう抵抗しないなら金を出せ。ついでにこの辺りについて教えろ。
言っておくが私はやろうと思えばこのまま頭を握りつぶせるんだからな?」
その証明に顔を掴む手の力をゆっくりとあげていく
なぜ自分よりも小さい子供にこんな力が、そもそも自分達が少女を脅す立場だった筈
そんな思考は頭蓋があげる悲鳴の前では無意味だった
必死に懐から持ち物を全て差し出し拘束を解くよう懇願する
■ナナ > 男に聞きたいのはこの辺りの地理
細かく言えば近付くと不味い場所や店、知っておいて損はない情報等
この街に来て日が浅い者にとってはどれも大事な情報である
「意外と色々知ってるな、助かる。
やっぱりリーダーっぽい奴は色々知識があるんだな。
後は…無いと思うけど動物を生きたまま売ってる店とかあるか?」
気絶したままの2人を重ね、その上に腰掛けながら正座した男に尋ねる
『は、ハムスターとかそんな感じの、ですか?』
「純粋な疑問なんだろうから答えるけど、違う。
そう言うのじゃなくてなんかこう…怪しい店とかそういう感じで、まぁ最悪沢山買える肉屋でもいいかな。」
怪しい生き物を販売する店、そんなものは知らない男
肉屋の方は近い店は存在しているのでその場所を話した
この状況、遠巻きに見れば妙な光景だがこの街での喧嘩後の光景としては割とあり得ない物でもないかもしれない
ご案内:「落第街大通り」に狭間在処さんが現れました。
■狭間在処 > 右肩に三本足の鴉を乗せた青年が、何時もの様に落第街の大通りを静かに歩いていた時だった。その光景に出くわしたのは。
「……?」
何かの喧嘩騒ぎだろうか?特にここでは珍しくも何ともない光景ではある。
だが、何気なくそちらに碧眼を向ければ少々目を細めた。
…状況がよく分からないが、純白髪にラフな格好の少女がオトコ二人を重ねて座りながら、残る男に尋問?している。
(――ヤタ、アレは何をしているんだと思う?)
念のようなものでこの鴉とは意思の疎通が可能だ。
心の中で問い掛けるが、三本足の鴉―ヤタは興味が無いのか気の無い「カァ…」という返事。
まぁ、返答など期待は大してしていなかったので、鴉の頭を軽く小突いてから視線をその光景に戻す。
勿論、青年には全く関係のない出来事だから通り過ぎてもいいのだが…。
「……。」
小さく吐息。何か尋問されている残り一人の男が、偶々近くにいたこちらをちらちらと見てヘルプサイン。
…勘弁して欲しい。俺は何の関係も無いだろうしお前らなど知らないぞ、と思いつつ様子見。
■ナナ > 「聞きたい事はこれ位かな、じゃぁ君含めて財布のお金は全部もらってくから。
それ以外はいらな…ねぇ、ちらちら何見てるの?
