2024/08/08 のログ
Dr.イーリス > 「……公的な後ろ盾がなければ、刀剣、魔剣、危険物の窃盗……という事にはなってしまいますからね。しかし、想定通りとはどういう事でしょう?」

小首を傾げた。
噂が広がればそれだけ風紀や公安に警戒されるし、そうでなくても例えばこの落第街なんかでは《刀剣狩り(ブレードイーター)》の魔剣を狙う人も出てくるだろう。
魔剣を回収するなら、噂が広がらない方が都合が良い事が多い。
しいて言えば、同業者と言える魔剣収集家に狙われやすくなるのはメリットとは言えるだろうか。

イーリスの瞳に強い意志。
とは言え、“王”に敗北した直後は、トラウマもあった。
イーリスを支えてくれた人たちがいた。イーリスを助けてくれた人たちがいた。イーリスの呪いを軽減してくれた人達がいた。
だから、ここまで立ち上がる事が出来た。

「責任もあります。“王”とは浅からず因縁もあります。呪いを通して、その因縁が日々伝わってきますね」

“王”はイーリスに惚れこんでおり、イーリスもまた“王”を必ず撃たなければいけない宿敵と定めている。
この落第街やスラムの“非日常”な“日常”を紅き屍骸が崩している。落第街に住む者として見過ごせないという信念。
あらゆる要素がイーリスの気持ちの中で纏まり、そして“王”を討つ強い覚悟となっていた。

「お心遣いありがとうございます、湧梧さん。私は、“王”を討つまで潰れるわけにはいきませんからね。気を付けます」

“王”を討つために背負い過ぎている、というのは湧梧さんの言う通りかもしれない……。
背負い過ぎて潰されてしまったら、この手が“王”に届かずにこの身を破滅に焦がしてしまう……。
湧梧さんから年の功が感じられて、そのアドバイスがとてもありがたく思い、微笑みながら頷いた。

「……う。その通りです……。“王”を討つには、足りません……」

“王”はあまりに強力過ぎる……。覚悟がどうこうでは、現実は全く追いつかない。
現実問題、“王”に勝てる見込みはまだ薄い……。
足りないのだ……アンデッドを倒す手段が……。

「湧梧さんに求める物……」

湧梧さんは多くの魔剣を持っている事だろう。
ならば、あるいは……。

「──紅きアンデッドを薙ぎ払える聖なる魔剣……。そんな物もあるのでしょうか……?」

九耀 湧梧 > 「…そうだな、ま、話してもいいだろ。
本物の名刀狩人を探し出す為さ。
自身の気に入った一振りを、持っている相手を殺してでも奪い取る女。
まだ一件だけだが、そいつが関わっていると思しい殺しがあったそうだ。

――その女が餌に引っ掛かって来るのを待ってるのさ。
理由は……まあアレだ、いい女をモノにせずにはいられない、男の性だと思ってくれ。」

そう語る表情は、どちらかと言うと焦がれる相手を追う者の色が強い。
相手の物騒さは兎も角として、どうやらこの男、その女に随分とお熱らしい。

そして、話が移れば、一転して真剣な表情。
軽く顎髭をさすり、考え込む仕草。

「――まあ、予想していた答えの一つではある。
…そうだな、お前さんなら解析みたいな事はしても、悪用まではいかないだろう。

一応、一通り今ある分を調べる必要はある。
それに、何の担保もなしにはいそうですか、と手渡す訳にもいかん。
……正当な理由があるとはいえ、こっちの信念を曲げて引き渡す訳だ。

そうだな、最低限の補償として「ギアス」を受けて貰う必要はある。
それと、これは口約束になるが――どれだけ時間がかかろうが必ず生きて、お前さん自身が返しに来い

これが守れるか?」

Dr.イーリス > 「名刀狩人との接触……。確かに噂が広がると、その名刀狩人さんの方から接触してくる可能性もありますね。持ち主を殺害してでも気に入る剣を奪う女性……。危険な方ですね……」

