2024/09/26 のログ
魔法少女メニー・レインボー > どやっ!

仮面さん達の悪の心を浄化した後、どや顔するのみ。
勝利のポーズ考えてない。

(魔法少女は勝利した後、立ち去るのみです!)

「彼等はもう悪い事しないと思います! 風紀委員さん、後はお願いします! 行きますよ、メニー・ホープ!」

メニー・ホープの手を引いて、近くのお屋根にジャンプ。そのまま人通りの少ない路地裏に移動。

Dr.イーリス > 変身を解いた。

「ふふ、騒動を止める事ができました。やりました!」

エルピスさんも変身を解くのを待ってハイタッチしようとする。

エルピス・シズメ >    
 つられるように、どやっ!と得意げな顔を見せる。
 魔法少女なのに、小悪魔的な笑み。

 メニ―・レインボー(イーリス)に手を引かれながら去って、後は風紀委員に任せる。

 そうして、別の路地で変身を解く。

「うん。上手く行ったね!いーりす!
 ちゃんとデータも取れたかな……?」
 
 改良や調整、拡張の余地は十分にある。
 同時に、データそのものもそれなりに意味を持つ。
  
「大勢の前で魔法少女になるのはドキドキしたけど……
 ……じゃなくて、イーリスは無事?」
 

Dr.イーリス > 「データ、いっぱい取れました! 今回は凄く上手くいきました! もっとツイン・メニーとして活動すればデータがどんどん集まってきて、調整や改良する点が見えてくるかもですね」

嬉し気に、こくんと頷いてみせる。
魔法少女としてのデータが集まれば、さらにツイン・メニーを進化させられるかもしれない。

「……わ、私も凄くドキドキですよ……! 魔法少女って凄く恥ずかしいのですね……。クラスのみんなには言えないです……」

両手で頬を触りながら、お顔を赤らめてしまっている。
実際にやってみると、魔法少女というのはとても恥じらいがある。

頬を赤らめながらも微笑んで。

「でも……ドキドキしているエルピスさんが凄く愛らしかったので、この恥ずかしさもまた、良いものでしょうか」

そう口にしつつ、エルピスさんの左腕に抱きついた。

エルピス・シズメ >   
「そうだね。このままデータを収集したら……
 ……いろいろ分かる気がする。何といえばいいか分からないけど……。」

 言葉にはし難いものが心に残る。
 術理と理外の合間にあるような、ふしぎなもの。
 異能もまた、その魔法少女の形を補佐するように癒着する。

 魔法少女、メニ―・ホープとして活動するエルピスのデータは、
 魔術的側面から見れば類の少ないもの。イーリスの開発による基幹設計や異能の補佐もあり、
 多くの要素が混ざった不思議なデータとして記録される。
 
「やっぱり可愛い恰好で、みんなの前に出るって……恥ずかしいしドキドキするよね。
 クラスのみんなにも、趣味は内緒にしてたし……でも、うん。
 表現の一つ(自己表現)って考えたら、恥ずかしくても……わるいものじゃないのかも……。」

 抱いている感情を分解は出来ないけれど、受け容れて良いものと思った。

「あくまで、僕の場合だけどね。
 この側面()も、僕の一つだって。
 かわいいも。かっこいいも。どっちも僕。」

 照れたように笑う。
 恥じらいドキドキや緊張はあっても、抑圧していた自己表現。
 それも自分の側面だと、すこしずつ表に出す勇気を覚えていく。

Dr.イーリス > 「メニー・ホープは、中々に興味深いデータ内容となっておりますからね。ツイン・メニーは魔法少女、つまり元来は魔術方面の技術の応用です。エルピスさんでも“まほう”が使えるような設計のつもりではありましたが、メニー・ホープの場合はエルピスさんの異能が魔法少女に癒着するという中々に不思議な事が起きているわけですよ」

実際にエルピスさんがステッキを稼働してみると、多くの要素が混じり合った不思議なデータとして記録されていて、イーリスも驚きを隠せないでいた。

「マリアさんのバトンの残骸である黒い泥を魔法ステッキに作り替えたら良き戦力となると安易に考えてしまいましたが、このような弱点があったなんて……。そ、それでも、私はエルピスさんと一緒なら頑張れます。ふふ、そうですね、ご自分を表現するのはとても良き事だと思います」