お金は大切、拾えるものは全部拾う
3人合わせてまぁそこそこの金額なので嬉しい所
話しをしていた男の視線が自分から外れている
何を見ているのかと振り返れば銀髪の青年と、妙な鴉
「あの人君の友達?応援とか呼んでた訳?」
大人しく話をしている間に応援を呼んでいたのかと詰め寄る
新しく増えてもどうとでも、とは思うのだけれど新しくあらわれた青年には少し興味が湧いた
具体的に言えばその肩に乗る三本足の存在に
「お兄さん、この人達の知り合い?」
なので声をかけてみた
もう他人として通り過ぎるのは難しくなってしまった
■狭間在処 > (…まぁ、何時もの光景とはいえご愁傷様というやつか…)
どうやら、尋問?は終わったらしいが、財布もついでに没収されるらしい。
ただ、状況は最初から見ていた訳ではないのでいまいち掴み切れていないが…。
(…まぁ、あの連中が少女に適当に絡んで返り討ち、というのが妥当か)
そう推測しつつも、どうやら無関係に通り過ぎる事が難しくなってしまったようだ。
思わず、僅かに目を閉じて小さくまた溜息。あの男のせいで巻き添えではないか。
「……。」
少女の問い掛けには、無言で首を左右に緩く振って「違う」という意思表示。
唯一、気絶していないこちらに助けを求めていた男が必死に何か訴えた顔をしているが。
…そもそもお前ら知らないし、俺が助ける義理も何も無いだろう、と思う。
そして、徐に少女…ではなく、残る男へと近寄り…無造作に、その衣服の内側から何かを掠め取った。
「………。」
それを少女へと軽く放り投げて渡そうと。どうやらへそくりがあったらしい。
それを見抜いたのか、人を巻き込んだ罰に掠め取って少女についでに渡した、という流れだった。
■ナナ > 「あれ、違うんだ?」
首を横に振る青年
男は悲しそうな顔をしているがどうも適当な相手に助けを求めたらしい
近付いてくる青年、素早く男に触れて何かをこちらに投げてきた
「あっ、まだ持ってたんだ。
こっちさえ残ってれば大丈夫ってこと?潔かったと思ったけど騙されたや。」
文字通り何もかも奪われた男は静かに涙を流す
別にここから追撃をしたりはしないが貰えるものはしっかり貰っておく
同乗してお金を少し返す、なんて展開は無い
「ありがとお兄さん、お陰で思わぬ拾い物が出来たよ。
所でなんだけどその鴉…どっかで拾ったか買ったりした?」
お礼もそこそこ、気になる事を口にする
肩の上で静かにしている異様の鴉
少女の興味は今男達よりもそちらに向いている
■狭間在処 > 悲しそうに涙を流す男には同情はしない。多分こいつらが少女にちょっかい掛けなければ有り金全て没収も無かっただろうから。
取り敢えず、気絶してる男二人を一度クイッと顎で示して、残る男一人にさっさと立ち去れ、とばかりに今度は追い払うように手をひらひら振るジェスチャー。
先ほどから何故か一言も喋っていないが、勿論きちんと理由がある。
『――いいや、知り合いからの貰い物だ。使い魔…と、言えば何となく分かるか?』
そして、青年は漸く声を発した。ただし、その声は青年の口からではなく鴉の口から出たが。
青年自身の口元は全く動いておらず、肩の上の三本足の鴉から青年らしき言葉が漏れるのはややシュールだ。
『…聞かれる前に先に言っておくが、俺は喋れなくてな。この鴉の使い魔にこうして声を代わりに出して貰っている。』
■ナナ > 「うわ、喋った。」
逃げていく男達には目もくれずいきなり話し出した鴉に驚く
喋るインコとかそんなものとは違う
流暢に話す鴉はかなり異様に見える
「使い魔…成程ね、そういう感じの奴か。
お口の代わりの鴉って事?便利な生き物も居るんだね。」
見上げる形で鴉を観察する
話す事、そして足が多い事以外は普通に見える
好奇心は刺激されるが先にもっと気になることを
「変なこと聞くけどさ、この鴉ちゃんは傷とか負うと血が流れる?
それとも精霊とかみたいに消えてなくなっちゃうだけ?」
■狭間在処 > 『…まぁ、そういう反応にはなるか。』
動じない人たちも多いが、少女の様に驚く人たちも同じくらい居る。
青年にとっては、円滑なコミュニケーションという意味ではこの鴉は欠かせない相棒だ。
なので、彼女の観察するような視線と質問には、少しだけ沈黙を保ってから再び声を発する。
『…この鴉はそれなりに利口でな。戦闘を感じ取るとさっさと逃げるから怪我の類はまだ負った事が無い。
だから、そこは試してみないと分からないが…。』
と、言いつつ青年の視線が相棒の鴉へと向けられる。
鴉はギョッとした様子で「カァ!カァ!」と激しく鳴いて何やら抗議している。
どうやら流石に身の危険を感じ取ったらしい。下手すれば今にも飛び去って逃げかねない勢いだ。
『…君の質問の意図はよく分からないが、この鴉…『ヤタ』というんだが、消すのは勘弁して貰いたいな。』
失ったら知己に申し訳ないし、そもそもこちらが音声会話をする手段が無くなってしまう。
■ナナ > 「怪我したことないかぁ、そっかぁ。」
怪我したことが有り出血したことがあるならありがたかった
それならこの鴉には肉体が存在しているということになる
「えっと…ならヤタ君?別に無理に怪我をさせたりとかはしないからちょっと協力してくれない?
