2024/06/25 のログ
ご案内:「違反部活群/焼け跡」に『流れ』さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/焼け跡」にサティヤさんが現れました。
『流れ』 >  

      金 蔓 。

 

『流れ』 > ―――概ね、そんなところであろうか。
違反組織群にて、件の怪異と接触したらしい人間の存在を知った。
曰く、ちょっとした悪い事も金次第で請け負ってくれるそうだ。
こいつは…使える。
しかもこいつは女と来た、これはますます好ましい。

面白い事に、なるじゃないか。

だから、案内させる。
深夜帯。

彼女が言う、怪異がいたらしい場所に。
そして全ての情報を流させよう。

無論―――本来の目的は伏せて、だ。

表向きは「怪異の退治とその手法の撮影」だが。
本来の目的は―――

『流れ』 >  

こいつを金で焚きつけていいように使うだけ使って
怪異に火をつけて大炎上させて面白いことしてやろう

 

サティヤ > 「お待たせ致しました。この度、案内を依頼をされた部長様で間違いないでしょうか?」

丁寧に軽くお辞儀。コミュニケーションを怠るような愚かな事はしない。

依頼主との集合地点。
指定された時間よりも早く来たはずだが、依頼主と思しき人物はすでにそこに居た。
伝達されたとおりの容姿。おそらく間違いないのだろうが、いまいち正体が掴めない。認識阻害を使っているのだろうか。

「ご依頼の内容は紅き屍骸の中でも”海月”と呼ばれる固体の出現地点への案内、で間違いなかったでしょうか?」

出来れば再度相対したい相手ではないが、戦闘の必要は無いと聞いている。
今回は一応対策用の装備も用意してきているし、以前ほどの怪我をすることはないだろう。

『流れ』 > 「うん、ありがとう。僕が部長だよ。あなたが…ええっと。」

彼女に晒す姿は、妙な渦みたいに見えるだろう。よく分からない正体だが、
よく分からないこと自体もよく分からないし、なんならそれに違和感もあんまり感じないかもしれない。
あらかじめ伝えていた姿とは「一目見て分かる渦」という事だけである。
クズみたいな邪心を抱いてはいるが…それを露見して今は得しないので、ひとまずご挨拶は愛想よく。

「そうそう。海月――つっても、大本はくたばっていると聞いている。だから、分体の退治ってわけだ。
 ああ、もちろん戦闘の必要はない。罠を仕掛けて残った雑魚を殺す。それを撮影するだけ。
 これを良さそうなところへばらまいて、回収してもらいたい。
 みんな面白い事を求めてるからさ。」

……正直、場所がわかれば良いんだ。
戦う気なんてさらっさらない。

まあ。今日持ってきた仕掛ける罠は…
ちょっと――楽しい火遊びのタネになりそうだけどな!

サティヤ > 「自分はサティヤと言います。ご自由にお呼びください」

奇妙な見た目に反して話の内容も話し方も良識の範疇。
それが本当かどうかは兎も角、何かしら目的は持っている事は分かった。

「左様でしたか。それではさっそく現場の方にご案内しようと思いますが、よろしいでしょうか」

罠を仕掛けて海月を掃討する。
罠の内容やその計画の是非については全く知らないが、個人的には悪くない計画だなと思う。
それよりも気になったのは、あの海月の本体が討伐されているという部分だ。
あり得ない話ではないが、討伐されたという話については初めて聞いた。
少々真偽の方が疑わしい…

分体を仕留めても、また大本から生み出されないだろうか。
そんな事を考えながら、案内を開始しようとするだろう。

『流れ』 > 「サティヤね。……うん、よろしく。」

ここは、事前に聞いてた名前と変わらんな。
妙な仮面をつけているが、名前を隠す気はないようだ。

「ああどうも、早速…頼むよ。」

退治なんてね。
本当は
全く
ちっとも
ぜーんぜん
する気ねえんだけどな。

むしろこれからすることはその逆。

持ってきた罠ってのは「即席火炎異能使用アイテム」合計100個。
そいつを詰め込みまくった箱。

これを怪異に与えたらどうなるだろうなあ……?

「このあたりは物騒だけど、俺達には向いてこないから安心して、ね。」

そういうわけで、共に歩む。
若干胡散臭い言葉だが…妙に敵意が向かないような気が、するかもしれない。

サティヤ > 「かしこまりました。それではあまり離れないようにお願い致します。」

誘導を開始する。
歩く速度は体格相応。部長からすれば少し遅いか丁度いいぐらいだろうか。
周囲への警戒は怠らないが…それ以上に気になってしまう事があった。

(人払いでも済ませているのでしょうか。)

部長の言葉。『俺達には向いてこない』。
どういう意味だろうか。下調べは済んでいる?それとも何かしらの方法で人払いしている?
それか、見えない場所に仲間が潜んでいるか…
一応確認しておこう。最悪の場合、罠にはめられている可能性もある。

