2024/08/31 のログ
ご案内:「落第街」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > 落第街のとある道路に、拠点用トラックが停まっていた。
バン部分を拠点として利用できるキャンピングカーに近いトラック。
中にテーブルがあり、そこにいくつものモニターやキーボードが設置されている。他にもメタルラックがあって、そこに色んな機械が置かれている。

落第街は危険な場所なので、目立っていてもメカニカル・サイキッカーがトラックの護衛についている。
まだ治安の良いこの前の研究区と違い、落第街は無法地帯でありいつ襲われても不思議ではないので目立っていても護衛をつけるメリットが大きい。

イーリスはキーボードをカタカタと叩いていた。

「《月輪の王》が存命しているかどうか、確かめなければです……」

湧梧さんから刻まれたギアスをきっかけとして、《月輪の王》が存命している可能性が浮上。
あの時、《月輪の王》を倒したはずだったのだが……真偽を確かめなければならない。

Dr.イーリス > やがてキーボードを叩く手を止めて、拠点用トラックから《ミケ三型試作機》ミケちゃんが出動。
モニターの一つに、ミケちゃんが見ている映像が映る。

ミケちゃんが向かったのは、紅き屍骸封鎖エリア。封鎖エリアの中でも最も危険とされるエリアの一つ。
イーリスはこの場所こそが《月輪の王》の居城であるという情報を掴んでいた。

イーリスはテーブルに置かれているコーヒーカップにお口をつける。

Dr.イーリス > 「ミケちゃんはここで待機です。ここからは、蚊型偵察メカ出動です」

紅き屍骸封鎖エリアから少し離れたところで、ミケちゃんが適当な車の上にのって丸くなる。
ミケちゃんの毛に隠れて待機していた蚊型偵察メカが封鎖エリアの方に飛んでいった。

イーリスは、じっとモニターを眺めていた。
そうして成り行きを見守るのだった。

ご案内:「落第街」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にSignal Lossさんが現れました。
Signal Loss >  


         ブツン―――ッッ!!



 

Signal Loss >  

Dr.イーリスの眺めるコンピューターに
流れている信号は、消えた。
落第街の街並みを先ほどまで映していたのにもかかわらず、
どれ一つとして

"王の根城を示す信号はない"

あわやあと1歩でというところで、次々に

何かに

まるで空間と空間のはざまに何か歪みでもあるかのように

その"空間に入ることを許さない"

Signal Loss >  


        最大危険級封鎖エリア。
           "王城"
        偵察信号、消失。


 

Signal Loss > Dr.イーリスの
体内コンピューターに

もしかしたら

こんなメッセージが表示されるかもしれない

幾多のメッセージの波の中に溢れる、一文。

それは、ただの―――

Signal Loss >  
誤作動かも知れない
気のせいかもしれない
勘違いかもしれない
見間違いかもしれない
夢かもしれない

Signal Loss > さりとて。

決して無視できるものではないだろう。






そのメッセージとは。

Signal Loss >  


           ──Prediction Error


 

Signal Loss >  



     ―――ザザッ――ザーッ―――… ブツンッ…!


 

ご案内:「落第街大通り」からSignal Lossさんが去りました。
ご案内:「落第街」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > 最大危険級封鎖エリア。
"王城"
偵察信号、消失。


──Prediction Error


体内コンピューターからそんなメッセージが表示される。

「……!? そんな…………!?」

Dr.イーリス > 蚊型偵察機は順調に、封鎖区域を飛んでいた。
“王”の根城を示す信号はなく、やがて空間の歪みを観測し、その瞬間に蚊型偵察機の信号が途絶えた。
拠点型トラックのモニターがブロックノイズに移り変わる。

「《月輪の王》の生存は不明……。それでも、この“王城”には、何かありますね……」

Dr.イーリス > とても不気味……。
“王”もまた、空間を操る能力を有している。
生存が不明ながら、既に“王”がいなくなっているという可能性は低くなったかもしれない……。
イーリスは冷や汗を流す。

「どちらにしても、空間の歪みが発生するこの“王城”を調査するのは、無策では難しいですね。今は一旦退き上げましょう」

閉鎖区域の調査を切り上げ、イーリスは運転席に移動して引き返していくのだった。

ご案内:「落第街」からDr.イーリスさんが去りました。