羽を一本と少しだけ献血してくれたらさっきの人達からもらったお金で美味しいお肉とか御馳走するよ?」
無理をして襲いたいわけではない
ただ、可能なら少しだけその血肉を分けてほしい
鴉…というか獣が喜ぶものはと言われれば肉くらいしか思いつかない
「あっ!小っちゃいアクセサリーとかも買えたりするかも?キラキラしたやつ。」
一応鴉が相手なのでそんな提案も追加してみた
■狭間在処 > 『…提供は構わないが、一応俺の相棒だからな…話せる範囲で構わないから”理由”は聞かせて欲しい。』
先ほどの抗議か、まだ羽をばたつかせている鴉の頭に軽くチョップを叩き込みながら一言。
それでも青年の声が鴉の口から出ているのは、やっぱり変な光景かもしれない。
『…ちなみに、肉もアクセサリーも金銭も要らないから、そこは別に気にしなくていい。』
鴉が、「え?ご主人それ酷くないすか!?タダ働きみたいなものすよ!?」と、言いたげに青年と少女を交互に見る。
どうやら普通の鴉よりも知恵があるせいか、感情表現も割と豊かな様子。
『…会ったばかりのよく知らない男にそっちの事情を話して貰うのは気が引けるが…こっちも一応納得する理由は欲しいからな。』
と、少しだけ申し訳なさそうにしつつも、真っすぐ少女を見つめてそう補足するように口にした。
律義と言うか生真面目な性分がこういう所で出ている。
■ナナ > 「あ~…私って結構グルメというか、ゲテモノみたいなのを食べるのが趣味なんだ!
足が多くて喋る鴉なんて初めてだからさ。血とか羽だけでもちょっと貰えればなぁなんて。」
お礼は不要と言いつつ鴉本人?は納得していないように見える
良いのかなとは思いつつ飼い主がそう言うなら甘えておこう
「どこかで買ったならそこで買って丸焼きとかも良いけど、個人的に作られたってなったらそうもいかないかなって。
できるなら羽ごと片方位分けてもらいたいけど治るか分からないと可哀そうだから、羽と少し献血してほしいな。」
どうかな?と可愛らしい笑顔を見せる
人好きしそうな笑顔だが話してる内容は割とおかしいと自覚はある
■狭間在処 > 『――そうか、分かった。』
たった一言。いっそ不穏なくらいにあっさりとそれだけ返事をすれば。
納得してない鴉――ヤタに手を伸ばし、おもむろに羽を一本毟り取った。無駄が無い素早い動き。
ついでに、鴉の胴体の一部に小さな傷を素早く付けて。当然、鴉が猛抗議したのでその爪が青年の指を傷つけて、これまた血が流れるが…。
『…取り敢えず羽はこれでいいか?献血は…容れ物が無いがどう渡せばいい?』
淡々と、無表情のまま緩く首を傾げて少女に質問を。彼女の理由の真偽については気にしていない。
そもそも、理由が聞きたいというのは単なる”建前”だ。
事情を初対面の得体のしれない鴉連れの男に話して貰える、なんて楽観的な思考は無い。
――そして、青年の指の流血は既に止まっていた。
■ナナ > 「え、うそ。ううん、ありがとお兄さん。」
分かったのか、と嬉しさ半分驚き半分
羽を取られ小さく傷がついた鴉は当然の様にお怒り気味
「あ、あるよ入れ物。ちょっと待ってね…と、これに入れるね。ごめんねヤタ君。」
ズボンのポケットに右手を入れる
取り出したのは白いざらりとした指程の小さな小瓶
悪い気はしつつ鴉の胴体から数滴血を頂き羽はそのまま受け取る
「ありがとお兄さん、ケガさせちゃってごめ…あれ、お兄さん怪我が治るの早いね?」
鳥類の爪とは案外そこらの針より鋭く深い傷をつける物
青年に抗議した鴉が手加減をしたとしても既に血が止まるのは少し妙
■狭間在処 > 『――まぁ、ヤタが臍を曲げるだろうが、大した問題でもないからな。』
後で詫びに何か美味い物でも相棒に食わせておこう。そのくらいのフォローの気持ちは一応ある。
