2024/08/09 のログ
■Dr.イーリス > 「エルピスさんは怒らずとも、怖くないですよ。本当に、怖いところとかないのですよ。そうなのです、可愛らしくて、そしていざという時はとてもかっこいい方です」
少し頬を染めて、こくこくと微笑みながら頷いている。
焼き払われた側からすれば恐ろしい存在に見えるかもしれないけど、イーリスから見たら怖さなんて全然ない頼れる人。
「お心遣いありがとうございます。それはそれとしても、このお仕事はちゃんと収入はプラスで終わらせたいですね!」
ブラウンリヴァイアサンの妨害はあれど、それまでの作業はそれなりに進んでいた。
「メカニカル・サイキッカーが……!!」
迂闊にも捕らえられてしまった。
メカニカル・サイキッカーは触手に絡まれつつ藻掻いている。
「電気の武器……。あれを使いましょう。ちょうど、メカニカル・サイキッカーがブラウンリヴァイアサンに触れていますからね」
イーリスの体内コンピューターがメカニカル・サイキッカーに指令を下す。
メカニカル・サイキッカーの両腕が金属の大きな針状のもにに変わった。
その針がブラウンリヴァイアサンに触れると、その化け物の巨体に大量の電流が流れていく。
■ブラウンリヴァイアサン > 「すばしっこーい、奴だなぁ!」
ブラウンリヴァイアサンは次々と酸を吐き、そして避けられてはごみを溶かしていく。
清掃がとても進む。
そんな時、メカニカル・サイキッカーから流される電気がブラウンリヴァイアサンの全身を駆け巡る。
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!!」
ブラウンリヴァイアサンは真っ黒こげになり、触手で捕らえていたメカニカル・サイキッカーを開放してしまった。
■ナナ > 「惚気るねぇ。エルピスの事が大好きなのはよ~く分かったよ。」
相思相愛極まれり、と言った所か
知覚で見ている分には中々面白い関係性である
少女漫画をリアルタイムで見せられているみたいな感じがする
「ないすメカニカル・サイキッカー!やればできる子!!」
メカニカル・サイキッカーの電撃はかなりのダメージになったらしい
触手が力を失う程の隙は見逃さない
ブラウンリヴァイアサンの顔に向けて跳び上がり、顔の辺りを思いきり殴りつけて地面に寝かせる
姿勢が低くなれば頭の辺りを鱗に覆われた手で掴んだ
「さて、デカブツちゃん?お話ししましょうか。
暴れたらドラゴンを殺した方法で仕留めるから、よく考えて動いた方が良いよ?」
ギリギリと頭を掴む手に力を籠める
生き物であり現状触っている感触ならやってやれない事は無い
■Dr.イーリス > 「……ご、ごめんなさい。惚気話になっていましたね……! はぅ……その……これまでナナさんに黙っていましたが……はい……」
惚気話になっていた事に気づき申し訳なさがこみ上げた後、羞恥を覚えながらも小さく頷いた。
惚気てしまっていたとなれば、ナナさんは家族みたいに思っているし誤魔化さなかった。
「私のメカの中でも最高傑作ですからね」
メカニカル・サイキッカーが褒められて、イーリスは胸を張った。
■ブラウンリヴァイアサン > 電撃をくらった後、続くナナさんに顔面を殴られ、地面に叩きつけられる。
「ぐうううおおおおおおぉぉぉ! こ、こんなはずが……! この儂がぁ、こんな奴らにぃ……!!」
痛みでブラウンリヴァイアサンは動けなくなっている。
「ドラゴンを殺しだだと!? そ、そんな奴に勝てるわけねえぇぇ。とどめ刺さないで、お金あげるから!」
ブラウンリヴァイアサンは、ナナさんに酷く脅えている。恐怖で泣いていた。
■ナナ > 「良いよ別に、イーリスのコイバナなら喜んで聞くよ?」
面白いし、と言ったら少し怒られるかもしれない
でもそういう話は楽しいし可能ならどんどん聞いていきたい所存
「流石イーリス、天才少女は流石だね。」
そう、今更ながらあれを自作したイーリスには感服する