そう口にして、ゆったりと微笑んでみせた。

「エルピスさんは、エルピスさんですからね。その通りです、かわいらくして、時にかっこいいのがエルピスさんです。私、あなたの色んな側面、愛していますよ。魔法少女になって、エルピスさんの魅力……もっと知れました」

エルピスさんが抑圧から解かれて、少しずつ抑えられていたものを表に出してくれて嬉しい。
エルピスさんの新たな一面が見れて、もっと好きになってくる。いや、イーリスは既に、エルピスさんの色で染められてしまっている。

「ギフト騒動の黄昏でもあります。魔法少女として、ギフト保持者さんの残党をこうして改心させていけば、異形者がもう誕生しなくなり、ギフターさんは動かざるを得なくなるでしょう。ただでさえ、せっかく誕生した異形者は全員陥落しましたからね」

デート中に少し話した内容。
異形者が全員陥落している事は、エルピスさんに伝えていた。

エルピス・シズメ >   
「うん。……想いを継ぐ異能と変身する能力が不思議な感じにくっついているみたい。
 その上で魔術じゃなくて〝まほう〟で機能してるから……」

 自分のすべてが複雑に絡み合っている。

 故に魔法少女の時は、想いを継ぐ異能は使い辛い。
 既視感による経験と、イーリスと補い合う《とくべつないろ》。
 十全に作用するのはこの二つ。
 後者はステッキの性質としても相性が良い。
 
「色んなものを使うイーリスの発想、僕は好きだよ。
 どんなものでも使い方次第って思えるし……ちょっと恥ずかしいけど、大丈夫。
 ……マリアが洗脳されていた理由も、パフォーマンスの発揮面でもあったのかな。」

 素面で魔法少女を名乗るのは、だいぶ恥ずかしい。
 洗脳はポテンシャルを発揮するためのものとも考えられる。

 それだけではない気もするが、ギフターに才能や深層心理を見抜くものがあり、
 その結果と思惑の上で、『魔法少女』の役割を被せてもおかしくない。

 『魔法少女』は、よく考えるとギフターらしからぬ分野の概念にも思えた。
 新しいもの好きとも考えられなくはないが、最悪を避ける様に深い方で読んでいく。

「えへへ、嬉しいな。イーリス。愛してるイーリスに……ぼくのぜんぶ……好きになって欲しい。
 ううん、すきじゃないところも見せちゃうかもしれないけど、それも僕って……認めてくれたら嬉しい。」

 時には、好きじゃないものもあるかもしれない。
 それも踏まえて、好きと認めてくれたら嬉しいな、と、気持ちを伝える。

「そうだね。動いてもおかしくはない。……出来るだけ、被害が収まると良いんだけど。」

 ギフターの思惑は読み切れないし、多分読み切る頃には事態は進んでいる。
 それでも少しでも備えられるように、と。次を考える。
 
「個人的には……一発位は殴れるといいな。
 ……本体にあの話が届いてないとなると、ちょっと傍迷惑かもだけど、ま、いっか。」
 
 分体との会話では、それなりに辛辣なものと隔意を抱いた。
 故に殴りたいし、殴ってみないと見えてこないものがあると内心で抱いている。
 

Dr.イーリス > 「魔法少女もまた変身、あなたのもう一つの姿にはなりますからね。あなたの想いを継ぐ異能や変身する能力と親和性が高いのでしょう。親和性の高さ故の制限ではあるようですね。私も、魔法少女に変身している間は体内コンピューターから他のメカに指令をくだす通信に制限がかかってしまっていますね」

魔法少女は強力だけど、エルピスさんとイーリス、それぞれ変身している間の制限なども出来てしまってはいた。
イーリスの場合は、つまり言えば魔法少女に変身しながら十全にメカを動かせないという事である。

