2024/12/31 のログ
伊都波 悠薇 >
「えっと、つまり集中してこちらに長距離射撃してきてるってことでしょうか? 方角は分かっている、と」

姉と同じで達人レベル、ということなのだろう。
跳んだり、移動したりのスペックが高い。

「なにかで気を紛らわしたりしたら、なんとかなりますか? センパイ」

追影切人 > 「大雑把に言やぁそんな所だ!…完全に俺の勘だけど、多分一定距離を稼げばあっちから”撤退”する。」

今、こうして襲撃されてはいるが…あっちから見ておそらく射程はかなりギリギリ。
つまり、一定距離を逃げ切ればこっちの勝ち――あくまで予測でしかないが。

「――つまり、攪乱の囮(デコイ)…って奴か?頭いいなオマエ。」

素直に感心したような眼差し――男が馬鹿で割とストレートな戦い方が多いせいかもしれない。
こうしている間にも、四度目の砲撃――咄嗟に、建物の壁を蹴り飛ばすように。
その反動で真横に全力回避――危ねぇ、靴の裏がちょっと焦げたぞ…!!
ちなみに、悠薇には掠り傷一つ負わせないように男なりに頑張っている。

伊都波 悠薇 >
「あ、いや、そんなあれではないですが」

オトリ。まぁ、そう。
普段なら出来ないだろうけれど、今は出来る自信がある。

姉の、調子が、悪いから。

「方角、教えてください。『やってみます』」

追影切人 > 「…今の俺らの位置からだと、南東――時計の4時の辺り。次に砲撃が来るのはあと16…15秒後。」

砲撃の発射間隔と現在位置からの方角を正確に即答。矢張り察知しているらしい。
悠薇が何かを”やる”らしいので、敢えて方向転換はしないでこのまま走り続ける。
下手すればこのまま砲撃で撃ち抜かれるが、彼女が何とかしてくれると――

信じる…ねぇ。俺ら初対面だしお互いの事殆ど知らねぇのにな。)

これが感情で、これが甘さだろうか?まぁ、いい――やってみるというなら。

「――何やるかさっぱりだが…お前に任せた。頼らせて貰うぜ。」

伊都波 悠薇 >
「はい」

方角を知れば。

自分の才能は『殺』
誰かを殺すことに特化した才覚。

しかして、身体能力は足らずというところがネック。いや、幸いだ。

でも、それ以外、なら。

ーー殺気で、圧力をかける。

方角はそちらに向けて、今にも殺されそうな幻が見えてもおかしくはない。
そんなはずはない。
見えている距離、なのに。

今にも、殺されても、そう。
首筋に、刃を当てられているかのような。

その殺気に気をとられれば。

ーー砲撃を避けることに注力しているセンパイが、逃げ走る時間くらいは、作れる

「あとは、お願いします。センパイ」

自分の身体能力では、足りないから。
抱えられながら、あとを任せた。

追影切人 > 「―――…!」

”それ”に敏感に反応したのは、少しだけ似ているから。
誰かを殺す才覚…誰かを斬る才覚。けれど、それに共感するのは危険だしその暇もない。

「―――ハッ、何だよオマエ…凄いな。」

本気で感心した。決して褒められた才覚でなくとも、本人がどう思っていようとも。
それは、本当にただ――凄かった。お陰で…

「――そりゃ、首元にいきなり刃を突き付けられたらそっちに意識が向くわな…。」

目に見えない、そして自分に向けられている訳でもない。
だけど、正しくその殺気の圧力と――それに特化しているであろう故の凄まじさの一端を感じ取り。
小さく笑いつつも、こっちはこっちで稼いでくれた時間を無駄にはしない。

「――舌噛むんじゃねぇぞ!!」

彼女にそう声を掛けつつ、出来る限り丁寧に彼女を担ぎながら更に速度を上げる。
最早、人間じゃねぇだろコイツ、と思われる速度と身のこなしで一気に加速して距離を取り――



