2024/06/23 のログ
ご案内:「《常世フェイルド・スチューデント》のアジト」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > 昨日、落第街で手紙さんと共に《紅き地泳グ酸鮫》と戦い、その討滅に成功した。
その代償に右腕と右足を失うなどの重傷を負ってしまう。
とは言えそこは改造人間。元々機械化された腕や足であり、大打撃であっても再起不能というわけではない。
通常の人間が怪我が完治するよう治療すればいいというのと同じように、体内のメインコンピューターが無事なら失ったものは修理すればいいという理屈が成り立つ。
ラボにて、普段助手としても使っている《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》なども用いてイーリスの体は手術の真っ最中だ。

「今あの体は悲鳴を上げるような苦痛を伴っていまして、電脳世界に逃げてきました」

一方、この五体満足でぴんぴんしているイーリスは、不良集団のリーダーであるエメラルド田村が持つタブレットに映っている。
イーリスは体を改造する際、その自我の大部分を電子化した。つまり、体内のメインコンピューターさえ無事であれば、肉体を離れて電脳世界でも存在できる。

「さすがに苦痛の全てをシャットアウトできませんが、電脳世界だとだいぶマシです」

エメラルド田村 > 「……お前の体、損傷が大分酷いがちゃんと修復できるのか……?」

アジトのソファに座るエメラルド田村が心配げな表情で、タブレットに映っているイーリスにそんな問いを投げかける。

Dr.イーリス > 「修復の方はなんとか頑張ってみましょう。ただでさえ枯渇しそうな材料を多く使用する事になり、申し訳ございません」

修理するにも様々な材料を使用する。それらは、みんなで搔き集めたものだ。

エメラルド田村 > 「気にするな。お前が復活するためなら、足りなくなれば材料でも金でも集めてきてやる」

エメラルド田村は、ちらりとテレビ画面の方に視線を移した。

「例の怪人……藤井輝が捕まったらしいな。近い内に逮捕されるというお前のデータ予測は当たったわけか。藤井は元風紀委員らしいぜ。どうしてそんな奴が連続傷害事件なんかに手を染めてしまったんだろうな」

Dr.イーリス > 「さて、どうしてでしょうね。彼の肉体はあなたのように損傷して一部が機械化されていました。そこに何か理由があるかもしれませんね。ただの猟奇殺人鬼と強い覚悟を持って何かを成し遂げようとした人の目は違います」

エメラルド田村もまた色々あって、右脚と左腕を失ってイーリスにより機械化されていた。
電脳世界からニュース報道を見て、イーリスが注目したのは藤井さんの目だった。

エメラルド田村 > 「何にしても、このテンタクロウに関する事件は終わったという事か。いや、これからという人もいるかもしれねぇがな」

直接関わりのない一般市民の目線からすれば、事件は終わったと言えるのではないだろうか。ストリートチルドレンの不良が一般市民に入るかどうかは置いといて。
だが、事件に関わる者の中にはこれからという人もいるかもしれない。
なにはともあれ、昨日、落第街を泳ぐ危険な鮫は討滅され、世間を騒がせていた機界魔人がようやく逮捕されたのだ。

ご案内:「《常世フェイルド・スチューデント》のアジト」からDr.イーリスさんが去りました。