「ありがとうございます。洗脳される事で、魔法少女の恥ずかしさから解き放たれるという事ですか……夢を見せているわりにはわりと合理的ですね」

実際にこうして魔法少女になってみて凄く思う。
マリアさんは随分堂々と魔法少女をしていた。
多分、恥ずかしがらずに堂々としている魔法少女の方がポテンシャルは発揮しやすいのだろう。

「あなたの全部……見せてください。私は、あなたの全部……好きになっていきます。私の中に、あなたの底知れない恋と愛を注がれて、私はあなたで染め上げられて、あなたの事をずっと考えてしまうようになっていますからね」

頬を染めつつ、目を細めて体を密着させたままエルピスさんを見上げる。
エルピスさんの全てを受け入れる、そんな風にイーリスの心はエルピスさんで染め上げられている。

「ツイン・メニーが仮面さんを押さえつける活動をし続けていれば、被害は自然と収まります。仮面さんの数だって無限ではありません。少しギフトを得る程度だと、無法を働いたところで風紀委員に捕まるか、裏社会で抹殺されるか……学習する人も多いでしょう」

ギフターさんが不良など悪さしそうな人を中心にギフトを渡しているものだから、ギフト保持者さん自体の印象も落ちている事だろうか。
ギフトを得て善行してます、なんて話は驚く程聞かない。

「あなたがギフターさんを殴れるよう、私がサポートします。あなたをギフターさんの元へと辿り着かせるよう頑張ります。分身体のギフターさんとのあの会話でしたら、ご心配ありません。これを使えば、本体のギフターさんにあの時の会話の記憶を植え付けられます」

イーリスが取り出したのは、一枚のデータ保存用のカード。白黒の仮面が描かれている。

「このカードに、あの黒い泥に残留しているギフターさんと私達の会話データを保存しました。あなたの想いを継ぐ異能で、この会話データを本体のギフターさんへと送り込めば、ギフターさんの記憶に直接あの時の出来事を植え込む事が可能でしょう。失敗しても、最悪録音した音声データがあります」

理想は、ギフターさんの記憶に直接あの時の会話の記憶を埋め込んであげる事だろう。
だが失敗しても次善策として音声データを聞かせればいい。ただ聞かせるだけでいいので、失敗はしない。
映像データも残しているけど、わざわざ事務所の内装を知らせるようなデータを見せるより、音声データで十分だろう。

エルピス・シズメ >  
 つまるところ、ギフターのバトンと泥は強い魔力が込められており、
 洗脳下にあったマリアもまた、優れたバトンの担い手であった。

 ……最大火力を見れば、洗脳が解けたに近い状態での魔術が勝る。
 とは言えそれは、積み上げてきた技量と練度とイーリスへの殺意があったからこそ。
 エルピスはそう認識している。

 考えが巡りかけた所で、一度思考を切る。

「……うん。少しずつ、僕のことをみせていきたい。
 もちろん、いーりすの全部もみていきたいな。……たくさん、一緒に歩んで行こう。」

 へにゃりと、嬉しさの混じった紅潮した笑顔。
 底知れぬ恋と自分のすべては、一時だけは表しきれない。

 エルピスもまた、抑えていたものが解き放たれてイーリスに染め上げられてメロメロな状態。
 甘やかし合うように、姿勢を少し落として密着させた身体をさらに抱きしめる。

「そうだね。それに風紀委員も頑張っているみたいだし、
 案外なにもしなくても解決するかもしれないけど……それはそれ、」

 話を仮面とギフターに戻す。
 風紀委員の活躍も含めて、その数は殆ど減っている。
 ただ、大事なイーリスを傷付けられたものとして思うところがある。

「気持ちは嬉しいけど、そこまでしなくてもたぶん……
 きっとあのギフターのことだから、分体が何を言ったかとかは察するよ。
 ……と言いたい所だけど、司法取引の話が出たからそうもいかないのかな。」

