2024/11/25 のログ
ご案内:「落第街大通り」に都姫うずめさんが現れました。
■都姫うずめ > 落第街の大通り…その一角。
ボロボロの金網に囲まれたこの場所は、普段は公園として使用されている。
今日は様々なキャンプやら施設やらが立ち、人々で賑わっていた。
そんな中、デカい鍋の前にうずめは立ち、
デカいおたまをつかって中をかき混ぜている。
時間になったのだろう、公園にぞろぞろと生徒たちが入って来る。
違反生徒であったりそうでなかったり、異邦人であったり様々だが、
うずめは全く気にしていなかった。
隣に芽をやる。 ご飯が盛られた楕円状のプラ容器が、うずめに手渡される。
即座におたまを使って鍋の中のもの……カレーを注ぎ、眼の前の生徒に渡す。
「次」
ご飯が横から差し出される。 カレーを注ぎ、次の生徒に渡す。
違反生徒に対する炊き出しである。
『ウサギの姉ちゃん、肉増しで』
「牛丼屋じゃないからダメ」
『ねぎだくギョクで』
「それ数十年前のインターネットミームでしょ」
さらっと相手のお願いを却下してカレーをつぎ、渡す。
その手つきは正確であった。
■都姫うずめ > 『風紀の姉ちゃんじゃないのか?』
生徒が問いかけて来る。
「そうだよ。 でも今はオフ。 それより、カレー食べるんでしょ?」
面倒な問いかけはカレーで容赦なく封じた。
ここで大事なのは、カレーをついでくれる人の出自ではない。、
大事なのは、炊き出しが必要な人にいきわたることだ。
そっけない態度と後からの人にせっつかれて、質問者は眼の前から去った。
「次」
てきぱきと迅速に配膳する。 人数が多いと時間が命だ。
お腹が空いている人が集まるのだし、時間がかかれば
騒ぎが起きるリスクも高まる。
粛々と配っていくうちに、カレーの鍋が空っぽになった。
「リロードしまーす」
一声告げてから、空になった鍋を片手で持ち上げて、次の鍋…
なみなみとカレーが注がれたそれを、ひょいと持ち上げて配膳用の場所に据え付ける。
「おまたせ、次」
再び配膳は再開される。
それからしばらくして、無事にカレーの配膳は完了する。
お腹いっぱい食べている人たちを眺めながら、
自分は持ってきていたナッツバーをかじっていた。
カレーは好きだけど、今の衣装では食べたくない。
服にはねるかもしれないし。
■都姫うずめ > 洗い物もまできっちりとやってから挨拶をして、公園から離脱する。
「よし…」
無事に炊き出し作業が完了したことに、ちょっと満足げだった。
もちろん風紀委員会では嫌がるひともいるだろうけれど…。
眼の前に人がいて、お腹が空いているのなら…困っているのなら、それを
ほうっておくことなんてできないのだ。
もっとも、落第街に立ち寄る理由は他にもある。
悪童王通りだ。
持ってきていた赤いギターをケースから取り出し、
チューニングしながら通りを目指して歩く。
厳しい場所だが、あそこが好きだった。
風紀であるとか、違反生徒であるとか、そういったことは関係なく、
ただ腕前だけでやり合える場所である。
……自分の腕前はとんでもなくひどいのだが、そうやって言われるのもまた楽しい。
ギターのチューニングをしっかりと終え、悪童王通りの前につくと、
ゆっくりと息を吸ってから通りに踏み込むのであった。
ご案内:「落第街大通り」から都姫うずめさんが去りました。