2024/09/28 のログ
■九耀 湧梧 >
性交渉については軽く肩を竦めて見せる黒いコートの男。
「それは別にしなくてもいい。選択肢はお前さんの自由だ。
なしの場合は、代わりに晩飯が肉メインで大盛りになるのと、どうでもいい話相手、それと――」
すい、と、視線が別を向く。
此処からだと、ちょうど異邦人街に接している方角。
「どっちにしても、だが、一晩の宿が妖怪屋敷で、怪現象を我慢出来れば…になるが。
万妖邸、って知ってるか?」
落第街と異邦人街の境界付近に立つ、怪異屋敷で一部では有名なアパート。
代わりにもの凄く家賃が安い事でも一部で有名。
つまり、寝床は其処になる、という事。
「風呂付の部屋だから、そこは心配しなくてもいいのは保証するが。」
■比良坂 冥 >
「……しなくてもいい? …ああ、これが噂の」
パパ活とかいうやつ…。
なるほど、と頷いているが、恐らく男の意図は歪んで伝わっている。
「……いいよ、お肉は…そんなに沢山は食べないかもだけど。
怪現象……?心霊、みたいなの?……それなら、まぁ…」
「……私がいると余計ひどくなるかもだけど、それでいいなら」
壁に寄りかかっていたお尻についた埃をぱんぱん、とはたいて。一歩前に進む。
ズ……──
至って普通の軽やかなはずの動作、が。
妙に重いものを引きずったような印象を与える。
もちろん、そこには何もなく、何もみえはしないが。
「……お風呂も、まぁ…どっちでも」
■九耀 湧梧 >
「何の噂だ何の。」
流石に突っ込む。
「気が咎めたとは言え、若いお嬢ちゃんの夜寝るアテを潰してしまったからな。
ま、そこの所の穴埋めと、ただの酔狂とでも思ってくれ。」
そう言いながら、黒いコートの男もまた一歩。
歩幅を、暗い雰囲気の少女に合わせる形で。
――妙に重い「何か」を引きずったような印象は、まあ今は置いておくことにする。
「地がいいんだから、風呂位はしっかり入っておきな。
後は……そうだな、中に入った時に明らかにおかしいと感じるかも知れないが、
そこらも流して貰えれば、か。」
実際、自分も入った時は驚いた。とんだ外観詐欺だというレベルで。
違法建築を疑いたくなった程である。
「――ま、俺も多忙って程じゃないが、偶に出掛ける以外は基本暇を持て余しているからな。
都合が合う時なら、泊まり先位には貸すぜ。」
行く先がないなら、飯と話相手、それに寝床位は今後も貸す、位の話。
勿論、受け入れるかは少女次第だが。
■比良坂 冥 >
「……色々と」
突っ込みはそんな風に濁された。
黙っていても得はないけど、喋ってもやっぱり得はない。
ずる…ずる、ずる……
普通に歩いている筈の、少女の歩みと影に引き摺られるような異質な感覚。
この若い身空で、重苦しく醜悪な何かを背後に纏わせている…そんな印象。
──言えども、そこに何かが実際に在るわけでもなく、見えるわけでも感じるわけでもない。
「……お風呂…。
……面倒だから、えっちしないなら入らないことのが多いんだけど…」
気怠げに癖の強い髪を手串に解いて。
「……たまにはそういうコトもしないと落ち着かないし、
じゃあ家に誰もいなくて、この辺りで誰も釣れなかったらおじさんのところにいこうかな……」
さらりと口にする。
まぁ、そんな別宅があってもいいか…くらいのノリ。
今住んでいる場所がすでに別宅なのだが…それはそれ。
■九耀 湧梧 >
「……お前さんも、難儀だね。」
事に及ばないと落ち着かない、となると最早依存症である。
随分爛れた生活事情だとは思ったが、指摘した所で誰も得しないのでやめておく。
「それじゃ、本当にどうしようもなくなったらそっちも素直に言え。
ご期待に添えられるかは保証出来ないが、まあ努力はする。」
少しだけ頭痛がするが、不特定多数と爛れた行為に耽るよりかはマシだろうかと。
あまり気にならないというだけで、黒コートの男も女を抱いた事がない訳ではないのである。
「後は……入ってから、道に迷わないように、部屋の名前は憶えて置いてくれ、って所か。」
――その意味は、件のアパートに着いた時に理解できるであろう事。
そんな調子で、そんなに遠くない帰り道を、普段より時間かけて帰る事になるだろう。