「一つお尋ねしたいのですが、『向いてこない』とはどういう意味なのでしょうか?」

足を止める事無く尋ねた。

『流れ』 > 歩幅は合わせておこう。
辺りへの警戒をするのは、無理はない。
こういう場所は兎角治安が悪い。
ちょっと変わった能力でもなければ、隙を晒せばちょっと痛い目に遭う事も多い。

「ん?」
「ああ。その事ね。いや、大したことはないんだ。敵意が"流れてこない"ようにしているってだけ。」

いらん心配を招いているようだから、こともなげに答えておこう。

「ほら、色んな能力があるだろ。俺の能力はちょっと変わっててさ。"敵対されないようにする"異能を持ってるんだ。
だから罠をしかけて殲滅するにもうってつけってわけ。場所だけ知りたくてね。」

そういうわけで、自分の異能についてもお話しておこう。
それはもう、流れるように。

まぁ。

『流れ』 > 嘘なんだけどね。
サティヤ > 「そうでしたか。いい能力をお持ちですね」

真偽の判断はつかないが、何か起きない限り似た力を持っているのではないだろうかと推察。
認識をずらす能力は枚挙に暇がないほどある。それの一つを持っているなんて話はそれほど可笑しな話ではない。
…それに、見た目に絡めて考えるのは短絡的で愚かだが、渦のような見た目にもつながるだろう。
能力はその人間を表すアイデンティティの一つだ。意識している者は多い。

「自分はそのような力を持っていないので少し羨ましく思います。」

なんて適当な事を言っておく。
能力は持っていない。体質が特異なだけだ。

閑話休題。

「到着までしばらくかかりますし、先に具体的な順序について伺っておいてもよいでしょうか?」

部長の話が本当なら、それぐらいの話なら出来るだろう。

『流れ』 > 「どうも。おかげで便利なんだ。特に…こういった場所では。」

嘘って言っても。全部が全部嘘ってわけじゃない。
それを示すように…例えばあっちで隠れてる盗賊まがいのヤツなんかが飛び掛かってくることもないし
狂犬のような怪異が噛みつきに来ることもない。
……ちょっとした敵意の流れを程よく流しているのだ。

「ああ。手順についてお話しよう。
 まずは、居場所のあたりをつける。ずいぶん数を減らしたようだから、そのものを見つけなくていい。
 最初に湧いたらしい場所に行って、そこに罠をしかける。」

罠、と言ってみせるのは、炎の異能力を固めた小さな固形の粒が山ほど入ったもの。

…どうせ、見たところでコレが何だか分からんだろうさ。
いや。…わざと目的をばらしても面白いかもしれん。
俺の本来の目的は"面白い事"であって"怪異の強化"は手段に過ぎないのだから。

「そして、こいつだ。」

次に見せるのは異邦人街で買いあさってきた撮影機器。
水晶玉みたいな見た目だ。小型のもので兎に角壊れにくいやつだ。
こいつをありったけばらまいて、仕掛けて。撮影する。

「これで怪異が自滅する貴重なシーンを撮影して動画にする。
 金に、話題になるだろうね。……本当はデカいやつを潰したかったが。」

サティヤ > 「何かの粒ですか?」

罠と言い差し出された袋。どうにも小さな粒のような物が沢山入っているように見える。
魔法や異能の類を封じ込めた品の類だろうか。
この辺りでも時折見かける部類の品…それほど珍しい物ではない。
そして何より、この程度のサイズではそれほどの効果は見込めないのではないだろうか…

あくまでも推測の域こそ出ないが、少々不安とも不信感とも言えぬ感情が募る。

「もし宜しければどのようなものか、見せていただく事は出来ますか?」

先に確認しておこう。

『流れ』 > 「……思ったより、頭が良いね。この街で生きていくには、必要な程度には頭が良い。
 異邦人街で売ってたアイテムなんだ。これ。」

なるほど、これは良い質問だ。
ストレートに賞賛しながら、おひとつ取って手渡そう。
真っ赤な飴玉のような小粒。

「…どうぞ。」

……こいつは本当は、罠なんて凄いもんじゃない。
使用者に"負担を与えて炎の異能を10時間だけ使えるようにする"アイテムなんだ。
誰でも使える異能。
汎用量産型異能。名前くらいは聞いたことがあるだろうか。