~~数分後~~



「―――”消えた”…撤退したか。…おい、悠薇。怪我とか疲労は?」

どうやら今回は逃げ切ったようだ、と判断すれば…彼女を担いだままで確認を取る。

伊都波 悠薇 >
「っ!?」

ぎゅんっと、まるでジェットコースターのようなGを感じて。

返答する余裕もなく、突っ切ると。

「きゅー……」

目を回していた。
そして、少しして、はっとした後。

「だ、だだだ、大丈夫です」

気が抜けた。今にも下ろされたら座り込みそうだった。

追影切人 > 「…………悪かった。」

その様子を見て、数秒の間何とも言えない表情を浮かべつつも素直に謝罪。
かなりの速度だったし、それなりの物理的圧力もあっただろうし。

「…あー…悪いな。何か加護の魔術とかで軽減出来りゃ良かったんだが。」

残念ながら魔術は一つしか使えないので…。ともあれ、彼女の様子を改めて確認して。

「…下ろすぞ?本当ならさっさと戻って報告書とか纏めるべきだが…ちと休んでいくか。」

流石に、このまま引き上げるにはちょっとばかり悠薇の状態が心配だ。
…心配?……やっぱり俺も変わってきてんだなぁ、と変な所で自覚する。

伊都波 悠薇 >
「あ、はい」

下ろされると、ふらふらしつつも立ち直して。

「いえ、その、そんな余裕もない状況だったとは思うので」

首を横に降り、一段落。

「少しゆっくりさせてもらいます。お言葉に甘えて」

ほぉっと息を吐いた後胸に手を当てて、一息の時間。

追影切人 > 「――逃げに徹するのあんまり慣れてねぇからなぁ。
とはいえ、オマエに怪我があったら凛霞に何言われるか分からんし、下手すりゃ拳が飛んできそうだし。」

見た感じ、掠り傷一つ無いな…少し疲弊させてしまったが。まぁ及第点ではあるか。

彼女が一息ついている間に、ふと姿が消えた…かと思えば直ぐに戻ってきた。

「…ほらよ、水で悪いが。ここはもう歓楽街の端に近いから水の質とかも問題ねぇだろ。」

と、ラベルも何も無い簡素な水入りのペットボトルを渡そうと。
それから、思い出したように。

「…しかし、オマエあんな特技?あったんだな…あ、先に言うが聞かれたくねぇ事ならこれ以上は聞かんぜ。」

伊都波 悠薇 >
「姉さんなら一緒に戦えたのでしょうけれど、すみません」

謝罪をひとつして。
受け取った水を一口。
沁みる。

「どう、でしょう。そのときは私が壁になれば、わん、ちゃん?」

だめかもしれない。

「はい。実技はダメですけれど。あのくらいなら

……姉さんにはできないことですので」

追影切人 > 「――あ?別に肩を並べたり背中を預けたりだけが戦いの形じゃねぇだろ。
――オマエにゃオマエにしか出来ない事がある。実際、さっきのは助かったし頼りになったぜ、ちゃんとよ。」

謝罪に不思議そうに。男にとってはそういう考えらしい。
そもそも、姉妹だとて凛霞は凛霞、悠薇は悠薇で別の個なのだから、そういう違いはあって当然だ。

「…流石に、俺を狙ってきた奴のとばっちりみてぇなもんだし、オマエを壁にするのはいかんだろ…。」

気遣いはまぁ有難いが、その時は潔く正座で説教されるとしよう。正座で済むかは分からん。

「――ん、オマエにしか出来ない事はやっぱりちゃんとあるってこったな。」

特技としては物騒どころじゃないが、それに助けられたのは紛れもなく。
要するに――最近分かった事だが、使い方と本人の気の持ちようでどうにかなる。

伊都波 悠薇 >
「……そうですね。でも、センパイは戦いたそう、だったみたいなので

要望に添えれず、というかんじ、です」

これ以上は謝るのも失礼なので、そこて締めるとする。

「あはは。姉はそこまで頑固じゃないですから事情を説明すれば分かってくれますよ。

きっと、怒鳴ったりした後そんな自分を自己嫌悪しちゃうんですから、そうさせないようにこう、事前に手を打つのが幸いです」

うんうんと、なんか変な納得している。

「私も、そう思います」

でも、これが天秤のせいで、あるのなら。

姉は傷つく、ので。

とは口にしなかった。

「センパイは、特技や異能は、あり、ますか?」

追影切人 > 「――まぁ、そうだな…けど、約束した事を放り出す訳にもいかねぇだろ…。」

肩を竦めて。それに、あの場で斬り殺すにしては流石に距離がありすぎた。
別に、こっちはこっちでいずれ何とかするつもりなので彼女が変に申し訳なく思う事も無いだろう。

「頑固ではねぇが…アイツ、ため込んで爆発するタイプな気がすんだよなぁ…。」

妹の彼女に比べ…るまでもなく付き合いは本当に浅い男だが…彼なりに何となく気付いている事はある。
とはいえ、流石にアイツの妹だ…姉の事をよく理解して対処まできちんと把握している。

「―――…。」

一瞬、何か口を開きかけたが敢えて沈黙を選んだ。
ちゃんと接したのは今回が初めてな男が、ずかずかと土足で入り込むものでもない。

「――特技は斬る事、異能は――一俺の斬るという意志を引き金に”何でも斬る”。
…とはいえ、監視対象の今は異能制限もされてるし、弱体化もしてっからそこまでの力は今はねぇな。」

斬るという現象がそのまま人の形をして生まれてきたようなロクデナシだ。
最近は、色々あって割と人間らしくなってはきたが――…

伊都波 悠薇 >
「センパイが真面目な方で安心します」

姉と見回ることが多い。
そんな人が誠実であるのなら、間違いもないだろう。
それを知れただけでも今日は収穫だ。

「なんでも」

それは。

「すごいですね。料理とかでは、包丁要らなさそうですし。

印刷や出版系とかで重宝されそうです」

裁断の手間が要らないことに注目して。

「センパイは、使いこなせているんですね」


追影切人 > 「…いや、俺が真面目だったら、他の勤勉な連中はどうなんだよ…?」

真面目という評価に口をへの字にする。評価されているのだろうが素直に喜べない模様。
ただ、少なくとも――彼女の姉は男にとって、刃を収める【鞘】であり、相棒みたいなもの。
監視役と監視対象という関係ではあっても、同時にダチでもあるのだ。
まぁ、少なくとも変な間違いを犯す事は無いだろう。