機械工作なんて自分にはできない類の話しなので素直に驚くばかり
後、いざという時に電気爆弾になる事は今後の為に覚えておくことにする
「小っちゃいからって人間舐めないでよね。
……別に良いけど、出すもの出して話は聞いてもらうからね。次暴れたら本当に食べてやるから。」
泣いている…ブラウンリヴァイアサンも泣くのかと新たな発見
とりあえず頭を掴む手を放して一旦落ち着かせてからここを掃除しに来た事を伝える
自分が言うと威圧になるのでイーリスに説明を変わってもらうのは忘れない
後、お金をくれるというならもちろんもらうつもり
■Dr.イーリス > 「ありがとうございます、ナナさん。私も空気を読むようにはしつつですが、エルピスさんとの事、聞いてくださり嬉しいです」
にこっ、とはにかんだ。
大切な家族が、恋のお話を聞いてくれるというのはとても嬉しい事に思えた。
「ふふ、私の発明はだいたい完璧なのです。ナナさんもとどめの一撃、見事ですよ。とても素敵です、ナナさん。ナナさんがブラウンリヴァイアサンはの酸をごみに誘導してくださったお陰で、随分と作業も進みました。本当にお見事です」
酸でかなりのごみが溶けていた。
そしてナナさんがブラウンリヴァイアサンに放ったとどめの一撃は見事なもので、尊敬の念を抱きながらぱちぱちと手を叩いた。
「えっと、それでは私から説明致しますね」
ナナさんに説明を変わっていただいて、イーリスからブラウンリヴァイアサンにご説明する。
■ブラウンリヴァイアサン > 「ありがたや、ありがたや。お金ですぞ」
片手で持てるサイズの金延べ棒を二本を尻尾で持ち上げ、地面に置いた。
お金というより金延べ棒。どこからか拾って、大切に保管していたものだった。
「せ、説明なんて聞いている場合じゃない!! に、逃げるんだああぁぁ!!」
金延べ棒を置いて、ナナさんから解放された瞬間、全力で海の方に逃げていった。
恐怖に脅えて二度と常世島に帰ってこなかったらしい。
■ナナ > 「あ~まぁだいたいって所がちょっとね~
うん、あんだけ溶ける酸なんだから丁度いいかと思ったけど、やっぱりいい具合にゴミが解けて水に混じってもそこまで問題なさそうだね。」
酸で溶けたゴミと水の具合を見る
ゴミはかなり減って水はそこまで汚染されている様子は無い
これなら水流が出来れば勝手に流れて消えていく筈
と、イーリスが話し込んでいる途中金の延べ棒がブラウンリヴァイアサンから差し出されるのを見た
何でそんなもの持っているのか、魚の癖に!等と思っていたが…
「あ、待てこらぁ!!」
延べ棒に気を取られている間に逃げて行った
水の中であれに追いつける筈もなく、と言うより体から考えておかしいくらい逃げ足が速い
「………まぁ、超大型の臨時報酬と邪魔者が消えて作業も大幅に進んだし、良かったかな?」
金の延べ棒をメカに預ける、持ち上げてみるとこれが意外と重い
■Dr.イーリス > 「だいたいの部分は、これから完璧にしていくという事でございますよ。科学は日々進歩しているのです!」
びしっ、と夕日の方向をさす。方向だけで、時間的にまだそこに夕日はない。
「大幅に作業短縮できて助かりました。この分ですと今日中に終わらせられそうでございますね」
大量のごみを陸に引き上げ、堤防の設置も順調。酸に溶かされたごみもあり、日が落ちるまでになんとかなりそうだった。
ブラウンリヴァイアサン、ファインプレー。
「見てください。金です! 金! 大金持ちです! 金の延べ棒なんて生まれてこの方見た事がありません!」
黄金の延べ棒を見て、イーリスの双眸は金よりも輝かせていた。
イーリスはずっと金延べ棒に気を取られて、もはやブラウンリヴァイアサンが逃げた事など意にも返さない。
今、イーリスの頭は目の前の延べ棒でいっぱいだった。
だが今は清掃中でもある。
「あの球体型の魔道具も引き上げなければいけませんね」
直径一メートル程の銀色の球体。
あれが原因で先程のブラウンリヴァイアサンが誕生したと思われる。