ご案内:「落第街大通り」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から九耀 湧梧さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にフィスティアさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に魔法少女メニー・ホープさんが現れました。
■フィスティア > 最近この街に来る事が増えている気がします。
ギフト騒動の鎮圧目的もありますし、私が自信をつけてきたという事もあります。
今日はお昼頃の巡回です。お昼前からお昼過ぎまで…おかげでお腹が空きました。
「そろそろ帰りましょうか」
時間的にも十分でしょう。次の担当者が配備されている頃合いかと思われます。
歓楽街の方はあちらですね。
何も起きないと良いのですが。
■魔法少女メニー・ホープ >
魔法少女、メニー・ホープ。
落第街の空をふよふよ浮いて巡回中。
「今日は平和だねー……。」
姿を見せるだけでも示威になる。
そんな効率的な考えのもと、風に身を任せなが空を飛んで……
ちょうど、フィスティアの真上を通り掛かった。
■フィスティア > この街は何かと薄暗いですが、それでもお昼時はある程度陽も入ります。
なので、
「?」
頭上を通る何かの影…人のような形の影が通った事には気づけました。
特に変な気配は感じませんが…誰かがとんでいるのでしょうか。
そう思って見上げてみると
「魔法少女…?もしかしてもう一人の?」
シルエットだけはメニーレインボーさんと近しいですが、色も背丈も違います。
もしもう一人の魔法少女さんだとすれば、是非お話してみたいです。
「魔法少女さん!」
声をかけてみましょう。
ご迷惑にならないといいのですが。
■魔法少女メニー・ホープ >
「ふぇっ!?」
女の子の様な、高めの男の子のソプラノボイス。
フィスティアが、一度は聞いた事のある声。
丁度真下に差し掛かった辺りで、声の主に気付く。
「あっ、ええと……その………これは……」
気づかれているかどうか。
知らないふりをするなら、何と声をかけるべきか。
色んな思考と混乱で、フィスティアの上空であたふたりしている。
■フィスティア > 「?」
魔法少女さんのようです。
ですが何かを気にしているようです。どうしたのでしょうか?
それと、聞き覚えのある声です。
つい最近聞いたばかりです。ですが、ここから名前を呼んでしまうと困るでしょうから。
「メニーレインボーさんのお仲間さんでしょうかー?
少しお話したくてー!」
聞こえそうなぐらいの声量で尋ねます。
近づいてきてもらえれば、シズメさんかどうかも聞けますから。
あとスカートの中が見えています。恥ずかしいかもしれませんから指摘はしませんが、見られて嬉しい物でもないでしょう。
■魔法少女メニー・ホープ >
「あ、うん。いまいくねっ!」
とりあえずバレてないので安堵。
軽やかな軌跡で舞い降りる姿は、アニメに出てくる魔法少女。
青の衣装に、栗色のツインテール。魔法のステッキ。
「こんにちは。
えっと、ぼくとお話……?」
こてん、と、小首をかしげる。
身長が大きくなってすごく魔法少女然としてるが、エルピス・シズメの面影ある。
■フィスティア > 「ありがとうございます」
断られたりしなくて良かったです。
降りて来るのを待ってから、お辞儀して名乗ります
「こんにちは。風紀委員会のフィスティアと申します。
魔法少女が現れたと聞いてお二方に興味を持ちまして…」
柔らかい表情を心がけます。
それと、別人だった時の為に名乗っておくのは忘れません。
そして、ゆっくりと歩み寄って、小声でも聞こえる距離で。
「違ったら申し訳ないのですが…シズメさん…ですよね?」
同一人物かと言われると少々微妙ですが、面影はあります。
やはりシズメさんな気がします。
■魔法少女メニー・ホープ >
「うん。正義の魔法少女ツイン・メニー!」
「魔法少女メニー・ホープ、だよ!」
びしっ、と、決めポーズ。
どこからともなく光が出て、風が吹いた。
「うん。フィスティアさん。
……興味? 気になることがあるとこたえるけど……」
耳元でささやくような小で名前を告げられれば────。
■魔法少女メニー・ホープ >
「……きゅい!?」
■魔法少女メニー・ホープ >
