2024/11/04 のログ
ご案内:「落第街大通り」にスティールバイソンさんが現れました。
スティールバイソン >  
ここは昼過ぎの落第街。
リバティストリート。
偽りの自由がなんたらかんたらってぇ街だ。

そこで俺は街に来たガキからカツアゲしてるってワケだな。

「よぉよぉ、小雨が上がって清々しい季節だなぁ?」
「通行料の徴収に来たぜ……」

顎の辺りをガリガリ掻いて。
男と女。恋人同士か、未満の関係か。

男が震えながら前に出て女を守ろうとしている。

「お前らもアレか、あの噂を信じてるのか?」
「ハロウィンの後に歓楽街の廃ビルから虹を見上げたら幸せになれるっつー」

「“調律された虹”のウワサ……」

肩を揺らして笑う。

「バカがよぉ。あんなのただの噂話だぜ?」
「お前らみたいな生贄の羊を落第街に迷い込ませるためのな……」

ま、それで俺様は美味しい思いをするんだ。
悪いこっちゃねえな。

スティールバイソン >  
「ああ、ああ……」
「そもそも虹なんて不確かで腹も膨れねーもんを探したバカども」

「授業料もいただいていくとするか……さっさと財布を出しな」

たじろぐ二人を前に石造りの壁を軽く殴る。
女の悲鳴と共に、軽く石片が散った。

「出せっつってんのが聞こえねぇかぁ!!」

我ながらなんかと思うレベルの下卑た笑いを浮かべながら。

「俺よぉ……例のテンタクロウの被害者を見たことがあってよ…」
「骨が折れるってぇのは、痛そうだよなぁ…」
「髄液でパンパンに患部が腫れるし、良いことなんて一つもねぇ」

「お前らもそのサイテーな経験をしたいのか!? ああッ!!」

スティールバイソン >  
震え上がるガキどもを見るのはいい気分だ。
まぁテンタクロウの被害者を見たってのはフカシだが。
こいつらには良い教訓として働いてくれるだろう。

ハッタリってのは良いように使わねーとな。

「どうする? 別に俺はいいんだぜ……女の方から殴ってもよぉ」
「俺様は男女平等がモットーでな……?」

「女を殴ることに躊躇いなんかこれっぽっちもねぇのよッ!!」

ガハハと笑って頭上から手を伸ばす。
ブルっちまうか? チビっちまうか?

女連れでこんなところまで来たバカさ加減ッ!!
思い知りやがれっつーんだよッ!!

ご案内:「落第街大通り」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「そこまで!」

大男の背後で張り上げられたのは少女の声だ
振り返れば、制服姿に風紀の腕章を身に着けた、テイザーガンを構えた姿が目に入るに違いない

「ばっちり恐喝の現行犯だよ」

手を伸ばされていた彼らには、男が気を取られた隙に逃げるよう目配せをする

本来風紀委員の敵が多いこの場所で大声を出すのは…だったけど、気を引くためにあえてだ

スティールバイソン >  
「ああん!?」

振り返れば制服姿に風紀の腕章。
女か……クソッ、女の風紀単騎に小銭稼ぎの邪魔ぁされるのは三度目だぞ!!

「恐喝の現行犯だったらどうするんだ?」
「テメェがその細腕で俺様を捕まえるとでも?」

いつもだったら引く場面だが……
ナメられっぱなしは沽券に関わる。

たとえ相手が風紀だとしても、だ。

そそくさと逃げていく男女二人を尻目に舌打ちをする。
どうせ声をかける前に仲間を呼んでてアイツらを助ける導線はバッチリってかぁ?

気に食わねえ。

「そのテイザーガンでよ、俺様を仕留めきれなかったら…」
「今度はてめぇがシビれる一撃を食らう番だぜぇー!!」

両手を広げて大上段から女を掴みにかかる。

伊都波 凛霞 >  
一先ず男女は逃げられたことに安堵する…

ただ、振り向いた大男…その顔に見覚えがあった
ここまで大柄な人物というだけでも当然目立つし、目元の傷も印象深かった

「っ…テルミナスセブンの四番目の破壊者(デストロイヤー・フォウ)…!?」

そのへんのゴロツキじゃない
彼らに危険が迫っていたため、咄嗟に声をかけてしまったけど…しくじったかもしれない
スティール・バイソンの名で知られる…所謂"名つき"だ

「細腕でも、引鉄を引くことくらいは出来ますから」

しっかりと狙いは定めたまま
抵抗する…どころか真っ直ぐにこちらに向かってくる
──撃つしかない

テイザー銃といえど、一般的な人間を気絶させる程の電荷を流すことは出来る

効かなかったら…その時考える!

