2024/07/30 のログ
ご案内:「落第街 地下闘技場」にギフタ―さんが現れました。
ご案内:「落第街 地下闘技場」にDr.イーリスさんが現れました。
ギフタ― > 落第街、地下闘技場
闘争を求める者達のオアシス
明確で絶対のルールさえ守れば何をしようと許容される空間

そんな場所でただ1人男は立っていた

「暇である!!」

予定の時間には少し早い
けれど早めに待つのが紳士のマナー

男はそんなマナーをきちんと守った結果特にすることもなくぼーっと待つことになっているのだった

Dr.イーリス > 地上は夜。予定時間ちょうど辺り。
《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》、それと色んなメカが入っているカート型ロボを連れて、イーリスは地下闘技場に降りる。

「お待たせしました。ごきげんよう、ギフターさん。今日は、試練の方よろしくお願いします」

ぺこり、ギフターさんに一礼する。
試練で求めるものは、試練を乗り越えた先にある自分。つまり成長。
“王”の敗亡を経て、失ったものは多かった。
だけど、得たものもいっぱいあって、そしてこの試練を乗り越えればきっと、未熟だった自分を、乗り越えていける。

ギフタ― > 「時間丁度の到着、流石であるイーリス嬢!」

やってきた少女の方を向く
白黒の仮面を被った奇妙な男とロボを伴う少女
今日の対戦カードが揃った

軽い足取りでそちらへ近づきかなり近距離で深々と一礼

「今の自分を超えて成長したい、その為の試練を欲したイーリス嬢。
改めて問うがこの試練、乗り越えられなければ終わらぬ眠りにつく事になるが本当によろしいか?」

至近距離で尋ねる
受ける受けないは彼女の自由、しかし受けるからには逃げられない

Dr.イーリス > こくん、とギフターさんに頷いてみせる。
そのために、今日はここに来た。

「成長するには、リスクも必要という事でございますね。眠りにつく、という事で念のために寝具も持ってきました」

カート型メカから取り出したのは、毛布と枕。
微妙に後ろ向きな準備のような気がする。

「寝具の準備も十分。いつでも始められますね」

ギフタ― > 「うーむ、永遠の眠りと聞いて素直に寝具を持ってくるとは驚きである。
イーリス嬢は素直すぎるきらいがるな!」

ポンポンと頭を撫でる
仮面で表情は見えないものの笑顔を浮かべているのを感じるかもしれない

「では、毛布と枕はそこらに置いておいて好きな場所に立つのである。
私は…うむ、ここに立つのである。」

お互いある程度の距離を保って立ち止まる
少女の準備が終われば、試練が幕をあげる

「では、始まりの鐘を鳴らすのである!」

言葉と共に闘技場中に鐘の音が響く
強烈な振動が破壊の波となり少女の周囲に降り注いだ

Dr.イーリス > 「眠っている時に毛布もなかったら冷えるではありませんか。特に、永遠に眠ってしまうようですからね。お布団はカートのスペースを考えて置いてきてしまったので硬い床で永遠に寝る事になりそうですね。……どうして、頭を撫でられているのですか、私」

頭を撫でるギフターさん、仮面の下が笑顔であるとなんとなく感じた。
子供扱いされているような気がしなくもない……。むく。

毛布と枕のお世話になるのは試練が失敗した時なので、試練中は何の役にも立たないという事でその辺りに置いて。
適当なところに立つ。
イーリスの左右には、メカニカル・サイキッカーとカート型メカ。
お互い、程良い距離で立つ。