 分体が口にした言葉。
 記憶の関連が無くとも、本体にその意志を尋ねるのは必要な作業だろう。
 自分の感情とは別にある、録音データの通りかどうかの事実確認。

「ひとまず、もどろっか。騒ぎも落ち着いていると思うし……
 ……今日は僕が作るよ、何が食べたい?」

 帰宅を提案する。
 赫さんから少しずつ料理を教わって、作れるものも増えてきた。
 その赫さんは、ここしばらく事務所に帰ってきてはいない

魔法少女メニー・レインボー > 「私のこと、見てください……。もう、記憶まで見ていただいて、私の見せられるところどれぐらい残っているか分からないですけどね。過去がただ見ていただいただけですが、あなたに出会ってからの記憶は、あなたと共にあります」

紅潮したまま、にこっと笑う。
イーリスも、姿勢を少し落とすエルピスさんの背中に両手を回して抱きしめ合った。
まだエルピスさんに見せていない部分はそう思いつかないぐらい、エルピスさんには自分を晒してしまっていると思う。
それでも、自分の自我というものはそう単純なものではないので、自分の気づかないエルピスさんに見せていない部分もあるのかもしれない。

「風紀委員によるギフト保持者さんの検挙は増えていますからね。特に異形者である《不死姫》エリザベトさんを無力かして元の依代を取り戻した事と、《逃亡者》弟切夏輝さんを逮捕出来たのは大金星です」

とても優秀な方々が揃っている風紀委員。
ただ、各々が出来ることをやれば解決も早くなるかもしれない。

「必要ないのであれば、分体の記憶を本体に植え付けるプランは控えましょうか。ご自分の分体が何を仰っているか察するというのは、その通りかもしれないですね」

エルピスさんの希望あらば、と念のため用意した記憶データ。
イーリス自身は、分体の記憶を本体に移すべき、という気持ちはあんまりない。

「エルピスさんがお料理つくってくれるのですね! 極上うなぎの蒲焼が食べたいです! 冷蔵庫にあるでしょうか!」

高い食材を所望してしまった。
そうして二人は、仲良く手を繋いで事務所に帰っていく事だろう。

明日以降もちょくちょく魔法少女ツイン・メニーが現れて、白黒の仮面集団の悪の心を浄化して回ったという。

ご案内:「落第街大通り」から魔法少女メニー・ホープさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から魔法少女メニー・レインボーさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に魔法少女メニー・レインボーさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にフィスティアさんが現れました。
フィスティア > とても気になる話を聞きました。

「魔法少女…?!」

落第街で魔法少女が現れたという話です。
それも、二人。しかも片方は風紀委員会の方だというのです。
魔法少女と言えばマリアさんの印象が強かったのですが、マリアさんは最近では話を聞かなくなりました。
どういった事情なのかは分かりませんが、少し心配もしていました。

「関係あるのでしょうか…お話を聞きたいです」

もしかしたら何か知っているかもしれません。
見かけたという風紀委員の方の報告を見る限り、模倣犯と言う訳でも無いようです。
是非一度お話を…

と、言う事で夕方ごろから落第街に来ました。
別にそれだけの理由出来た訳ではないですが、今日の本題はそちらです。
誰か何か知っていないかどうか見かけた人に聞いて回りますが、知っている人はいないようです。
相変わらずある程度は避けられてしまいますしね。

「どこにいるのでしょうか。魔法少女さん」

でも今日は怪我をしている子供やトラブルとは遭遇していません。
それはいい事です。魔法少女探しを続けます。

魔法少女メニー・レインボー > 最近、落第街にて白黒の仮面集団を無力化し街の平和を守る活動をしている魔法少女ツイン・メニー。
今日もまた、白黒の仮面さん達と戦いを繰り広げていた。
ただ、今日はちょっと相方のメニー・ホープと予定が合わず、メニー・レインボー単独での活動。
大通り。理不尽に反逆しているつもりの仮面さん達が暴れて騒ぎを起こしている。建物があちこち壊れたり、怪我人も出ている様子。
そんな騒ぎの現場に、魔法少女が現れる。

魔法少女メニー・レインボー >  
 
       
    
       「天に輝く数ある虹! メニー・レインボー!」
 
 
 
 