噂が広がり、餌は撒かれた。
既に噂が広まっている今、湧梧さんは積極的に魔剣収集しなくても、待っているだけで向こうからやってくるかもしれない、という事。
そしてイーリスは、いい女をモノにしたい男の性、と湧梧さんの言う事をそのままの意味で解釈した。

「あの、え……? 惚れこんでしまった一人の女性を追うために、様々な危険を冒してまで魔剣を収集して名を上げたのでございますか……? な、なんだか情熱的で、とてもロマンチックでございますね」

とてもロマンチックな話、イーリスはそう解釈した。
イーリスの頭の中では、激熱なラブストーリーが描かれている。


湧梧さんは、己が信念を曲げてでも魔剣を貸してくださるそうだ。
それ程に、イーリスの事を認めてくれたという事……。
刀剣狩り(ブレードイーター)》程の者にそこまで認めてくださる事はとても誉れで、喜ばしい。
凛と、湧梧さんに頷いた。

「お借りする恩と義理があります。解析なんてしません。ギアスは、どれ程厳しいものであっても受け入れます。“王”を討滅した後、必ずやあなたにお返しに赴く事を誓います」

力強く頷いてみせた。
“王”を討伐した後に、必ず返す事を約束して。

九耀 湧梧 > 「はっは、それで済めば良いんだが、肝心のお嬢様は
剣や刀にしか興味のない御方だからな。
ま、そんな女の尻を必死に追いかける女々しい男さ、俺は。」

この手の話には少々ピュア過ぎるのではと思いつつ、軽く笑い話のベクトルを交えて
そんな冗談めいた語り口を叩く。

「…ま、俺もいつまでも追っかけてばかりじゃいられない。
いつかは「追われる」立場に立って見せるさ。」

そう締め括りつつ、改めて本題に戻る。


「――分かった。いいだろう。
持ってる物の中からいくつか見繕ってみる事にする。」

その言葉と共に、手にした刀をまるでコートの裏地にしまうような動きで隠すと、更にコートを探り一冊の本を取り出す。
年季の入った和綴じの本の表紙には「捜刃録」という題字が達筆で記されている。

「何、ギアスについては其処まで重いものじゃない。
お前さんの無事と生存を定期的に知らせるものと、「完全に目的を達成し切った」とお前さんが心から認めた時。
その時に、「借りた剣を返しに行かなくてはならない」という意識を刺激する位のものだ。

――正直な事を言うと、集めた剣が多すぎると後々処分に困って来る。
だから、奪われたりしないなら、極論大将首を獲る為に壊れてしまっても構わん位だ。
勿論、壊れた時に危険な代物は、その旨をしっかり注意して置くがな。」

そう言いながら、軽く周囲を見渡す。
他者の存在の有無と…下手をすると長引きそうなので、腰を据える場所が欲しい。

Dr.イーリス > 「湧梧さんはこれ程情熱的なのに、焦がれたお嬢様は振り向いてくださらないのですね……」

湧梧さんに同情気味に、眉尻を下げてしょんぼりとしていた。
だが続く言葉に、イーリスは双眸をきらっと輝かせる。

「つまり、剣や刀にしか興味のないお嬢様をいつかは振り向かせてみせるという事ですね! とても激熱な愛でございますね……! 応援していますね!」

とても情熱溢れるラブロマンスを聞いた。湧梧さんはとても一途な、素敵な殿方のようだ。


魔剣をお貸ししてくださるという話だが、コートから取り出されたのは本。
いくつもの剣を集めたとなると普通は収納スペースに苦労し、どういった剣を保管しているかも把握しなければいけない……。
おそらく本は収集した剣をメモしている書物、あるいは収納を目的とした魔道具。

「私が生存しているかを知らせる効力と、目的が達成された時に借りた剣を返しにいかなければいけないという意思へと誘導するためのギアス……でございますね。分かりました」

