2024/10/02 のログ
ご案内:「落第街大通り」にギフタ―さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にフィスティアさんが現れました。
ギフタ― >  
重大な裏切り行為から明けて翌日
今日は昨日とは別件とは言え昨日のショックからまだ立ち直れていない

改めて入念に準備を重ねたギフタ―は
カフェテラス『大椛』にてガトーショコラを食べていた

「うーむ……美味し。
やはりその道のプロが作った物は別物であるな、私も邁進せねば。」

是非レシピを教えてほしいと思いながら昨日の夕食に食べた
自作ガトーショコラと比較する

割と良い線はいっていたのにと悔しさを糧に今日も成長を続けるのだ

フィスティア > 今日は…ギフターさんとお会いする約束の日です。
指定の場所は落第街のカフェテラス。
元々そのつもりはないですが、剣を交える事が難しい場所です。

「その方が対話に集中出来る…でしょうか」

先日は切っ先を向けてしまいましたので警戒されていないとよいのですが。
今日の目的はあくまでも理解の為の対話です。
先日のような事は無いようにしなくては…

「『大椛』…こちらですね」

店員さんに待ち合わせと伝え、ギフターさんを探します。
すぐに見つかりました。席の付近まで近寄ります。

「お待たせいたしました…お久しぶりです。ギフターさん。」

約束の時間よりは早く来ました。
その仮面を見ると…心に棘が刺さったような気持ちになります。
挨拶が済めば着席するでしょう。
今日は風紀委員会の腕章はつけてきていません。

メニューは…適当なドリンクでも頼みましょうか。

ギフタ― >  
「お久しぶりであるな少女よ!元気そうで何よりである!」

待ち人来たれり、一先ず席に座るよう促す
席に座らないと昨日の裏切りが頭をよぎって他人が家に来た時のチワワ並みの警戒心になってしまいかねない!

と、すんなりと座ってくれた上に憎き風紀委員の腕章も無し

ラブラドルレトリバーの様に大らかな心で笑みを浮かべる

「お勧めの菓子はガトーショコラであるぞ。
さて、折角こうして会って話したいと言ってくれたので改めてレディの名前を教えてほしいである。

私に関しては改めて自己紹介は不要であろう?」

珈琲を味わいながら上機嫌に語る

フィスティア > 元気、な訳がありません。
先日のあの発言…今になっても到底許容できるものではありませんから。
そんな発言をした方と対面する時点で私の心境はすり減っています。
自分が望んだ対面ですので、自業自得ではある反面…その感情を拭いきる事は出来ません。

「自己紹介が遅れました。
フィスティアと申します。
…お見知りおきを」

座っていますが、軽く頭を下げて名乗ります。
ギフターさんはどうしてこう飄々とされているのでしょう。
余裕の表れでしょうか…
店員さんにはガトーショコラをお願いします。

「本日は会っていただきありがとうございます。
…先日私はギフターさんに剣を向けたのに、どうして応じてくださったんですか?」

私が同じ立場で同じことをされれば、二度と会いたくないと思うはずです。
理解出来ないのですから…聞くべきでしょう。

ギフタ― >  
正気度を擦り減らしながら自分と話をする少女
身体は元気そうなのに顔が暗い

いつから私は存在するだけで少年少女の元気を搾り取る妖怪になったのか…
悲しい、けれど涙は流さない
昨日の品切れから再入荷されていないのだから

「うむ、ではフィスティア嬢どうぞよろしく。

イーリス嬢経由で会いたいと言われた事、であるな。
どういう経緯かは知らんが運命でもう一度私に繋がったのなら会ってみても面白いかと思ったのである。
剣を一度向けた上で会いたい、話をしたいと美少女に言われれば男として断るわけにはいかないである。」

まぁ、今後はイーリス嬢に関して呼ばれても出ていくわけにはいかなくなったのだがこれは黙っておく
思い出すと悲しいし、恥ずかしいのだ

「さて、改めてフィスティア嬢。
今日はどういった用件でこのギフタ―を呼んでみたのか聞かせてもらえるであるか?」

フィスティア > 「お弟子さんの頼みで、という事ででしょうか…」

やっぱり、イーリスさんには相応の感情を持たれているのでしょうか。
それとも、興味…運命…
深い意味ではなく、その通りの意味なのか…隠された意図があるのでしょうか。
ですが、あれほどのギフトをいくつも配っている方です。力があれば余裕もあります。
余裕があれば、享楽に興じる事も…