魔法少女メニー・レインボー > 魔法少女メニー・レインボーは、仮面さんと対峙した。
右手に持つ魔法のステッキを仮面さん達に向ける。

「そこまでですよ、仮面さん! レインボー・バインド・メニー!!」

仮面さん達が虹の輪っかで拘束され、無力化されていく。
抵抗できなくなった仮面さん。藻掻いても拘束は解けない。

「風紀委員さんが捕縛しにくるまで、大人しくしていてくださいね」

メニー・レインボーは、仮面さん達に微笑んだ。

フィスティア > 一時の平和に勝手に幸福を感じていたのも束の間です。

「何事でしょうか…!」

大通りの方から叫び声や何かの崩れる音が聞こえます。
ただ事ではありません。これは応援を呼んだ方がいいかもしれません。
戦闘となることを覚悟しながら抜剣して駆け出します。

そうして現場へと向かっているうちに、騒ぎ声が鮮明になるにつれて崩れる音が小さくなっていきます。
もしかして決着がついてしまったのでしょうか。

「誰も死んでいないといいのですが…!!」

不穏な気配に嫌な汗を感じながら現場に着くと、そこには

「これ…は…?」

ギフト関係のものでしょうか、白黒の仮面をつけた方々が魔法か何かの輪に拘束されているのです。
そして、その中で1人立っているのは

「魔法少女、さんでしょうか…?」

探していた人かは分かりませんが、魔法少女のような小さな女の子でした。
私よりも頭一つ以上小さいです。学生の子にしては小さすぎる気がします。一体何歳なのでしょうか。

「すみません、状況を聞かせていただけないでしょうか…?」

2人ではなく1人の魔法少女…仮面をつけている方々は仮面から恐らく暴れていた方々だと思われます。
となれば、魔法少女さんが鎮圧したと考える事も出来ます。一応剣は抜いたままにはしますが、下に下ろして敵対の意思が無いように…
お話出来るでしょうか。

魔法少女メニー・レインボー > 仮面さんが暴れちゃった結果、被害に遭った怪我人はいるけど、死人は出さずに済んだ。
その仮面さん達は、無傷で無力化している。

不意に話しかけられて、振り返った。

「ごきげんよう。風紀委員の方ですね」

白髪の少女に、にこっ、と笑みを浮かべる。
少女が腕章をつけている事から、風紀委員と判断。
少女からの問いに頷いた後、ポーズを決める。

「天に輝く数ある虹! メニー・レインボー!」

そうして、状況を聞かれたのでポーズを解いてご説明する。

「『理不尽に反逆を。ギフトを得よ』とか仰っている白黒の仮面さん達がいるではないですか。何かと問題を起こしてしまう人達ですね。その白黒の仮面さん達が大暴れして周囲に迷惑かけていたので、街を守る魔法少女メニー・レインボーとして、仮面さん達に少し大人しくしていただくため、虹の“まほう”で拘束していたのです」

そう口にして微笑んでみせて。

「怪我人もおりますので、応急処置のお手伝いをお願いしてよろしいでしょうか? 幸い、死人はいないようです」

周囲には、仮面さん達に襲われて怪我をして倒れている善良……かどうかはここが落第街なので知り得ないがとりあえず一般市民がぽつぽついる。

フィスティア > 「はい、風紀委員会のフィスティアと申します。
お見知りおきを」

風紀委員会と気付いても怯んだり警戒する様子を見せません。
もしかしてこの方が風紀委員の魔法少女なのでしょうか。

軽く頭を下げて挨拶して、剣を鞘に仕舞ったところで魔法少女さんがポーズを決めます。
演劇などでこういった名乗りは聞いたことがありますが、少しだけびっくりしました。

「はい。存じております。
やっぱり鎮圧をしていただいたのですね。ありがとうございます」

感謝に再び頭を下げてから周囲を見渡します。
…やはり、見た限りでは怪我人こそいても死人は居ないようです。
被害者のみではなく、仮面の方々にもです。なんなら…無傷…?
どうすれば無傷で鎮圧出来るのでしょう。
虹の魔法というもののおかげでしょうか。