こくん、と頷く。
魔剣を借りる立場なので、重いギアスでも受け入れるつもりだった。
必ず返すという意思は変わらないので、無論、ギアスに反対する理由は全くない。

「それでも……極力壊さないようには扱います。“王”が巨大故に、確約するまではいかないかもしれませんが……その場合も必ず弁償します」

壊さないようにはしたい。だが、必ず壊さずに返すという確約が出来ないのは確かだ……。
戦闘中で魔剣が破壊されてしまう事もあるかもしれない……。
それでも、弁償はしたい……。
湧梧さんが周囲を見渡している様子を見て。

「それでは場所を移しましょうか。私が拠点としている事務所がありますので、そこでなら落ち着いてお話ができると思います」

そう言って、事務所に案内しようとする。

九耀 湧梧 > 「ま、色恋沙汰は昔から難しいものさ。

――と、注意事項を一つ忘れていたな。簡単な事だが、その女に剣を持ってたりする所を見つかるな、って事だ。
もし剣を気に入られたら…王より先にそいつに斬られかねない。

外見は紫銀の長髪に、血の色をした瞳の黒い服の女だ。
背丈は凡そ170cm程。いつも何かしら、刀の類を持ってるだろう。
……そうだな、拙いと思ったらそいつに「刀剣狩り」の事と俺の名前を出せ。
俺が魔剣の類を手に入れてる所を見たとでも言えばいい。」

後半は真剣な顔で、そう言い添える。
これは重要な事だ。何も知らずに遭遇して斬られたら目も当てられない。

「アジトがあるのか。
なら、其処で改めて話の続きといこうか。掃除が終わったとはいえ、「第二陣」の可能性もあるからな。」

少女の注射で溶かされた屍骸たちの新手が来るかも知れない危惧はある。
アジトがあるのならば願ったり叶ったりだ。
案内を受け、車椅子の少女に続く形で歩き出す――。

ご案内:「落第街」から九耀 湧梧さんが去りました。
ご案内:「落第街」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「落第街」に八ツ墓 千獄さんが現れました。
八ツ墓 千獄 >  
「───……」

遥か遥か。
九龍城を思わせる廃ビルの上に女は佇む。

紫銀の髪に、血の色をした瞳の黒い服の女。
背丈は凡そ170cm程。その腰には、愛しげに下げた一振りの刀。

「あれが噂の刀剣狩り(ブレードイーター)の男……」

紅く昏い瞳が薄く細められる。
遥か摩天楼より覗く落第街、車椅子の少女と、連れ立って歩く男の姿。

「………相変わらず趣味の悪いコート姿だことで」

音もなく飛び立つ蝙蝠の様に。
打ちっぱなしのアスファルトの縁を蹴り、闇へと女は姿を消す。

クスリと。
最後にほんの一つの、嘲笑を残して。

ご案内:「落第街」から八ツ墓 千獄さんが去りました。
ご案内:「落第街に流れる川」にDr.イーリスさんが現れました。
ご案内:「落第街に流れる川」にナナさんが現れました。
Dr.イーリス > 落第街に流れる川は不法投棄されたごみでせき止められ、今にも氾濫しようとしている危険な状態だった。
下流にそこそこ近くそれなりに広い川幅には、空き缶やプラスチックなどに加えドラム缶、さらには冷蔵庫や洗濯機などの粗大ごみ、さらにさらに廃車やクレーン車といったもの、なぜか大仏や聖母マリア像や鳥居、どこから墜落したのか人工衛星の残骸、よく分からない壊れた巨大な球型魔道具の類まである。
落第街は治安が悪い場所とされているが、川に物を捨て過ぎである。
今まさにどこかのトラックが床面を傾けて大量のごみを川に投棄し、環境破壊にとても貢献していた。

イーリスはスラム出身のストリートチルドレンで二級学生という卑しい身分。仕事を取ろうとしてもそもそも面接もさせてもらえない事が多々。
そんな中でやっといただけた仕事は、裏の仕事に近いものだった。求人募集のポスターも落第街の路地裏でひっそりと貼られていたりとわりとうさんくさい。
求人募集のポスターは路地裏にひっそりと貼られているとはいえ公募されていたお仕事。仕事内容自体は環境を良くし川の氾濫を止めるという至ってまともなものだ。
ただ、どれぐらい悲惨な状況か募集の時点で暈されており、それなりに良い報酬と釣り合うかどうかという酷い有様すぎるのが裏の仕事の所以だろう。なにせ依頼者がケチった結果、一人でこのごみをどうにかしてください、という仕事内容である……。
なお、ごみの処理もお仕事に含まれている……。どこかの業者にごみの処理を任せるなら自腹である……。