「こいつは、5つ以上同時に使うと使用者に極めて大きな負荷がかかる。
 …これをぜーんぶ、一気に怪異に食わせてみようってわけだ。」

ああ、確かにこれで怪異は死ぬだろうさ。

莫大な火炎を異能で撒き散らした後に、だがな!…それに気づかぬ程、間抜けなわけもないだろう。
故に、
本来の目的も露見するかもしれない。

サティヤ > 「…」

仮面の下の表情が険しくなる。
汎用量産型異能。話には聞いた事がある。
異能を一時的に付与するマジックアイテムの類。

諸々あって使うのは避けているし、それほど都合のいい物ではないという。
部長の話も概ねその通り、相違ない。

それに…これを一気に怪異に食わせる。
確かに、怪異は死ぬだろうが…

これは…

「怪異退治にしては随分と不安定な手段を使うのですね。
仰る方法だと、周辺への被害も大きくなると思いますが…そこまで考えておられるのでしょうか」

失礼ともとれる質問だが、この返答で考えが分かる。
そういう魂胆だ。

『流れ』 > 認識は正しい。
ぽんぽんと無条件に異能を使えるものではない。
相応の負担をぶつけられる。だから、敢えて使うやつは今は殆どいないのだとか。

「……ああ。もちろん、考えているよ。安心してね。」

そうとも。
"そこまで考えてる"んだよ。
"わざとこの手段を選んだ"んだよ。
"被害が大きくなるから"そうしたんだよ。

表向き、必要以上の言葉は、不要。

ここから先、言葉で殴り合うなら……あえて、突っ込んできてもらおうか!

サティヤ > 「自分は依頼を受けた身ですので部長様の行動に対し意見する権利は有しておりません」

これは前置き。依頼を反故にするつもりはないという意思表示。
これからが本題だ。

「…話を聞いた限りにはなりますが、怪異の掃討以外の目的がおありなのではないでしょうか」

例えば…

「怪異を暴走させる事が目的…だったりはしませんか?」

歩みは止めない。
怪異とは、予想のつかないものだ。
こんなもの(汎用量産型異能)あんなもの(怪異)に大量に食わせて何も起きない筈がない。
程度に差があれど、その程度想像に難くない筈だ。

『流れ』 > 「……カッカッカ……ああ、バレたか?」

うん、いいね。
面白く、なってきた。
あくまでも依頼を守るつもりでありながら、
中に踏み込もうってわけだ。
じゃあ、開き直ろうか。

「そうだ。」

「怪異にありったけの火炎の異能をぶち込んで、それを撮影する。」
「他の誰がこんな動画を撮れるよ?」
「刺激的な動画が取れるだろうぜ、楽しいだろう?」

「1つ1つはショボいが、100集まれば大炎上。
 怪異であろうが異能は使える。……そういうことだ。」

渦のような見た目だが、それは明らかに笑っている。

サティヤ > 「…」

本性を表した。そう表現するのが妥当だろうか。
先ほどまでとは明らかに異なる軸から放たれる言葉。
怪異を炎上させた動画を撮影しインターネット上での炎上を狙っているとでもいうのか。

「咎めるような事は致しませんが…随分と愚かな事をされますね」

なんて、呆れの混じった声で。
何が愚かって、全部だ。
計画の内容、動機、手段、想定される結果。
感想にはなるが…笑っている場合ではないだろうに。
小さくため息を溢した。

『流れ』 > 「……依頼に従順なのは、良い事だ。お前が依頼通りに働いてくれるといううえで言おう。」

そう、あくまでもこれは依頼。
故にそれが反故にされる事はない。
咎められることもない。

「愚か?」

「……それは間違えているよ、サティヤ」
「真に愚かなものを見ていない」
「衆愚を煽り流れを作られるやつらが愚かなのさ」
「俺はねぇ…それを楽しみ、金を稼ぐのが目当てなんだ」
「最高に楽しい、火遊びだよ。」

面白い、だろう?
怪異にも
世論にも
火をつけて大炎上させるんだぜ。

サティヤ > 「いえ、愚かに真も何もありません。その考えが愚かだと言わざるを得ないかと」

愚かなものは総て愚か。
程度の差こそあるが、真に愚かである事から逃れる事は出来ない。

「煽られる者が愚かであるとお思いかもしれません。
ですが、それを煽る事で楽しむ事がまず愚かです」

根本的な食い違い。
価値観の相違ともいうかもしれない。

「人々を必要以上に見下している部長様の行動は愚かです。
いずれ立ち行かなくなるでしょうし、得られる金銭にしてもたかが知れています。
自分としては早急に方針の変更をおすすめいたします」

なんて、上からともとれる物言い。
だが、そういった雰囲気は一切感じ取れないだろう。
本心故の忠告、警告だ。

『流れ』 > 「お前には……分からんようだな。」

忠言は耳に逆らう、とは言うが。
こうして言われると妙に腹立たしく感じてしまう。

「衆愚が煽られて、波にさらわれる水のように蠢く様」
「恐怖に」
「騒動に」
「未知に」
「あれこれと言葉の流れを生み出す様」

「それが、どれ程面白おかしい事か。」

「―――燃え上がる怪異。」
「振りまかれる災厄が人の手により生み出され」
「それが動画として触れて回ればどれほどの波が起ころうか?」

「お前はそれを否定するのか?」

「この"エンターテインメント"を否定するのか?」
「人々は愚かだ―――。」

「故に刺激を」

「恐怖を」
「騒動を」
「未知を」

「つまり、"楽しい事"を」

「常に求めている。」

渦が巻く。正体不明の存在がそちらを明らかに意識している。

「…お前は、ドキドキしないのか?してはいけない事に手を触れ、誰も知らぬモノを手に入れる行為に。」