2024/06/14 のログ
ご案内:「黒砂舞う違反組織群」にエボルバーさんが現れました。
ご案内:「黒砂舞う違反組織群」からエボルバーさんが去りました。
ご案内:「黒砂舞う違反組織群」にエボルバーさんが現れました。
エボルバー > 光当たる所に影が生まれる。
英雄譚の麓で無数の語るに足りない物語が刻まれる。
その地にソレは寄生し着実に脈動する。


...違反組織が隠れ蓑に良く使う廃ビルが乱立する地帯。
違反組織群とも呼ばれる区画。
月明りも隠れる夜、黒ずくむ雪がしんしんと降っていた。
またかまたかと柄の悪い生徒達が
厄介そうに日常を送る。

降る黒い雪をかき分けて空を見ろ。
乱立するビルの上のほう。
何かがそこに佇む。
それは真っ黒い影。人型の影。
それは全く微動だにしていなかった。

エボルバー > 怪物か?怪異か?
そう決めつけるにはいささか有機的さに欠ける物体。
全体的に鋭利なフォルムを持つそれは
二本の足で立ち、空きビルの上で佇んでいるようにも見えた。

...そしてよくよく見るとその物体には無数の傷が付いている。
激しい戦いをしたかのようなそんな傷。
ソレは音も光も発さずに只々彫像のように鎮座していた。



それは不意に起こる。
静かに降る黒い雪の向きが変わった。
風が吹いたからではない。
一粒一粒が意思を持っているかの如く動きを変えるよう。

その黒砂はまるで先ほどの人型物体を中心として
吸い寄せられるように渦を巻く。
向きが変わった黒砂がまるで砂嵐のように人々にぶつかる。

エボルバー > やがて光を奪う黒い砂嵐が止む。
人々が瞑っていた目を開けて再びを世界を見る。
先ほどまでの情景は嘘のように黒い雪がまたしんしんと降る。
何も変わらない。
何だったんだろうと人が思案を巡らせた矢先に

轟音。

ビルだ。
一棟の廃ビルが足元からすとんと落ちるように崩壊したのだ。
建物が老朽化した末路の現象と考えれば何ら不思議はない。

人々の関心はすぐに自分の日常へ。
そうしてようやく人は気付く。
異変に。

車に乗ろうとする人は気づいた。
駐車場に大量のタイヤと樹脂が散乱していることに。
連絡しようとした人は気づいた。
自らの端末が何も出来ないプラスチックの板と化したことに。


次々に人々は気付く。「金属」が無くなったことに。

エボルバー > 人々はおかしな現象に首をかしげる。

その頭上で。

黒い大きな影に緑色の目が灯りだす。

その形に先ほどまでの傷はもう見当たらない。

ご案内:「黒砂舞う違反組織群」からエボルバーさんが去りました。