2024/12/30 のログ
ご案内:「落第街大通り」に追影切人さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に伊都波 悠薇さんが現れました。
追影切人 > 大晦日直前の日でも風紀の仕事は無くなる訳もなく。
ましてや、帰省予定も何も無い男はこうして落第街の警邏を本日は担当だ。

「……つーか、凛霞と組んで警邏とかいきなりだな…地味に久々な気もすっけど。」

そもそも所属している課が違うのだけど、まぁ監視役と監視対象だからというのもあるのだろう。
待ち合わせ場所でもある、落第街と歓楽街の丁度境目に近い一角。
すぐ向こうに大通りがある場所で、やや着崩した制服の上にコートを羽織って鎮座。

背中には、一振りのやや歪な形状をした刀らしき刀剣を背負っている。
刀身に布が巻かれただけのそれは、地味に存在感を放ってはいるが――…

「……いや、待てよ?確かアイツは風邪か何かでダウンしてたと聞いた気が…もう治ったんか?」

ん?と、待機している最中でふと思い出したのか首を傾げて。

伊都波 悠薇 >
「お待たせ、しました」

たったと、駆け足でやってきたのは、姉ではなく。

前髪で視線を隠した、制服の少女。
落第街。
来るのはあの日以来だが、そんなことを気遣える職務ではなく。

そして、体調を崩した姉の代わり、おなるとそれはもう。

ーー嫌なんていうわけもなく。

「姉は、体調がよくなく。その、代わりに来ました。えと、よろしくお願いします」

追影切人 > 「――…???」

声にそちらに顔を向ける。…覚えのある顔だ。自分の監視役の『妹』であるのも知っている。
…が、どういう事だ?と、問いかけようとした所で彼女の方から答えが飛んできた。

「…あぁ、風邪か何かでダウンしてると少し前に聞いちゃいたが、やっぱりまだ本調子じゃねぇか…。」

それで、代わりに彼女の妹が代理として来た訳だ。把握した、とばかりに小さく一息。
隻眼で改めて彼女を眺める…何というか、単純な容姿とか以前に姉妹で纏う空気が全然違う感じだ。
…一般的な兄弟姉妹のあれこなんて分からんので、その印象が正しいのかは知らない。

「…んで、確か…『伊都波 悠薇』…で合ってるよな?名前。」

ぶっきらぼうな口調やチンピラ紛いの見た目や空気はデフォルトだ。
ともあれ、一応確認は取っておく。名前とか記憶違いだと流石に『姉』の方に怒られそうだ。
一応、監視役の彼女から妹の事は最低限聞いているし、慰安旅行でも顔を合わせた事はある。

伊都波 悠薇 >
「はい。いとわ はるかです。よろしくお願いします」

今一度お辞儀して。

「姉、の代わりにはなれませんが少しでも邪魔や足手まといにならないようにしようと思いますので」

少しおどおど、しながら。
やはり初対面は苦手。

緊張と、場所も相まって。

「えと、その、では見回り、しましょう、か」

追影切人 > 「ん、追影切人…って、アイツから多分多少は聞いてるよな?」

まぁ、監視対象というのとこの見た目なので、初対面であっても無くても第一印象は大体同じだ。
彼女の言葉に、軽く肩を竦めてみせつつ。

「…別に代わりがどうのとかそういうのは気にしねぇよ。」

予定が狂ったのは確かだが、そもそも臨機応変さも求められる職務だ。
直前の人員交代も珍しくない。少しおどおどした様子の少女を一瞥してから。

「ん、取り敢えず大通りメインで…大体、ここからこの辺りの巡回コースだとよ。」

携帯を取り出して、そちらに簡単なマッピングを見せる。
そこまで長い警邏コースではないが、さりとて短い距離とも言えない。
彼女にコースを確認して貰えれば、携帯を懐に戻してから歩き出そうと。

「…ま、取り敢えずよろしく頼むわ。荒事は俺が対処すっから、何か気になったの見掛けたら報告頼む。」

と、ぶっきらぼうな口調だが…これでも昔に比べたら遥かにマシになってはいるのだ。

伊都波 悠薇 >
「えと、お名前だけは」

申し訳なさそうにしながら、俯き。

「あ、はい」

少し様子を見て歩き始める。

「その、ありがとうございます。配慮、してもらって」

言われた通り周りを気にしながら、警邏に取り組み始める。

追影切人 > 「おぅ、それで十分…あと、初対面云々とか色々あんだろうけど、何かあったら遠慮なく言え。」

その方が話が早いからな、と口にするが少女の様子を見る限り――…

(…緊張と人見知りって感じか?…と、なると遠慮せずってのは中々ハードルが高ぇかやっぱり)