「よろしくお願いします」

そして、鐘が鳴った。

振動が破壊の波として、イーリスに降り注いでいく。

「……!?」

メカニカル・サイキッカーがイーリスとカート型メカを抱え、大きくバックステップして回避。
それとほぼ同タイミングでカート型メカから二機のドローンが発進する。

ドローンのカメラは周囲を観察し、次にどのような事が起きるのか観測しようとしていた。

「乗り越えるべきものがありますから、やはり生半可な試練にはいかなさそうですね」

ギフタ― > 「ウーム良い反応である。
ただの音と油断してくれれば今ので終わりであったな。」

ドローんのカメラには2人の頭上
防護壁ぎりぎりの高さに浮かぶ巨大な鐘を映し出す
黄金の鐘、その金が揺れる度に音の波は破壊となって少女の周りに降り注ぐ

「今回は成長と言うあやふやな望みであったため、私も苦慮したのである。
なので、最もシンプルで難しい内容を用意したのである。」

数秒ごとに揺れる鐘
轟音は再び少女を襲う

ギフタ― > 「私を倒せ、それだけだ少女よ」
Dr.イーリス > 「よもや、鐘の音にすら仕掛けが施されていようとは……。センサーがなければ、お陀仏でしたね」

少し青ざめている。
普通、始まりの鐘鳴らして、それが攻撃手段になるなんて禁じ手でしょうという感覚。
とは言え、これは決闘などではなく、試練。ギフターさんが用意したルールで、イーリスも挑みたい所存。

音による破壊は、イーリスを襲い続けている。
イーリスを抱えるメカニカル・サイキッカーが背中の推進エンジンを駆使して狭い空間を飛び回り、衝撃による破壊力を避け続けているけど、それもいつまで避け続けられるか分からない……。なお、カートは適当なところに放っておかれている。

「とてもシンプルで分かりやすいですね」

二機のドローンが鐘に向けて小型の機関銃を向けて連射した。
まずは鐘をどうにかしなければ、轟音による衝撃で翻弄され続けて、反撃なんて出来やしない。

ギフタ― > 「初見殺しは上等であろう?
私も今回の試練について考えた際、例の動画を見させていただいたのである。
あれが行使する力は私よりもかなり悪辣で残酷であろう?」

鐘の音が鳴り響く
執拗に少女だけを狙いながら休憩を許さない

「シンプルと言うのは使いやすく強力と言う意味も含むのである。
ただ、このままあれに任せるだけなんてつまらないのでそろそろ私も動かせてもらおう。」

弾丸は黄金の鐘に届く
だが空中機動するドローンで搭載できる小銃では傷をつける事は叶わない

そして、銃撃を行ったドローンに向けてギフタ―は指先を向ける

「イーリス嬢、これが科学とは別の技術体系を進み洗練された技。
魔術である。」

紫電一閃
指先から伸びた雷がドローンの一機を貫く

Dr.イーリス > こくん、と頷いてみせる。

「……まさしくその通りですね。悪辣な攻撃への試練とすれば、適切です」

ギフターさんの言う通りだ。
“王”はとても悪辣でいて、残虐非道。
これぐらい乗り越えなければ、“王”に届かない……。

ドローンに搭載されている小型の機関銃ぐらいでは、鐘はびくともしなかった。
鐘が壊せないのなら、いつまでも轟音の衝撃を避けていられるわけでもない。

「……ぐぁっ…………!!」

轟音の衝撃がイーリスの左腕を半壊させた。血が飛び散り、内部の機械部分が見える。

「……シンプルすぎて……とても難しいですね……」

左腕の半壊で、イーリスは表情を歪めた。
ドローンは鐘を銃撃し続けている。まず鐘をどうにかしなければ、どうする事もできない。
その頼みのドローンだが、
ギフターさんから放たれた雷撃がドローンを粉々にし、目を見開いた。

「そんな……」

鐘を壊さなければどうにもできないのに、メカニカル・サイキッカーはイーリスを連れて逃げ回る事で精一杯。
鐘の破壊のために攻撃していたドローンは、一機、ギフターさんの魔術により破壊された。

逃げ回るだけで精一杯、それではだめだ……。

「魔術……。私も、魔術を科学に織り込む研究には随分と苦労しました……」

イーリスはその魔術に関して、最近ある研究を行っていた。
まだ全然完成まで至っていない、その技術。完成までは、まだ道のりがあるだろう。だけど、この試練で試したい。
それは、科学と魔術を融合した技術。
魔術が体系化されているからこそ、科学で再現できる技術。