少女に無事?に羽根が一枚と血を提供すれば、ヤタはやっぱり臍を曲げたのかそっぽを向いた。
とはいえ、信頼関係はあるようで飛び去ったりする事は無い。
『――ん?ああ…まぁ、昔、散々体を弄られたからな。怪我の治りは普通の人間よりは早いと思う。』
事もなげにさらりと口にする。青年にとって、自分の事情で隠すべきものは殆ど無いから。
そして、流血が止まったどころか、この短い時間に傷口すらもう薄っすら皮膚が覆って塞がりかけていた。
■ナナ > 「臍を曲げるくらいで済ますんだ…ヤタ君優しいね。」
できるなら頭の辺りを撫でてみたいが、逃げられそうなのでやめておく
血を求めてきた相手が手を伸ばして来たら誰だって怖い
「弄られた、かぁ…お兄さんも大変なんだね。
そう言えばお兄さん名前は?私はナナ。ヤタ君の献身のお礼位はするよ?」
自己紹介すらまだだったので今更だが自分から
金銭や食事は先程断られたので何か希望は無いかと聞いてみる
■狭間在処 > ちなみに、そのヤタだが――偶に、ちらちらと少女に視線を送っている。
動物?的な本能で少女に”何か”を感じ取っているらしい。
青年の方は、何も気付いていない…ように見えるが、そもそも先ほどからほぼ無表情だ。
『…まぁ、人体実験の産物…なんて珍しくも無いだろうからな。
――狭間在処だ…アリカでいい。…礼は別に本当に必要無いんだが…。』
本当にその気は無かったのか、単に無欲なのか若干ではあるが困ったように軽く腕組み。
あれこれと考えてみるが中々浮かばない。何とか捻り出そうと少し沈黙を挟んで。
『…強いていうなら、そうだな…ナナは腕に覚えがありそうだから、俺が厄介な事に巻き込まれたら露払いの手伝いをしてほしい、くらいか?』
何とか捻り出したお礼がそれである。勿論何度も、ではなく一回きりで構わない。
■ナナ > 「ならアリカさんね、人体実験された人なんてそんなに居たら怖いよ。」
どの口が、なんて自嘲の心は顔に出ない
けれどこの島では本当に珍しくないのか?なんて改めてここの闇を思い知る
「いざって時の用心棒って事ね。
いいよ、もしその時はアリカさんをできる限りお助けするね。」
そんな事でよければと快諾する
男の懐を漁った時と鴉の胴体へ傷をつけた動きからして、そんなもの必要なのかと思ったりはしてしまう
だが、要らない中でもお礼をひねり出してくれたのだからナナとしては快く引き受ける
「厄介ごとが有って私が気付いたら、ちゃんと助けるからね。
ナナちゃ~んって呼んでくれたら気付きやすいかも。」
冗談めかして言うが、決して冗談ではない
鴉が大声を出せば街の一区画位なら気付ける筈
■狭間在処 > 『…さん付けで呼ばれるのは初めてだな……。』
それは別に構わないのだが、慣れていないので変な感覚だ。
そもそも、人体実験とはいっても薬の治験からマッドなものまでピンキリ激しい。
青年は知らぬ事だが、少女が受けたものはおそらくとても深い闇の類だろう。
『…そういう認識で構わない。基本的に誰かとつるむ事もないから、いざという時の味方が欲しくてな。』
組織に属してもいなければ、友人や仲間と呼べる存在もほぼ皆無だ。
静かな方が好みだし、身軽ではあるが矢張り一人で対応できる事は限界がある。
『…流石にちゃん付けは……まぁ、善処はするが…。』
ヤタが他の人にも分かる”声”で呼びかけられるなら、代わりに”ナナちゃん”と呼んで貰えるのだが…。
まぁ、ヤタなら本気を出せば街の一区画くらいならカバーできる大声はおそらく出る。
『…あぁ、それとついでだが。珍しい動物の肉や血が欲しいなら、幾つか心当たりの店はあるぞ。』
単独で”特定の”違反組織や部活を潰して回っている都合上、そういう裏取引の店舗なども自然とそれなりの情報は仕入れられる。
■ナナ > 「年上に呼び捨てはちょっと…まぁ慣れだよ慣れ!