「分かりました。
簡単な治癒魔法しか使えませんが、お手伝いさせていただきますね」

応急処置もある程度は心得ています。
至急治療が必要な方は居ないようですし、一先ず周辺で膝を抱えている子供に治癒魔法をかけます。

魔法少女メニー・レインボー > 「フィスティアさんでございますね」

魔法少女は本名を名乗れない。矜持的に。
なので今は、メニー・レインボー。

「私も風紀委員ではありますからね。今はオフですが、臨時の職務という側面もあります」

そう口にして、風紀委員の腕章を取り出し、フィスティアさんに見せる。

「治療魔法が扱えるのですね! 凄く助かります! 私、医療の心得がありますので、応急処置は任せてください。あなたは治療魔法による傷の治癒をお願いしますね」

変身してない状態のイーリスは、医者としての一面がある。
医者としての知識から、瞬時に役割分担。
メニー・レインボーは、包帯やガーゼ、薬品などを取り出して、横たわっている老人の応急処置を始めた。

フィスティア > 「風紀委員の魔法少女さんがいたと聞いてはいましたがエニー―レインボーさんの事だったんですね」

早速出会う事が出来たようです。今日はやはり幸運です。
暴動が切っ掛けとはいえ、死人もいませんしね。

お話を聞きたい所ではありますが、今は先に怪我人の手当てです。

「助かります。私は痛みの緩和と軽傷の治癒ぐらいしか出来ないので」

膝を抱えていた子供は幸いにも軽傷でしたので治癒出来ました。痛みもなくなったようで立ち上がって私とメニーレインボーさんにお辞儀だけして去っていきました。
微笑ましい思いです。
続けて他の方にも魔法をかけていきます。
これだけの被害で済んだのはメニーレインボーさんのお陰でしょう。本当に感謝しかありません。

魔法少女メニー・レインボー > 「その通りです。街の平和は、メニー・レインボーがお守りします!」

両手を腰にもっていき、胸を張った。
そうして、手当てに戻る。

「軽傷の治癒と痛みの緩和だけでも、とても大きいですよ」

老人の応急処置も済み、次は足を痛めている少女の手当て。

「それにしましても、ギフト騒動は中々に鎮圧しません。ギフト保持者の中でも特に強大な力を有する三名の異形者、《魔法少女》マリアさん、《逃亡者》弟切夏輝さん、《不死姫》エリザベトさんが陥落して尚、仮面さん達は元気でございますね」

応急処置をしながら、フィスティアさんにそう声をかけた。

フィスティア > 「ありがとうございます。
応援しています。私にできる事があればいつでも声をかけてください」

同じ風紀委員会ですし、必要であれば連絡は容易でしょうから。
もしかすると名前は秘密かもしれませんが。

「そういっていただけると嬉しいです」

どうしても手の出せない重傷を見ると無力を実感しますから、こういう励ましをいただけると少し心が和らぎます。
また一人応急処置を終えると、その子もお礼をして去っていきます。

「そう…ですね。
やはりギフターさんをどうにかするしか…いえ、それでも…」

異業者と呼ばれる三人はそれぞれ姿を消しました。
それでも仮面の方々は活動を続けています。
ここでギフトを与えているギフターさんを抑えた所で…意味はあるのでしょうか。
多少はあるかもしれませんが、根本的解決に至るとは思えません。

「地道に鎮圧を続ける他無いのでしょうか…」

魔法少女メニー・レインボー > 「心強いです! 魔法少女の活動って、なんだかんだで他の風紀委員さんの助けが必要な事多々あります。怪我人の救助もそうですし、拘束した彼等を連行していただかなければいけなかったり、ですね」

虹の輪っかで拘束されている仮面さんを一瞥した。
元の姿で会っていたなら、名前は名乗れた。とは言え、メニー・レインボーというのは、元の姿から髪型と衣装を変えただけなので、元の姿とお会いした時はすぐメニー・レインボーだとわかるだろう。

「この重傷者さん、鎮痛薬だけでは痛みを抑えきれません。あなたの治療魔法で痛みを抑えてあげてください」

教師と思しき男性。応急処置は済ませたけど、凄く痛がっている。

「根本的には、その通りでしょう。黒幕たるギフターさんを抑えるしかありません。ギフターさんを確保できれば、ギフト保持者さんが増える事もなくなります。そう考えますが、何か思うところがありますか?」