「鐘を破壊します! ──魔術生成AI起動!」

それは、メカニカル・サイキッカーに“王”と戦う前に搭載された生成AIの魔術バージョン。数多の魔術データから、魔術をその場でAI生成する。だが、まだ完成されていない状態なので魔術データが少なく、さらに演算による負荷も大きいと不完全な代物。

鐘を破壊する、そのための効率的な魔術を作り出す。
メカニカル・サイキッカーの右手から数多もの巨大な槍が出現し、鐘に放たれていく。その槍は見た目通り物質への貫通力に特化したもの。
物質を壊す魔術、その代わり人体には干渉できない。

ギフタ― > 「苦労、そういうのであれば…素晴らしい!」

飛来する巨槍
貫き、砕き、穿たれた鐘は粉砕し黄金の雨となる

「対象への効果のみを追い求めた魔術をその場で組み立てるその技術、賞賛に値するのである。
ただ惜しむらくは、その素晴らしい技術が発展途上らしいことであるか。

最初から使わないのはデータ収集に時間がかかるか、できるなら使いたくない代物であろう?」

もう一基飛んでいるドローンへと指を向け、雷が襲い掛かる
そして今度は左腕に重症を負った少女に向けた

「イーリス嬢、出し惜しみは無しである。
私を殺す気でかかってこなければ私どころかかの化け物にも勝てはしない。」

指先から光が放たれる

Dr.イーリス > 「……鐘を潰せました」

安堵に微笑む。
鐘が鳴っている間ずっとイーリスへと衝撃波が襲い掛かってくるものだから、ひとまずどうにもならない状況を脱した。
メカニカル・サイキッカーは着地して、イーリスを降ろす。

「ぐっ……」

未完成な魔術生成AI。
演算を行っているのはイーリスの体内コンピューターだった。今、その体内コンピューターが過剰に演算して熱を発し、イーリスを苦しめていた。
イーリスの顔色はよくない。

「……お褒めいただきありがとうございます。発展途上どころか、まともなテストプレイもやっていない技術でして……」

そうしている間に、もう一機のドローンもギフターさんの雷撃で破壊された。
唖然としてしまう。
こちらはやっと、鐘を破壊したばかりだ。

「……ぐがっ!」

ギフターさんの指から放たれた光線がイーリスの胸部を貫通した。イーリスは胸部の傷を右手で押さえながら両膝を地面につける。
血が辺りに飛び散った。

「うぐ…………」

さすがは神様。とてつもなく難関な試練だ……。
この試練を乗り越えるには、リスクを取るしかない……。
イーリスの体が、どれぐらい持つか分からないけど……ギフターさんの言う通り出し惜しみすれば、イーリスはずっと眠る事になる。

「はぁ……はぁ……。魔術生成AIは未完成ですし、あなたに指南を受けなければいけない事は多そうです……。それとは別に、私は異能の方も研究しておりますよ」

息を整えつつ、そう告げる。
イーリスの手前、虚空にモニターが映る。そのモニターをタッチ操作し始める。

ギフタ― > 「王の力が魔術であれば有効打であるな。」

異能にまでその演算は届くのか、気になる所
しかし顔色を見るに代償は小さくない様に見える
連発は今はできないと考えるのが妥当か

「異能研究、それは素晴らしい。
あの王の力に抗うにはそれが一番であろう。
強力無比な異能を読み解きそれに対抗する…後手に回りすぎとも言えるがそれが限界であろうな。」