素っ頓狂な声をあげ、茹で蛸のように顔を真っ赤にして俯いた。
「う、うん……学園のみんなにもナイショにしてね……。」
とてもとても恥ずかしそうに、自分のスカートを抑えた。
■フィスティア > 「す、すみません」
近すぎたのでしょうか。驚いたようで小動物のような声を出していますね…
申し訳ないです。気をつけないといけません。
ですが、正解だったようです。人違いじゃなくてよかったです。
「分かりました。勿論秘密にします。
先日、メニーレインボーさんにも出会った時にそうかな、と思ってはいたんです」
スカートを抑えて恥ずかしそうにしているシズメさんが可愛く思えます。
男性ですもんね。スカートは慣れないでしょう。
「それで、お聞きしたい事なのですが…メニーホープさんはマリアさんについて何かご存じではないでしょうか?」
先日聞きそびれてしまった事を聞きましょう。
と言っても、マリアさんを鎮圧したのはイーリスさんとシズメさんだというようなことは仰っていた気がしますが。
■魔法少女メニー・ホープ >
動物で例えるとりす。
そんな魔法少女メニー・ホープもとい魔法少年エルピス君。
いまはまだまだ、魔法少女。
「う、うん……」
慣れていない訳ではないが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
人前に見せることはあんまりなくて、イーリスとナナと赫の3人で、4人ぐらい。
「元魔法少女のマリアは……僕も、ほとんど知らない。
全部を諦めたような人間だったから、たぶんどうにもできないと思う。
ギフターが一際強い執着を見せていたけど、その理由も分からない。」
困り顔で唸る。
こうしてみるとやっぱり女の子度合いが高いエルピス君。
「色んなアプローチは、試しているんだけれどね。
分からないことぐらいしか、わからないかも。」
■フィスティア > 「そう、なのですね」
諦めた、どうにもできない…
先のない表現に少し悲しい思いはありますが、続く言葉でずっと抱いていた不安は払拭できました。
「生きては…いるのでしょうか?」
今もアプローチをしているという事は、まだ命を落としたわけではないという事なのでしょうか。
それならば、まだ何らかの挽回が出来る可能性はあるでしょう。あって欲しいです。
それと、場違いな感想かもしれませんが、シズメさんに魔法少女の衣装…随分と似合っています。
■魔法少女メニー・ホープ >
「僕の主観だから、風紀委員さんが強く取り調べしたら変わるかも。」
少なくとも、心を開かせることはできない。
共感を示すように、小さくかぶりを振った。
「風紀委員で確保されていると思う。
お話が済んだって言っていたから、情報共有はしたと思うけれど……。」
情報が交錯しているのかな、と、ちょっと不安そうな思案。
イーリスの手引きで風紀委員に連行されて、一息ついたぐらいしか聞いていない。
エルピスは委員ではないので、認識が曖昧。
「……フィスティアさん?」
じろじろみられているような気がして、ちょっと恥ずかしい。
……イーリスのデザインや衣装に因る所も大きいが、不思議と馴染んでる。
まるで、エルピスと魔法少女の在り方が癒着しているような、ふしぎな混ざり具合。
■フィスティア > 「分かりました。教えていただきありがとうございます」
マリアさんが確保されたことは知っていますが、その後についてはそこまで知りません。
管轄が違いますし、これといった情報もありません。
実際に確保した方の話を聞きたかったという事もあります。
続きは…また情報が入るのを待つしか無さそうです。
良い方向に向かえばよいのですが。
「いえ、魔法少女の衣装が似合ってるなと思いまして…
失礼ながら、男性の方にはこういった衣装は似合わないと思っておりましたので…」
私の周りの男性と言えば、貴族の方や騎士の方ばかりでした。
彼らにシズメさんと同じ衣装を着せたら…なんというか、似合わないでしょう。
ですが、シズメさんには随分と似合っています。
「素敵な衣装ですね。彼女が作られたのですか?」
■魔法少女メニー・ホープ >
「たぶん、わるいようにはならないよ。」
こくんと頷いて、マリアそのものは任せる構え。
振り下ろす拳の先はそこではないので、彼方に流す。
「ふぁ……ぇ、えっと……ありがとう……?