苦労してお仕事の面接に通ったはいいが、その後に紅き屍骸の一角、アンデッドの“王”が差し向けた紅き死ノ花園に右脚を木端微塵にされて車椅子の生活を余儀なくされていたので、今朝イーリスはナナさんにお手伝いをお願いした。
イーリスは事務所とはまた別拠点で駐車させていたトラックの床面にいくつかメカや機械の車椅子を乗せて、現場に到着。助手席にナナさんを乗せていた。トラックで来た理由は、拾い上げたごみを積むためである。
運転席の扉を開けると、トラックの床面に乗せてあった機械仕掛けの車椅子が自動で運転席の傍にくる。イーリスは車椅子に座った。

「……お、思ったより酷いですね。看板にとんでもない事が書いておりますよ。『放棄された魔道具により川魚がブラウンリヴァイアサンに突然変異しています。注意!』……」

唖然……。
ブラウンリヴァイアサン……。リヴァイアサンという事で、あの長く巨大な体を誇る海の怪物なのだろうと想像する。
こ、こんなに危険と隣り合わせのお仕事とは想定外である……。

(そ、そういえば……面接の時に即採用されて、業務内容に対して異論は一切申し上げない、業務中の事故は自己責任、業務放棄は膨大な違約金を支払わなければならない、みたいな契約書にサインさせられたような……)

ナナ > 誘われ、やってきた川掃除
来てみれば川の掃除と言うより不法投棄の処理に近い
重機を持ってきてどうこうのレベルではないか

とりあえずあのトラックはひっくり返してやろうかとゴミを捨てているトラックを睨む

「あのさイーリス、これ絶対手作業でやるもんじゃないよ。
それこそ重機とかトラック何台も運んでくるやつだよこれ。

しかも何、魔道具まで捨てられてるし化け物擬きまでいるって訳?」

これを数人単位でどうにかしろとはどういう事なのか
仕事を募集した側に一度お話をしたくなってくる
看板に書かれた内容に頭を抱えたくなる、どうもとんでもない厄ネタを引いてきたらしい

「今度から何か仕事を受ける時は私かエルピスに相談してよね。」

どうせ契約書的な物も既にサイン済みなのだろうと諦める
エルピスであればその辺りぬかりないだろうが、仕事の話をしたときの嬉しそうなイーリスを見ればその場でサインして来ていてもおかしくない
こんな事をさせる相手、どうせ碌な契約内容ではないだろう

Dr.イーリス > イーリスは冷や汗をだらだら流していた。
ごみを捨てるトラックは早々に走り去ってしまった。

「ほ、報酬はよかったのです……! トラックは一台しかないので、ひとまず不法投棄された物を陸に上げて後で往復するしかないですね……!」

た、大変だ……。
求人募集のポスターに書いていたお仕事の内容、こんなに大変そうだったかな……。おかしいな……。

「こんな所に捨てたくなるぐらいの魔道具という事になってきますよね……。ば、化け物がいるなんて想定していなかったですよ……」

比較的危険の少ないお掃除だと思ってました……。

「……ナナさん、頼りになります」

ナナさんに泣きつくような表情であった。
このようなお仕事にナナさんを巻き込んで申し訳なさもありつつ、でもナナさんがいなければもっと絶望するところだった。
……これから、お仕事を取る時はナナさんかエルピスさんにご相談した方がよさそう。

「ひ、ひとまず初めてしまいましょう。川をせき止めている不法投棄物を陸にあげないとですね」

トラックに積んでいるメカが降りてくる。
タンスに四足歩行する機械の脚と上部から二本のアームが生えているタンス型メカ《タンスガーディアン》。
鼻からビームの二宮金次郎像こと《二宮二号》。何気に、背負っているものは薪ではなく籠。
カート型のメカ。
《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》。