きょとんとフィスティアさんに小首を傾げた。

「地道な鎮圧は大事ながら、同時にそれはギフターさんの手札を潰していく手段でもあります。ギフト保持者さんが暴れまくるものですから、その印象は必然的に悪くなっていきます。ギフト保持者さんも無限にいるわけではありませんよ。風紀委員がちゃんと取り締まり、ギフトを得た程度で力に溺れてもただ捕まるだけ、という事を落第街の力なき不良さん達に伝えていく事が大切です」

フィスティア > 「そういった時は是非風紀委員会を頼ってください」

きっと呼び方は知っているでしょう。

同じ委員会に所属しているのであれば本庁などでも出会えるでしょうか。

「分かりましたっ
大丈夫ですか?今痛みを和らげますね」

痛そうにしている方に声をかけながら治癒魔法をかけます。
私の魔法だけでは和らげることしかできませんが、鎮痛剤を投与済みなのであれば相乗効果でかなり緩和出来る筈です。
私の魔法は体に優しい副作用の少ないものですから飲み合わせのようなものも心配する必要はありません。

「!
そう、ですよね。地道に続けていけば必ず効果はある筈ですよね」

風紀委員として活動しているとこう思う事がよくあります。
私は本当に力になれているのか、この活動に意味はあるのか、と…
ですが、こうして前向きに頑張っている方の言葉を聞くと私もまだまだ頑張ろうという気持ちになります。
そうです、無意味などではありません。

「ギフターさんは目的があると言っていました。
その為にギフトを配って扇動して、異業者を仕立てあげたんだと思います。
ギフターさんは恐らくとてつもない力をお持ちの方です。捕縛は難しいでしょうから…
その目的を挫けないかと思いまして」

あれほど強力なギフトを配り続けられる人が簡単に捕まるとも思えません。
であれば、直接捕縛するよりも理由を無くしてしまう方が現実的でしょうし。捕縛と違って仮面の方々を煽るような事にもならないのではないかと思ったのです。

魔法少女メニー・レインボー > 「そうさせていただきますね。今も、仮面さん達の身柄の護送と重傷者の搬送のため、風紀委員に応援を要請していますね」

応援を要請、という事で普通に本名の方で連絡しているので、隠す気あんまりない行動。
正体隠すよりも、暴徒の捕縛と怪我人の救助の方が大事。

フィスティアさんの治癒魔法により、男性教師の顔色が大分よくなる。
目に見えて、痛みが引いているのが分かるだろう。

「むしろ私達風紀委員が仮面さんを鎮圧し続けているのに、効果がないわけないでしょう。仮面さんも雑草みたいに永遠と生え続けるわけがないですからね。雑草で例えるのはちょっと失礼かもしれませんが……。ともかく、風紀委員が頑張っているのに、このような騒動がいつまでも続くはずがございませんよ」

そう口にして微笑んでみせる。
微塵も無意味に思っていない自信に満ちた言葉。
風紀委員が各々出来る事を精一杯頑張れば、ギフト騒動もきっといずれ終わるだろう。

「私は、ギフターさんの力の一端を目にしていますね。ギフターさんに試練という名の修行をつけていただいた事があります。ギフト騒動が起こる前の話ですね。その試練は、ギフターさんが見せた夢の中で行われました。……夢である事に気づいたのは、試練が終わってからです。底知れない力と、そして私のような弱者を導く先導力を持っています。ギフターさんはいわば、私にとってある種の師匠のような方でした」

ふと、お空を仰いで、フィスティアさんにそのような事を伝えた。

「ギフターさんにただならぬ目的があるのは、そうなのでしょう。その目的が何なのかは、ギフターさんの行動からは中々読み辛いところがありますけどね。ひとまず、新たに異形者が誕生しないように、という意味でも暴徒の仮面さんを取り締まっていく事は大切です。私は、直接ギフターさんを捕まえて目的を聞き出したいとも思っていますけどね。かつて修行をつけてくださった恩師に対する弟子として」