「はい。ギフターさんをお呼びしたのは、ギフターさんについて知りたいと思ったからです」

ギフト騒動を止める為にも。

「イーリスさんからギフターさんがどのような方かを少しお聞きしました。
ですが、聞くだけではギフターさんがどのような方か分からないと思いました。
ですので、直接お会いしたいと思ったんです」

「…魔法少女マリアさんを助けたり、イーリスさんに試練を与えたりされているとお聞きしました。
ですが、私の思うギフターさんとその行動はかけ離れているように思ったんです。
よろしければ、意図をお聞きしたいのです」

目的の為、と言われてしまえばおしまいですが…
どういった答えが返ってくるのでしょうか。

ギフタ― >  
「重要なのはそこではないである。
他人を経由して私に繋がる、普通はそうそうあり得ない事であろう?

そこに運命を感じた、ただそれだけである。
因みにイーリス嬢は重大な裏切り行為をしたので弟子と言えるほどの関係では無くなったのである。」

昨日食べたチンしたガトーショコラの味は忘れられない
涙と僅かに残っていた後頭部の痛みの味

これが敗北の味なのかと初体験が出来たのは面白く感じたのだが

「私の事であるか。
マリアとイーリス嬢に手を貸した意図……

簡単である。
力を彼女達が心の底から望んでいたからである。」

ギフトを配った相手もそう
異業者達もそう

心底それを望んでいたから与えたのだ

「逆に言えば望まれなければ、本心ではなく理性で私に力を求めていたのならそこまで手は貸さなかったであるな。」

フィスティア > 「そうなのですか?!
イーリスさんは御無事なのでしょうか…!」

初耳です。重大な裏切り行為…一体何が…
それよりも、イーリスさんの身の安全です。
ギフターさんが手を出すような印象はありませんが、信頼は出来ません。
後で連絡を取らなければ…!

「望んでいたから…ですか?」

心の底から、力を?
その行為がギフターさんにとってどのようなメリットが…

「…もしかして、他の異業者の方やギフトを受け取った方々にも同じ理由で与えられたのでしょうか?
打算ではなく、心から力を欲した方に…与えている、という事でしょうか…?」

もしそうなら、ギフト騒動を起こした目的に通ずる所があるかもしれません。
望んだ者に力を与えたとして、一体どうなるのかは分かりませんが…

ギフタ― >  
「恋人の少年を抱えて帰る位には元気だったので大丈夫である。
被害で言えば裏切られた私の心の傷である…あと数日は引きずってしまうであるな……」

物理的被害で言えば後頭部への著しい痛みもあった
それも今朝には治まっていたのでやはり心の傷が大きい

今日の待ち合わせもとても怖かったのだ

「そう、望んでいたからである。
うむ。大きな基準はそこであるな、流石に私を害したいと望んでる相手にまでは渡しはしないが概ねその通りである。」

そこまで言って、ふとこちらも質問を投げる

「昨日の2人もそうであったが、私が何をしたいかがそこまで気になるであるか?」

フィスティア > 「そうですか…」

命を落とす様な事態にはなっていないようで安心しました。
事前に連絡をとっておくべきだったかもしれません…
恋人の少年は…シズメさんの事でしょう。イーリスさんの魔法少女の魔法二人分をもってしても…敵わない相手…
やはりギフターさんは強大な力を持っているようです。

ギフターさんは元気そうなので心配の必要は無いでしょう。

「望めば誰でも、という訳ではないのですね」

それでも、敵対していなければギフトを与える。
分かるようで、分かりません。ギフトを受け取った方のすべてが味方という訳でもないでしょうし、後から離反することだってある筈です。
何か制御機構などあるのでしょうか。

「…当然です。
ギフターさんがギフトを配った理由が分からない限り、どうしようもありません。
それに…このままではギフターさんを倒す事でしか事態の収束は出来ません。
…私はそれ望みませんから…そうではない手段を模索したいのです」

嘘偽りない本心です。
ギフターさんを倒し、捕縛する。風紀委員会としてはその方がいいのでしょうが…相応の理由がないとも限りません。
もっと別の方法でこの事態を収束させたいと思う気持ちはまだ残っています。
…理由次第では、捕縛するしかないと思うかもしれませんが…

ギフタ― >  
「そうである、あの2人はやる事がえげつないので怖いである。
望む相手誰彼構わず、が理想ではあるが人ほど思考が多岐に渡る生き物ではそれも難しいのである。」

本来は何の分け隔ても無く与えたい所ではあるが、そうもいかない
ある程度で線引きする事は本意ではない物のそうしなければならない理由の方が重くなる

「なんともまぁ…天然記念物並みにお優しい事を言うのであるなフィスティア嬢。
私を倒すことで事態が収束すると理解しているのだからそうすればいいものを。」

昨日の心の傷が癒される気分
彼女はなんて優しい事を言うのだろう、本当に風紀委員なのだろうか?