基幹と大まかな設計はイーリスだけど……
杖の機構が僕にあわせてくれる所もあるのかも。」
受け取り方に悩みながらも、褒められていると判断しておじぎをひとつ。
「たとえば……ホープ・スペード・メニ―!」
そのまま、試してみるように蒼白の剣をエネルギーの剣を出す。
悪を祓い、敵愾心を削ぐ剣。
エルピスは、その様に見ている。
「メニ―・ホープの剣は、〝まほう〟によってこころを祓って斬る剣、みたい。」
■フィスティア > 「凄いですね…こんなすごい物も…」
シズメさんのお家を改造したのがイーリスさんだという事は聞いていましたが、こんな衣装まで作れるとは思いませんでした。
「魔法の剣…でしょうか。心を切る剣…悪意を挫くということでしょうか?
不思議ですね」
一体どういう仕組みなのでしょうか。
私は全く知らないものです。私の親友も発明やモノづくりは得意ですが、それとはまた違った分野な気がします。
何にしろ凄い技術です。
「ところで…お二人は何故魔法少女として活動されているのですか?
やっぱりギフトの件でしょうか?」
気になっていた事です。
■魔法少女メニー・ホープ >
「うん。……あの子メニ―・レインボーの科学力と発想力は、常世学園でもかなり高いと思う。
技術者や医者としてもすごいけれど、それ以上に発明力も開発力もすごくて……。」
惚気が混じって口元が緩むけど、ほどほどに。
思い返せば、いろんなものをあの子イーリスから受け取っている、
その事実をかみしめる。
「そんな感じ。……だと思う。
理屈で考えすぎるとあんまりよくない気がしているから、感情のままに使っているんだ。
僕の異能や魔力の質も、多少影響していると思う。」
魔法の蒼白の剣を仕舞い、ステッキを持ち直してくるりと回る。
無意志的にポーズを取っているらしく、気付いていない。
「結果的には、そうなるのかも。
ステッキを作るのは、イーリスが切っ掛けかな。」
「絵本やアニメから飛び出た魔法少女は、正義の方が良いからねっ!」
ウィンク一つ。
どちらかと言えば、こっちがいい。
打算を抜いた大本の気持ちは、そこにある。
「あ、ごめん。今のはちょっとやりすぎた……じゃなくて。
僕としては、……ギフターの反応と、イーリスへの評価かな。
ギフターの行動と動機と評価軸が少しでも、分かると良いんだけど……。」
魔法少女が好きってことはないだろう。
強さや弱さそのものは評価軸にしていないだろう。
新しい発明や発想は好むかもしれない。
それらすべてが、目的を覆い隠すためのミスディレクションかもしれない。
「僕としてはそんな感じ。
……あと、ムカつくこと言われたからちょっとリベンジ。」
頬をぷくーと、膨らます。
■フィスティア > 「そうなんですか?確かにそのステッキを見る限りその通りにも思えますね…」
この剣のようなものを見たことがない、とまではいきません。
ですが、技術としては初めて見たかもしれません。
再現不能な異能と、再現できる技術では大きな差があるという事は私にも分かります。
先日も怪我人の手当や治療を行っていましたし…底が見えない方です。
それにしても、シズメさんはイーリスさんが本当に好きなのですね。
素敵な事です。
「勝手なイメージかもしれませんが、理屈で考えるより思うままに使った方がよく切れそうです」
可愛らしいポーズですね。
笑みがこぼれます。
「正義の魔法少女、素敵です」
本心です。可愛くて強くてかっこいい正義の味方…少し憧れますね。
ポーズや衣装は私には似合わないでしょうが、それでも少し真似してみたい思いがあります。
「ギフターさんの価値観は…よく分かりません。
現状では言い表せるものではないかなと思っています。
ですから、今度お話の機会をいただこうと思っています」
だから今度お話をしたいと思っています。
シズメさんも同じ思いのようです。出来ることなら協力していきたいですね。
「教えていただきありがとうございます。リベンジ…頑張ってください」
やりすぎないようにはして欲しいですが。それを止める気も権利もありません。
お手伝いは出来ないかもしれませんが、邪魔もしません。
■魔法少女メニー・ホープ >
「そうなのかも。
今はまだ振り回しているだけで、使いこなせてない気もするし……」
ステッキを見てううんと唸る。
当然かどうかはともかく、ステッキは喋らない。
「ぁ、ありがとう。本来、正義ってむずかしいものだけど……
……ツイン・メニ―や、エルピスで在る時ぐらいは素直な正義でいたいから。」
反射的にしてしまった仕草に、照れる。
薄く微笑む。
正義のワードを使うことに、それなりの覚悟があるらしい。
「リベンジと言っても、お茶会に同席して少し話すだけ。
言葉だけで止まる矜持と計画だけじゃないのは確かだから、
……肩の力を抜いて、のそんでみることにするよ。」
暴力に身を任せたい気もするが、そうはならない可能性が高い。
今度はしっかり話し、機が合えば仕返しに一発殴る。
自分の感情で片付けるには、大きな問題。
「ところでその……本当に変じゃない?