意外とその辺りの気遣いは学んでいるのか、少し考えつつも先導するように先に歩き出し。

「…つか、配慮とか御大層なもんでもねぇよ。…オマエに何かあった場合、アイツに俺が大目玉喰らうし。」

矢張りぶっきらぼうな口調はそのままに。チンピラじみてるが一応風紀です。
…と、思い出したように少女に手指のジェスチャーで”隣に並べ”と合図。

伊都波 悠薇 >
はっとして、隣に並ぶように歩く。

「はい。その、頑張ります」

遠慮なく、言えるように。
こうしてみて、話してみると滲み出るものもあり、出来得る限り歩み寄ってくれている気がする。
それを無下にしないようにしないと。

「あ、えと、そうですね。大目玉、邪魔すまないかも、です」

追影切人 > 「…おぅ。ただ、最優先は自分の身を守る…つーかもしやばくなったらさっさと逃げるか隠れるのがいい。
…ちなみに悠薇はどんだけ戦える…と、いうか荒事に対処出来る?」

基本的に名前で呼ぶ癖があるので、少し馴れ馴れしいと聞こえたら訂正はするか…。
それはそれとして、彼女とバディを組んで警邏をするのは初めてなので、対処能力は知っておきたい。

「……だよな……まぁ、姉妹仲良くて何よりって事かね…。」

隻眼がちょっと半眼になるが、別に姉妹二人にどうのこうの言うつもりもなく。
まぁ、身内が傷ついたり何なりしたら…普通は怒ったり悲しんだりするものか。

伊都波 悠薇 >
「えっと、一般人ならまぁ、なんとか。

ある一定を超えると逃げ切れるか、くらい、です」

所謂、武道を嗜んでる普通レベル、だ。

「あはは。その、大怪我したときは私も大目玉食らいましたので。ギャン泣きされながら」

頬をかきつつ。

「でも、追影さんのことも姉は心配してましたよ?」

追影切人 > 「――…と、なると…普通のチンピラのちょっかいくらいなら問題ねぇか…それ以外は…。」

軽く顎に手を当てて考える。考えるの苦手だがしょうがない。
彼女には周囲の観察と報告をメインにして貰い、荒事は基本自分が対処。
仮に…本当に仮にやばくなった場合、最優先は――…

(…悠薇を離脱させて応援を頼ませる…が、妥当かね。)

考えは一応纏った。それはそれとして、ギャン泣きしたのかアイツ…。

「…まぁ、オマエの事を大事にしてるだろうから、大怪我なんぞしたらそりゃあな…。」

溺愛してるんだろうか…頬を掻いてる様子に、さぞ派手に泣き散らかしたんだろう。
誰かの為に泣く――自分は一度も無いので、そこはまだ分からない感覚だが。

「…まぁ、ダチでもあるからな…逆の立場でも似た感じになるだろうよ。」

心配とか柄でもないけれども。二人して大通りを歩きつつ今の所は平穏そうだが…。

伊都波 悠薇 >
「そうですね。結構涙脆いんですよ」

意味合いが少し違うような気もするけど。
姉はずっと溜め込んでるタイプだと思う。
それが弾けるタイミングが来たら溢れて止まらない。でもそれを、理性で留めるタイプ、だと。

「えと。その、もしそれ以外に該当したら一緒に逃げてもらえると助かります」

ダチ、と聞くとそう返した。

追影切人 > 「…あぁ、まぁ…何となくだがそんな気はしてた。
…で、余計な事も背負い込んで溜め込むタイプだろ?アイツ。」

そもそも、監視対象の自分にもだが夏輝の件とかもある。…アイツは情が深いからむしろ納得した。
それはそれとして、ギャン泣きしたのか…そうか…。
身内というのもあるが、”決壊”したのだろう…別に悪い事じゃない。

「――あン?つまりどういう事だ?」

ん?と首を傾げて。基本馬鹿なので彼女の言葉の意味合いが理解出来ていないようだ。
そちらに隻眼を向けつつも、周囲の気配や人の動きの変化にはさりげなく気を配るのは忘れない。