「だが、フィスティア嬢の望みとは裏腹にこの騒乱を鎮めたいのであれば私を倒すしかないのである。
私はこの騒乱を望んでいて事実成果も得ている。

追加で言えばさらに激しく激化してほしいと切に想っているである。」

かけたリソースに対してリターンが少ないのだ

「やはり戦争と呼べる程に迄押し上げねば望むものは得られないかとすら考えているのである。」

フィスティア > 「……」

倒してしまえばいい、というのでしょうか。
倒されると思っていないのか、それとも倒されることまで含めて、目的なのか…
どちらかは分かりませんが、どちらにしろ私の願いは聞き受けられないようです。

そして、願う事もなくなりそうです。

「戦争…本気で仰っていますか?」

ギフターさんの言葉に、スイッチが入る様な感覚がしました。
激情が溢れるのでも、冷静さを欠くのでもありません。
むしろ、その逆です。

「戦争が起きれば…ギフターさんもただでは済まない筈です。
風紀委員会もこれまで以上にギフターさんを追うでしょう。
…言わなくても分かっていると思います。それなのに…どうしてですか?」

理解出来ないのです。
戦争を知ってか知らずか…どうしてそのような事を平然と言えるのでしょうか。

ギフタ― >  
「冗談で戦争が起きればと言うとでも?」

そんな趣味の悪い真似はしない
心の底から誠心誠意、戦争になればいいのにとは思っている

それが一番効率的なのだから

「生存の為、自分の利の為お互いの全てをかけて殺し合う。
それでこそ私の見たいものが見れるかもしれないからであるな。

あぁ因みに、戦争を理解していない訳ではないので安心するである。
規模に大小はあれこの島にくる以前に……うむ、4つ程経験はしているである。」

指折り数え思い返す
もう遠い過去の思い出を

フィスティア > 「冗談だった方が良かったです」

趣味が悪くても、本当な方が最悪です。

「経験済み、ですか」

私は戦争を直接は経験していません。
ですが、戦争の時代は生きています。
歴史も学んでいます。

ギフターさんのこの言い方は…直接経験しているでしょう。
そうでなくても4度も経験すれば相応の理解度がある筈です。

「…ギフターさんがこの島を戦火に沈めてまで果たしたい目的は…
一体何なのでしょうか。私には分かりません。そこまでして欲しい物があるのかでしょうか」

武器を売るのならわかります。政に携わるのであれば、戦争は道具にもなり得るでしょう。
ですが、ギフターさんはどちらでもない筈です。ギフトを与えるだけで、直接導く訳でもない。
そこに、何のメリットが…

ギフタ― >  
「冗談ではなく本気である。
きちんとした問いにはそれなりの答えを、私の信条であるな。」

どうも目の前の彼女には戦争という単語は地雷的な物だったらしい

どうしたものかと珈琲を一口
苦い

「私の目的……ふむ、では改めてリドルとして考えてみるである。

私は金銭にも地位にも興味はない。
私はギフトを不特定多数に渡し、騒乱が起きる事を予想していた。
私はギフトでの騒乱が起きてから一定以上は満足できる成果を得ている。
私は同時に現状に不満を覚えているのもまた事実、事態の激化を望んでもいる。

さて、ここから私の目的はどういったものが当てはまると思うであるか?」

フィスティア > 「そうですか……」

戦争では大勢が死にます。戦いでも、それ以外でも。
戦争は起きる前も、後も。私1人でとめられるものではありません。
ですから、縁起でもありません。本気なら、更に洒落になっていません。

ガトーショコラが店員に運ばれてきますが、手をつけようという気になりません。

「なん、でしょうか…少し考えさせてください」

すこし視線を落として、集中します。
金銭も地位も欲していない。騒乱が起きる事は予想出来ていた。
既に成果は得ている。でも現状では満足していない…
これ以上を求めている…

自分の利益とは関係ない所…
騒乱による被害まで想定しているだろうこと。被害が出て満足している…?
だけどまだ足りない…だから更なる騒乱…被害を…?

