2024/09/12 のログ
ご案内:「落第街大通り」にスティールバイソンさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にフィスティアさんが現れました。
スティールバイソン >  
最近あんまり見なかったってのに。
まーた好奇心でコッチに来る表の学生どもがいやがる。

別に構いやしねぇよ?
誰にだって開かれてる。自由だ。この街は自由なんだ。

だからよ……カツアゲする自由くらいあってもいいよなぁ。

「なぁ……お前らよォ、金出せばここを通してやるって言ってんだぜ」
「なぁに逃げようとしてんだよ、ツレねぇなぁ」

青い顔をしている男子学生二人を見下ろしながら。
ちょっとした金稼ぎをしている。

こんなのバイトみたいなもんだ。
ま、俺様バイトなんてしたことねぇがな。

フィスティア > 今日も風紀委員会の巡回です。
いつもなら多少なりとも怯えていたりしますが、今日は違います。
とてもいい事があった後です。そんな日ぐらいは胸を張って歩けるというものです。

「ただ、増長しないようにしなければいけませんね」

気分が良かったから油断したり、何かを見落としたりではお話になりませんから。
しっかり気を引き締めて行きましょう。

その時でした、横に曲がる道の先で、男子生徒さん達を威圧している様な方が居ます。
もしやと思って少し近づけばすぐに分かりました。これは恐喝していますね。

「風紀委員会です!少しよろしいでしょうか!」

小走りで近づきながら声を出します。
いつもより声量が出ている気がします。

近づくとわかりますが、かなり筋肉がある方です。一国の騎士として取り立てられていてもおかしくないぐらいです。
適う気はしませんが、ここで退く訳にはいきません。
二者の間に体を割り込ませて男子生徒さん達を守ろうとします。

「何をされてるんですか?」

恐喝はいけませんよ!

スティールバイソン >  
「ああ?」

声を聞いて振り返れば、随分と可愛らしいお嬢さんだ。
風紀委員の腕章がまーたオシャレだな。

「とっとと失せろ、公僕の子犬とじゃれ合う趣味はねぇよ」
「俺はこいつらに話があるんだ」

「だよなぁ?」

壁に手をつけてニヤニヤ笑いながらその言葉を放る。
哀れなお二人さんは声を出すこともできねぇってワケ。

「大体なんだよ放課後早々こんなところに来やがって」
「お呼びじゃねぇんだよ、お嬢ちゃんよぉ」

たとえ風紀でもこの体格差、一捻りだ。なんの脅威にもならねぇ。

フィスティア > 「いえ、退きません!」

わたしとしてもなるべく暴力沙汰になったりしていないうちに収めたいのです。
ですから、絶対に何もさせません。

目の前の方は背後の二人が目的のようです。
この二人を逃せれば良いのですが…
私一人では無理そうです、一応増援を呼んでおきましょう。

この前の反省を活かして、オモイカネの通報アプリの使い方をマスターしてきました。
ですので、1操作で呼べます。片手をポケットに入れて、オモイカネで通報します。
直接呼ぶよりは時間がかかりますが、これで風紀委員の方が来てくれる筈です。

「風紀委員として、見過ごすわけにはいきません。
何故彼らに用があるのですか!」

できるだけ時間を稼がなくてはいけません。
負けじと一歩、前に出て近づきます。

スティールバイソン >  
「ここ、リバティストリートの通行料金をいただこうと思ってな」
「財布の中身を要求してただけだよ」

喉を鳴らすように低く笑って。

「別にお嬢ちゃんが払ってくれてもいいんだぜ?」
「お優しい風紀委員サンがよ」

すぐに真顔に戻ると、コツコツと壁を指先で叩く。
硬質な音がするのは異能で指を変質させているからだ。

「失せろ!! てめぇらに構ってると損ばっか膨れ上がるんだよッ!!」

大声で風紀の嬢ちゃんを恫喝。
これで逃げ帰るなら痛い目は見なくて済むんだぜ……?

フィスティア > 「ッ!いえッ!去るのはあなたの方ですっ!!」

少し圧されかけましたが、負けません!
この方には流石に負けますが、声を張り上げて対抗します!
風紀委員として、私として、守り通します!
それに今日という日はいい日で終わらせたいのです。こんなところで負けて帰る訳にはいきません!

「私も彼らも支払う義務はありません!
第一、ここはあなたの土地ではありません!」

更に一歩前に出ます。体格差がある分、こうやって前に出てアピールを!

スティールバイソン >  
「いいや、俺様の土地だね」
「この辺はテルミナスセブンのスティールバイソン…」

「俺様がシメてる場所だからな」

壁を殴りつける。
破片が小さく散って学生どもが震える。

「ショバ代だってタダじゃあねぇんだ!!」
「正しさでメシが食いたいならよ……表で交通整理でもしてなッ!!」

へへへ、これでさすがにビビるだろう。
風紀委員が気圧されてくれりゃこっちとしてもやりやすい。
むしろハクがつくし、いい気分だ。

フィスティア > 拳が当たらない事が分かっていても、背後で大きな音がすれば流石に少し恐ろしいです。
まともに当たれば骨折は免れないでしょう。抜剣すらしていない状態です。
いなす事すらままなりません。
足が震えます。

ですが。

「そうは行きません!あなたの好きにはさせませんよッ!!」

引きません。ここで退けば、後ろの二人はこの恐怖より大きな恐怖に晒されることになります。
私が守らずして、誰が守るんですかッ!