伊都波 悠薇 >
「そこが姉の良いところで、強いところでもあります」

悪いことではないし、そうあって欲しいと望んだのは自分。
でも。

「姉は物語の英雄ではなく、人間、ですので。弱さも、ありますから。あまり、そうさせたくないんです、よね」

だから。

「私が代わりにきたことによって、追影センパイが、背負ったと聞いたら落ち込んじゃうと思うんです。

だから、戦わず逃げでお願いしたいと」

追影切人 > 「――そうかい。…その妹の思いを、あの姉はちゃんと理解してんのかねぇ…?」

僅かに渋面じみた表情を浮かべつつ。あの【鞘】は本当に――…
ただ、続く言葉に僅かに今度は沈黙を挟んだ。その表情は何とも言えないもので。

「……わーったよ。ただしオマエの安全と離脱が最優先だからな…そこは譲らねぇ。」

戦闘せず逃げに徹する。男の性分を考えると本来は論外に近いのだが。
昔の自分とは既に違うのだ…優先順位はどうしても発生するが。
そこは、まぁ男としても譲れないラインなので彼女にも了承して貰いたい。

伊都波 悠薇 >
「してると思います。どちらかといえば理解してないのは私の方だと思うので」

姉のことは、所謂フィルターが今までかかっていたから。
ちゃんと見て感じないといけないから。

「もしかしたら、センパイよりもわかってないかもです」

ふぅと一息。
緊張、してばっかりもいられない。
こういう場所だから、気を抜かずに引き締め直して。

「ありがとうございます。やさしいですね」

追影切人 > 「――相手を”理解”するのに大事な事は何だと思う?」

ふと、この男にしてはかなり珍しい…何か頭の良さそうな、哲学的?な問いかけを彼女に向けて。
これは別に正しい答えを求めているとかそういうのではなく、あくまで彼女の意見を聞いてみたいだけだ。

「――人様の事情に首を突っ込む野暮はしねぇが…お前ら姉妹は――何つぅか結構複雑なんだな。」

あくまで第三者の、それも彼女たちの間にある思いも考えもあまり知らない男の意見だ。
だから、率直に述べたそれは的外れかもしれないし、そうではないかもしれない。

「…何か偶にそう言われるんだが…柄じゃねぇし勘弁してくれ。」

露骨に嫌そうに。本気で不快な訳ではないが中々そう評されるのは慣れないようで。
そもそも、コイツに何かあったら俺の諸々が危ない、という考えもあるのだから。

(―――…?)

ふと、歩調を緩めて…何かを探るようにあらぬ方角を眺めた。

伊都波 悠薇 >
「対話ですかね」

口にして、自分には最難関だなと個人的に思うと苦笑する。

わかってはいるけど苦手だ。
そう、わかったのはとあるアーティストに録音を一緒にさせてもらったときだ。

「複雑、ですかね? そんなこともないと思うんですが」

嫌そうなかおをしたところに、なにか言いかけてやめる。

「どうかしましたか?」

あらぬ方を向いたことに、注力したから。

追影切人 > 「――そうだな。対話も含めて…どんな形であろうと、そいつから目を逸らさず真っ向から向き合う事だと俺は思う。」

今までの経験と、何より――男の持つ異能が相手を理解する程に斬れる。ものだから。

「…つっても、いきなりそういうのはハードルも高ぇと思う奴もいんだろ。
…苦手意識があったり不慣れだったりとかな。…克服するなら、地道に一歩ずつやるしかねぇだろうよ、多分な。」

…何か助言?激励?ぽくなったな、と気付いて苦い顔をする。こういうのも柄じゃない。

「――いや、気のせい……。」

と、我に返り彼女の方に向き直ろうとした――瞬間。反射的にまた先ほどの方角にバッと顔を向けて。

「…クソが…!!」

いきなり吐き捨てるように呟けば、いきなり悠薇の腰に片手を回す。
…別に変な意味じゃない、緊急事態だ。そのまま、彼女を片腕で抱きながら全力で前方へと思い切り”跳ぶ”。


伊都波 悠薇 >
やっぱり、優しいと思います

とは、口にしなかった。嫌そうな顔をまたしそうだと思ったから。

ふと、焦ったような声。

捕まれて跳ばれる。
いつもなら慌てるが、今は。

「どうか、しましたか?」

冷静だ。なるほど。
ありそうと言われるのも、だんだん身に染みて実感する。

追影切人 > 片腕で彼女を掻っ攫ったまま、連続で低く速く。距離を稼ぐように跳んだ直後――背後の建物とが幾つかと、地面が”消し飛んだ”。
爆風と衝撃が背後から襲い掛かるが、それも利用して距離を稼ぐ。