こういう姿……あまりひとにみせたことがなくて……。」
ごにょごにょ。
元々、かわいいものや服は好きらしい。そう言う趣味があるのかも。
■フィスティア > 「扱いが難しい力なんですね」
感情を切るというのは、何となくですが難しそうな響きでもあります。
同じ力を私が持ったとしても、使いこなせる自信は全くありません。
「素敵な考えだと思います。正義は人それぞれですから、せめてシズメさんの正義を貫ければよいと思います。
私も貫くので、お互い頑張りましょう」
私も私の正義を貫けるよう、頑張りますから。
「そうですね…ギフターさんに力で対抗するのはあまり得策ではない気もします。
私は戦う事すら出来ませんでしたから」
以前お話した時、剣を抜いた途端逃げられてしまった事を思い出します。
次は気をつけないといけません。
「はい、とっても似合ってます。可愛いですよ、素敵です」
本当に似合っています。
男性の方に言ってよい言葉ではないかもしれませんが、本当に女の子のようです。
人に見せた事がない、というのはこっそり着ているという事でしょうか。考えすぎかもしれません。
■魔法少女メニー・ホープ >
「〝まほう〟の力を使うのは僕も初めてで……
作ってくれたこの杖の技術も、魔術と科学の合わせ技で……
……そこに僕の異能も癒着してるから、僕にとってはちょっとだけ大変。」
エルピス・シズメが持つ、全部の素養を使って成り立つ魔法少女メニ―・ホープ。
味方を変えると、全身を余す常なく使う有酸素運動のフルコース。
エルピス・シズメの才能や素養を引き出すには奇しくもうってつけの道具。
「そうだね。……僕が数少ない頼れるレイチェル先輩も、
自分が選んだ道を正解にする為の努力を、って言ってたな。」
自分の道を、改めて口にして気を引き締める。
見失いかけたものを、手繰り寄せた。
「……僕は、択んだものが正しく在れるように努力する。
正しいじゃなくて。正しく在れるように。したい。
フィスティアの努力も、応援したいな。頑張ってね、フィスティア。」
指で青いスペードを描いて、フィスティアに向けて飛ばす。
演出以外に意味のない、綺麗な感謝の〝まほう〟。
「……あ、ありがとう……ぅん……。」
顔を赤くしながら俯いて、お礼の言葉。
青いスペードのマークは健在なあたり、自信にはなっていそう。
「じゃあ、そろそろ僕は帰るね。
フィスティアも風紀のお仕事、頑張ってね。応援してるし……
……僕の出来ることなら手伝う……あ、これ。折角だから連絡先。」
スマートフォンを取り出し、連絡を交換したそうな構え。
「連絡先、交換しよ?」
■フィスティア > 「凄い技術ですね。
…さっきから私凄いしか言ってませんね。本当に分からない事ばっかりで…」
シズメさんの異能は知りませんが、そこにも絡んでいるだなんてすごいです。
一体どういう技術なのでしょうか?知った所でどうとも出来ませんが、それでも気になります。
「自分の正義を正解にする、ですか…」
正直、私とはあまり相いれない考え方かもしれません。
正義に正解はありません。正義の押し付け合いの結果生まれるのは正解と不正解であってはならないと思うのです。
甘い考え方かもしれませんが、私は誰かが不正解を負うような事はあって欲しくありません。
「ありがとうございます。私もシズメさんを応援しています」
青いスペードの魔法。綺麗ですね。
正解と不正解は無いと思いますが、それでも自分の中でぐらい自分の正義を正しいと思える気持ちは必要だと思います。
お互いそう思えるようにありたいものです。
照れているシズメさんも可愛らしいです。
「はい、お話聞いていただきありがとうございます。