いざって時の保険でしょ、そういうの大事だし良いと思うよ。」
味方が欲しいというのには同意する
自分だっていつ何が起きるか分からない
どうでもいい輩はそれ相応の扱いをするが誰でも敵に回したいわけではない
「ちゃんは努力目標って事で、私ってわかればなんでも良いよ。」
自分の事だと分かればそれでいい
ナナちゃんならほぼ間違いないというただそれだけの事
「えっそうなの?
そういうお店は教えてくれると嬉しいな!」
驚きと、可愛い笑顔
さっきまでの男達への尋問とやってることは変わりないがどこでここまで差が出たのか
要らぬカツアゲなんてしようとしたからなのだろう間違いない
■狭間在処 > 『…実際の年齢なんて覚えて無いが…まぁ、確かにナナよりは年上ではあるか。』
保険――人脈、伝手、助っ人。そういうのはあって困る事は無いものだ。
そして、保険の手持ちがほぼ無い青年からすれば、少女の存在は心強い保険となる。
何せ、こっちは欠陥持ちの肉体だ。何時危機的状況になるか分からない。
『…努力か……努力…まぁ…、』
初めてやや渋った表情を浮かべて。無表情が多いだけできちんと感情表現はあるらしい。
考えたら、ナナちゃん呼びをするとしても青年の声で呼びかける羽目になるので…つまり頑張るしかない。
懐から、ゴソゴソとメモとペンを取り出せば、何やら書き込んでから少女に渡そうと。
『…幾つかの店の場所と店舗の名称を書いておいた。どれも分かり辛い場所にあるから探す時は迷わないように。』
メモ一枚では少々収まりきらないので、2~3枚に分割して書き込んで渡そうと。
ナナにも分かり易いように配慮したのか、地図はなるべく分かり易いように簡潔に。
補足で書き込んだ文字も、難しい漢字にはルビを振っていたりと地味に律義だ。
『――あと、値段がピンキリだからそれなりの金銭は必要になると思う。
その辺り、何かあれば相談には乗ろう。一応、俺の連絡先は載せておいた。』
3枚目のメモの最後に、青年の連絡先が一応添えてあった。
とはいえ、ナナが連絡手段を持っていないかもしれないのであくまでついで、だ。
■ナナ > 「うん、この見た目で年下ならびっくりしちゃうよ。」
推定成人男性とまだ少女と呼べる大きさのナナ
ほぼ間違いなく年上の筈
「へ~こんな所にお店なんて有るんだ。
というかよくすらすら書けるね?」
分かりやすい地図、ご丁寧にルビまでふってある
こんなに候補が有れば使えそうな物も多いだろう
「アリカさんのとこでアルバイト、みたいな感じ?
それならお世話になる事もあるかもね。」
便利な連絡機器は未だ持ってはいないが、連絡先さえ分かればどうとでもできる
そう言えばさっきの男達からスマホでも奪っておけば良かったなと今更ながらに後悔
否、安い物なら今の手持ちで買えたりも?