メカニカル・サイキッカー以外は、輸送として便利そうなものばかり。肝心のごみ回収するメカがない偏りよう。

「……出来る限り多くのごみを運べるメカにしたのですが、か、偏りすぎたでしょうか……」

川の惨状を見ると、メカの選択間違ったのでは……?という気持ちになっている。
もっと不法投棄物を引き上げるメカが必要だったかもしれない……。

ナナ > 「そりゃぁただの川掃除にしては良いよ?
けどこのレベルの撤去作業としては割安どころか割損だよ。」

トラックに中指を立てて見送る
はてさて、どう片付けた物か
そもそも魔道具や衛星の残骸なんて勝手にどうこうしていいのかすら疑問

「化け物に関しては最近派手な相手とやり合ったから何とかなると思うけど…実際どうするのこの物量。」

化け物が襲ってくるとか多少危険なのはともかくとして物理的な問題をどうしたものか
別に今更そんな顔をしなくてもイーリスを見捨てたりはしないけれど、これはどうするか

「まぁそうね、始めないとどうしようもないし……

ねぇイーリス、契約内容って川の状態を改善して氾濫を防げばいいって事なんだよね?」

準備の整ったメカ達と川と呼べない惨状を見て尋ねる

Dr.イーリス > 「川をせき止めている量という事でどれ程でしょうとは疑問に思いましたが、普通の川掃除だと思ってました……。う……金額に眩み応募してしまいましたが……損する程とは……」

がくん、と肩を落としてしまう。

「魔道具や衛星の残骸などは、処理してしまって問題ないそうですよ。自己責任との事だそうですが……」

川をせき止めている物をどう処理しようが好きにしてくれていいとの事。

「派手な相手……どこかの魔物でしょうか。せ、責任あるお仕事……やるしかありません。ナナさんは変身能力で重い物を持ち上げたりできそうですか?」

小首を傾げた。
イーリスは車椅子に乗ったまま、川へと突っ込んでいく。
機械仕掛けの車椅子の車が変形して、ボートのような形状となった。水陸両用車椅子。
イーリスと並走するカート型メカも川で浮き始める。
車椅子から無数の機械アームが生え、ごみをカート型メカへと放り込んでいた。

「そうなりますね。川の氾濫を防ぐ事が第一です。このままだ、この辺り水没でございますからね……」

こくんと頷いてみせる。
メカニカル・サイキッカーもその力を活かして主に重たそうなごみを中心に陸へと引き上げ始める。

ナナ > 「私も流石にここまでとは思ってなかったけどさ、下見くらいは必要だったかもね…」

詐欺だろうとは思いつつ考える
この問題をうまい事解決して報酬をもぎ取る案を

「そこら辺を仕分けて寄越せって言われてたら私が今からその仕事を持ってきたところに殴りこんでたよ。

あぁ、そっちは転移荒野に出たドラゴン。私1人でって訳じゃないけどあれよりは楽なはずだよ。
運ぶのは問題ないから任せて、重すぎたらちょっと分けて運ぶし。」

川に浮かぶ車椅子を見て便利だなぁと感心
自分もイーリスに続いて川の中へ、ゴミと淀んだ水で環境としては最悪である

「なら、お金になるかイーリスが必要なパーツとかは持って帰って後は適当に壁代わりにしてここに置いて帰ろう。
イーリスなら即席の壁くらいにはできるだろうし氾濫防止に作りましたって言えば文句言われないしね。

