2026/02/17 のログ
■御雷 天華 >
「いいえ、誕生日は真夏の8月1日なんですよ、これが」
まぁ、その名にした理由までは知りませんけど。
なんて戯言の様に、興味の無い自分語りのように軽く流して。
「使命のようなもの、と言うと聞こえは良くなりますね。
好きでやっているというのには、変わりはありませんが」
そう語る表情も、実に何でもない事のように。
まるで日課の、決まったルーティーンの事を語っているかのよう。
「それに、今は確信も無いので本当に散策ついで。
目当ての者が居たら処分し、無ければ暗くなる前に宿へ戻るだけです」
■ネームレス >
「聞こえの良さはどうでもイイだろ。
真夏に雪が降ったかどうかのほうがまだ関心がある」
肩を震わせて笑った。
不謹慎なジョークを厭うような仄かな断絶があった。
「動機が崇高でなければならないなんて物言をするヤツがいたら、
まず視界のソトに追い出すだろう」
動機の貴賤は観なかった。口説くためのフォローというには遊びもない。
軽妙な調子のまま、屋台の列に沿って歩く。
様々なものがある。概ねがっつりしたもの、味付けの濃いものであるが。
「それをどれだけ強く望み、本気でやってるのかって話~」
ふと立ち止まり、屋台の間の空白に指を指した。
狭い路地だ。雑居ビル同士の隙間、見たところ、何もない。
あるとすれば――壁から地面へ降りる、人間の胴体よりも太い管――水道管。
「落第街にもね、なんでか電気や水道は通ってんの。
ブッ壊れても、生活委員会のモノ好きが直しに来る。
屋台街があるのは、必然的にそういうインフラが機能して集中している場所」
こっち、と先導するように招きつつ、路地の中へ。
「都市圏で魔力の淀みや蟠りを視るには、水から――
ココは生きてて、かつ、大きい流れの経路になってるトコだ。
なんか調べりゃわかるかも?ボクは専門外だケド、基本的なコトなら出来る。
キミは~?気配を感じるんだったら、そういうコトとか出来たりは?」
あまりアテにせずに、調べてみようとはする。
少女が何者で、何が出来るかは、知らないので。
■御雷 天華 >
「聞こえはいい方が、公での大義名分を通しやすいもので」
ジョークにはそんなジョークで返す。
ただ、そのやり取りだけでも互いの立場の違いが何となく理解できた。
不謹慎なジョークを紡いだ彼女は、自称する通りに芸術家なのだろう。
自己に赴きを置き、主観と個人の意思というのを重要視している。
対して少女の視点には、公からのモノが排除されていない。
自己の主義を一貫させながらも、其処にヴェールを被せて一般化する。
それこそまるで、己の真意を探らせぬかのように。
「つまりは屋台が在るのは人の営みがある場、ですか。
であればきっと、居たとしても潜んでるのでしょうね」
路地を進み、さりとて多くを少女は見ない。
視線は何か別のモノを、探り視ているかのように。
「人目に付けば自らを危機に晒すことを、彼らは知っていますから。
……私もそういう探知は扱えますが、潜んでいるのを探るのはまた別です」
次第に歩む道は落第街を逸れ、歓楽街の方へと向く。
空を見上げれば、少し日の陰りが見えてきた頃合いだ。
■ネームレス >
「人で人を隠す場所だからな。
危険を避けるタイプなら、案外ココはむしろ向いてないかも。
キミみたいな冒険心にあふれるヤツが、ちょくちょく来てるハズだし」
路地を抜ければ、明るくなる。
空気の淀みが、水気の濁りが薄れる。
「……邪気、ねえ。
妖異や魔物の話ならむしろ、裏常世渋谷が本場じゃないか……?」
落第街にも当然いるだろうが――と、顎に手をあてながら、考えて。
すこし前に赴いた、現実とは異なる位相の裏世界を想起した。
結局自分は侵入に再現性を起こせず、あれっきりだったが……。
ぽつり、と呟いても、それを深く掘り下げるわけではない。
「じゃあボク、コッチだから」
歓楽街。表舞台。もうそこに案内人は不要だ。見合う仕事が出来たかはさておき。
より歓楽街深く――学生居住区とは別方向を指差す。ここでおさらば。
「あ、そうそう――
もう多くの人に言われてるだろうケド、先人としては言っとかないとかな」