悩む要素が一つ増えてしまった
■狭間在処 > 『…まぁ、この街は見た目通りじゃない年齢の者も割と多いからな…。』
青年くらいの見た目で一桁年齢だったり、少女くらいの見た目で長命の者もおそらく沢山居る。
まぁ、そもそも。人間以外の種族が普通に居るのだから、その辺りは不思議でもないかもしれない。
『…あぁ、個人的にやっている事があって、その関係でこういう店の情報は自然と手に入る。』
ついでに言うと、ピックアップしただけで、まだまだそういう店はあちこちある。
そういうのが専門の違反組織や部活も確か幾つかあった筈だ。人身売買と同じく、動物の売買も色々金の回りがいいのだろう。
『…そうだな。二回目以降はまぁ、流石にちゃんと報酬は払うつもりだ。』
先ほどの”お礼”で最初の一回は無料だとしても、二回目以降も少女の助けを借りるならきちんと礼金は払うつもり。
そういう意味では、確かにアルバイトみたいなものか。
『――ちなみに、3枚目のメモの裏側の情報も一応お勧めだな。』
渡したメモをちょいちょいと指さして。ご丁寧に、携帯機器を売り捌いてるマーケット情報も添えられていた。
とはいえ、落第街で出回っているものだから違法改造品とかが主流だが。
ナナがそういう連絡手段を持っていない事も考慮して、ついでに載せておいた模様。
■ナナ > 「個人的に、ねぇ。アリカさんも割と悪い男だったり?」
この街で怪しい店を把握しているなんて多かれ少なかれ危ない橋を渡っているのだろう
そうなればアルバイトにも期待ができるかもしれない
金はいくら有っても多すぎる事は無い
「初回サービスには期待してよ。
あぁでも、事務仕事とかはあんまり得意じゃないからそこは宜しく。
……アリカさんって心が読めたりするの?」
肉体労働なら自信はあるが知識的なのはあまり期待しないでほしい
メモの裏側に乗っている内容を見て少し引いてしまった
準備が良すぎると少し気味悪く思ってしまうものなのだ
■狭間在処 > 『…少なくとも善人とは絶対言いきれないな。』
肩を竦めて。それなりに危険な橋も渡りエグイ事もしてきている。
彼女に頼みたいのは助っ人…戦闘要員の意味合いが強いので、そこも困る事は無さそうだ。
『…そうさせて貰おう。あと、事務仕事くらいは自前でやるから問題ない。』
そもそも事務仕事なんてしていないけれども。先ほどのメモ書きといい、書類仕事は手慣れていそうではあるが。
『…いや、そういう異能や魔術は無いが。単純な推測だが…何かおかしかったか?』
真顔で首を傾げて。別に変な意図も下心も企みも無い上に、青年からすれば”ついで”だ。
あと、若干だが天然の気もあるのか少女にちょっと引かれているのも素で気付いていない。
■ナナ > 「清廉潔白な人の方がやりにくいし私は良いと思うよ。」
正義大好き!な相手だと個人的にも付き合いにくい
自身の目的のためにも清濁併せ吞む相手が一番楽である
「いや、別におかしい訳じゃないんだけどさ。
でも役に立つのには間違いないから使わせてもらうね。
人との通信手段は有ったほうが便利だと思ってたし。」
ただの推測ならまぁいいかと流す
心を読む相手だと色々面倒な事になりかねないがその心配はなさそうである
総評として、彼の評価はちょっと変わった良いお兄さん。となった
「それじゃぁアリカさん、スマホとか手に入れたら連絡するね。
多分2~3日で連絡できると思うから!」
■狭間在処 > 『清廉潔白な人間か…。』
落第街にも居るかもしれないが、貴重だろうな、とは思う。
少なくとも、そういう人間にこの落第街で出会った事はまだ無い。
だからこそ、青年が知らないだけでそういう清廉潔白さを持つ住人も居る…かもしれない。
『…そうか。まぁ活用して貰えるならついでに書いた甲斐があったな…。』
そして、ちょっと変な良いお兄さんという評価に落ち着いた青年だった。
実際、基本的にそんな感じに近いかもしれないので案外ドンピシャな評価かもしれない。
『…あぁ、了解した。別に連絡は何時でも構わない、そっちの都合もあるだろうし。』
緩くまた無表情のまま頷けば、さて、思わぬ助っ人要員を得られたのは僥倖だった。
そういう意味では、あの連中には少しばかり感謝しないでもない。少しだけ。
話も一区切りついた所で、ナナに軽く手を挙げてから青年は先に歩き出す。
ずっと臍を曲げたり様子見していた肩の上の三本足の鴉も、少女に挨拶するように「カァ!」と元気よく鳴いた。
ご案内:「落第街大通り」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から狭間在処さんが去りました。