モニターの操作を始めた少女をただ見つめる
攻撃の類はしようとはしない、その必要もない

キラキラと黄金が舞い散る中男は待つ

Dr.イーリス > 「……“王”の魔術は強大でございますからね。実際、この未完成の技術が通用するかはやってみなければ分かりません」

メカニカル・サイキッカーには異能者の細胞が数多搭載されていたり、魔術のコードがインストールされていたりする。それにより様々な異能や魔術を行使できるが、それらは元の異能や魔術より能力が劣化しているという弱点があった。
また、異能や魔術は基本は六時間につき三種類までしか発動できない。
コンピューターの演算処理に支障をきたすからだ。

だが魔術生成AIの技術は、インストールされた魔術のコードとはまた別のもの。
その場で魔術を生成する分、その場をピンポイントで対処できる魔術をつくれる分、当然ながら演算の負荷が大きいものだった。

「異能も……あまり“王”に有効打をあたえられなかったので改良の余地はありますね。私のとっておき、披露します」

やがて、モニターをタップしていたイーリスの手が止まる。

「違法改造異能! 《堕ち行く果ての溶岩まで(アースブレイク・ボルケーノ)》!」

違法改造異能。それは、異能を科学的に違法に改造された異能群。
突然、地下闘技場の地面に罅がいき、やがて割れていく。
床がだんだん、さらに地下奥底へと落ちていく。
それらの床は、奥底にある溶岩に解けていっていた。

ギフタ― > 「違法改造、それはまた聞いた事が無いのである。」

罅割れ崩れ落ちる地面
奥に見えるのは地理的にはあり得ない溶岩

「成程、察するに場の崩壊と下方に溶岩を顕現させる異能であるな。
が、殺意にあふれているとは言えないであるな。」

舞い散る黄金の破片が飛び回り収束していく
そしてそれは男の足元へと集まる

「<黄金郷(エルドラード)>、確かそんな名前の魔術である。
さぁイーリス嬢、どうするかね?」

足場が崩れ宙に浮く黄金の絨毯を踏みしめる

Dr.イーリス > 元々は炎の剣を生み出し、地面に突き刺す事でその地面を溶かして溶岩に変える異能だった。
それが違法改造されたもの。
もちろん、底の溶岩は異能で生み出されたものだ。

「私の編み出した技術ですからね」

床がなくなったのでイーリスも落ちていくが、メカニカル・サイキッカーは左腕で抱えて飛行しているので溶岩まで落ちる事はない。
カート型のメカも推進エンジンが搭載されているので、飛行していた。
毛布と枕は……マグマに解けていた……。

「こうするまでです」

イーリスが右の指をぱちんと鳴らす。
すると、溶岩から無数の巨大な炎の腕が伸びる。炎の腕は黄金の絨毯に乗るギフターさんを掴もうとしていた。
溶岩から吹き荒れる熱風。それらも無数の灼熱の一閃となり、ギフターさんへと次々に放たれていく。

「う……ぐっ……!!」

だが、イーリスの体が少しずつ解け始めていた。体内コンピューターの熱暴走によるものだ。
違法改造異能、それらは強力な異能ながら魔術生成AIのように過激な演算処理を行う必要がある。
惜しみのない攻撃。その代償、苦痛が容赦なくイーリスに襲い掛かっていた。

ギフタ― > 「異能を弄ぶ技術、素晴らしい。
人の傲慢が生み出す力と言うのはかくも恐ろしいのである。」

意志を持ったマグマの腕、そして灼熱の風
どちらも常人には耐え難い一撃となるのは間違いない
ギフタ―も直撃すればただでは済まされない

「悠久の凍土(コフィン)、氷系魔術の奥義の1つである。

所で、イーリス嬢は気にならないであるか?私がこうも強大な魔術を簡単に連続で使える理由が。」

黄金の絨毯とギフタ―本人以外が氷つく
ギフタ―を中心とした球体状にまるでビデと停止に様に物体は停止した

強大な力を使うのはお互いに変わらない
なのにギフタ―は疲れる様子も見せない
それはなぜか?

「落第街とはいい所であるな。
健康で未来ある者達がそこかしこに転がっているのである。異邦の者達が見れば垂涎ものであるぞ?」