■ナナ > 「トライアンドエラーだっけ?ならイーリスの面白メカ達もその内見れなくなるかなぁ。」
用途不明、威力大きすぎのヘンテコメカ
先日掃除機で凄い目にあったばかりなのが懐かしく思える
「そこは感謝だね、ブラウンリヴァイアサン。多分もう会う事は無いんだろうけど。」
あの速度で海に逃げ込んだのだから戻ってくることは無いだろう
ちょっと仕留めて食べたかったのだが、仕方ない
こんなに大きなお土産を残してくれたのだから文句なんて言えない
「金だねぇ、まぁこれなら小金持ちとは言えるんじゃないかな。」
金の延べ棒が二本、余程の事がない限り暫く生活に困る筈もない
一本は売ってもう一本は置いておくかイーリスやエルピスが何かの素材にするのも良い
金は食べても意味がないのでナナの中で価値はそこまで高くはない
「あれねぇ…周りの生き物を巨大化させるとかそう言う魔道具だったりするの?それか知能の引き上げ?」
銀色の球体を眺める、触っていいものなのかどうなのか
魔術の基礎を覚え始めたナナには見当もつかなかった
■Dr.イーリス > 「そうですね。完成品に辿り着くまでにいくつもの失敗品が生まれてしまいます。掃除機メカも『神より強』モードはオミットしておきました。その代わり、『犬の散歩モード』を搭載しました。なんと、一人でお散歩するのが寂しい方用に、まるで友達か犬のように掃除機メカが一緒に散歩してくれるのです! この機能を搭載するのに掃除機メカが二倍ぐらい重くなってしまいましたよ」
どやっとしながら胸を張った。
問題となった『神より強』を消し去り、さらに新モードを搭載する、これぞ科学の進歩。
重量が上がってしまったのが痛いけど、新機能のための犠牲である……。なんだか重量が上がって物凄く掃除し辛くなったけど。
「ブラウンリヴァイアサンお達者で……。これで夏に楽しく遊べますね!」
上機嫌に笑みを浮かべていた。
ナナさんやエルピスさんとどこかに遊びにいける。とても嬉しい。とても楽しみ。
どうするかは持ち帰ってナナさんやエルピスさんとご相談。
再び車椅子の車輪をボート状に変形させて、球体状の魔道具に近づく。軽く触れてみたり、調べたりして。
「事務所に持ち帰って解析してみましょう。まだ確信は持てませんが、私が見た所生物を突然変異させる装置……の失敗作ですね。球体の内部で生物が突然変異させるようなのですが……成功率はあまり高くない代物に見えます。先程のブラウンリヴァイアサンは、この穴から抜け出したのでしょう。この魔道具で突然変異できたあのブラウンリヴァイアサンは……おそらく外来種なので、たまたま失敗作の魔道具と相性がよかった……いえ。ある意味最悪だったようで……。生物まで不法投棄されてますね。あのブラウンリヴァイアサン、突然変異の影響で数日後に病で死にますよ」
球型魔道具には穴が空いていた。
ブラウンリヴァイアサンの命は短い……。イーリスはちょっと同情して、心中でブラウンリヴァイアサンが余生を楽しく生きられるように願った。
■ナナ > 「犬の散歩……自動掃除機ってこと?
……それって自分で掃除機動かした方が無駄に重くならないし良かったんじゃ…」
重く、そして自分と一緒に動くという事は勝手には動かないという事では?
やはりどこかおかしな面白メカだったと笑いがこみ上げる
「夏どころか少なくとも今年いっぱいは好きに遊べるよ、多分」
細かい値段は分からないが3人が一年楽しく遊ぶのに足りない金額にはならない筈
問題は換金の際にエルピスか自分がついておかないと買いたたかれそうな所
「中の生き物を突然変異……へぇ。」
解析したい、と言うので一先ず持ち帰る事にする
イーリスの説明を聞けば少し可哀そうな事をしたと感じてしまう
殺さずに済んで良かったことを喜ぶべきだろうか
そして、思わず破壊しかけたのはイーリスには伝えないでおく
どうせ拾って解析するのだから便利に使わせてもらおう、その方が良いと自分を納得させる
仮にここに居たのがイーリスではなく他人だったら?
