2024/08/01 のログ
ご案内:「落第街大通り」にカロンさんが現れました。
■カロン > この島を当てもなく巡っているが、矢張りここや島の端に当たる奥地のスラムが魂や呪いが引っ掛かり易い。
自然と、この辺りを独り当てもなく彷徨う形となるが、お陰でこの街の空気も大まかに掴めては来た。
――何より、島の外から来た素性も何もかも曖昧な影にとって、こういう場所の方が都合が良い。
「……とはいえ。」
大通りを目立たぬように静かに歩く黒衣の影。しかし、肩に担ぐように携行する黒い櫂が少々目立つ。
大事な仕事道具でもあるので、手放すのは論外としても流石にもう少し目立たぬようにしたいと思う。
「――逆に人除けになったりもするのが悩ましいですが…。」
この格好で逆に敬遠される時もあるので、それはそれで都合が良い時もあり少々複雑だ。
■カロン > 【渡し守】としての己の役目は粛々と日々こなしている…それに終わりというものは無い。
少なくとも、魂や呪いがある限りは。それはある種の無限地獄か、役目に縛られた哀れな人形か。
…等と、揶揄された事もあったか。この島を訪れる前の”外”での事だったが。
「――私以外にもこのような役目や特性、力を持った方はきっと島の方々に居るんでしょうが…。」
それでも、己のやる事に変わりは無い訳でそこはブレる事なんて有り得ない。
少しでも奇異の視線を避けるように、大通りの比較的端の方を歩くが時々視線は向けられる。
だが、誰もがその影の顔を垣間見る事は叶わない…顔の部分は、何故か真っ暗で何も見えない。
それが、非常に強力な認識阻害の類だと、見る者が見れば一目で察するだろう。
■カロン > もっとも、魂や呪いを彼岸に送る、とはいえ強制ではない。そもそも対話が必要不可欠。
少なくとも、魂とは対話を、呪いとはその根源に確りと向き合う必要がある。
(…まだ見習いの【渡し守】でしかない私は要努力…ですが。)
その影がどういう経緯でこんな事をしているのか。それは過ぎ去ったただの過去話でしかない。
時々、とある教師との出会いで芽生えた”食”の欲求が擽られるのか、食べ物の店に顔が向けられる。
「……欲求は我ながら希薄だと思っていたんですけど。」
一度芽生えたモノは簡単には消えないらしい。人と比べると微弱ながら食の欲求が根付いてしまった。
■カロン > つい、足が向きそうになるのをグっと堪えつつ一息。
欲求が悪いとは思わないが自分自身には不要だと割り切っていたけれど。
「―――本当に、まだまだ未熟者ですね私は。」
小さな呟きは誰にも聞こえない。雑踏に紛れるように、夜の大通りを静かに黒い影は歩き去ろう。
ご案内:「落第街大通り」からカロンさんが去りました。