あと、最終的に残った小さいゴミとかパーツは無理やりぶち抜いて川を流す。」

最終的に暴力的な解決策だがそれぐらい荒っぽくても問題は無い筈
何せもともと詐欺紛いの依頼、多少の融通は効かせてもらわないと

Dr.イーリス > 「なぜか下見は絶対にしないように、と雇い主さんから言われていたのですよ。下見はやった方がよかったと思ったのですが不思議ですね」

下見をしてはいけない理由に気づいていない様子。
未だに疑問を抱いて首を傾げている。

「や、雇い主さんを殴ってしまったら、お給金いただけなくなります……!? お金を貯めて、この夏にナナさんやエルピスさんとどこかに遊びに行けたらって思うのですよ」

そう口にして、瞳を細めて微笑んだ。
お金を貯めて、楽しい事をしたい。そう願って、お仕事取ってきました。

「ど、ドラゴンでございますか……!? その鋭き爪は戦車をも粉々にし、その硬き鱗は鋼よりも頑丈、信号機をも高々と見下ろし、口から吐く炎は一瞬にして森をも灰にするというあのドラゴン……!? そのような凄い生物を討滅なされるなんて、ナナさんがいらっしゃればブラウンリヴァイアサン如きに脅える事はなさそうですね!」

ブラウンリヴァイアサンは、ドラゴンよりかは大分弱いだろう。

「ごみで堤防をつくってしまうのですね! ナナさん、ナイスアイデアでございますね。その作戦でいきましょう! ナナさん、もう頼りになりまくりです」

ナナさんのアイデアを聞いて希望が見えて、双眸を輝かせる。
頑張ればなんとかなりそう!

ナナ > 「……イーリス、投資話とか苦労話聞いてもすぐ相談に乗らないでね。」

自分ならその段階で話を蹴っていた、エルピスなら恐らく色々手を回して契約まではいかなかっただろう
優しくて純粋なイーリスだからこそ引っかかってしまったのだろう

「お給金頂けないどころか今多額の借金の危機だからね?
まぁ、遊びに行くのは賛成だけど。」

そう、現状遊びに行くどころではない
借金を盾に何をさせられるのか…エルピスが聞いたら相手に激怒しそう

「言っとくけど倒したの私一人じゃないからね?
うまい事動ける囮君が居たから狩れたけど、結構大怪我したんだから。
でも、流石に川に住む魚の化け物には負けないかな。イーリスも居る事だしね?」

イーリスが川に電撃でも撃てばそれだけで仕留められるかもしれない
泥抜きとか必要なのかな、なんて考えながら一応周囲を警戒する

「そうそう、持って帰るのは無理だからリサイクルしちゃおってね。
そうと決まれば私とメカ達が運んで、イーリスは仕分けとか堤防の組み立てをお願い。
組み立ては私にはどうにもならないからコツコツ運んどく。」

ザブザブと川…もといどぶ擬きをかき分けてゴミ達の元へ
一先ず比較的綺麗に見える機械パーツから陸へメカ達へと渡していく

大きな塊に関しては早速覚えたドラゴンの爪を有効活用
腕が蜥蜴の様に鱗に覆われ切れ味抜群の大きな爪が便利にゴミを切り裂いていく

Dr.イーリス > 「お恥ずかしながら投資のお話はよく分かりません。苦労をしている方がいらっしゃって頼りにしてくださっているなら、ご相談ぐらいは乗りたくなるのが人情ではないですか」

義理人情は重んじたい、という事でナナさんの発言に一瞬首を傾げてから、それでも首を縦に振る。

「しかしナナさんの仰る事ですから、すぐにはご相談に乗らないようには気を付けます」

ナナさんはイーリスのために言ってくれているのだろうから、すぐ相談に乗らない方がいいという事なのだろう。

「ひっ……!? お金持っていかれるの嫌です。遊びに行けなくなります……! 何も食べられなくなってひもじいです……! ナナさんにもエルピスさんにも迷惑かけてしまいます……!」

涙目になっている。
お金稼ごうとしているのに、お金を持っていかれるなんて嫌すぎる。

「二人掛かりでもドラゴンを倒すのは凄いではありませんか。大怪我……相手がドラゴンなだけに大変です……。ドラゴンを相手しながら、ナナさんが無事でよかったです。ふふ、そうですね。ブラウンリヴァイアサンが現れたら、ナナさんと私がいれば恐れる必要はないですね」

