2024/10/20 のログ
ご案内:「落第街大通り」に都姫うずめさんが現れました。
都姫うずめ > 『おう、変な服の姉ちゃん!』
『今日も炊き出しありがとうな!』

通りを歩いていると、様々な外見の連中が声をかけてくる。
そのたびに相手に近づき、最近の様子を伺う。
「最近どう? この前なんか難しい魔法を習得するとかいってたけど。」
「炊き出しうまくなってきたでしょ。 大人数用の料理って、案外難しいけど、
 ようやく慣れてきたよ。 もうちょっとだけ味については我慢して。」

別に正義の味方でもなければ、正しくありたいわけではない。
ただ、困っている人がいるのがいやなだけなのだ。

彼らとの挨拶を終え、通りの隅っこにある小さな公園の古びたベンチに腰掛けて、
持っていたギターを構える。 この前、なんとなく買ったギターだ。
モバイル型のスピーカーとギターをケーブルで繋いで、そっと弦に指をやる。

ギターは嬉しそうに啼いた。 思わず表情がほころぶ。
ゆっくりと手を動かし始める。 音楽にすらなっていない『音』が、
大通りの喧騒に乗り込み、紛れ込んでいった。

都姫うずめ > 「やりたいようにやるだけで みんなが困ったかおをする
 めいわくかけたわけでもないのに なにがそんなにいやなんだ」
音に合わせて言葉を紡ぐ。

『パンクという文化がある』
ギターを手に入れ、音楽について教師に話を聞いた中で、
一番気に入ったのはそこだった。 自分が思うことを歌う。
腕前とか、技巧とか、うまさとかではない。
思いをぶつける音楽なのだという。

ルームメイトのみんなが聞いたら、きっと困った顔をするんじゃないか。
そう考えるとちょっとだけ楽しい。彼女たちを困らせたいわけじゃないけど。
弦を弾く手は早くなり、音はよりアグレッシブに飛び跳ねる。
気がつけば歌声にも熱がこもっていた。


都姫うずめ > しばらくの間曲に集中していたけれど、気づけば日が暮れつつあった。
慌てて立ち上がり、ギターとスピーカーをまとめる。

「よし」
急いで戻らないとみんなも心配しちゃう。
小走りに公園をあとにするのでありました。

ご案内:「落第街大通り」から都姫うずめさんが去りました。