「…やりたくねぇが、そのくらいならまぁ大して力使わねぇしな…。」

むしろ、手足を動かす延長でそのくらいの事は出来る。
使いこなしているといえばその通りで、だが――

「――そうでもねぇよ。俺の気質の問題でもあるんだろうが…斬りたくないと思っても最後は必ず斬るからな
…普通に使うという意味なら、確かにそうだが…全てを把握しきれてはいねぇし、ましてや…」

今の男の力は制限や弱体化で本来の性能ではなく、だからこそ中途半端だ。
…出来るラインと出来ないラインが、まだはっきりと掴み切れていない。

伊都波 悠薇 >
「もしかしたら、センパイの真面目なラインが高いのかもしれませんよ」

ごくり、と水を飲みきり。

「センパイほどでも、まだなんですね。

コントロール、できていないって、ことなんでしょうか」

追影切人 > 「真面目ラインって何だよ……まぁ、誉め言葉として受け取っておくわ…。」

この妹、中々イイ性格してるなぁ、と思いつつ。
まぁ、遠慮なくあれこれ言われる方が男としても分かり易くて話が早いが。

「…そもそも、完全に自分の力をコントロール出来る奴なんているのかね…。
そう自負してる奴でも、極限状態とか我を忘れたら100%正確に能力を扱うのは無理な気もすっけどな。」

なので、男にとってコントロールというのは、取り敢えずある程度普通に使えて暴走の危険性が極小、というイメージ。

「――んで?その感じだとオマエも異能があってコントロール出来て無い感じなん?」

と、ストレートに聞いてみる。別に素直に答える必要も無いけれども。

伊都波 悠薇 >
「はい」

実際褒めているので伝わったようで嬉しい。

「わかりません。異能のことは、もとより才能とかには縁がなかった、ので。でも姉はできてるような?」

あくまで妹視点からだけど。

「私は、常時発動型、みたいなもので。今は効力がほとんどない、と言われてますから。

でもコントロールできるなら、できたならと思って、聞いてみました」

半分は嘘、まではいかないが包み隠した言葉で返答する。

ーー相手が真っ直ぐ包み隠さないから


追影切人 > 「アイツのは…何だっけか?物とかの記憶の読み取りか何かだった気が。」

実際それを用いている所に居合わせた事は無いが。
常時発動型、と聞いてへぇ、と目を細める。そうなると今この時もずっと発動そのものはしているのか。

「――アドバイスにもなんもならんかもだが、一応最低限コントロールは出来ている身からすりゃ。」

一息。これが彼女の力に適用できるかは分からない、という前提はあるが。

「――【基準点】…中心…つぅか0地点の目安を設けるこったな。それがありゃ、異能が乱れても基準点を目途にして多少は何とかなる。
…つっても、常時発動型となると難しいだろうし、オマエの力に応用できるかは分からんけど。」

絶対にブレない力の中心点。そこを目安に力を制御したり、能力の異変を事前に感じ取れるもの。

伊都波 悠薇 >
「その辺りは姉さんに聞いてみてください」

あまり言いすぎると怒られるかもしれない。
……もう、遅いかもしれない

「ありがとうございます。参考にしてみます」

前髪を整えて。

「もう大丈夫です。動けます。あの、では帰りますか。帰り道の警邏と、報告もありますし」

追影切人 > 「…まぁ、そうだな。」

捜査とかに便利そうだな…とか思いつつ。
多分、能力以前に彼女から姉の事は結構色々聞いた気がするんだけども。

「…おぅ、参考になりゃいいんだけどな――と、んじゃボチボチ引き上げっか。」

彼女も小休止と水分補給で回復したようだし。…あぁ、その前に一つだけ。
そのまま歩き出しつつも、彼女の方に振り向いて携帯端末を軽くひらひら取り出して揺らし。

「――お互い、風紀だしまた何かあるかもしれねぇから連絡交換?でもしとこぅぜ。そっちが良ければだけどな。」

なんて、言いつつ彼女と二人でぼちぼち帰投するとしようか。

伊都波 悠薇 >
「姉のこと、よろしくお願いします」

お辞儀をひとつ。

そして、連絡先といわれると。
おどおどし始めて、前髪を整えたりなんだりしたあと。

「は、はぃ」

耳を赤くしながら交換したとか。

そんなやりとりをしながら、歩いていった。

ご案内:「落第街大通り」から伊都波 悠薇さんが去りました。
追影切人 > (…そんなに挙動不審になる事かね?)

まぁ、俺も積極的に連絡先交換とかあまりせんけど。
何かおどおどし始めた彼女に首を傾げつつも。
ともあれ、連絡先はきちんと交換はしておきつつ…。

「――やっぱり他の奴が巻き添えになる前に斬るしかねぇか。」

一度だけ、あらぬ方角を見据えるも、直ぐにそのまま二人で歩き去ろう。

ご案内:「落第街大通り」から追影切人さんが去りました。