「…ギフト騒動における内乱での常世学園の弱体化が目的…でしょうか?」

それぐらいしか、思いつかなかった。

ギフタ― >  
「そうなのである。」

考えに夢中な彼女、おかれたガトーショコラがとても寂しそうにしている

研究用の為にも今の内に持ち帰り分を注文しておく
追加で珈琲ももう一杯

「ふぅむ、では追加で私に特定の人物や組織に妨害を働きたいという目的は無いである。
常世学園を混乱させても私に大したデメリットは無いであるからな。」

その逆にデメリットは…あるかもしれないし無いかもしれない
どちらにせよ特に学園に恨みは無い

これからも青春溢れる学園生活の場として機能してほしい

「もっとお餅の様に考えを柔らかぁくしてみるのである。
目的に固執してその過程を軽視しては一流の探偵には成れぬであるぞ。」

運ばれてきた温かいコーヒーを味わう
……苦い

フィスティア > 「違う、のですね…」

当たっていたらかなり恐ろしい話だったので、外れていてむしろ良かったです。
一息吐いてまた考えます。

「過程…ですか…」

コーヒーをのむギフターさんを見習って、ガトーショコラをフォークでひと切れ分けて、口に運びます。
顎の動きは頭を活性化させるとか聞いた気がします。

ギフト騒動の過程で起きた事と言えば、戦闘行動や、人死に、負傷、組織の壊滅。
そういった事から起こる事と言えば…組織の弱体化や消耗だと思うのですが、それは違うと言います。
となれば…魔術的なもの、でしょうか。

「儀式のようなものでしょうか…?感情や行為によって進行する儀式があった様な気がします。
騒動を起こす事…いえ、これでは過程ではありません…」

考え直します。
目的に固執して過程を軽視…目的と同じぐらい、もしくはそれ以上に過程が大切という事…?

「わかり…ません。
過程をきっかけとして目的に至るのなら分かりますが…きっかけが大切となると…さっぱりです」

過程で金銭を得たり、地位を得るのなら…分かります。
ですが、目的も実際の過程も、そうではありません。
過程で何一つ得していないギフターさんは…過程に何を求めているのでしょうか。
頭が回るだけ回って、空回りし続けます。無意識にガトーショコラに手が伸びました。
…水分が欲しいです。

ギフタ― >  
「違うである、なので安心するである。」

リラックスしてもらう為にもそう明言する
妙な疑心で視野が狭まるのは望む所ではない

色々と思考を巡らせている姿
彼女が一体どんな答えを出してくれるのかを待ちわびる

「で、あるか。
まぁこれに関しては視点の違い思考の違いで様々であるからな。
普通は分からないので気にする事は無いのである。」

素直に分からないと言われれば、それも答えの1つと頷く

だが、ここまで色々と考えてくれた彼女にそれだけ返すのは少し寂しさもある

「意外と口の水分を持っていかれてしまうガトーショコラを味わいながら答えてくれると嬉しいである。
フィスティア嬢はアリの巣の観察キットを御存知かな?

蟻を入れ、そこに巣を作る過程を横から見て楽しむというかなり昔にあった物である。
どの様な巣を作り餌が運ばれればどの様に扱ったりするのかを簡単にみられる道具であるな。」

フィスティア > 「すみません…」

ギフターさんを理解しようというのに、これだけ情報があってその一端も理解できないのは…
情けない思いもありますが、それ以上に価値観の違いのような物を実感した気がします。
恐らく、教えていただければ分かるのでしょう。
それでも理解出来るかは不安になってきました。

「アリの巣観察キット…そのようなものがあるのですね。
初めて知りました」

私の故郷にはなかったものです。
此方の世界ではよく知られているものなのでしょうか。
蟻の巣がどのようになっているか、どのように作られていくのかを知れれば楽しいでしょう
すこし興味があります。