「…落ち着いててこっちとしては助かるがよ…!ちょっとした亡霊の意趣返しみてぇなもんかね…!!」

全く伝わらないだろうが、詳細を説明している時間も無いし、そもそも出来ない。

ちらり、と背後…ではなく、先ほどの方角を隻眼で見遣る。
――一瞬、白く光る何か――間隔が思ったより”短い”。

「――取り敢えずアレだ…俺たちは襲撃されてるって事だよ!!」

狙いは間違いなく自分で、彼女は悪いが巻き添えみたいなものだ…あの亡霊の残り滓野郎…!!

何時もの男の気性なら、真正面から斬り殺しに行くところなのだが…出来ない理由が二つある。

一つ――超々遠距離からの”狙撃”だという事。もはや砲撃な威力だが。

二つ――そもそもさっき一緒に逃げると約束した手前、今挑む訳にもいかない。

伊都波 悠薇 >
「亡霊?」

運ばれてる。
こういうとき、暴れても仕方がないと思うのは、いつもと違う思考。

「えっと、センパイが捕まえた人の怨み辛みの、人ということですか?」

想像できるのはそれくらい。
それと。

「だとしたら。センパイは『どうしたい』ですか?」

追影切人 > 二度目の白い閃光――再び、跳んで走り抜けた男と少女の背後の建物と地面が纏めて消し飛ぶ。
ただの砲撃――ではない。明らかに魔術か異能による”砲撃”じみた攻撃。
狙いもかなり正確であり、男も分かっているのか、舌打ちしながら靴裏で強引に急ブレーキ着地。

「――詳細話すとオマエにとばっちり来そうだし、そもそも言えねぇんだがな…!!
簡単に言えば、俺と同じ一級監視対象…もう死んでる奴のご挨拶と嫌がらせだな。」

話が違う。連中の【残滓】はまともな意識はもう無いと聞いたが。
明らかにこっちを【凶刃】と認識して襲撃をしている…面倒極まりない。
今度は路地裏に駆け込みつつ、そこから再び方向転換して攪乱するように走り抜ける。

「どうしたいも何も、あのクソ野郎は今すぐ斬り捨ててぇが…オマエとのついさっきの約束あんだろ!!
取り敢えず逃げる――業腹だが、今すぐにドンパチしてもしょうがねぇからな!」

被害は出るだろうが、生憎とそこまで気は回らない。
最優先はこの少女と自分の離脱だ。

伊都波 悠薇 >
「そうでした。すみません」

足枷にしてしまった。
裏目になってしまったなと、後悔しながら、尊重してくれたことに感謝して。

「あの」

追影には見えているような攻撃。

「この攻撃、どうやって察知してるんですか? そも、私たちのことを敵は見えているんでしょうか?

知っていることを教えてもらえると助かります」

逃げる足を引っ張らないように。
状況理解に努める。

追影切人 > 「――あぁ?…視線を感じたからに決まってんだろ。勘もあるが…何せ俺が斬り殺した奴だからな。」

足枷も何も、逃げると約束した以上はきっちり守る。
「謝るのとか変な罪悪感とか無しにしろよ。逃げのびりゃいいだけだ」と、彼女に釘は刺しつつ。

「―で、あっちの”砲撃”は…こっちの位置は結構バレてる。
生きてる頃は、確か遠隔視の魔術と砲撃じみた異能持ちでな。
狙撃の要領で、大規模な砲撃じみた火力を正確に超遠距離から叩き込んでくる。
――さっきの二度の砲撃の感触からして、多分数キロは離れてるな…で、周囲を巻き込むのも躊躇なし。
――とはいえ、生きてる頃に比べりゃ”弱体化”してる…逃げに徹するなら行けない事もねぇよ。」

無傷で、かは保証できないが。少なくともコイツに怪我させたら俺の命が以下略。

――三度目。矢張り察知しているのか、男が思い切り空中に飛んだ直後に足元で白い爆光。
その勢いで跳びつつ、建物の屋根の上に着地、同時に再び走り始める。
少女とは言え、人を抱いて…もとい担いでいるのにかなりの速度と動きだ。