歩き出しながら、
「ようこそ、常世学園へ。
キミの学生生活に、試練の多からんことを。
つぎはもーちょっと落ち着いて口説かせてくれ。じゃね~」
買い物帰りの暇つぶしにはなった、と。
身勝手にそれは歩き出して、人混みに紛れゆく。
ご案内:「落第街 路地裏」からネームレスさんが去りました。
■御雷 天華 >
「でも、紛れて何かを成すには丁度いいでしょう?」
だからこそ、この場所の地理地形……そして状況を確かめに来たと。
そう言うかのように、僅かながらに口角を歪めてそう告げた頃。
通りは明るく、仄暗い空気感も周囲からは去っていた。
歓楽街の大きな通りに、もう出ていて。
「……でも、色々と参考になりました。
やはり直に見聞きせねばわからぬことは多い」
ありがとうございます、と。
此処まで案内してくれた彼女に礼を言い。
「──次はまた、別の形でお会い出来るといいですね」
そう告げながら、去り行く姿を見送って。
少女もまた人混みの中へと消えていくのだ。
ご案内:「落第街 路地裏」から御雷 天華さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に久森 琴葉さんが現れました。
■久森 琴葉 > 「あー……クソっ」
少女は毒づく。
落第街、という空間にはやや不似合いなきれいな制服、儚げな痩身。
風に流れる髪は青みがかった黒。それを飾るのはリボンのようなワンポイントの装飾。
「なんで私は、こんなとこいるんだか……」
苛立ったように、地団駄を踏むように地面を蹴る。
無論、それで何かが改善されるわけではない。
「アクセは買えないし、最悪だっての」
先日、買い物にいったはいいがお目当ての場所は騒動で足を踏み入れづらかった。
諦めていった先は、いいものが何もなかった。
では、ここは?
無論、あるわけがない。
そもそも、落第街にあるものなど、偽物か盗品の類が多い。
価格も、バカバカしいくらいに胡散臭く安いか、恐ろしいほどに法外なものか。
正規品が正規に売っている、などあれば正気の沙汰ではあるまい。
■久森 琴葉 > 「ほんっっとシケた街だよな」
街並み、空気感、そこにいる住人
普通、とはいえない空間がそこにある。
シケてるかどうかは人の感性によりけりではあるが、多く"一般"と言われる人にとってはいい場所ではないだろう。
「マジ、なんなんだか……なんで此処にいんだ、私は……」
ぶつぶつと変わらず文句を言う。
はたから見れば、無防備な少女。それもあまり強そうでもない、とくれば。
様々な目線があちこちから注がれる。
それに彼女は気づいているのか気づいていないのか。
■久森 琴葉 > 「……あん?」
気づけば、男が寄ってきている。
本来はもう少し影に潜んでいるタイプの存在だが、与しやすそうと見たか密やかに忍び寄っていた。
そして、少女に囁きかける。
いわゆる、売人というやつであった
■久森 琴葉 > 「……」
ガリッと音が響く。少女の口中で飴が噛み砕かれた音だ。
プッと音を立てて、残った棒を地面に吐き捨てた。
「こっっの、雑魚が!私が草キメてトブようなイカれに見えんのか?
それとも押し付けられそうとでも思ったか? ふざけんなクソ雑魚売人野郎が!
うせろっっ」
吠えた。
小柄な少女からは想像も出来ないような、強い言葉。
まるで衝撃波が通ったかのように、男が、びくり、と震える。
「さっさと行け、クソが」
その言葉に押されるように、男は足早に逃げ去った。
■久森 琴葉 > 「クソ、なんでこんな……クソみたいな街にいるんだ。
なんで……こんな……クソが!」
空気も、建物も、人も、何もかもが好みではない
長居をしてもいいことなどない
好みのアクセサリーなど期待できるわけもない
「……クソ」
ガリガリガリガリ
思わず頭を掻きむしった
■久森 琴葉 > 「ああ、クソッ……気分悪ィ……」
少女は毒づく。
不快だ。不快なのに、この場にいる。
ポケットから飴を取り出して、咥えた。
「……ダルぃ」
ふらふらと、どこかおぼつかない足取りで少女はどこかへと歩いていった。
ご案内:「落第街大通り」から久森 琴葉さんが去りました。