ギフタ― >  
「気にしないのである。
元よりフィスティア嬢が犯罪者である私の思考を理解しない方が精神衛生上よろしいである。

目的があり物理的に止めなければ私は止まらない、そう理解すれば済む話である。」

無理に理解する必要はない
彼女の中の疑問が解消すればスッキリするかもしれない

ただその為にやっただけの軽い問答なのだから

「うむ、昔に有ったのである。
今ではかなり珍しい物好きの為の物品であるがな。

さて、今のが最終ヒントである。
私のリドルは楽しめていただけたかな?」

飲み物を選びやすいようにメニューを見せる
お勧めはガトーショコラと合わせる為のアイスミルクだったりする

大人の尊厳を崩さないために珈琲を飲み続けているが、正直自分もそっちが良かった

フィスティア > 「そうですか…残念です」

テーブルの下で拳を握ります。
ここで捕縛出来ればいいのでしょうが、それは無駄とわかっています。
ギフターさんを捕縛するには念入りな準備が欠かせないでしょうから。
せめて痕跡を残す形で去って頂きましょう。

「今のが最後のヒント…ですか…?」

蟻の巣を観察するだけの道具がが関係している。
それが…関係して…

「わかり…ました。
教えていただきありがとうございます」

ガトーショコラが水分を奪っていく事でも気にしてくださったのでしょうか。
見せていただいたメニューを拝見して…アイスミルクにしましょうか。
なんだかオススメな感じがします。

店員さんに追加注文しながら、頭をひねります。
蟻の巣の観察と、ギフト騒動に何の繋がりがあるのでしょうか。
蟻の巣観察は、蟻の巣を見る事…となればギフト騒動も…

「何かを見て…い……る…?」

蟻の巣ではなく、常世学園。
巣が出来ていく様子ではなく、騒乱が拡大する様。
大きな巣が稼働する様は…常世学園に蔓延するギフト騒乱…

戦争。

「   」

理解が止まりました。
ギフターさんは何かを目指している訳ではないのかもしれません。
蟻の巣を観察するように、常世学園を観察している。
そして、それを楽しんでいる…

フォークがガトーショコラのお皿に落ちる音が響きます。
顔を顰めてしまうような音ですが、その音すら私の思考を引き戻してくれません。

ギフタ― >  
「うむ、ラストヒントである。
あは体験的な閃きがある事を祈っているのである。」

フィスティア嬢がアイスミルクが来てガトーショコラも無くなれば本日はゆっくり帰れそう
帰った後はシャワーを浴び、ガトーショコラを研究のため食べる事になるだろう

……ちょっとしょっぱいものも買っておいた方が良いと未来の自分が告げている気がする

「スパイスカレー…いや、それだと繊細な味を感じ取る舌が死んでしまうであるな。

と、どうしたであるかフィスティア嬢。
鳩に豆を叩きつけた時の様な驚き顔であるぞ?」

強かに鼓膜を叩く音にそちらを見る

フィスティア > 「…ぇ、あ」

ギフターさんの声で思考が戻ってきます。
正直、私の予想はあり得ないと言いたいものです。
ですが、これならいくつかの条件と合致します。

利益でも、地位でもない。争いを起こす事が方法であって目的…そして、その過程に興味があって…
ギフターさんを止める事でしか、争いは止まらない。



「勘違い…だと思いますが…
ギフターさんの目的は…蟻の巣観察キットのように…
ギフトを与えて…その結果起きる争いを…騒乱を観察して楽しむ事…なの、ですか…?」

恐る恐る、確認します。
違って欲しいです。違えば、この張り詰めた感情から解放されます。

ギフタ― >  
「思考の海からお帰りであるな、そしてその顔…何かしら答えは出た様子!」

さて、ギリギリのところで面白くなってきた
彼女なりの結果を得たらしい

後はどこまで近いかだが……

「うぅぅむ、惜しいがほぼ正解である!
しかし完璧ではないだけでほぼその認識で間違い無いである、おめでとうフィスティア嬢。

この島で私にその答えを示したのは君が初めてである。
賞品のギフタ―マスクを進呈である、これは私のお手製なので公式グッズであるぞ。」

自分が使用しているのと同じ白と黒に分かれた仮面を差し出す

フィスティア > 「……そんな…」

ほぼ正解。
それを聞いて、絶望というには弱すぎますが、それに似た強いショックを受けました。

「…ギフターさんを止めるまで…その観察はやめる気がない、と…」

いつの間にか受け取っていたマスクを膝の上で見下ろします。
こんなもの…貰ったところで…

「どうして…そんな事を…?
そんなことをして何の得が…」

声が震えます。
感情が急激に限界に近づいていく気配に手が震えて、仮面を持つ手に力が入ります。

ギフタ― >  
「む、賞品が不満であるか?
唯一と言っていい公式グッズなのであるが…」

皆が喜んで着けているので作ってみたが反応は悪いのかもしれない
もっと万人受けする何かを作っていれば良かったか…

美少女1人笑顔にできないとはなんと情けないのか!

