2024/10/09 のログ
ご案内:「劇場跡地」にシャンティさんが現れました。
シャンティ > 「しろ、やぎさん、から……」

決して大きな声ではない。静かに染み入るような歌声が響く
眼の前には廃墟。もはや跡形もない、ナニカの夢の跡。

「……ふふ。仕方、が……ない、とは……なら、ない……けれ、どぉ……」

此処にはもう誰も居ない
此処にはもう何もない

「あっち、は……ふふ……答え、を……見た、らし、い……しぃ……
 もう、一人……は……どう、なる……の、かし、ら……ねぇ?」

くすくす、と笑う
笑いもまた、小さく響き渡るのみ
誰も聞くものは居ない

シャンティ > 「……私、も……どう、なる……の、かし、ら……ね、ぇ」

あの演劇以来、ナニかが変わった、ともいえる
ナニも変わっていない、ともいえる

もしかすれば、すべての終りを迎えるかと思ったが……今のところ、それはなさそうだ

「……それ、は……それ、で……」

どう、なのだろうか
自分は今、何を求めているのだろうか

「……もぅ……アレ、の……せい、ねぇ……
 ほん、と……」

小さく、息をつく
最近、余計なことを考えるようになった気がする

シャンティ > 「……はぁ……」

小さな、小さなため息が漏れる

「……いま、は……眼の前、の……こと……ね」

もう少し、先まで取っておこうと思っていた
けれど、そうもいかなくなった
演劇(アレ)をやるからには、避けられなかった

ーーやらなくてもよかったのでは?
そう語りかける自分もいるが、それは美しくない

「ま、ぁ……先、は……そこ、に……賭け、ま、しょう……ね」

ひょっとすれば、ひょっとすることもある
終焉が待っているかも知れない

「それ、は……いい、かも……ね。」

薄く、笑う

「じゃ、あ……今度、こそ……さよ、う……なら。
 あの、日々……もう、戻ら、ない……あの、とき……
 私、は……また……行く、わ」

瓦礫に声を掛けた。
応えるものは何もない。

「……」

女は、無言で消えていった。

ご案内:「劇場跡地」からシャンティさんが去りました。