「ショバ代ってなんですか!あなたが勝手に言っているだけですよね!」

本当にショバ代って何でしょう。代金なのはわかりますが。
片足をさらに前へ。顔を下から近づけて。

「テルミナスセブンは知っています!ですが、そんな脅しは効きません!」

正直怖いです。気を抜けば腰が抜けそうです。
ですが、引きません。引けません!

スティールバイソン >  
「ぬ……」

ここで引かないのか!?
そしてガキに見えてこいつの力を俺は知らない。

そして前に女子供と舐めてかかって大敗、泥の中で命乞いした記憶が過ぎる。
くそっ……忘れろ、あんなこと早々起こりゃしねぇよ!!

「なんでそこまでする……」

語勢が落ちながら男子学生どもを指差す。

「あんなの面白半分で落第街に来た半端者だろ!!」
「そんな連中を庇うってのか手前ぇは!!」

「誰もお前に感謝なんかしねぇ……」
「風紀委員なんてイザという時には泣きつかれるクセに普段は顔しかめて後ろ指さされるだけの…」

「厄介者扱いされてんだろうが!!」

フィスティア > 「それでも守るのが風紀委員会です!」

押してきた甲斐があったのでしょうか。
少し勢いが弱まった気がします。

「たとえ不用意な行動が切っ掛けであったとしても関係ありません!
風紀委員会は、守るべき人々を守るのが仕事です!!」

批難されることもあります。
彼らの不用意な行動がこういったトラブルを引き起こす事は否定しません。
ですが、そんなことは関係ないのです。

「そして、あなたの間違った行動を止めるのも仕事です!
あなたがこれ以上誰かを傷つけて、罪を重ねないようにする、それも私の、風紀委員会の役目です!」

これは独自解釈かもしれません。ですが、私はやりますよ。
その為なら、骨折程度なんとも…なんともありません!本当ですよ!!

スティールバイソン >  
「ぐっ………」

テルミナスセブンの名前を知っていて、この態度。
なにか隠し玉の温存戦力があるのか……!?
それとも凄まじい異能を持っていて力任せでは勝てない……!?

「な……何が守るべき人々だ…」
「落第街で粋がってもなぁ……誰もそんなの聞きゃしねぇぜ…」

汗を拭う。
畜生、暑いだけじゃないぜこの汗は。

「俺様が間違ってるだと……!」
「上等だぜ、じゃあ正せるものなら正してみろってんだ」

「てめぇにできるもんならな……」

そう言って風紀の顔色をチラッと見た。
焦りが見えたら押す。
そうじゃないなら引く。

損得勘定はニガテだぜ……!
厄介な状況になったなッ。

フィスティア > 「私は」

むしろ

「やってみせますよ…!」

望む所です。
強がりではあります。ですが、ここで負ける気一切はありません。
引くまで、分かってもらえるまで、伝わるまで!

「聞いてもらえないのなら、聞いてもらえるまで!」

押し続けるだけです!
もう片足を前に出します。
もうすぐくっつきそうです。人肌の熱を感じる気がします。
汗が出そうです。

「私は!言い続けるだけです!」

あなたにも、落第街にも!

スティールバイソン >  
「お前……」

まだ押してくるか。

「そこまで言うんだ!!」
「覚悟はできてんだろうなぁ!!」

ああああああ言っちゃった。
なんでそんなこと言うかなぁ俺。
怖いぞ、知らない相手は怖いぞ!!

半ば破れかぶれになって拳を振り上げた瞬間。

風紀の警笛が響いた。
やべぇ、他の風紀が嗅ぎつけたのか!?

「クソっ……!!」
「てめぇ、覚えてやがれ!!」

ドタドタと足音を立てながら何も取らずに逃げていく。
追加の風紀の数は4名か……ふ、ふふ。

ここはお前らの顔を立ててやるとするか!!

フィスティア > 「出来てます!!」

覚悟は決めていたのですが、いざ拳が振りかざされて、言いすぎたのではないかと思ってしまいました。
目を閉じて衝撃に備えて―――

その時、聞き覚えのある音がして、来ると思っていた衝撃は来なくて。
恐る恐る瞼を開けると…何か言いながらスティールバイソンさんが走って去っていく所でした。

「……」

私の横を二人が通り過ぎてスティールバイソンさんを追って、一人が私に『大丈夫か?』と声をかけてくださいます。
私は、事態はじわじわと把握しながらも、それがどういう意味であるかを受け入れるまでにしばらくかかりました。
しばらく硬直していたと思います。

「…守り、通したんですね」

あまりにも反応がない私の肩を掴もうとしていた風紀委員の方がホッとしたように肩を竦めて。
私は、腰が抜けてその場にぺたんと座り込んでしまいました。

「やった、やりました。やりました!」

前に立っている仲間の顔を見ながらそんなことを叫ぶ私に、「は、はぁ」と不思議そうに首を傾げる仲間。
背後の男子生徒さん達の方を見れば、無事別の仲間に保護してもらっていました。

スティールバイソン >  
追記。
その日は俺様、何をやっても上手くいかない日だった。

フィスティア > その後、無事二人の男子生徒は保護され、他の仲間に指導を受けていました。
今日の事が余程怖かったのでしょうか。素直に聞いて帰って行ったそうです。

一方私はというと、そのまま帰還し、報告を終えたあと、帰宅しました。
そして、興奮のあまり中々寝付くことが出来ませんでした。

この日の出来事は、私の記憶に強く残りました。
此方の世界で私が何かを成し遂げて、誰かを守れたのですから。

ご案内:「落第街大通り」からスティールバイソンさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からフィスティアさんが去りました。