ナナさんを心配するように眺めて、そして川の化け物が現れた時の話には笑みを浮かべつつこくこくと頷いた。

「トラックなどに積んで持って帰るものは陸に引き上げたものから後で選別でございますね。分かりました、堤防の組み立てはお任せください」

イーリスは川のごみ回収作業を引き上げ、陸に向かって引き上げられたごみを使い堤防の制作に取り掛かった。
機械の分解作業をする事も想定して、ちゃんと工具も持ってきている。

輸送メカ達はナナさんから次々と機械パーツを受け取っては陸の方に運んでいった。

ブラウンリヴァイアサン > そうして二人が作業を進めていた時だった。
川に大きな影……。

ばしゃっ、と水飛沫を上げて現れる巨大なソレ。
全長50メートルはあるだろうか。
まるで蛇のように長い体、その体色は茶色。その顔は獰猛な竜のようであった。

「シャアアアアアアアアァァ!!」

方向が辺りに響き渡る。

ナナ > 「人情は大事だし私も助けられてるけど、とりあえず迂闊に請け負ったりサインしない事。
じゃないとその内エルピスの雷が落ちるよ~?」

もっとえぐい内容の契約だったらどうするのか
一度エルピスにお話し(お説教)してもらったほうがいいかもしれない

「まぁ、いざとなったらドラゴンの爪とか鱗とか売り飛ばせば良いよ。
でも、最終手段だからとりあえず借金には気をつけようね。」

肉や内臓、血の類は殆ど残ってないけれどそれでも人財産になる筈
一応へそくり的な扱いなので出来る限り使いたくはない

「手負いだったからね、でもそういう訳だから安心して任せて頂戴。
リヴァイアサンとはいえ川に居るくらいのサイズなら余裕余裕。」

と、暫く切っては運んで偶に投げてを繰りかえしていたら妙な振動を感じる
轟音と共に現れた巨大な蛇、噂をしていたリヴァイアサンとやらが本当に出てきた

「嘘でしょほんとに出てきた…メカ達作業中止!イーリスを守ってできる奴は援護!

あとそこの魚うるさぁい!」

叫ぶリヴァイアサンに手元にあった金属ゴミを投げつける
サイズ的に大した痛手にはならないだろうが狙う相手をこちらに集中させようと

Dr.イーリス > 「わ、わかりました、気を付けます……! エルピスさんが雷を落とす姿……。中々想像つきませんね……?」

ナナさんにこくこく頷いている。
お仕事などを請け負う前に、ナナさんやエルピスさんにご相談しましょう、そうしましょう……!
エルピスさんはお優しい方なので、雷を落とされたという事も今までなく、あまり想像できていない。

「それでは、私の借金をナナさんに肩代わりさせる事になってしまいます……! そ、そうなったら一生かけてお返しします……!」

竜の爪、鱗など。
大金になりそうだから、貧困層が一生かけても返せるか不安になってちょっと顔を青ざめたりしている。

「ナナさん、相変わらず頼りになります」

そうして現れるブラウンリヴァイアサン。
その巨体でナナさんとイーリスを見下ろしていた。

「ブラウンリヴァイアサン!? ……川にいるにしてはわりと大きいですね……!」

メカ達はナナさんの指示通り作業を注視して、メカニカル・サイキッカー以外はイーリスを守るように周囲に集まる。
メカニカル・サイキッカーはブラウンリヴァイアサンを睨んで戦闘態勢。

ブラウンリヴァイアサン > ナナさんとイーリスを見下ろすブラウンリヴァイアサン。
威嚇するように両者を睨み──。

「うるさいとはなーんだ!」

しゃべった。

「人間共、川にごみを捨てやがってええぇ! 儂は肉食だから、お主等を喰うぞ!」

その巨体を生かして、口を大きく開けてキバを見せつつ、ナナさんへと突進する!