お気持ちもとても嬉しいです」
イーリスさんが男らしくてかっこいいと仰っていました。
今は女の子のようですが、それでも意志の強い方なのは分かりました。
頼りになる方なのは間違いありません。いざという時は頼らせていただくかもしれません。
「是非交換しましょう。
私の連絡先はこちらです」
願ったりかなったりです。私も端末を取り出して、私のIDとQRを見せます。
これで交換出来るでしょう。
「また会えてうれしかったです。次もまた会いましょう」
意外と早い再会でしたが、とても嬉しかったです。
笑顔で次を願います。
■魔法少女メニー・ホープ >
「少なくとも聞いてくれてるってことだから僕は嬉しいけど……」
一方的にしゃべりすぎてしまったかな、と、自省気味。
「うん。厳密には正義って言うより、道と教の話になるというか……ぁ。」
隔意が感じ取ったのか、慌てて補足を入れる。
喋れば喋る度に空回りする焦り。
ことばのつかいかた一つですれ違う。
「僕が話したいのは、正義の前提が一つではないということ。
正義は絶対的な答えを持つものではなく、個々の信条や主義、組織や文化に帰属するんだ。」
隔意が感じ取ったのか、慌てて補足を入れる。
喋れば喋る度に空回りする焦り。
ことばのつかいかた一つですれ違う。
「だから、自分の正義を押し通すのではなく、いろんな正義は、できれば肯定していきたい。
矛盾するとは限らないくて、
何より……正義を押し付け合って万人に万人を監視して闘争に陥る状態は僕もいや。」
「それの否定で、僕が大事なのは……自分が僕の択ぶものを体現し続けることであって、
そのために懸命に生きること、と言うか……」
空回りしている自覚はある。
でも、なんだかとても誤解されたくないことの
(……正義の話をする時は、よくよく考えた方が良いね……。)
再三自省。
少なくとも正義の魔法少女メニー・ホープの正義は、
綺麗や夢のあるもので、わかりやすいものとして体現したい。
「これでも、魔法少女じゃなくてもちゃんと戦えるからね。
……うんっ、連絡先交換完了。ありがとね!」
にこっと微笑んで、さっきの色々を誤魔化して流しに掛かる。
最終的にはパッションがだいじ。
「うん。また会おうね、フィスティア。」
■フィスティア > 「私もなるべく多くの正義を肯定したいです。
矛盾した正義が共存出来ないとは限りませんし、どちらかの正義が悪や不正解となってしまう状況は嫌です」
正義と正義がぶつかると、どちらかが悪となります。
そういったものは歴史には多くありましたし、歴史に残らない些細な事ですら多く見てきました。
難しい事を言っているのは理解しています。矛盾する正義の片方を切り捨てる方が結果的に簡単だという事は分かります。
「せめて自分で択んだものぐらいは貫きたいですからね。
自分で自分を曲げることがないようにしたいものです」
仕方なく曲げざるを得ない事はあるかもしれません。
それでも、自分が自分を曲げる事だけは無いように生きていきたいです。
自分の信じた正義を最後まで…
私の正義、考え方が周囲に受け入れられるかと言われると…微妙です。
それでも、私の正義が、考え方が誰かに要らない苦しみを強いることは無いと私は信じています。
「はい。何かあればいつでも連絡してきてください!」
気まずいまま別れたくはないですよね。笑顔で。
「はい、是非また。
それでは――」
グー
…お腹が…
「す、すみません…お昼ご飯、まだ食べていなくて…
そ、それではまた会いましょう。さようなら、シズメさん!」
顔が少し熱いです。
お腹に手を当てて、変な笑顔のまま歩いて去ります。
お昼ご飯、食べに行かないと…!