掴みかかってくる男へと、躊躇なく引鉄を引く

パン、と火薬が爆ぜる音とともに、防弾チョッキくらいなら貫通する数cm程度のニードルが大男へと向けて放たれる
狙いは、肩
心臓付近を狙わないのは、ショックが強すぎての心停止を避ける措置だ

スティールバイソン >  
右腕に刺さるテーザーガンのニードル。
おお、狙いが良いじゃねぇか……

低致死性兵器を撃つ時は心臓を避けるってな。
お優しいじゃねぇの……だけどなぁ!!

電磁パルスを受けながら前に出て、振りかぶった拳を振り抜く。

「俺様がテルミナスセブンだと理解(ワカ)ってるならッ!!」

豪腕。骨が折れるくらいは覚悟してもらうぜ。

「持ってくるべきは徹甲弾だったぜッ!!」

痛い。実際は痛い。
けど耐えられねぇほどじゃねぇー!!

伊都波 凛霞 >  
テーザーガンは命中
一時的に麻痺させる程度の電流が彼を襲っている、はず、が──

テルミナスセブン、話に聞いてはいたし、風紀の間でも名をあげられることは多い
テーザーガンの電流を喰らいながらまるで意に介さず前進を続けるなんて、人間の範疇を軽く超えてる

振りかぶられた巨拳が振り下ろされる
見た目通りの、力まかせの一撃
見るからに、といえば見るからに、目の前の男…スティールバイソンはそういうタイプ

「く…っ!」

手に持っていたテーザーガンを捨て、左肘に右腕を折り込むようにして剛腕の一撃を防御(うけ)る──

──弾かれるようにして、身体が中に浮く

多少は衝撃を逃がした筈、相手にも、満足の行く手応えは返っていない筈だ


「いっっ、たぁ…… 女の子相手によくもこんなこと…」

宙空で身体を回転させ、ふわりと着地
受けた左腕に痺れが残る
この人、女の子相手に全然加減とかせずに殴って来るんですけど…!

スティールバイソン >  
「バカがぁ!!」

刺さったテーザーガンのニードルを無造作に引き抜き。
放り捨てる。
血を舐めて睥睨するは、悪の道。

「俺様が女相手に優しくしてどうする?」
「プレゼントして、甘い言葉を囁いて誰が振り向く?」

「女は殴るッ!! 男はブン殴るッ!!」

「それが俺様のコミュニケーションだッ!!」

しかし、空を舞う布の一枚を殴った感触だ。
相手が一撃で昏倒してないことからもわかる。

相手は理合を握っている。
そういう相手に四角四面に真正面から行くのはイノシシのやること。

レンガを一枚、ボロい壁から引き抜く。
そして、パっと落とすと。

安全靴で思い切り蹴飛ばす。

石片の散弾だッ!!
そのキレイな肌がボロボロになっても強がりを言ってくれんだよなぁ、風紀委員ッ!!

伊都波 凛霞 >  
攻撃力は…かなり高い
流したつもりが、かなりの衝撃を身体に感じた
ただ、刮目すべきはその後
猪突猛進に突っ込んで来ると思いきや…

「そんな乱暴なコミュニケーション、ないって…!!」

まさかの散弾
今のたった一回の接触で、こちらの性能を読まれた──!
瞬間的な弾道計算、回避ルートの確定、ただ…全部避け切るには体勢が悪すぎる

致命傷になるものだけは避け、身体を丸めて被弾箇所を最小限に減らす
制服に、スカートの裾に、ソックスに、石礫による切れ目が作られる──

「いっっ…たいって…言ってるでしょ…っ!!」

相手の攻撃力はかなりのもの
防御ってばかりじゃより調子づかせることになる

左右の袖口からするりと手元に落とされ装備されたのは旋棍(トンファー)
かなり頑丈に作られた一品だが、彼の怪力と比べると些か頼りない武器ではある
が…贅沢は言っていられない

地を蹴り、長いポニーテールを靡かせ、彼の視線を読んで、死角へ、更に死角へ──!
見た目の速度以上の速度差を演出しての肉薄──からの、一閃!!

狙いは…蟀谷(テンプル)!!

スティールバイソン >  
「乱暴大いに結構ッ!!」
「ここは落第街リバティストリートだッ!!」

「せいぜい自由にやらせてもらうぜぇぇぇ!!」

トンファーを握る。
なるほど、攻防一体のいーい武器じゃねぇか。

だけどなぁ……!!

再び拳を振り上げる。
防御なんて欠片も影響しねえ一撃で……

その時。
女の姿が掻き消えた。

「なッ!?」

死角から死角へ、ネコ科動物の俊敏性で視界から消えるッ!?

そしてコメカミに痛打ッ!!

「い、でぇ……!!」

視界がブレる。
急所を遠慮なく殴ってきやがってこのアマ!!

戦闘続行に問題はない。
俺の魂は鋼入り(アイ・アム・スティーリー)だ。
コメカミを痛打すると涙が滲む。
反射、というヤツだ。
涙に滲む視界に相手を捉えきれない!!