制止などすべて無視して完全に破壊していたかもしれない
■Dr.イーリス > 「お掃除ではなく、お外でお散歩する機能です。お掃除を一旦休みまして、掃除機メカが一緒に散歩してくれるのですよ。公園や遊歩道、険しい山から黄泉の穴まで、どこでも連れていけます」
にこにこと笑みを浮かべてそう語る。
文字通りご一緒にお散歩してくれる機能。愛着湧く事間違いなし。
なお、自動掃除機能はありません。
「さすがは金、物凄い金額……」
一年いっぱい遊べると聞けば、イーリスはその事実に震えていた。
す、すごいものをブラウンリヴァイアサンからいただいてしまった……。
「ブラウンリヴァイアサンがナナさんや私を食べようとした事も事実なので、島から追い払えた事はよかったです。新たな被害を生まずに済みました」
球体型の魔道具もトラックに乗せ、その後も作業が進んでいく。
ごみが陸に引き上げられていき、そのごみでイーリスが堤防をつくり、お金になりそうな物やメカの部品になりそうなものはトラックに積み上げられていく。
そうしていくうちに、溢れ出しそうな川の流れがだんだんスムーズになっていった。
そして夕日が沈むという時刻。
「これぐらい川が開通すれば、もう氾濫の危険性はありません! やりました、終わりました!」
川の清掃のお仕事が終わり、イーリスはばんざいして喜んでいた。
色々大変だったけど、川がちゃんと流れるようになり、遣り甲斐をとても感じる。
心なしか、川の水も綺麗になったように思える。
■ナナ > 「なるほど……なるほど?」
どこまでも一緒に散歩する掃除機だけど掃除はお休みする
ちょっと特殊なペットロボットと思えばいいのだろうか
掃除機じゃなくて愛着の沸きやすいペットの形にしてはダメなのかとは言えなかった
「金だからね、思わぬ儲けものだよほんと。」
ブラウンリヴァイアサンに感謝と、何で金が流れ落ちていたのか
これの出所がどこなのか等は考えないようにする
その後の作業に関してはイーリス主導で順調に進む
単純作業ばかりのナナも小さな重機並みには役に立てた筈
「本当に終わるとはね、数日はかかると思ってたけど…ブラウンリヴァイアサン様だね、こうなると。」
水が流れるのなら淀みも消えて段々と綺麗になるだろう
またゴミが増えたらそこまでだが、そこは自分達の知った事ではない
後は大仕事と呼べない小さな仕事が残っている
「この光景を報告しないとね。あ、イーリスは金の事とか拾った物については話さなくていいよ?
私がきっちり話して報酬ももらうからね。」
イーリスと共に報告するときはブラウンリヴァイアサンの撃退、詐欺まがいの手口等色々と追加報酬をおねだりしよう
優しく素直で小柄な女の子相手に調子に乗るなら
殺意剥き出しの戦闘向きな能力持ちが近くにいても同じ事が出来るのか、ぜひ試してみたい
■Dr.イーリス > 「お散歩の際は是非ご活用ください」
せっかくの犬の散歩モードなので、ナナさんにもお勧めしてみた。
掃除機の新機能なので、ペット型ではなく掃除機の形をしているのだった。
ここは落第街……。
怪しい物の隠し場所に川の底を選ぶ輩もいないとは限らない……。
金延べ棒がどこからきたものなのか、それは今となれば謎であった……。
「ブラウンリヴァイアサン、見事なファインプレーでございますよ。ナナさん、お疲れ様でした」
ナナさんもイーリスも頑張った。
ブラウンリヴァイアサンにも報酬を支払ってもいいのではないかという程に貢献してくれたような気がする。
「私は、あまり何も言わない方がいいのですね、分かりました。それでは雇い主さんのところに行きまして、報酬をいただきに行きましょう。それから、せっかくの報酬なのでどこか食べにいきましょうか。その、私……お金がなかったので外食もあまりした事がなかったのです」
微笑みながら頷いた。
そうしてナナさんとイーリスはトラックに乗り、雇い主さんの事務所に向かった。
ナナさんの交渉の末、雇い主さんは舌打ちしながらも「どうして金髪の小娘一人でこねぇんだ……」と文句は言いつつも追加報酬に応じるのだった。
追加報酬をもらえたそのナナさんの交渉術に、イーリスは尊敬の眼差しで眺めていた。
その後、二人でどこかお食事に行った事だろう。
ご案内:「落第街に流れる川」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街に流れる川」からDr.イーリスさんが去りました。