ご案内:「落第街大通り」から魔法少女メニー・ホープさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からフィスティアさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に女郎花さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」から女郎花さんが去りました。
■エルピス・シズメ >
一方その頃。
特に理由もなくふらついて、ホットドックを食べる。
衛生状態は悪いが、味は良いし出所も安全。
「涼しくなってきたと思ったけど……またちょっと暑くなってきたのかな。」
■エルピス・シズメ >
状況は落ち着いている。
嵐の前の静けさかもしれないし、気に留めるべき噂を耳にすることもある。
「もう、10月なんだ。
……大変だったことと楽しかったことで、あっというま。」
少なくとも、仮面の集団は表裏から意趣を込めて削いでいる。
気分も平衡を保っている。空回りやダメージをそのままに認識出来る程度には、
正気と言えると思う。
瓦礫の上に寝転がって、月を視る。
■エルピス・シズメ >
「……」
学生生活を振り返る。
秋ごろからイーリスをなんとか正規学生に押し上げることに成功して、
その頃から日常の中にイーリスが混ざる。とてもしあわせなこと。
友達に揶揄われたりもしたけど、それでも楽しい。ただ。
「こっちで過ごすのが、日常になったね。」
■エルピス・シズメ >
とても楽しいし、好い事の方が多い。
……命を賭けることもたくさんあった。
……平穏を守るために、何度も何度も四肢が飛ぶ光景を見た。
……血の海や人だまりも。いっぱいみた。
座学で学んだ普遍的な正義なんて通用しないことも、改めて知った。
故エルピスの記憶を継いだ中にも、それは沢山ある。
「僕は、幸せ……。」
困難はあったけど、幸せだ、と胸を張って言える。
ただ、他人から自分を見た時に、どう見えるかは分からない。
■エルピス・シズメ >
……あのだいすきなイーリスが想ってくれる。
それで不幸な筈がない。
だから、それで全部片づけてしまうのは一旦我慢する。
素敵な伴侶やパートナーが傍らに居る、ぐらいに理性で留める。
だとしても、過酷な旅路には違いない。
幸せだと思えるようになるために『沢山頑張らないと』いけない。
「少なくとも……みんなにとっての幸福の形は色々だけど……
この幸せは……いっぱい頑張って、色んな人に助けられて、ようやくもぎ取れる幸せ。」
落第街で快適に暮らす。
同居人や知己と暮らす。
時間を超えるような不思議な体験をいっぱいする。
過酷な血と暴力の現実の落第街に適応する。
「……たいへん、だよね。
でも、頑張ったよね。みんな。」
■エルピス・シズメ >
……暫くの間。空を見ながら思索に耽る。
人が声か獲物をかけるまでは、そのままか。
■エルピス・シズメ >
もしも、もしもの話。
イーリスが正規生徒の借り受けて、
それを契機に一般学生としてクラス。
陽の当たる世界で一般人として過ごし、普通の。
……たぶん、僕はまあまあ幸せだと思う。ただ……
「いーりすのしあわせは、違うよね。」
そんなイーリスが幸せじゃないことぐらい、すぐにわかる。
もしもを考えることをやめて、再び空を見る。
「オリオン座の向こう、銀河の果てには、届かないもん。」
■エルピス・シズメ >
「ただしさ……しんじるみち。」
少し前に話した少女、フィスティア。
ほんの少し、ことばの伝え方を間違えて、隔意を抱かせかけた。
自分のことばは、どのように響いているのだろう。
異能による外付けの経験があるからこそ、未熟さがのしかかる。
学び続けようとする理性は、振り返るに良い機会と告げる。
「ことば、こころ……」
エルピスの履修分野は現代文、異能心理医学、哲学、神秘学、倫理学など、
人間の内面や神秘、理性や感情に紐づいた分野が多い。それ以外の文や適切に取っている。
なんとなく、そういうものを好んだと思っていた。
……今思えば、異能を理解するための指向性だったのかもしれない。
■エルピス・シズメ >
「そう言えば……ふつうの14歳って、どんな感じなんだろう。」
後悔はない。だけど、理解が出来なくなりつつあるもの。
本心とはまた違った、沈潜した思考が引き出したネガティブな感情。
理解したいような、怖いような。深く考えないことにした。
それでも、また別の幸せの形であることだけは、おぼろげながら理解する。
いろんな正義があるように、色んな幸福があるのだと。
■エルピス・シズメ > 「ん……。」
眠気が襲ってきた。寝転がる。
緊張を解き、ただ目を閉じる。
出来るだけ楽な姿勢にして、呼吸を緩やかにする。
地面の土砂のくすぐったさを我慢して、周囲に溶け込む様に力を抜く。
周囲に溶け込む様に、気配を薄める。
リラックス兼、気配の抜き方修練。
思考の海に沈んだ時の、泳ぎ方。
■エルピス・シズメ >
そうしてうっかり気配を薄めたまま寝てしまい、
眼を覚ましたのは暫く後の事だったとか。
ご案内:「落第街大通り」からエルピス・シズメさんが去りました。