ナナ > 「あぁいうタイプ程怒らせると怖いんだよ~」

普段大人しい人が切れると怖いし何をするかもわからない
この反応を見る限りエルピスとイーリスは大喧嘩をしたことないのかもしれない
一度見てみたいが、果たしてイーリスが喧嘩をできるのかどうかと思ったり

「別にそこまで重く考えなくていいよ。元々居候なんだし家賃代わりで貰ってくれたっていいんだしさ。」

求められれば差し出すつもりではある
鱗や爪や牙はとても食べられたものではなかったので余り興味は無い
売ってお金にするくらいしか用途もない、高価な置物なのだ

「こんなでかいのは想定外だけどね!
まぁ泥臭くても暫く食事には困らな……喋った!?」

人語を理解するなら好都合で有り厄介でもある
今まさにこちらへ突進するブラウンリヴァイアサン、近くのゴミを引き寄せて壁兼盾代わりに自分との間に挟み込む
壁を抑えながら大声で叫ぶ

「落ち着いてもらえるかなぁでっかい魚!!
私達はここの掃除に来たの!こっちを食べる気ならそっちを開いて食べるけどいいの!!?」

Dr.イーリス > 「エルピスさんは、そうそう怒らないですよ。……怒らないからと言って、甘え続けるのもよくはありませんが……」

もうイーリスに切れるエルピスさんがどのような状態なのか、想像がつかない。
ただ、エルピスさんが絶対に怒らないかと言えばそういうわけでもなく。

「そうなのです。先日、エルピスさんは紅き屍骸に追い詰められた私を助けにきてくださり、私に酷い目に遭わせた屍骸の花々を焼き払って薙ぎ倒してくれたのですよ。私のために怒ってくれて、とてもかっこよかったです」

エルピスさんがイーリスを助けにきてくれた時の事を思い出して、少し照れたように頬を染めながら瞳を細めて嬉し気に語った。

「ナナさん……ありがとうございます。ナナさんの大切な財産を支払わなくても済むよう、借金は防がなくてはです……」

ナナさんの優しさに瞳をちょっと潤ませてしまうが、すぐナナさんの財産を支払わなくても済むようお金を儲けようとしたら逆に借金を背負わされないよう注意しようと思った。

「ナナさん……!!」

ブラウンリヴァイアサンは、ナナさんを標的に定めていた。

メカニカル・サイキッカーは背中の推進エンジンを稼働させて飛行し、ブラウンリヴァイアサンの胴体に突撃。
その巨体を両腕で精一杯掴み、投げ飛ばそうとしていた。

ブラウンリヴァイアサン > ブラウンリヴァイアサンの突撃。
だがそれは、ナナさんが引き寄せたごみに阻まれる。
ブラウンリヴァイアサンはナナさんの代わりにごみを丸呑みした。

「ぐおおおおおぉぉぉお!! ま、まずいぞおおおぉぉ!! げほげほ……」

食べたごみを吐き出す。

「儂は、人間が喰いたいのだああああぁぁぁ!! 餌が口答えをするなぁ!!」

ブラウンリヴァイアサンは体から触手を発生させ、胴体を掴むメカニカル・サイキッカーへと巻き付ける。

「くっはっはっは! これで一体は身動きとれまい! さて喰ってやるぞおおぉ!」

ブラウンリヴァイアサンは大口を開け、ナナさんに体を溶かす酸を吐き出す。
酸で溶かして食べる魂胆だそうだ。

ナナ > 「そうそう怒らないから怖いんだよね~

あ、やっぱそんな感じなんだ。良いじゃんエルピスもカッコいいことするねぇ。」

焼き払って薙ぎ倒した、言葉にすればそれだけだがなかなか過激な手段を取ったらしい

「財産では有るけど大切って訳じゃないから気負わすにね。」

またそれらしい魔獣等の噂を聞けば狩りに行くつもり
珍しい素材でもあれば売り飛ばして現金を預けてあげた方が良いのかもしれない

ブラウンリヴァイアサンは怒り心頭らしい、勝手に住み着いたとはいえ家をここまで汚されれば分からない事は無い
だが、それとこれとは話が違う

「ちっ、こいつ話聞かないなぁ!
イーリス!何か電気の武器とかない?こいつ一回分からせないとダメみたいっ!」

酸の液体を跳んで避ける、ついでにゴミに当たる様に逃げ回る
かなり強力な酸の様なので邪魔な物を溶かしてもらう