「観察を未知を得る、それが私にとって最も重要な事なのだよ。
ライフワークと言っても差し支えないかもしれない。

往々にして他人の目的などそんな物なのだフィスティア嬢。
フィスティア嬢にとって理解ができない事を私が重視するだけ、只の視点と意見の相違である。」

どこにでもよくある事
意見なんて千差万別人の数だけあると言える

今回の騒乱に関しても、そう言う事なのだ

フィスティア > 「賞品…お返ししましょうか…?」

嫌ではないですし、不満がある訳ではないですが…
要らないかもしれません。
あわよくば返しましょう。

「未知…観察…そんな事の為に…」

人の命を軽視する理由としては軽すぎます。

「そんな理由で……」

ですが

「……言っても、無駄ですね。二度言ったところで、何か変わる訳でもないでしょう」

理由が判明したとはいえ、言っている事は先日と同じです。
人の命よりも、観察が、未知が大切…言葉が置き換わっただけで、意味は全く変わりません。
であれば、私がここから何を言おうが結果は先日と同じになるでしょう。

「私は…ギフターさんの行動には相応の理由があると…思っていました
ですが…そんなものは無くて…
であれば…私がギフターさんを許す理由は…ありません」

震える声を必死で抑えながら話します。

「風紀委員会も…誰もギフターさんを見逃す事は無くなりました。
必ず、可能な限り早く…ギフターさん、あなたを捕縛します。
そして、こんな最悪な状況は終わりにします」

私はきっとギフターさんを睨み付けています。
アイスミルクを持って来た店員さんの表情が引き攣っていたからです。

ギフタ― >  
「否!
それを返されたら私の心はガラスの様に砕け散るので受け取ってほしいのである!」

そしてそれを戒めに今度はもっとより良い賞品にして見せる
先ずは可愛らしいカラーリング……白と黒だけでは無理である

「そんな事、されど私にとっては大切な事、である。
価値観の違いに関しては自分と他人の違いと諦めるしかないので、諦めてほしいのである。

個人的には相応の理由ではあるが、まぁフィスティア嬢の意見の方が一般的であろうな。
マイノリティ代表として抗議するである抗議。」

と、感情を抑えて説明をしてくれる辺り本当にこの少女は優しすぎると哀れみさえ覚える
こんな怪人の相手などせずに地域のボランティアにでも精を出しているのが似合うはずなのに、と

「昨日に続き今日まで宣戦布告されたであるなぁ。
頑張ると良いのである、私が私で居る限りこの騒乱は真の意味で終わらない。

他の風紀委員の者にも伝えて是非努力してくれたまえである。」

可愛らしい顔が台無しである、と伝えて伝票を取る

「甘いものと飲み物で落ち着いて帰ると良いである。
ここは私の御馳走なので、どうぞごゆっくり。」

会計を済ませた後、改めて帰路につく
お付き合いいただいたお礼を含め、お土産のガトーショコラを手に

フィスティア > 「…分かりました」

折れて止まってくれるのであれば、今すぐにでも折りたい所です。

「少数派を否定するつもりはございませんが…たとえ多数派でも、私は止めますから」

言葉を強めて批難します。
多数派とか、少数派とか関係ありません。
人の命を奪う理由に決して値しません。
誰かを代わりに救う為だとしても、値しないというのに。

「分かりました。ギフターさんを止めますから。覚悟してください」

昨日というのは、あのお二人でしょうか。

「御馳走様です。また会いましょう。ギフターさん」

ここで暴れる訳にも行きません。
残すのも失礼ですし、迷惑にならずとも逃げられて終わるだけです。

ですので

ギフターさんがお会計を済ませて店外に出たタイミングで、端末を取り出し操作します。

『ギフト騒動の扇動者を発見。捕縛の為の人員を要請します』

座標、状況説明を添えて共有します。
これで捕まえられるとは思いません。それでも、追い詰めに行きます。
私が下手に尾行すれば、勘づかれかねません。
私はガトーショコラとアイスミルクを完食してから合流し、状況を説明しました。
ガトーショコラとミルクの味は…覚えていません。

ご案内:「落第街大通り」からギフタ―さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からフィスティアさんが去りました。