凛とした佇まいでそう口にした。

フィスティア > メニーレインボーさんの前向きな考えは参考にしたいものです。
この島はとても広くて全体が見えなくて不安になってしまうので。

「師匠…そうだったのですね」

不思議な話です。
ギフターさんは風紀委員に修行をつけても得になるような方ではないと思っていました。
現に騒動を起こし敵対的ともいえる行動をとっているのですから。
ですが、メニーレインボーさんは弱者を導く先導力を持つ方、師匠と慕っているような様子です。

弟子として目的を聞き出したいというのも、ただ止めたいというのとは別の想いに感じます。
そのように慕われ、信頼されている方が何故このような事を…

「私の知るギフターさんは…自分の目的の為には人の命など問題ではないといった考え方の人です。
ですが、メニーレインボーさんにとっては違うようです」

あの時の激情が思い出されます。
あれほどの怒りを抱いたのは初めてだったかもしれません。
そして、その感情に流されてギフターさんの事を知った気でいた事に気づきました。

「ギフターさんの目的を知る為にも、ギフターさんについて知りたいです。
もしよければ…ギフターさんについて、どんな方か教えていただけませんか?」

ギフターさんについて知る必要があります。
目的の裏にある意図や、止め方を知る為にも。

魔法少女メニー・レインボー > ギフターさんの試練を受けていた当時のイーリスはまだ風紀委員に所属しておらず、むしろアウトローと呼べる立場だった、というのは時の流れが感じられる。
ともあれ、メニー・レインボーは、今でもギフターさんの事を師だと思っている。ギフターさんから教えられた事、今もとても活かされている。

「人の命など問題ない……そういった事を仰っていたのですか……。ギフターさんが口にする言葉としては、あんまり違和感もないですね……」

ギフターさんがどのような方かを問われたので、メニー・レインボーはこくんと頷いてみせた。

「人情がある方だとは思いますよ。ただ滅びゆく運命だった《魔法少女》マリアさんを救い出したりもしていますし、私を試練で鍛えたのも善意が含まれているでしょう。ギフトを配る行為自体も、微塵も善意が含まれていないわけでもないかもしれません。ただ、マリアさんを救ったと同時に自身の計画に利用してもいるでしょう。ギフトを配っている事も同様です。おそらく、ギフターさんなりの善意と、自身の計画が絡み合っているのだと思いますよ」

メニー・レインボーはギフターさんを捕まえたいと思っていても、怒りはあまり抱いていなかった。
ギフターさんの事を理解したい、その上で答えを出したい。なんだかんだで、ギフターさんを信じたいと思っている。

「一方で、これはギフターさん自身が仰っていた事ですが、ただの善意でギフトを与えるなら、落第街でギフトを悪用するような人達にばら撒く必要がないとの事です。ギフターさんは、ギフトをばら撒く事でこの島が荒れる事を知っていて、扇動しているのは紛れもない事実……」

フィスティア > 「違和感はないのですね…」

やはり、その価値観自体はゆるぎないものなのでしょうか。
そこは残念に思います。私とは相いれない価値観ですから…

「そう、なのですね…マリアさんも…ただ利用していたという訳ではないと…」

人情、善意…正直、そのようなものがあるとは思えませんでした。
ですが、師匠と弟子ほどの間柄であるメニーレインボーさんが言うのであれば、そうなのでしょう。
善意のあり方が人それぞれなのは理解出来ますし。
そこに計画が絡み合えば、一見善意とはかけ離れたように見える…そういう事なのでしょう。
マリアさんを救ったというのも、そういった事情の結果だったのでしょうか。

「人情があって、悪を悪と理解していて、他人よりも計画を優先して…
善意も持ち合わせている…不思議な方ですね」

理解出来ない人と出会う事自体はそれなりに経験してきました。
貴族社会には心の内が読めない人が沢山いましたから。
ギフターさんもそういう方なのでしょうか。だとすれば、私では理解できないかもしれません。
ですが、ここで諦めたくはありません。

「もう一度…ギフターさんとお話をしてみたいですね。
何でも話していただけるとは思いませんが、実際に話してみれば少しは理解できるかもしれません」

顔…は仮面で隠れていますが。
向き合ってお話すれば、きっともっと理解出来ます。