「このアマぁぁぁ!!」

両手を振り回すと周囲の見物人から悲鳴が上がった。

伊都波 凛霞 >  
風紀委員に恐喝の現場を見られて逃げる、どころか襲いかかる気性
常人を遥かに超えた耐久力と、怪力
その凶暴性も十分過ぎる程、強制執行に値する

故に迷わず一撃必倒の急所を狙った…にも関わらず

「(───痛いで済むの!?)」

死角からのクリーンヒットだって言うのに!
とんでもないタフネス、パワーもだけどその頑丈さが何より驚く

それどころか、その場で腕を振り回し暴れ始める始末
これでは死角を移動していても意味がない

こちらを見失っている様子に、後方へとステップを踏み距離を取る
いきり立っているようにも見える、けれど──先程の冷静さも加味すべき

一旦暴れる男から距離を取れば、素早く腕章下に隠した手帳を取り出す

「落第街、通称リバティストリートにて交戦中」

ここは、確実性を帰すべき

「相手はテルミナスセブンの一人、スティールバイソン、応援を───」

スティールバイソン >  
「がああああぁぁッ!!」

大声を出して暴れていると、頭に植木鉢が当たった。
誰だ、誰がこんなだいそれたことを!?

リバティストリートの住民 >  
「毎度暴れて迷惑なんだよ! 支配者気取りの乱暴者!!」

「上納金だなんだって金取ってやることがそれか!!」

「いい加減にしろー!!」

石や何やら手当たり次第に投げつける。

スティールバイソン >  
「てめぇら……言いたいことはよーくわかった…」
「その代償も知れたもんだぜぇぇぇー!?」

逃げながら石を投げる住民に襲いかかる。

伊都波 凛霞 >  
口々に罵声と物を投げつける住民達
彼の普段の蛮行の呼んだ、結果なのだろうけれど──

「詳しい場所は……あっ…こらっ!」

怒りを顕に、住民に襲いかかる男
慌てて連絡も漫ろに手帳を仕舞う
そして捨てたテーザー銃を拾い、走りながら、ニードル刺針のリロードを済ませ──電圧設定を最大にする!

「貴方の相手はこっち!
 それとも自慢の怪力は、こんな女の子の細腕一つも折れないの?」

き、と射抜くような鈍色の視線。…見え透いた挑発ではある
伸るか反るか…こちらに敵意が向けることに成功するか否か

スティールバイソン >  
背中にかけられた言葉に、血走った目を向ける。

「俺様はな……タダ働きと口の利き方がなっちゃいねぇ跳ねっ返りが……」
「大嫌れぇなんだよォォォォ!!」

拳を振り上げて風紀の女に襲いかかる。
テーザーガンがなんだ。
それくらいで怯む俺様じゃねぇ!!

俺様の魂はッ!!
鋼入りだぁぁぁぁぁぁ!!!

伊都波 凛霞 >  
目論見通り、挑発に乗ってくれた

まっすぐに構えられたテーザーガン
先程の、いわゆる麻痺モードの電圧はまるで効果がなかった
どうも、とても頑丈みたいだし、ちょっとくらい強くても平気だろう

「私も、女の子に暴力を振るうような男の人は嫌いなので!」

引鉄を引く
炸薬の音と共に再び、先程とは逆の肩を狙ってニードルが発射される
さっきの一発を耐えられたからこそ、我慢で済むなら避けずに向かってくるはず
またしても目論見通りなら…次はヒグマを仕留められるくらいの電流が大男を貫くことになるわけである

スティールバイソン >  
この女をブチのめしッ!!
ナメた住民を粛清しッ!!
そしてこのスティあびゃばばばばばばばば!?

さっきとはまるで電圧が違うパルスにピンと両足を硬直させて舌を棒のように突き出した。

倒れ込むと痙攣する筋肉に刺すような痛み。

「お、お前……こんなことをぉ……」
「このテルミナスセブンの……スティールバイソンにぃ…」

ピクピクとあちこち震えながら女を見上げる。
ふつー、こんな過電圧かけねーだろ!! 人間相手に!!

伊都波 凛霞 >  
「ふう…」

良かった、さすがに効いた…けど……

「うわっ…嘘ぉ……」

これで意識があるの…ちょっと恐い、かもしれない
ヒグマが動けなくなるくらいの電流が流れたのに…恐るべし、テルミナスセブンのスティールバイソン…

「だって暴れるから…!
 ええー…ていうかこれで気絶しないとなると…」

どうしよう、もう一発撃ち込んでおくべき…? 次は額あたりに……。
このまま拘束するにも、迂闊にう彼の腕に捕まるとただでは済まささそう

とか思っていると、風紀委員の車両のサイレンが聞こえてくる
さすが優秀、手帳のGPS情報から交戦地点を割り出し迅速にやってきてくれたのだ

「これに懲りたらあんまり住民に迷惑とかかけないこと!
 しばらく留置所でアタマを冷やしなさいね」

見下ろしながらそんな言葉を投げかける
ないだろうと思いつつ一応、テーザーガンをリロードしつつ